結核対策の資金不足 - ストップ結核パートナーシップ日本

ストップ結核パートナーシップが目指す「結核のない世界」を実現するためには、今後 10 年の間に$561 億ドル
を結核対策に投じる必要があります。この数値は「結核をなくすためのグローバル・プラン 2006-2015」におい
て推算された金額です。これまで各国政府、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(通称・世界基金)および
その他ドナー機関が提供してきた資金の流れから推測すると、全ドナーが今後 10 年間に新たに提供する資金は
253 億ドルと考えられます。これは必要とされる 561 億ドルの約半分にもならないため(45%)、310 億ドル分
の資金不足が生じてしまいます。
資金不足の予測を地域別で見てみると、アフリカが最も大きな資金不足に直面することがわかります。
表 1
実際に必要とな
る金額
資金不足分
107 億ド
アフリカ
194 億ドル
ラテンアメリカ
18 億ドル
5億ドル
東地中海
30 億ドル
22 億ドル
東ヨーロッパ
91 億ドル
43 億ドル
東南アジア
62 億ドル
34 億ドル
西太平洋
47 億ドル
14 億ドル
ル
*表 1、グラフ 1 の統計はストップ結核パートナーシップ
グローバルプランのデータを参考に作成された。
また対策分野別では、治療・意識喚起、新技術開発ともに大規模な資金不足が予測されています。
表 2
実際に必要となる
金額
治療・意識喚起
資金不足分
472 億ドル
247 億ドル
90 億ドル
61 億ドル
DOTS 拡大
結核・HIV/AIDS 合併症
多剤耐性結核(MDR-TB)
アドボカシー・コミュニケ
ーション・社会動員(ACSM)
新技術開発
新治療薬の開発
新ワクチンの開発
新診断法の開発
*表 2、グラフ 2 の統計はストップ結核パートナーシップ
グローバルプランのデータを参考に作成された。URL:
http://www.stoptb.org/global/plan/main/default.asp
結核対策を推進する上での資金不足は、単なる経済的な問題として捉えることはできません。資金不足が大き
くなればなるほど、結核治療を受けられる者と受けられない者、命が助かる者と命を落とす者との不平等が拡
大することになるのです。「結核のない世界」を実現するために、世界はこれまで以上に結核対策に資金を投
じなければなりません。 (より詳しいデータ・情報は http://www.stoptb.org/global/plan/へ)