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第52号 1994年 8月 25日
ウイメ ンズ
ブ ック ス
ウイメンズ
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ブックス 管
VVomenls Books
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8月 25日 発行
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・ウイメンズブ ック友の会会報
ウイメンズブ ックス トア
発行所 有 限会社 松 香 堂 書 店
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ウイ メ ンズブ ック最 新刊
[女 性 問題 とは ?]
『 赤 ち ゃんを産 む とい う こと 一社会学 か らの こころみ』
船橋恵子著 日本放送 出版協会 1994年 4月 830円
子産 み を社会学 的 に読 み解 く書。著者 は出産方法 の 多
様化 と管理化 の現状 を分析。 日本 が豊 か な「産 み育 て
る社 会」 にな るため に は、多様化 す る家族 を認 め、 家
族 を支 え る仕組 みを「世帯単位」 か ら「個人 単 位」 ヘ
変 え る必 要 が あ る ことを説 く。
『 神 々の フ ェミニ ズム』
生駒孝彰著 荒地 出版社 1994年 5月 2200円
教会誕生 か ら現代 に至 るキ リス ト教 の歴 史 を探究す る
と、平等 を説 き、欧米文 化 の核 とな るキ リス ト教 にお
いて も、女性 の地位 は低 く、差別 が公 然 とな されて き
た ことが 浮 かび上 が る。 1970年 代 の女性解放運動 によっ
て キ リス ト教界 の変革 が ど こまで成 され たのか、 キ リ
ス ト教 の歴 史 とと もに、現代 アメ リカ宗教界 の フ ェ ミ
ニ ズムを追求 して い く。
『 知 って いますか ? 女性差 別一 問一答 』
新 しい女 と男 を考え る会編 解放 出版社
1994年 5月
1030円
女性差 別 を指摘 す る言葉 はた くさん作 られ た。 だ け ど
女 性差別 に対 して、本 当 に怒 って いる女 性 は どれ だ け
い るのだ ろ う。本書 に取 り上 げ られた21の 一問一間が、
怒 りの最 初 の一 歩 とな る ことを
!
『女性 と政治 ―進 出へ の実践 と方法』
(財 )市 川房枝記念会編 。発行 1994年 3月 1000円
「市 川房枝生誕 100年 記念」国際 シ ンポ ジ ウ ム を冊 子
化 した もの。 ミネ ソタ大 学教授 バ ーバ ラ 。ネル ソンの
基調講演、 イギ リス、韓国、 日本 か らの報告 、 討 議 な
どを収録。女性 自身 が政治 に参加 し、世界 を変革 す る
力 を持 つ道 を模索 して いる。
『 女性 と戦争』
ジー ン・ ベ スキー・ エル シュテイ ン著
小林 史子 廣川紀子訳
法政大学 出版局 1994年 4月 4429円
本書 は「美 しき魂 」 と「正 義 の戦士」 とい う女 と男 の
二 項対立 へ の疑 問 か ら出発す る。その論証 は、ギ リシ ャ
神話 か ら映画 の シー ンにまで及 ぶ 幅広 さだ。著者 の い
う「鍛 え られ た愛 国者」 とい う選択肢 を読者 が 受 け入
れ るか否 か。 それ は読 者 の決断 だ。
『 女性 を捏造 した 男 たち
― ヴ ィク トリア時代 の性差 の科学』
シ ンシア・ イ ー グル・ ラセ ッ ト著 上野直子訳
工 作舎 1994年 5月 3296円
ヴ ィク トリア時代 (1837∼ 1901)の 科学 者や知識人 は、
解剖学、生理学 、進化論 的生物学、心 理 学、 社 会 学 な
どの当時最新 の学 問 を駆使 して、女性 が 男性 よ り劣 っ
て い ることを、必 死 にな って証 明 しよ うと した。 そ う
してで きた「性 差 の科学」を豊富 な事例 と共 に系 統 立
てて分析 し、そ の背景 を明 らか に して い く。
『 性別秩序 の世 界』
細谷 実 著 マル ジュ社 1994年 3月 2500円
パ ン もパ ンツ もまか なえ る人 が、一 人前。一人 前 に生
きるのを阻 む システムが性別秩序 の世界。力 まず 、 わ
か りやす く、 そ の解体 を呼 びか け る。男性 が書 い た女
性学講座。
ウイメ ンズ
『 肉食 とい う性の政治学
― フェ ミニ ズ ム_ベ ジタ リア ニ ズム批評』
キ ャロル・ 」
・ ア ダムズ著 鶴 田 静訳
新 宿書房 1994年 5月 4400円
肉 を獲得 し、富 を支配 して い るの は男性。女 は男 に 所
有 され、肉体的 に も精神 的 に も食 べ られて しま う、 肉
ス・ ス タデ ィ した女 性 論 。 性 に よ る生 活 領 域 の 分 離
=女 性 の専業主婦化 を跡 づ ける。 カ ー テ ン、 清 潔 さ、
磨 かれ た家具 、 レースな ど、家庭 を支配 す る女性たち、
そ して生 殖 の役割。工 業化 の段階 で女 性 が家庭 に封 じ
込 め られて い くプ ロセ スが、20世 紀 の今 も共通 して い
るのが 興味深 い。
食文化 の餌食 であると著者 はい う。そ の視点 か ら文学、
言語 な どの表現 を分析 し、女性 が 自 らの身体 を取 り戻
す ための言語化 を試 み る書 。
『 ほん と うの 自分を求 めて 一 自尊心 と愛 の革 命』
グ ロ リア・ ス タイネ ム著 道 下匡子訳
中央 公論社 1994年 4月 2800円
女 た ちの 自立 を阻む壁 は、不平等 な社会 にだ けあ る の
で はな く、女 たちの内面世 界 に も存在 す るので は ?
と著 者 はい う。女性一人 ひ と りが 自 らを “
私 ひ と りに
して尊 い"と 思 う自尊心 を得 て こそ、初 めて ほん と う
の意 味 で の変革 が は じま る のだか ら。
『 パ ック ラ ッ シュ T」 襲 され る女 た ち』
ズーザ ン・ フ ァル ー デ ィ著
伊藤 由紀子 加藤 真樹子訳
新潮社 1994年 4月 2000円
フェ ミニ ズムヘ の「バ ック ラ ッシュJと は、 男 社 会 か
らの反撃・ 逆襲 の こと。本書 は80年 代 アメ リカ の 男 性
社会 が 、 いか に “フェ ミテ ズム こそ女 の敵 だ"と 宣 伝
し、巻 き返 しをはか ったか を分析 。情報 が いか に 男 性
社会優位 に操作 されて いるか を 明確 に批判 して い る。
残念 なの は 日本語版が全訳 で はない こと。 これ も一 つ
の「 バ ック ラ ッシュJな のか ?
『 ボ ー ヴ ォワールは語 る』
A・ シュ ヴ ァル ッ ァー著
福 井美津子訳
平 凡社 1994年 5月 800円
本書 は『 第 二 の性 その後 ―ボー プォヮール対 談 集 1972
∼82』 と して青 山館 か ら発 行 されて いた もの。 イ ン タ
ビュー形 式 で構成 され、老 い や性、そ して 際 二 の性』、
サル トル との関係 につ いて 語 って い る。
「 マネー &マ リッジ
ー シ リーズ 〈女 。あす に生 きる〉③』
ジ ャ ン・ パ ール著 室住真麻子 木 村清美他訳
ミネル ヴ ァ書房 1994年 7月 2800円
イギ リスにお ける結婚 と「 お金」の関係。 ダ ブル イ ン
カ ムの 中 の夫 と妻 の所得 =貨 幣 が相互 の 力関係 を どの
よ うに左 右 す るか、 また妻 の所得 と家計比 の関係 につ
いて、個 人単位 で分析 す る書。
『 有閑 階級 の女性 たち』
ボ ニ ー・ G・ ス ミス著 井上莞裕 飯泉千種訳
法政大学 出版局 1994年 5月 3605円
19世 紀 フ ラ ンス北部、 ノール県 のブルジ ョア女性をケー
第52号 1994年 8月 25日
ブ ックス
[働
く]
『 欧米 キ ャ リア女性が見 た 日本人のセ クハ ラ』
ク リス タ リン・ プラネン トレー シー・ ワイ レン著
安次嶺佳子訳 草思社 1994年 3月 1600円
本書 には欧米 キ ャ リア の女性 が、 日本企 業 との ビジ ネ
スでか い ま見 た男社会 の仕組 みが率 直 に語 られている。
彼女 たちが 考 えだ した ビジネスを成 功 させ る知 恵 は 、
その まま 日本人 のセ ク シュアル・ ハ ラス メ ン トヘ の 対
処 法 なのだ。 で もそれ はあ くまで もキ ャ リアに と って
の知恵。OLに は真似 は出来 ない。
『 女 た ちの戦後 労働運動史』
鈴木裕子著 未来社 1994年 5月 1957円
「男社 会 」
戦後 いち早 く始 ま った女 た ちの労働運 動 は、
の労 働組 合 の 中 で押 しつぶ されてい く。 しか しそ の 中
で こつ こつ と道 を切 り拓 いて きた無名 の女 たちがいた。
労働権 の確立 を闘 った草 の根 の女性労働 者 の足跡 を記
録 した書 。
『 彼女 たちが成功 した理 由』
リー・ ガーデ ンシュ ワル ツ
ア ニ タ・ ロー著
有元美津世訳 WAVE出 版 1994年 7月 1900円
アメ リカ的 な本 だな と思 う。 アメ リカの 女性 にと って
成功 とは何 かを ス トレー トに ダイ レク トに語 り、 そ の
ノウハ ウを教 え る書。女 が女 の足 を引 っ張 ることな く、
決 して魂 を売 らず、可能性 へ のチ ャ レンジをあ き らめ
ず、彼女 た ちの夢 を実現 させ る条件 とは ? 誰 もが こ
ん なお、うにカー杯生 き られ た らいいのだ け ど。
「 元気 印女性社長 の小 さな会社 の作 り方』
集団 トプ ラ編 エール 出版社 1994年 7月 1300円
既成 の会社組織 を飛 び 出 して、小 さ いなが らも自分 の
会社 を経営 して いる女性 た ちへ のイ ン タ ビュー集。 女
性 が 小 さな会社 を作 って や って い くため の ヒン トも掲
載。起業 の仕方 や働 き方 の ヒン トを集 めて いる。
『 女子学生就職戦線異状 あ リ
ー岩波 ブ ック レッ トNo 344』
日本経済新 聞婦 人家庭部編
岩波書店 1994年 4月 400円
女性 と仕 事 の関係 には、先 が見えない ことが 多 い。 本
書 は大卒女子 学生 の就職 に スポ ッ トをあて、 きび しい
状況を取材。「焦 り」 と「不安」 をプラス志向に変える参
考資料を、第一線 で働 く記者 たちが レポー トしている。
第52号 1994年 8月 25日
ウイメ ンズ ブ ックス
『 セクハ ラ110番 』
三 井 マ リ子著 集英 社 1994年 4月 1400円
セ ク シュアル・ ハ ラスメ ン トを受 けた ことが ない女 性
は誰 一 人 いな いので はないか。 なの に、女性 へ の 人 権
侵害 は容易 に認 め られない。被 害 の実態、議会 で の 取
り組 み、被害 防止 の ノウハ ウな ど、著者 の活動 を わ か
りやす く記録 した書。
『 賃金 の男女差 別 是正 をめざ して
一岩 力
皮ブ ック レ ッ トNo 338』
中島通 子
中下裕子
野村美登著
岩波 書 店
1994年 3月
400円
女 が 自分 の力 で生 きること 一 この基本的人権 をか ち取
るために、 なお 裁判 とい うエ ネ ルギーを必要 とす る 時
代。男女 同一 価値 労働 同一 賃金 の 闘 いを求 めた野 村 美
登 さん と、彼女 を支えた女性弁護士の明快 な論理 の記録。
る不公平 さを指摘 。 ひ とつ の ライ フス タイ ルだ けが優
遇 され るので はな く、多様 で豊 かな生 き方 を選 べ る社
会 づ くりのため に も、税制 を変 え る時期 に来 て い る と
本書 は訴 え て い る。
『 わか りやす いパー トタイム労働法
―有斐閣 リブ レNo 30』
労働省婦人 局婦人労働課編 著
有斐閣
1994年 4月
773円
家計補助 と しての パ ー ト労働 が女性 の 自立 を阻 む壁 で
あ るとはいえ、 パ ー トタイマ ーが 日本経済 の 中 に 占 め
る率 は、今後 ます ます増大 す るだ ろ う。 パ ー トタイ ム
労働 法 が 施行 されて一年、事業主 との力 関係 に この 法
律 が ど こまで パ ー ト労働者 の 味方 にな りうるか、均等
法 の よ うにザ ル法 にな らな い ことを
!
[女 性論・ エ ッセ イ]
『 妻 たちが 書 いた転 勤 ノー ト』
(財 )経 済広報 セ ンター監 修
ライフ・ カルチ ャー・ セ ンター編 著
日経 BP出 版 セ ン ター 1994年 4月 1400円
辞令一 つで小 間切 れ の人生 を送 る転勤族。難題 を しの
ぎ、限 られ た選 択 の 中で暮 らす ノ ウハ ウが、本 書 に は
い つぱ い。 日本 株式会社 を支 えて しまう夫 と妻 。 これ
が サ ラ リーマ ンの現実 なのか な。
『 日本株式会社 の 女 たち』
竹信 三 恵 子 著 朝 日新 聞社 1994年 5月 1200円
日本 の会社 は、 お金儲 けのため に性差別を必要 と して
い る。総合職、 一 般職、専業主婦 と女性を分 断 す る構
図 を、 日本式経 営 とい う一本 の軸 で読 み解 く一 冊 。 多
様 な生 き方 を受 け入 れない税制 や年金制度 の不公平 さ
も含 めて、女性 を主語 に語 る視点 が うれ しい。
『 結婚 大作戦 ―戦場 よ り愛 を こめて』
清水 ちなみ著 電通 1993年 12月 1600円
結婚 にまつ わ るあれ これ を、働 く女性3000Alこ ア ンケー
ト。 お も しろ い の は 同 じテ ー マ で も「 未 婚 」 女 性 と
「既婚 」女性 で反応が違 うと ころ。 夢 と現 実 の 違 い と
い った と ころなのだ ろ うか。
『女性 に と っての職業』
ヴァー ジニア・ ウルフ著
出淵敬子 川本静子監訳
みす ず書房 1994年 7月 3296円
ウル フに と って ペ ンを とる とは、 自 らを語 る ことで あ
り、仕事 を す る ことで あ った 。 本 書 は そ ん な 著 者 の
「 もの を書 く女性」へ の深 い愛 着 を表 して い る エ ッセ
イを収集 、編纂 した もの。書 きたいことを持つ女 にとっ
て、言 葉 とは何 か、書 く ことで表現 した い世 界 とは何
か に こだわ り続 けた ウル フの姿が見 えて くる。
[法
『新版
律]
国際結 婚 ハ ン ドブ ック
ー外国人 と結婚 した ら…』
国際結婚 を考 え る会編
1994年 5月
明石書 店
1800円
日本人 と外国人 が 結婚す ると き、 日本国籍 を持 つ 者 と
持 たない者 に分 かれ る。現実 の生 活 が、 いか に 法 律 に
縛 られて い るか とい う事実 に 直面 す る。本書 は、 そ う
い う人 々へ の 強 い味方。細 か い情 報 が一杯 の一冊 。
『 配偶者控 除 なんか いらな い !?
―税制 を変 え る、働 き方 を変 え る』
全国婦人税 理士連盟編 日本 評 論社
1994年 6月
1648円
配偶者控除 の仕 組 みを、税理 士 が懇切丁寧 に説 明 。 会
社員 の夫 と、専 業主婦 の妻 の家事労働 のみが評価 され
『 ス ニー カーを洗 いなが ら』
落合意子著 毎 日新 聞社 1994年 6月 1400円
ち ょ っと疲 れ た時、 ち ょ っと悲 しい時、落合恵子 のエッ
セ イは、 とて もいい薬。素 直 な 自己肯定 と、 の びや か
な 自己主張。短 い文章 に、 さ りげな く反差別 の 視 点 を
入 れ て、 「私 たちのフェ ミニ ズム」は読者 に届 け られる。
『 出す ぎた杭 は打 たれな い
一 シ リーズ女 の決 断 6 福 島瑞穂対談集』
福 島瑞穂著 NTT出 版 1994年 3月 1300円
対談 のお 相手 は、内館牧 子、美輪 明宏、 田嶋 陽 子 、 内
田春 菊、 ピー ター・ バ ラカ ン、佐高信。共感 す る と こ
ろは大 き く頷 き、違 うと こ ろは違 うとい う。 自分 ら し
さを大切 に生 きて いるゲ ス トた ちの個性 が、 それ ぞ れ
に輝 いて 感 じられた。
ウイメ ンズ ブックス
「 21世 紀恋愛読 本』
蔦森 樹 著 学陽書房 1994年 3月 1400円
雑誌 に載 って いた恋愛相談 をまな板 にのせ、蔦森 流 に
ア レンジ。回答 へ の不満 と疑 間 を交 え つつ、著 者 が 回
答 者 に指名 され て いない恋愛相談 に、 あえて答 え を試
みて い る。そ の基 本 にあ るの は “あな たが望んで い る
ことは何 ?"と い う問 いか け。答 え は簡単 には見 つ か
らないか もしれ な い けれ ど、 自問 す る客観性 を大 切 に
とい うことか。
『 人 間みな平等 ―岩波 ブ ック レッ トNo 346』
住井 す ゑ著 岩波書店 1994年 5月 400円
90歳 を過 ぎてなお闊達 に書 き続 け る住 井 すゑ さん の 講
演録。 F橋 のな い川』第七部を刊行 し、 日下 第 八 部 を
執筆 す る エ ネル ギ ーの源泉 を語 る。
『 四十代、今の私 が いちばん好 き』
道浦母都 子 著 岩波書店 1994年 6月 1800円
短 歌 は歴史 の一 瞬、心 の一 瞬を正 直 に写 し取 り、 残 し
うる ことの可能 な文章 と著者 はい う。全共闘歌人 と言
われ た著者 も、四十代。「今が いちばん と言 いなが ら、
ど こか苦 い 日々を生 きて い るわた し」 とい う著 者 の 、
正 直 な思 いの断片 集。
[女 性 史・ 自伝
0評 伝 ]
『 オキー フ ーあ る アメ リカ神話 の誕生 』
ジェフ リー・ ホ グ リフ著
野 中邦 子 訳
平凡社 1994年 6月 3400円
1887年 に生 まれ、 ほぼ一 世紀 を生 きた ア メ リカの画家、
ジ ョー ジア・ ォキ ー フの伝記。 ステ ィー グ リッツ と の
両性具有 的関係、 60歳 年下 のハ ミル トンとの 出会 い な
ど、 オキ ー フの吃立 した スキ ャ ンダ ラスな長 い一 生 が
記 され る。願 わ くば、60年 代 アメ リカ の フェ ミニ ズ ム
に与 えた影響 が書 かれれば。女流画家、女性画 家 と混
在 す る翻訳 の表現 も気 になる。
『 オ トメの身体 ―女 の近代 とセ クシュア リテ ィ』
川村邦光著 紀 伊國屋書店 1994年 5月 1880円
本書 を読 んでい る と「 処女神話」 も「 身 体 感 覚 」 も、
歴史 的 に作 られ た ものなのだ と、改 めて実感 させ られ
る。 1920年 前後 の女 性雑誌 や月経帯 の歴 史 をひもとき、
近 代 とい う時代 が 女 の身体感覚 をいか に作 り上 げた か
を展 開 す る、興味深 い女性論。
第52号 1994年 8月 25日
ア 。オ ピ ッツ)と い う言 葉 に表 されて い るよ うに、 中
世 は男 の 幻想 が女 を支配 して いた。本書 が 対象 とす る
部分 は西 ヨー ロ ッパ の女 性 で あるが、 日 は世界 の女 性
史 に開 か れて い る。女性 の 視点 で書 かれ た『女 の歴史』
(全 5巻 10分 冊 。別巻 2)の 第 一 回配本。
『 女 の歴 史
別巻 1-女 の イ マー ジュ』
ジ ョル ジュ・ デ ュビィ編
藤原書店 1994年 4月 10000円
古代 か ら20世 紀 まで の「女 と男 の関係 の歴 史」 を、 図
像 を手 が か りに追 った力作。執筆者 は編者 の他 に、 ミッ
シェル・ ペ ローな ど 6人 。 男 たちが作 り上 げた女性 像
を歴史 的 に読 み解 くことは、女性 の イメー ジを女性 自
身 の もの とす るための第一 歩 なのだ と思 う。
『『 女 の歴 史』 への誘 い』
デ ュ ピ ィ+ペ ロー他著 杉 村和子他訳
藤 原書店 1994年 7月 1000円
アナ ール 派 の 著者 た ちが 刊 行 す る『 女 の 歴 史』全 巻
(96年 完結 予定 )の さわ りを集 め た予 告 編 。 女 と男 の
関係 とい う視点か ら女性 史 を解 き明かす、学問的試 み
が よ うや く始 ま った。女 性 史 を女が発言 力 を獲得 して
い くプ ロセ ス ととらえ、女 た ちの肉声 を伝 え、関係 と
い う視座 か ら切 り込 む ラデ ィカルな知 の 集大成 に、今
か ら、刊 行 の完結が待 たれ る。
『越 え られ なか った海峡』
加納 実紀代著 時事通 信社 1994年 2月 2000円
女 が空 を飛 ぶ のは逸脱 なのか。朝鮮人女性 飛行士 朴敬
元 は、戦 前 の 日本 と朝鮮 の はざまで、飛 ぶ ことへ の 自
立 と戦争 へ の伏線 を暗示 しつつ 墜落死 した。時代 背景
を的確 に と らえた視点 と、読 みやす い文体 が いい。 著
者 の 10年 に及 ぶ 資料収集 と、持続す る志 が 行 間 に込 め
られた力作。
『 出産 の社 会 史 ― まだ病 院 が なか った ころ』
ミレイユ・ ラジェ著 藤本佳子 佐 藤保子訳
勁 草書房 1994年 5月 5356円
17、 18世 紀 の南 フランスの 出産文化 につ いて 詳 述 され
て い る。
「 お産」を独 自の 文 化 と して と らえ た。 出産
に関す る基 本 的問題 を、古 い医学 や教 会 の 記 述 資料、
面接調査 な どを駆使 して検 証 している。お産の在 り方、
姿勢、薬 草 の用例、信心 、産婆 と外科医 のせ め ぎあい
な ど、今 日のお産 を考 え る上 で も、興味深 い。
『 女 の歴 史 Ⅱ―中世 1』
『 女 の歴史 Ⅱ―中世 2』
C・ クラピシュ =ズ ュベ ール著
G・ デュ ビ ィ
M・
ペ ロー監修
杉村和子 志賀亮一監訳
藤原書店 1994年 5月 各5000円
「 中世社会 は男性 の社 会、 よ り正確 に いえば、 男 性 に
よ って 強 くしる しづ け られた社会 で あ る」(ク ラウデ ィ
『 中世 の 非 人 と遊女』
網野善彦著 明石書店 1994年 6月 2300円
女 たちの中世 に光 をあて た著作集。 旅 す る庶 民 の女、
職能集団 と して の 遊 女 、 妻 か らの三 くだ り半 な ど、
「女 の世 間」 を生 きて きた女 性 た ち。 女 性 の 「聖性」
の希薄化 と と もに賤視 され て い くプ ロセ スが 、本書 か
ら見 えて くる。
ウイメ ンズ
第52号 1994年 8月 25日
『 ナ イテ ィンゲール ーその生涯 と思 想 Ⅱ』
エ ドワー ド
・ クック著 中村妙 子 友枝久美子訳
時空 出版 1994年 2月 3300円
ク リ ミア戦争 か ら帰 還 した後、ナ イテ ィ ンゲ ール が 執
筆 した『看護覚 え書』 は、近代看護学 確立 の書 だ った。
「 健康 人が病人 とな る前 に、看護 す る」 ことの重要性、
換 気、暖房、排水、 日光、清潔 につ いての 配 慮 、 衛 生
の原 則 を浸透 させ た意 味 は大 きい。
『 ナイ テ ィンゲ ール ー その生涯 と思想 Ⅲ』
エ ドワー ド
・ クック著 中村妙子 友枝久美子訳
時空 出版 1994年 6月 3300円
没 後 3年 目に書 かれ た 同時代人 の 見 た ナ イ テ ィ ンゲ ー
ル伝 の第 Ⅲ巻 。彼女 が大 改革 を実 現 しえ た 背 景 に は 、
男 た ち との友情 が あ った。長寿 を保 ち、厳 しく も優 し
い ナ イテ ィ ンゲ ール を綴 った、言葉 によ る肖像画。
『 母親 の社会史 ―中世 か ら現代 まで』
イヴォ ンヌ・ クニ ビレール カ トリーヌ 。フーケ著
中嶋公 子 宮本 由美他訳
筑摩書房 1994年 7月 4500円
母 親 の発見 はいつ なのか。 ア ンシ ャ ン レジームか らフ
ラ ンス革命期 の 10年 、 ナポ レオ ン時代 の フラ ンス は子
捨 てが増え、そ のた めの社会的受 け皿 も生 まれ た。 歴
史 の 中 に埋 もれ た母親 の社会史 を、文学 や医学、 風 俗
史 か ら分析 した労 作。珍 しい図版 が 数 多 く挿入 され て
い るの も、興味深 い。
『 丸 岡秀子 の贈 り物』
稲垣 信子 著 岩波書店 1994年 7月 1600円
丸 岡秀子 との出会 いで著者 は二 つ の ことを受 け取 った
とい う。一 つ はあ らゆ る差別 に挑 む姿勢。 もう一 つ は
10代 か ら目を離 す な とい う視点。本 書 は著者 が そ の 贈
り物 を播 かなけれ ば と、
書 き表 した一 冊。
『 黒 人の誇 り 。人 間 の誇 リーローザ・ パ ー クス自伝』
ローザ・ パ ー クス著 高橋朋子訳
サ イ マル出版会 1994年 5月 1600円
1955年 、 アメ リカで バ スの座席 を自人 に譲 る こ とを 拒
否 した ローザ・ パ ー クス。公民権運 動 の き っか けを起
こ した彼女 自身 の 自伝。静 かな語 り口で大 きな うね り
とな った歴史 的事 実 を物語 る。
ブ ック ス
に性 と愛 の あ りよ うを問 う。 自 らが ゲイで あ る視 点 か
ら世 の中を読 み解 き、 ラデ ィカル に、そ して しな や か
に 自他 の変革 を願 う書。
「 人間の生涯 と性 1-子 供 の性』
安 達倭雅子本 巻編 集 山本直英編集代表
大 月書店 1994年 4月 1500円
大人 たちが子 ど もの性 につ いて語 る書。体 が子 ど もか
ら大人 にな る過 程 を、
「性 器」「性交」中心 で は な い 視
点であ らわ して い る。
『 人 間 の生涯 と性 2-青 年 の性』
村瀬幸浩本巻編集 山本 直英編集代表
大 月書 店 1994年 5月 1500円
い くら「性 的 な 自立 と共生」 を うた い文 句 に して も、
書 き手 の性愛 に対 する貧 しさが見えて くるようでは困 っ
て しま う。「 同性愛」「 メデ ィア・ セ ックス」「不 倫 、
浮気」等 を、本書 は “トレンデ ィなテ ーマ"と して 取
り上 げて い るが、 あ くまで も観察 す る対象で しかない。
『 ほん とうに、 この ままで いいの ?
一セ ックス レス と夫婦 の関係』
橘 由子著 大 和書 房 1994年 1月 1300円
恋愛 と日常 は両 立 しない のが 当 た り前。恋愛 を し続 け
たいのな ら、す っき りと一 人 で生 きれば いい。著 者 が
い う「か き立 て られ た欲情 」 で夫婦 のセ ックス レス を
防 いだ って、 一 体、 その後 に何 が残 るとい うのだ ろ う。
[こ こ ろ・ 癒 し]
『 ア ンカ ップ リ ング ー親密 な関係 の 曲 が り角』
ダイア ン・ ボー ン著 関 智子 岩谷 誠他 訳
日生 研発行 1994年 3月 2000円
い
親密 な関係 が 壊 れて く時 の生活 や意識 の変化 を、 多
くの人 に面接 を行 い、調 査、分析 して いる。「 ア ンカ ッ
プ リング」が社 会 的、心理 的 な プ ロセ スであ る とい う
ことにまで言 及 して いる。 アメ リカで 1986年 に 出版 さ
れ ると、 テ レビ、 ラ ジオで 大 き く取 り上 げ られ た。
F思 春期病棟 の少 女 たち』
スザ ンナ・ ケイ セ ン著
吉 田利子訳
1994年 6月
[性・ セ クシュア リテ ィ]
『 ア ンチ・ ヘ テ ロセ ク シズム』
平野 広朗著 パ ン ドラ発 行
現代書館 発売
1994年 6月
2060円
ヘ テ ロセ クシズ ム とは「 ヘ テ ロ (異 性愛 )の 男 た ち の
欲望 を満 たす ためだ けにつ くられて きた男優位 の文化」
の こと。著者 は映画評 や書評 を ま じえなが ら、読 み 手
1600円
草思社
自我 に 目覚 め なが ら、未完成 で確立 していない思春期、
少年・ 少女 の人格 は外 か らの衝 撃 で ガ ラス細工 の よ う
に壊 れて い く。現在作家 と して活躍 中 の著者 も、 一 時
期、思春期病 棟 で過 ご した経験 を持 つ。本書 に は病 棟
で共 に暮 ら した患者仲 間 の少女 たちや、病院 の ス タ ッ
フたちが生 き生 きと描 かれて い る。
ウイメ ンズ
『ダ ンスセ ラ ピー』
ヘ レン・ レフコ著 川岸恵子他訳 平井 タカネ監修
創 元社 1994年 4月 1700円
ンスセ
ピー
ダ
ラ
とい
う言葉 は、 日本で は ま だ 耳 新
」
「
しいが 、米 国 で は心理 療法 の一 つ と して一般化 して い
る。 ダ ンスセ ラ ピー とは何 か、 どの よ うに治療 が 進 め
られて い くのか を、著者 が手 が けた症例を追 いなが ら、
わか りやす く解説 して い る。
『 沈黙 の壁 を打 ち砕 く』
ア リス・ ミラー著 山下 公子訳
新曜社 1994年 3月 1957円
子 ど も時代 、親 か らの抑圧 や暴 力 によ って心 に傷 を受
けなか った人 はいないので はな いか。 ミラーはそ の 事
実 を隠 ぺ いす る精神 分析 と訣別 し、「子 ど もを抑 圧 す
るのは大人 が悪 い」 と言 い切 った。 子 ど もに と って 、
親 は常 に権力者 なのだ。
F甦 える魂 ―性暴 力 の後遺症 を生 きぬいて』
穂積 純著 高文研 1994年 6月 2884円
は子
ど
に近 親者 か ら性 暴力 を受 けた一 人 の
も時代
本書
女性 が、 いか に 自 らの魂 を癒 して い ったかの記録 。 家
庭 内で の レイ プを「近親相姦 」「 い たず ら」 と表 現 し
て はばか らな い 日本 で、怒 りを吐 き出 し、 自己肯 定 に
至 る道 は険 しい。著者 は「語 る」 ことで 自 らの 傷 と 向
き合 い、回復 へ の道 をたど って い る。
[か
ら
だ]
『 女性 のか らだ とスポー ッ』
山 田ゆか り著 大月書店 1994年 4月 1500円
ー ツ ライ ター。 自 ら も大 の スポ ー ツ好 き。
はスポ
著者
その経験 を もとに、体 を大切 に スポー ツす る コ ツを一
冊 にま とめ た。月経 の仕組 み、 シュニ ズの選 び方 な ど
参考 にな る。
『47歳 の私 に起 こ った こと』
ゲ イル・ サ ン ド著
田辺希久 子訳
大和書房 1994年 6月 1900円
お しゃれな熟 女 ゲ イ ルの愉快 な メ ノポーズ (閉 経 )遍
歴。女友達 や夫 を巻 き込 み、積極 的 に対処する著者 は、
最後 に更年期 の新 しい女 へ の旅立 ちを始 める。 ア メ リ
カ と日本 の更年期治療 の違 いは あ るが、 とにか く楽 し
く読 め る個人 的体験談。
[家 族・ 子育て]
『 家族 の 条件 ―豊 か さの 中 の孤独』
春 日キ ス ヨ著 岩波書店 1994年 6月 1900円
著者 は不登校 児 や重 度障害者 の家族会、父子会 との 交
流 の中 で、多 くの人 たち と出会 った。 そ こで語 られ る
一 人 ひ と りの家族 の現実 を、社会 との関係 に照 ら して
第52号 1994年 8月 25日
ブ ック ス
感 じよ うとす る小論集。
・ フリー ー子 どもがいない女 の生 き方』
『 チ ャイ ル ド
スーザ ン・ S・ ラ ング著 海原純子訳
講談社 1998年 12月 2000円
子 ど もを産 む の もエ ゴ、産 まな いの もエ ゴ。同 じエ ゴ
なの に、産 まな い女 の エ ゴに風 当た りが強 いのは納 得
が いか な い。本書 はチ ャイル ド・ フ リー を選 んだ女 た
ちの アメ リカ事情。産 む 。産 まな いは ど こまで も個 人
の 自由 な選択 だ と語 る。
『 バ ツイ チの子供 たち ―娘 か ら親 へ』
TBSラ ジオ ミッ ドナイ ド★ パ ーテ ィー
月刊 ポ ップテ ィー ン編
飛鳥新社 1994年 5月 1000円
ジオ と雑誌『 ポ ップテ ィー ン』 で 同時 に始ま っ
た企 画「 バ ツイチの親 た ちへ」。そ こに は子 ど もた ち
TBSラ
の親 にいえ ない気持 ちを綴 った手紙 が 集 ま った。本 書
を編 集 した大人 はその子 らを「かすが い になれなか っ
た子 ど もた ち」 とい う。 しか し不幸 は離 婚 に あ るので
はな く、別れを受容 で きな い関係にあるので は ?
[フ
ェミニ ズム批評 ]
『「 赤毛 の ア ン」 の挑戦 』
横川寿美子著 宝 島社 1994年 3月 1600円
日本 で は今 も “
少女 た ち"の 間 で『赤毛 の ア ン』 の 人
い
気 は高 。 その秘密 は ど こにあるのか。著 者 は同 じモ
ンゴメ リーの作品 であ る『可愛 いエ ミリー』 と対比 さ
せ なが ら、『 赤毛 の ア ン』 を好 む “
少女 た ち"と は何
なのか
って
いる
者
、 その実像 を探
。
『 シ ェイ クス ピアの女 性像』
ジュ リエ ッ ト・ デ ュシンベ リー著
森 祐希子訳
紀伊 國屋書店 1994年 2月 5800円
シェイ クス ピアが活躍 して いた16∼ 17世 紀 、 イギ リス
で は ピュー リタニ ズムが 強 い影響力 を持 って いた。 著
者 は社会 との関連 の中 で作 品 を批評 す る ことこそ、批
評家 の仕事 と自認。 ピュー リタニ ズム との関係を軸 に、
シェイクス ピアの作品における女性像を読 み解 いている。
『『 智 恵子 抄 Jを 訪 ね る旅』
藤原牧子著 明石書店 1994年 6月 1880円
『 智恵 子抄』 とい う愛 の伝説 によ って有 名 にな った智
恵子。女 性 の視点 でその姿 に迫 ろ うとす る書 が増 え て
い る。著 者 は文字通 り、智恵子 の足跡 を追 って旅 を続
け、 その先 々で智恵子 を偲 び、真実 の姿 を探 し求 める。
『 妊 娠 小説』
斎 藤美奈子著 筑摩書房 1994年 6月 1800円
本書 は主 に望 まな い妊娠 を書 いた小説 を相 手 に、 日本
の妊 娠 小説 文化 をユ ーモ アた っぷ りに評 論 して い る。
ウイメ ンズ
第52号 1994年 8月 25日
産 み たい"と いいなが ら中絶 す る ヒ ロ イ ン と、 絶
「 “
対避妊 しない剛胆 な主人 公」 とい う様式 美 で 時代 の 期
待 に答 えて きた妊娠小説 とは何 か 。 森 欧 外 の『 舞姫』
か ら現代小説 に至 るまで、
「 妊 娠」 を キ ー ワー ドに小
説 の商 品価値 を読 み解 いた、面 白 くてた め にな る本。
『 フ ェ ミニ ズム と現代演 劇 ―英米女性劇 作家論』
池内靖子著 田畑書店 1994年 6月 1900円
フェ ミニ ズムと出会 った女性劇作家 の作品 が、少数 派
で はあ るが英 米 な どで上演 され るよ うに な って きた。
本書 で は、現代 イギ リス劇 作家 キ ャ リル・ チ ャーチル、
ア メ リカの ミーガ ン・ テ リーな どの作 品 を再現 し、 現
代演劇 で フェ ミニ ズ ム表現 が生 み出 されて い る ことを
紹 介。 フェ ミニ ズム劇 評 と して も読 み ごたえが ある。
『 樋 ロー葉 を読みなおす』
新・ フェ ミニ ズム批評 の会編
學藝書林
1994年 6月 2575円
今 日なお人気 の衰 え な い樋 ロー 葉 の人 と作 品 を読 み解
いた一 冊。明治 の半 ば 、近代 の夜明 けの 中 で、 女 の生
き難 さ と く
性差 の規範〉 を超 えた表現 を、一葉作 品 か
ら探 り出 して いる。
ブ ックス
『 美 しい雲の国』
松 本侑子著
『 物語 と反物語 の風景 一文学 と女性 の想像 力』
水 田宗子著 田畑書店 1993年 12月 2400円
著者 の一 貫 したテ ーマ は、性差 の文化 の 中 で、女 性 が
ど う思 考 し、 ど う書 いて きたか とい うこと。本書 はそ
の エ ッセ イをま とめた もの。一 般 の読者 に も興味深 い
もの もあ るが、横文字 単語 が頻 出 してかな り読み難 い。
日本語 で表現 で きる もの は、 な るべ くそ う して ほ しい
と思 う。
[小
『 ア ンネの 日記 完全版』
ア ンネ 。フランク著
1994年 4月
説]
深町員理子訳
1600円
文藝春秋
(文 庫版700円
)
従来 の『 ア ンネの 日記』 は、父 の判 断 によ って セ ック
スや母 親 へ の批判 な どは削 除 されて いた。 その箇 所 が
もとに戻 された本書 は、従来 の 日記 に くらべ 人間的 な
お、くらみを増 し生 々 し く描 かれて い る。人 種差別反 対
へ の教科書 に とどま らず、 “
人間 ら しく生 きる"と い
うことを改 めて考 え させ られ る。
小学 館
1993年 12月
1200円
主 人 公 は村上 美雲 ち ゃん。今 は童話作家の美雲が、10歳
の 夏休 み の思 い 出 (初 恋 )を 語 る、大人 のた め の 少 し
切 な い物語。随所 に散 りば め られた ネ コを モチー フに
した版画が ステキ。
『 フ ェアウ ェル・ ス ピーチ ー別 れのあ い さつ』
レイチ ェル・ マ カルバ イ ン著
冥王 まさ子 +グ ループEN訳
新水社 1994年 6月 2884円
日本 で は全 く知 られて いないが、 ニ ュー ジー ラ ン ドで
100年 前 (1893年 )世 界 で初 め て 女 性 が 参 政 権 を獲 得
した。 その主 力 とな って活動 した女性 た ち、特 に指 導
者 ケイ ト、 エ イ ダの実生活、活動 の仕方 な ど、 各 々 が
自分 を語 る形 式 で、見事 なノ ンフ ィク シ ョン・ ノ ベ ル
にな って いる。翻訳文 の うまさが光 って いる。
『 幻 の朱 い実
『 幻 の朱 い実
上』
下』
石井桃子著 岩波書店
(下 巻 )各 2500円
の
の
女 子大時代、村井 明子 憧 れ 上級生 だ った大津蕗子。
偶 然 の 出会 いか ら友情 が芽生 え、交流 が始 ま った。 時
代 は2・ 26事 件 か ら太平洋戦争 へ いた る激動 の時。 明 子
と蕗 子 はた くさん の ことを語 り、お互 いを支 えあ った。
「 自分 を大切 に生 きた い」 と願 った二 人 の女性 の 、 友
情 の物語。
1994年 2月
『 姫 た ちの伝説 ―古事 記 にひ らいた女心 』
中山千夏 著 築地書館 1994年 4月 1700円
古 事記 に登場 す る姫 た ち の姿 を著者流 に読 み とりなが
ら、 ス トー リーを解説。漢字 だ らけ の物語 か ら、 登場
人物 の生 き生 きと した様 を発掘 す る才能 は、著者 な ら
で は。本書 は古事記 に現 れ る77人 の姫 と、現 代 に生 き
る女性 へ の応援歌 なのだ。
大野隆 司版画
[メ
(上 巻 )3月
デ ィ ア]
『 汗 か き恥 か き記事 をか き ―「女 の ペ ー ジ増刊号」』
中国新 聞夕刊「女 の ペ ー ジ」取材 グループ著
中国新聞社 1994年 5月 1400円
の
の
中国新 聞夕刊 「女 ペー ジ」 は、 1984年 に ス タ ー ト
した。紙面 を作 って いるの は記 者 で はな く、一 般 か ら
選 ばれ た「 女 の ペ ー ジ・ リポ ー ターJ。 本書 は そ の 10
年 の活動 を振 り返 り、ま とめた もの。 リポ ー タ ー を経
験 して の感想 が 率 直 に語 られ、取材記事 を コンパ ク ト
に収録 して い る。
『 放送 ウー マ ンの 70年 』
日本女性放送者 懇談会編
講談社
1994年 6月
3500円
キ ャ リア女性 の最先端 を歩 いて きた放 送 ウー マ ンを、
現役 の放送 ウ ーマ ンが取材 した。聞 く人 と答 え る人 が
言 葉 のキ ャ ッチ ボールを繰 り返 す、力 の こもった イ ン
タ ビューだ。確 か な仕事 をす る女性 た ちが、過 去 も今
も続 いて い る ことを確認 させ る、おすす めの一 冊。
ウイメ ンズ
[男
性
学]
『 男 と女 一すれ違 う幻想』
梶谷雄 二 著 三元 社 1994年 7月 1800円
男 へ の 自己批判 を前提 に、 日常生活 につ いて男 か らの
「 お しゃべ り」を楽 しむ書 。男 と女 のす れ違 う幻 想 を、
た った一 人 で もいいか ら共 有 した い とい う。で もそ れ
が なぜ 夫 と妻 なのか。 も っと 自由 に向 き合 う、一 人 の
女 と一 人 の男 の関係 に言及 して ほ しい思 いが残 る。
『 女 と男 の未来形』
海老坂 武著 プロンズ新社 1994年 4月 1600円
読 ん で いて クス っと笑 わせ、 ニ ヤ リと納 得 させ る女 と
男 の甘 ロ エ ッセイ。 シ ングル ライ フを生 きる恋愛 至 上
主義 者 の女 を見 る目は、正 直で的確。そ して女 か らみ
られ る男 の覚悟 も、なか なか の もの と見 た。
ブ ック ス
第52号 1994年 8月 25日
普通 の人 た ちが普通 に生 き られ る「気持 ちの いい時 間
と空 間」 を確保 す るのが難 しくな った時代。 自分 ひ と
りで人 々 と共 に生 きる ことが 出来 れば、 どん なにか 気
持 ちの いい生活 にな るだ ろ うと思 う。 い ろん な人 た ち
の「 私 に とって の気持 ちの いい生活」 の イ ンタ ビュ ー
が面 白 い。
『 グル ー プホ ーム ケ アのすすめ
―い ま痴 呆性老人 は何 を求 めて い るか』
今井千弥子 真 田順子 山井和則編
朝 日カ ル チ ャーセ ンター 1994年 4月 2000円
痴呆性老人 につ いて は、福祉関係者 で も誤 った思 い こ
みで対処 して い る人 が多 いのが現状。本書 は老人 性 痴
呆症 に関 す る正確 な知 識 を教 えて くれ る。 そ して 日本
で も試 み始 め られ た グル ー プホ ーム ケアを紹 介。 ケ ア
の質 につ いて 考 え させ られ る。高齢者福祉 にたず さわ
る人必読 の書。
F父 親 の誕生 』
マーチ ン・ グ リー ンバ ー グ著 竹 内 徹訳
メデ ィカ出版 1994年 6月 2400円
が
に立
ち会 い、積 極 的 に育児 にかか わ る過 程
父親 分 娩
で獲 得 す る感情 を、「 のめ り込 み」 と著者 は い う。 母
と子 の「母子相互作用」 (こ れ を特別 いい もの とは思
わ な いが )に 比 べ、父 と子 の感情 が妨 げ られて きた こ
とは事 実。著者 自身の 目で書 いた、父親 のための育児書。
育]
[教
『 女 と男 の未来学 ―共学 家庭科 が暮 らしを変 え る』
熊本県家庭科 サ ー クル著 桑畑 美沙子編
農山漁村文 化協会 1994年 2月 1900円
熊本県 で の意欲的な男女 共学家庭科 の実践記録。環境、
女 と男 の 関係、性、家族 、老 い、食 べ物 な ど、 全 て に
人権 尊 重 の視点 を重視。人 間 が大切 に され る暮 ら しを
探 り、授 業 に取 り入れて、教育 の現場 で大 いに 成 果 を
上 げて い る。
「 ヒュー マ ン・ ライツ ー楽 しい活 動事例集』
グラハ ム・ パ イク デ ィヴィッ ド・ セル ビー著
平 岡 昌樹訳 中川 喜 代子監訳
明石書店 1993年 6月 2060円
学校 の授 業 で「人 権 とは何 か」を魅力的 で 楽 し く行 う
ための ガイ ドブ ック。小学 生 か ら高校生 までを対象 に、
27の 活 動 事例 を集 めて い る。子 ど もたち 自身 が 話 し合
い、体 で感 じられ る授業案 は、読 んで いて も楽 しい。
[高
齢
化]
『 気持 ちの いい生 活 ―外国人 老人 女 か らの提 案』
鶴見和子 小林和夫 水牛 ク ラブ編
晶文社 1994年 5月 1700円
[政 治・ 民族]
『 アイヌを生 きる文化 を継 ぐ
―母 キナ フチ と娘・ 京子 の物語』
小坂洋右著 林 直光写真
大村書店 1994年 4月 2060円
母 キナ フチの 口承 を語 り継 ぐ娘杉村京子 さんか らの 間
き取 りの書。所有欲 を持 たないアイヌ民族 の文化 と共
生 、 アイ ヌの誇 りに 目覚 めた後 の生 き方 の変化 を 、 マ
イ ノ リテ ィーヘ の共感 を込 めて書 いたルポル タージュ。
『 アラプの女 ― イ ラク女性 の素顔』
サ ナ 。エル・ カヤ ッ ト著
鳥居千代香訳
図書 出版社 1994年 7月 2575円
イ ラクの女性 た ちの体験、女性 の役割、結婚、妻 と夫
の 関係、出産、社会 の 中 の地位 などを多 くの イ ラ ク女
性 の イ ンタ ビュー も含 めて述 べ られて い る。 イ ラ クは
イス ラーム教 国 で あ り、男性支配 の制度、慣習 は根 強
い。 イ ラクでの「名誉 と恥 の概念」が、そ れ を よ く表
して い る とい う。
『 女性が語る第二世界の素顔 一環境 。開発 レポー ト』
アニー タ・ アナ ン ド著 WFS日 本事務局訳
明石書店 1994年 6月 3450円
の
の
あ
発展途上国
り まま の姿 を、その地 で活躍す る女
レポー
たちが
トした。環境 。開発問題を中心 に、
性 記者
ごとの
現状解説 も加 えて まとめ られて い る。 ア
各地域
フ リカ の国 々、南 ア ジア、 ラテ ン・ アメ リカな ど、 抱
え る問題 は複雑。開発援助 が女性 の生活 に与 え る影 響
な ど、貴重 な現地 か らの報告 である。
ウイ メ ンズ
第52号 1994年 8月 25日
『 ノー マネ ー、 ノー ハ ネ ー
ー ジ ャカ ル タの女露天 商 と売 春婦 たち』
ア リソ ン・ マ レー著 熊谷圭知 他訳
木犀 社 1994年 6月 2575円
イ ン ドネ シアの路地裏 の コ ミュ ニ テ ィは、女 た ち の ア
ナーキ ー な空 間。露天商 や売 春婦 を描 く著者 の視線 は、
取材者 の枠 を超 え、彼女 たちの 日常世界 を共感 を も っ
て写 し出す。 そ のために本書 は、博士論文 の翻 訳 とは
思 えな い ビビ ッ ドな読 み物 にな って いる。
『 美女 /悪 女 /聖 母 -20世 紀 ロ シアの社会史』
エ リザ ベ ス・ ウ ォー ターズ著 秋 山洋子訳
群 像社 1994年 6月 2575円
ロシア革命 直後 と、 ペ レス トロ イカの進 む ロシ ア の二
つの激動 の時代 を、女性学 と歴 史社会学 の視点 で 捉 え
た、新 しい ロ シア現代史。美人 コ ンテス トや売 春 、 お
産、育児 な どにつ いて克 明 に検証 して い る。女 性 とい
う角度 か ら、 ロシア社会 が 浮 き彫 りにされて興味深 い。
ブ ック ス
料]
[資
『 切 り抜 き情報誌 月刊 女性情報』
パ ド・ ウ ィメ ンズ 。オ フ ィス編、発行
教育 史料 出版会 1994年 各 2700円
た
ちの 1993年
1月 号 :特 集 女
2月 号 :特 集 国際家族年 と変容 す る家族
3月 号 :特 集 セ ク シュアル・ ハ ラスメ ン ト
4月 号 :特 集 '94年 春 女 たちそれぞれ の 出発
5月 号 :特 集 均等法 9年 目 働 く女性 の現状
6月
7月
号 :特 集 '94女 子学生就職動 向
号 :特 集 出生率 と人 口問題
『 女 性 学 Vol.2』
日本女性学会学 会誌編集委員会編
新水社 1994年 6月 2000円
ニ
ム
ズ
ミ
とフェ
松本千鶴子
高齢者福祉
の
の
井上治代
中国 女性文学『 女書』 紹介
ほか
『 向か い風 一 日韓 =異 文化 の 交差点 か ら』
呉 善花著 三 交社 1994年 1月 1280円
『 スカー トの風』 (正 ・ 続・ 新 )で 日韓 の 行 き違 い を
書 いた著者 に、韓国か らの 向 か い風 が吹 く。韓 国 の 変
わ らぬ男権 社会 の女性事情、 民 主 化 の 道 筋 、「 嫌 韓・
反 日」 の風潮 な どを率直 に書 く著者 の世代 が育 って き
た とい う感慨 を もつ。
『 女 性 問題図書総 目録 '94』
女性 問題 図書総 目録刊行会編 。発行
の
1987∼ 94年 に発表 され た 日本女性史 の研究文 献 を 目録
1994年 5月
300円
女性 問題 図書 を 15項 目 に分 け、約 2040点 を収 集 。 コ ン
パ ク トな参考書。
『 日本女性史研究文献 目録 Ⅲ 1987-1991』
女 性 史総 合研究会編
東京大学 出版会 1994年 5月 5665円
[そ
他]
化。詳 細 な解説付 き。
『 アメ リカの40代 ―希望 は実 現 されたか』
ロー レン・ ケ ス ラー著 亀井 よ し子訳
2900円
晶文社 1994年
60年 代 の ア メ リカで活躍 して いた人 たちは、今 何 を考
え、 ど う暮 ら して いるのか。 公 民 権 運 動 、 反 戦 活 動 、
そ して ウーマ ン リブ。著者 はそれ らの 出来事 の 渦 中 に
あ った人物40人 にイ ン タ ビュー。中 にはア ンジ ェ ラ・
デ ィ ビスや グ ロ リア・ ス タイ ネ ム も含 まれて い る。
『 日本女性史事典』
女性 史事典編 集委員会編
1月
『絵本 の歴 史 をつ くった20人 』
鳥越 信編 創 元社 1993年 6月 2300円
絵本 の魅 力 を古 典 に立 ち戻 って 発見す る書。児 童 文学
に付随 した もの と してで はな く、一 つの ジ ャ ンル と し
て独立 した絵 本論 を展開 して い る。
『 パ ソ コ ンは女 を変 え る』
藤 田聖子著 はま の 出版 1994年 5月 1700円
パ ソ コ ンを楽 しく使 い こなせ るよ うにな るため の入 門
書。順 を追 って要点 が バ ッチ リわか って便利。 創 造 的
にパ ソコンとつ きあ いたい人 のための入門書になっている。
新人物往来社 1994年 7月 8800円
日本 史上 にあ らわれ る女 性 たちの人 名 、 作 品、 服 装 、
事件 な どを、原始 か ら戦 後 に至 るまで集 めた便利 な事
典。
『 N!RA研 究報告書
一働 く女性 へ の支援 に関す る国際比較 :低 出生率国
日独伊 の比較 を通 して/研 究報 告編
『 同上 /資 料編』
総 合研究開発機構発行
全国官報 販売協 同組合発売
1994年 3月
各 2000円
この研究 は、女性 が「 仕事 か家庭 か」 とい う選 択 を迫
られ る ことな く、女 も男 も多様 な生 き方 を出来 る社 会
づ くりを 目指 して始 め られた。本書 はそれぞれ、 そ の
報告 書 と資料集。綿密 な調査 。研究 か ら導 き出 され た
政策 提言 には説得力 が あ る。
ウイメ ンズ
lllll
[雑
第52号 1994年 8月 25日
ブ ックス
『 作家以前 』
誌]
松本侑子著
『 季刊
女子教 育 もん だ い -1994春 59号 』
労 働教育 セ ンター 1994年 4月 910円
制服 を考 え る
特集
女 子高生制服今 昔 物語
今 なぜ制服 か
集 英社 1991年 10月 340円
星野安二郎
相川良子
ほか
女子教育 もんだ い -1994夏 60号 』
労 働教 育 セ ンター 1994年 7月 910円
特 集 「家族」 って なん だ !?
家族 と高齢者福祉
高見澤 たか 子
女性 と年金・ 税制
山崎久民
『季刊
ほか
『 思 想 の科学 1994 9 No.9』
思想 の科学社 1994年 9月 850円
特 集 :女 は宗教 にな にを求 めるか
女・ 言葉・ 宗教
富岡多恵 子
寺 が生 きてい る人 び ととつなが る糸
落合誓子
ほか
情況 出版 1994年 7月 1200円
『 情 況 七月号』
特 集 :差 別分断支配 の根源 ヘ
フェ ミニ ズム国 際 シ ンポジウム
公開 セ ミナー「 女性 の不払 い労働 と世界 システムJ
〔
報 告〕 マ リア・ ロー ザ・ ダラ・ コ ス ラ
クラウデ ィア・ フォン・ ヴ ェールホ フ
大沢真理 ほか
〔
司会〕上野千鶴子
『 日米 女性 ジ ャー ナ ル 第 16号 1994』
日米 女性 セ ンター 1994年 5月 2300円
セ クシュアル・ ハ ラスメ ン ト:ア メ リカ最 高裁新判例
」anel A. Ca1lon
日本 の フェ ミニ ズム文学批評 の「 現在」
北 田幸恵
ア メ リカにお ける レズ ビア ン批評 の流 れ
富 岡明美
ほか
『 ヒューマ ン・ セ ク シュア リテ ィ No 15』
東山書房 1994年 5月 1600円
特 集 :女 性 の性 的欲 求 と性行動
サ ブ特 集 :同 性愛 … め ぐる問題 と展望
日本 にお ける レズ ビア ンの歩 み
葉月 いなほ
日本 の ゲ イの歩 み
南 定 四郎
ほか
[文 庫 になった本]
『 冴子 の東京物語』
氷室冴子 著
『植物性恋 愛』
松本侑子著
集英社 1994年 3月 500円
『 女性解放 思想史』
水 田珠枝著
筑摩書 房 1994年 5月 1500円
『 ため息 つ かせて 上』
『 ため息 つ か せて 下』
テ リー・ マ ク ミラン著
松井 み どり訳
各 560円 新潮社
1993年 10月
『 津 田梅子』
大庭 み な子著
朝 日新 聞社 1993年 7月 490円
『妻 たちの思 秋期』
斎藤茂男著
講談社 1994年 5月 740円
『 フ ェミニ ズム 殺人事件』
筒井康隆著 集英社 1993年 2月 500円
『本 の中 の少 女 た ち』
津 島佑子著 中央 公論 社 1994年 5月 600円
『 ミッ ドナ イ ト・ コール』
上 野千 鶴子著 朝 日新 聞社 1993年 7月 420円
家族 問題 の 判例研 究
一一―女性 の視点 で読 む
9月 発 売 予定
定 価 4,035円
一
神 谷 治 美著
(本 体価格4,500円 )
最近12年 間の家族紛争事件重要判例をとりあげ、事実
関係、裁判所の判断、問題点 を女性の目で検証。法律
憲、ま族問題に関心のあるかたには必携の書。
琳資料日本ウーマン・リブ史
溝日明代・佐伯洋子・三木草子編
既刊 第 I碁 定優12,000R(本 体伍格11:650円 )
第Ⅱ碁 定輌11,000円 (本 体僣格10,380円
)
・リブ運動の記録 (ビ ラ、バン
1969年 から1985年 までのウーマン
ニ
フ、ミ コミ)と 解ヨ.女性問題、女性学の研究資lHと しても貴重。
ウイ メ ンズ・ ブ ック ス トア松 香堂
集英社 1990年 10月 360円
ウイメ ンズ ブ ックス
第52号 1994年 8月 25日
連載 第 49回
ミニ コ ミの 女 た ち
〈
新聞を通 して見えてくる男社会〉
月火水 の会
杉原 妙子
新 聞 は毎 日、社 会 の様 々な動 きを報 道 して い る。 国
内 外 の政治、経済、外交、スポーツ、科学、地域 のニ ュー
ス、芸能 な どあ らゆ る分野 の情報 を提供 して い る。
私 たちは、以 前『 新 聞 の社会面 に現 れた女 たち』で、
女 が いかに男社 会 に縛 られて身動 きで きず にいるか を
ジは、 あい も変 わ らず、男 の領分 を侵 さず男 を立 て て
に っこ り笑 う「女 らしい女」 の姿 だ った。
1985年 「国連女性 の 10年 」 ナイ ロ ビ世 界 会 議 が 開 か
れ、女性 の地 位 向上 は、75年 か らの10年 間 に ほん の わ
浮 か びあが らせ た。
今 回 の冊子『 新 聞 を通 して見 えて くる男社会』では、
第 一面 か らTV面
とが美化 され る。女 は この よ うに「人生」を奪 わ れ続
けて い るの に、新 聞 か ら見えて くる望 ま しい女 のイメー
に いた るまで「 女 の 視 点 」 で読 ん で
ま とめてみた。 そ こで 明 らか にな った ことは、紙 面 に
女 性 が登 場 しな い、登場す る場合 は固定的 イメー ジの
ずか の進歩 しか なか った ことが確 認 され た 。 そ こで 、
2000年 に向 けて の具体 的 な行動 の指針 が「 ナ イ ロ ビ戦
略Jと して示 され た。
この 中 に、 メデ ィアの果 たす役割 と責任 が書 か れ て
枠 内 であ り、広 告 で は、女性 の「 品位 を傷 つ け る」 性
いる。内容 は、女性 を固定観念 や役割 に閉 じ込 め る表
的 表 現が堂 々 と掲載 されてお り、全 紙面 を通 して 男 性
現 や、女性 の 品位 を傷 つ け るイメ ー ジや性 の対象 物 と
中心 が貫 かれて い るとい うことだ った。
外 国語 の ス ピーチ コ ンテス トや音 楽 コンクールなど、
にプ ラスにな る側面 を積極 的 に描写す る こと、全 て の
女 性 が男性以上 の能 力、資質 を持 って いる ことを証 明
広報活動 の 内容 の決定 に女 性 が男性 と同等 の発言権 を
して いる記事 は い くつ もあ った。 に もかかわ らず 、 女
持 つ べ きだ と して いる。 さて、 日本 の 新 聞 にお い て 、
は、幼児 の 頃 か ら性暴力 の対象 に され、 スポー ツで 優
女性 が どの よ うに描写 されて い るか、 この冊子 を読 ん
秀 で もプ ロで活 躍 す ることはほ とん どで きな い。 景 気
で見極 めて ほ しい。
の い い時 は「人手 不足対策」 と して 駆 り出 され るが 、
不 景 気 にな ると成績 に関係 な く企 業 は門戸 を閉 ざ す 。
職 場 ではセ ク シ ャル ハ ラスメ ン トにあ い、安 い給 料 は
美 容 だ流 行 だ と企 業 に巻 き上 げ られ、がんば って 働 き
続 けて い る女 に は男並 の昇進 す ら与 え られず、共働 き
の 女 は、夫 の昇進 とひ きかえ に退 職 させ られ、 そ の こ
して の描写 を規制 し、知 的活動 その他女性 の地位 向 上
『 新 聞 を通 して見 えて くる男社会』 は、定価 1300円 。
申込先 :〒 560豊 中市 岡上 の町3-3-24フ リー ク気付
TEL 06-855-3746 送料 一 冊310円
郵 便振替 :009801-56491 フ リー ク
※松 香堂 で も扱 って い ます。
お詫 び と訂 正
前号 (第 51号 )で の記載 に誤 りがありま した。 ここにお詫 び し、訂正 いた します。
4ペ ージ 『 スウェーデ ン女性史全 3巻 』 の値段 誤 :3090円 → 正 :各 3090円
15ペ ージ 誤 :「 マイマイ族第 26号 」→ 正 :「 マイマイ族第25号 」
営業 時間 が 変 わ りま した
・祝体 は
8月 より営業時間 を変更 しま した。午前 10時 か ら午後 6時 30分 まで営業 して います。 (土・ 日
変わ ってい ません)皆 様 の ご来店 および電話・ ファックス等 での ご注文 をお待 ち して います。
!
ウイ メ ンズ
ブ ック ス
第52号 1994年 8月 25日
第二 回
連載
差別 の「 再生産」 は しない
鈴木陽子
自分 がイヤな ことは次世代 に引 き継 がない、 と自戒するよ
うにな ったのは、 いつ頃か らだ ったのか…。私 が アメ リカ映
画『 ステラ』 を見 たのは1990年 の暮 れで、気忙 しい時 にそれ
で も見 な くて はと思 ったのは『 ステラ』 が日本 の “
母 もの"
エル
ゴール
の原型 であった ことと、 サ ミュ
・
ドウ ィンが1925
年 と35年 の二 度 も作品化 した原作 を、今回 ゴール ドウィン」r
が再映画化 した と知 ったか らだ。来 日した ゴール ドウィン」r
は、時代 が変 わ ったか ら「前作 ではステラは結婚 によって不
幸 な境遇 か ら逃 れ ようとするが、現代 のステラは自立 した生
き方をする」 と新聞 で語 っていた。
ステラは酒場 で バ ーテ ンダー として働 いてい る。 そこへ医
映画『 ステラ』 よ り
大 に通 うイ ンター ンの男 が熱心 に言 い寄 って くる。二人 とも身分 の違 いは意識 して い るが、 ステ ラは妊娠
する。だが、結婚を口に しなが らも男 が困 り果てて い るのを悟 ったステラは、 結婚 の夢を捨 て 、 自分 か ら
別れて しまう。 ところがステ ラが独力で育 て上 げた娘が恋人 に したのは、 か つ ての男 と同 じ上 流 階級 の若
者 だった。娘 の幸 せを願 ったステラは、 ある日、 一大決心を して、娘 を父親 であ る男 の元 へ 追 い 出 して し
まう。そ して、念願 の恋人 と結婚 した娘 のウェデ ィング姿 を、 ステラは窓 の外 か らそ っと眺 め 、 スキ ップ
しなが ら一人 去 って行 くのである。
私 は、実 に困惑 しなが ら映画館を出た。 これ は “
女 の 自立 "の 話 などではない。 ステラは、 愛 す る男 や
子 どものためな ら自分 を犠牲 に して もいいとい う、かつての “
母 もの"の 、 女 や母 の典型 その ものだ。 そ
の上、成人 したステラの娘 は、甘 ったれた “
"で
の
ある。
女 子
自分 の結婚 が母 の少 々品 のない振 る舞 いで
壊 されて しまったと自暴 自棄 になるだけで、母 の人生を思 いや る大人の分別 ももてな い。 娘 の父親 である
男 も、上流階級 といって も高 々医者 の卵 だったのだ。 ステラに魅かれたのは 自分 なのに、 あ き らめて去 る
ステラをそのままにする。
この映画 は、 家族関係 が希薄 になったいま、親子 の愛 を見直 そ うとする流れ の中で作 られたとい う。 とす
ると、 ゴール ドウ ィン」rは 、酒場 の女が医者 の男 には不釣 り合 いだと身を引 くことも、娘 はか わ いいだ け
で いい こと も、 男 の身勝手 さ は許 され ることも、 全部 肯定 した ま ま、父が執
着 したテ ーマ を 引 き継 いだ こ とにな る。 そ して 困 った ことに、 ス テ ラを演 じ
たベ ッ ト
・ ミ ドラー は、 ま こ とに魅 力的 に この役 を演 じ、強 い印象 を残 した
ので あ る。
「 女性 を描 いた作 品 は、 それ が 描 かれた時代 の女性観 を反映 して いますが、
それだ けでな く、 さ らにそ の 女 性 観 を正 しい もの と して 強化 再 生 します」。
これ は、
『 もうひ とつ の絵画 論 ― フ ェ ミニ ズ ム と芸術』 (若 桑 み ど り/萩 原
弘子著、松香堂、 1991年 2000円 )の 中 の萩原 弘子 さんの言 葉 だ が 、 絵 画 と
同 じよ うに映画 もまた、 その 時 代 の男性 が作 った価値基準を人 々に浸透 させ、
差 別 を再生産 して きた ことを思 わず にはい られ な い。
(フ
リー ライ ター)
ウイメ ンズ
第52号 1994年 8月 25日
==海
0
ブ ック ス
外 だ よ り ==
庫 ア フ グカ の 女 艦 た ち
楠
瀬
い ま、窓 の外 の雄 大 なテ ー プル マ ウ ンテ ンを見 あ げ
佳
子
実 に存在 して い るので す。 いずれ詳 しく紹介 した い と
なが ら、 この原稿 を書 いて います。私 は一年 間 の 在 外
思 い ます。
研究 の機会 を与 え られ て、世界 で最 も美 しい港町 と し
私 に と って女性学 の講座 を通 じて、高校教 師 で 詩 人
の メイ ビス・ スモ ールバ ー グに出会 えた ことが最 も嬉
て知 られ るケ ー プ タウ ンにいます。南 ア フ リカは最 も
しい ことで した。彼女 は、「 生 まれ て初 めて 女 性 学 の
醜 い人種差別 の歴史 の発祥 の地 で もあ ります。 自然 の
美 しさと人工的 に作 り出 され た ヨー ロ ッパ社 会が、 ア
講義 を受 けて、 とて も興奮 して い ます。女 が 置 か れ て
フ リカ入社会 を辺境 に押 しや り、表面 的 には見え な く
きた状況 が理論 的 に明 らか にな り、何 かを語 ると きに
して います。 アパ ル トヘ イ トが社会 の隅 々 まで機 能 し
自信 の よ うな ものが 生 まれ ま した」 と目を輝 かせ て い
た結 果 です。
ま した。彼女 は、 1985年 の非常事 態宣言 で 高 校 が 閉 鎖
この 4月 に史上初 の全人種参加 の選挙 が行 われ、 ネ
され、学生 た ちが闘争 に巻 き込 まれ て い った 頃 か ら、
ル ソ ン・ マ ンデ ラが大統領 に選 ばれ ま した。投票 日に
学生 を取 り巻 く状 況 や 自分 の経験 を、詩 に書 き留 め な
くて はいけない と意識 す るよ うにな った、 と私 に話 し
は、 さまざまな混乱 が あ りま したが、何 時 間 も待 って
投 票 をす ま した人 た ちの顔 は一様 に輝 い て い ま した。
老齢 の女性 が テ レビの イ ンタ ビュ ー に応 え て 、「私 た
て くれ ま した。 ケ ー プ タウ ン在住 の女性作家 た ち が 自
ち は何年 も何年 も待 ち続 けて きた のだか ら、投票 に 6
分 たちの作 品 を持 ち寄 り、 自由 に批評 しあ って、 お互
いに手法 や構成 を学 びあ った り、経験 を共有 で きた こ
時 間 や 8時 間待 った と して も、た い した ことはあ りま
とは大 きな励 み だ った ともいいま した。
せ ん」 とさわやか に語 った ときには、粘 り強 く闘 って
ケ ー プ タウ ンに は著名 な 出版社 が多 く存在 しますが、
きた人 の確信 に触 れ た よ うで、す ご く感 動 しま した。
す べ て 白人 資本 で 白人作家 の作 品 を多 く出版 して い る
私 が籍 を置 いて い るウ ェス タ ンケ ー プ大学 は、女 性
ので、彼女 たちの作 品 は政治集会 で 朗読 され る こ とは
学 を開設 し、来年 か ら大学 院 に も女性学 を設 置す る予
定 だ とい うことです。学 内 の性差別調査 委員 をつ とめ
あ って も、出版 され る ことはなか ったので す。 で す か
る 口 。ダ・ カ ダ リ (女 性学 )が 中心 とな って、 女 性 教
員 た ちが長年 闘 ってか ち取 った成果 だ ということです。
南 ア フ リカで私 が知 りたい ことの一 つが ア フ リカ人 女
性作家 の動 向 なので、 メイ ビス との 出会 いで、 や っ と
そ して、 この冬休 み に は初 めての試 み と して、女 性 学
その糸 口が つか め た よ うな気 が して います。
ら、私 は彼女 た ちの存在 を知 らなか ったので す。 今 回
の集 中講座 が一 般 に も公開 され ま した。他大学、 遠 く
い ま、南 ア フ リカ は大 き く変化 しよ うとして います。
ヨハ ネ スブル グか ら多数 の女性 が参加 し、活発 な議 論
女性 の国会議 員 が 議席 のおよそ30%を 占め、憲法 によっ
てゲイの人権 が保 障 され、第一 回 ゲ イ映画祭 が国 内 の
を交 わ しま した。文学 批評論、女性 と健 康、女 性 と開
発、女性 の権利 、女 性 とスポ ー ツ、 フ ェ ミニ ズ ム と歴
史 、家父長制、 セ ク シュア リテ ィ、 セ クハ ラ、 戦 略 と
して の フェ ミニ ズ ム等 の講座 が用意 されて いま した。
南 ア フ リカの女性 が依然 と して「 ア フ リカ人 として」
「 労 働者 と して」 三 重 の 抑 圧 と差 別 の
「 女性 と して」
犠牲 者 と して捉 え られ ることへ の異論 があることを知 っ
たの は、私 に と って 新 しい発見 で した。多民族・ 多 文
化社 会 の複雑 に入 り組 んだ状況 に対 して、部外者 に大
ざ っぱで安易 な解釈 を許 さない とい う気概 のよ うな も
のを感 じま した。南 ア フ リカ独 自の フェ ミニ ズ ムが確
数 か所 で 開催 され た り、中絶法 も合法化 され る見 通 し
が あ ります。 こう した変化 を しっか り身体 で 受 け とめ
たい と思 って い ます。水泳で体 力 を維持 しなが ら。
華 ガノ
鋪]
『 誉、 ぷ
ウイメ ンズ
第52号 1994年 8月 25日
ブ ックス
(松 香堂 で扱 って ミニ コ ミの最 新情報です)
「 れ組通 信 No 85-あ る初恋 (上 )/ほ か」
れ組 ス タ ジオ東京 1994年 5月 400円
「れ組通信 No 86-あ る初恋 (下 )/ほ か」
1994年 5月 400円
「れ組通 信 No 87-日 本 の レズ ビア ンの今 /ほ か 」
1994年 6月 400円
「婦人通信 8月 号 一生 と性 を紡 ぐ家族 へ/ほ か」
日本 婦人団体連合会 1994年 8月 300円
「 F ifty:Fifty Vo1 24-特 集 女 性 の 歴 史 を い ま、 生
きる力 に/ほ か」
Click 1994年 5月 550円
「婦人通信 No.264-キ ャ ンパ ス・ セ ク・ ハ ラを 考 え
るシ ンポ ジウム/ほ か」
社会主義婦 人会議 1994年 5月 400円
「婦 人通 信 No.265-日 の 丸・ 君 が 代 の 強 制 と闘 って
/ほ か」
ノ
1994年 6月 400円
「婦 人通信 No.266-買 売 春 と エ イズを考 え るワ ー ク・
シ ョップ」
1994年 7月 400円
「 プ ロ シューム5月 号 ―特集 夫改造講座 /ほ か」
大 阪 よどが わ市 民生協 1994年 5月 330円
ロ
シューム
プ
6月 号 ―特集 守 ろ う日本 の 米 !ま だ 間
「
に合 う自由化 ス トップ/ほ か 」
1994年 6月 330円
「 プ ロ シ ューム 7月 号 ―特 集 守 ろ う日本 の 米 !こ わ い
ガ ッ ト/ほ か 」
1994年 7月 330円
「 プ ロ シューム8月 号 ―特集 わが子 は五年生/ほ か」
1994年 8月 330円
「女 のための ク リニ ック ニ ュー ス No.109-『 ほ っ と し
て 自己解放 したわ』へ の お誘 い/ほ か」
ウ ィメ ンズセ ン ター大阪 1994年 5月 400円
「女 のため の ク リニ ック ニ ュー ス No.110-ヨ ー ロ ッ
パ の女性政策見 聞記 /ほ か」
1994年 6月 400円
「女 のための ク リニ ック ニ ュー スNo lll― 講演『 女 と
エイズ』 よ り/ほ か」
「 Women and Health in
1994年 7月 400円
」apan
No 13 Summer
1994- L00king tOwards CairO etc.」
ヽ
Vomen's Center Osaka ¥500
「月刊 むす ぶ No 281-特 集 原 発 が 私 た ち に もた ら
ロシナ ンテ社 1994年 5月 700円
した もの」
「月刊 むす ぶ No.282-特 集 食・ ステ ロ イ ド・ 暮 ら
し方」
1994年 6月 700円
「月刊 むす ぶ No 283-特 集 ゴ ミを 引 き受 け るの は
誰 か」
1994年 7月 700円
「月刊 むす ぶ No 284-特 集 関 西 発 障 害 者 の 働 く
場 。生 きる場 」
1994年 8月 700円
「 Voice第 51号 ―戸籍 の コ ンピュー ター化反対、取 り
組 み継続 中/ほ か」
住民票続柄裁判 交流会 1994年 5月 150円
「 Voice第 52号 ―炭鉱 町 の こど もの記憶 /ほ か 」
1994年 6月
150円
「 Voice第 53号 ―婚外子差別 の撤廃 を/ほ か」
1994年 7月 150円
「 あ ごら No 194-ど うな って るの永 田町 /ほ か」
BOC出 版部 1994年 4月 948円
「 あ ご らNo 195-家 族 ってなあに/ほ かJ
1994年 5月 948円
「行 動 す る女 No 83-国 際人 口開発会 議 カ イ ロ/北 京
に 向 けて行動 を/ほ か 」
行動 す る女 たちの会 1994年 4月 200円
「行 動 す る女 No 84-行 動 す る女 の会 の 存 在 意義 を 問
う//ほ か」
1994年 5月 200円
「行動 す る女 No.85-行 動 す る女 たち の 会 は生 き残 れ
るか ?//ほ か」
1994年 6月 200円
「行動する女 No 86-主 婦 タダのり、働 く女払 t毒 彰/ほ か」
1994年
「月刊 家族 No.99-特 集
フェ ミニ ズム」
7月
200円
女性 に勇気 を 与 え て くれ た
家族社 1994年 5月 300円
「月刊 家族 No 100-特 集 団塊世代 の家 族 づ くりとと
もに歩 ん で 100号 」
1994年 6月 300円
「月刊家族 No 101-特 集 読者か ら 。映 評『 月 はど っ
ちに 出て い る』をめ ぐ って」
1994年 7月 300円
「 We4月 号 ―特集 家族 へ の郷愁」
Weの 会 1994年 4月 600円
「 We5月 号 ―特集 AIDSと 性」 1994年 5月 600円
1994年 6月 600円
「 We6月 号 ―特集 男 は語 るJ
「 We7月 号 ―特集 産 む の は私」 1994年 7月 600円
「 シ ングル ズ 。ネ ッ トVo1 21-フ ェ ミ男 の正体/ほ か」
確信犯 ?シ ングルの会 1994年 4月 200円
「 シ ングル ズ 。ネ ッ トVo1 22-落 合恵 子 さんの “シ ン
グル論 "を 読 む/ほ か 」
1994年 6月 200円
「 パ ワーア ップ ニ ュー ス voL 10-夫 婦 で 語 り合 いた
い『 素 敵 な性 と生』/ほ か」
パ ワー ア ッププ ラ ンニ ング 1994年 6月 300円
「 W!FE No.248-特 集 ウマい話 にだ ま された」
グ ルー プわいふ 1994年 7月 460円
「 WIFE No 249-特 集 夫 の職業 と妻 の生 活」
1994年 9月 460円
「 野合 Vo1 37-朝 まで性 テ レビ/ほ か」
朝倉 ふみ 1994年 6月 200円
ジー
CHolsiR(シ
ル
ョワ
)V。 135-牛 キ集 バ イセ ク
「
シ ャル//ほ か」
シ ョワジール 1994年 6月 300円
「 GAZETTE∨ o114-特 集 市民 に よ る テ レビ審 議
会 '94/ほ か」
FCT市 民 の テ レビの会 1994年 7月 650円
「 シネ マ ジ ャーナル VO1 29-特 集 。1993年 ベ ス ト10J
テス企 画 1994年 5月 600円
「おん なの反逆 NO.42-特 集 私 は人 間 よ 、忘 れ な
いで 」
久野綾子 1993年 9月 400円
「女性 史研究 第 28集 ―特 集 布村 一 夫 先 生 追悼 。現
代熊 本 の女 た ち」 家族 史研究会 1994年 3月 1,000円
「メ ンズネッ トワーク No 17-ば い しゅんについて/ほ か」
メ ンズ リブ研究会 1994年 5月 200円 ※
第52号 1994年 8月 25日
ウイメ ンズ
ブ ックス
tD
郎×隧露 あなた の情報・ わた しの情報 昭解昭昭
『 女性 ライ フサ イ クル研究第3号
特集 ダイ エ ッ トか ら摂食障害 まで』
女性 ライフサイ クル研 究所 西 順子
が本音 を語 れ る場 と し
で
は開設以来、女性
当研究所
て各種 ワー ク シ ョップを開 いて きま した。 その中 で 浮
か び上 が って きた ことの一つ に、 ほ とん どの女 性 が 、
自分 の「 か らだ」を コ ン トロール しよ うと何 らか の ダ
イ エ ッ トを試 み た ことがあ る、 とい う事実 です。 私 自
身、思春期 に どれ ほど「 やせ る こと」 に時間 と エ ネ ル
ギ ー を費や して きた ことか …。後 にな って は、 そん な
自分 を情 けな くも思 っていま したが、で も「 自分 だ け
じゃな か った ん だ 」 と、 ま さに「 The persOnal is
political」 とわか った ときの驚 きと安 心感。 そ して社
会 に対 す る疑 問。本年報 で は、痩 せ 礼 賛 の風潮 が 強 ま
るなか、思春期 を過 ご して きた執筆 者 た ちが、摂 食 障
害 は 自分 たちの問題 で あ ると して、 その背景 にあ る社
会 的文化的側面 か ら光 をあてなが ら論 じて います。 ぜ
ひ、 ご一 読下 さ い。
(1000円 )
『 は じけて拡が るグルー プネ ッ ト
ー東北・ 北 陸女性発信編』
ウイン女性企画元気印グループ編 1200円 (送 料別 )
東海 。北 陸地方 の元気 印 の女 性 グ ル ー プを330以 上
収 めた もので、草 の根 の環境 。平 和 の グ ル ー プか ら、
子育 て、医療 、福祉、国際交流、 ボ ラ ンテ ィア、学習、
健康、食、芸能 、暮 らし、 フェ ミニ ズ ム、 ビジ ネ ス と
女性 を取 りま くあ らゆ る活動 を紹 介 して い る。
グループに参加 した い人、 グルー プ とグループ を つ
な ぎた い人 の手 引 き書 で もあ り、何 か を した い と思 っ
て い る女性 を勇気 づ け、一歩 を踏 み 出す ための読 み物
と もな って い る。 また、子育 て 、 介 護 、 病 気 、 仕 事 、
結婚 な どの悩 み に答 え るグルー プ もあ り、東海・ 北 陸
地 方 の女性 の心意気 も伝 わ って くる。
友 だちへ の プ レゼ ン トに も最適。女性 の生 き方 を知
りた い男性 か らの注文 もきて い る。
申込 は葉書 か電 話 で。
〒460名 古 屋市 中区栄3丁 目28-2 TEL:052251-9064
※「新 聞 を通 して見 えて くる男社会 」 (1lp参 照 )
月火水 の会 1994年 3月 1,300
一
のカウンターレポー ト」
CEDAWへ
「 日本か らの手紙 国連
日本 か らの手紙 グルー プ 1994年 4月 1,500円
「派兵 と売春」
第 2回 労働者女性解放集会実行委員会 1994年 4月 300円
「世襲天 皇制 と女性差別」
66労 働者女性解放集会実行委員会 1994年 4月 500円
『 A:Dと 女 』
カラダか らだの会編
カラダか らだの会 藤 日明美
本 書 は、 AIDS問 題 の 中 に潜 む性 差 別 を見 極 め 、
「 女性」 とい う切 り口で AIDSを 見 つ めて い ます。 同 じ
性感染症 にかか って も女 と男で は社 会 の態度 はまるで
違 う、性 の二 重基準 とは ? 性 的 に 自立 す るとは ど う
い う事で しょうか ? それ らの疑 間 に池上千寿子 さん
の講演記録 を通 して明快 に答 えて い ます。 また AIDS
か らみた買売春 、AIDSサ ポー トの 現 場 で活 動 して い
る女 たちの生 の声 が載 って い ます。 AIDS問 題 は性 的
役割 や夫婦 の 関係、 自身 のセ ク シ ャ リテ ィの問 いか け
にな って い ると気付 いた時、 AIDSと 自分 との距 離 が
縮 まるので す。 そん な き っか けにな るのが この本です。
(850円 )
FCT報 告書『 メデ ィアと女性 のコミュニケー トする権利
′
―「 メデ ィアと女性」ネ ッ トワー ク 93J
FCT市 民 のテ レビの会発行 1000円 (送 料 別 )
女性 に とって 表現 の 自由 とは、 とい うい ま最 も大 切
なテ ーマに挑戦 した報告 が、本書『 メデ ィアと女 性 の
コ ミュニ ケ ー トす る権利』。内容 は昨年8月 7日 に 世 田
谷区女性 セ ンター「 らぶ らす」で FCTが 主催 したフォー
ラム「 メデ ィア と女性」 ネ ッ トワー ク '93(一 部 東 京
都女性財 団 の助成事業 )を まとめ た もの。構成 は① 女
性 に とって表 現 の 自由 とは (加 藤春恵子 )② メデ ィ ア
リテラシー実践報告 (授 業報告 :小 川葉子、ワークショッ
プ皇室 報道 を読 み解 く)③ デ ィ ー プ デ ィ ッ シュTVに
つ いて (鈴 木 み ど り)④ ネ ッ トワー キ ング、か らな り、
女性 とメデ ィアの関 わ りにつ いて 多様 な角度 か ら問 題
を整理 し、提 起 す る とい うか たちにな っている。 巻 末
に女性問題 関連 の資料、メデ ィアと女性を読み解 くブッ
ク リス ト、 ア クセ ス先、 テ レビ視聴 者 の権利憲 章 を 収
「 メデ ィア と女性 」'94を 開
録。今年 は大 阪 で7月 30日 に
催 した。
申込先 :TEL 0466 81-8307(新 開)ま で。
※以上 の もの は松香堂 で も扱 って い ます。
「 メデ ィア と女性 の コ ミュニケー トす る権利」
FCT市 民 の テ レビの会 1994年 3月 1,000円
「中間管理 職 一女性社員育成 へ の道」
ヒューマ ンネ ッ ト・ あ い 1994年 5月 500円
「朝鮮 人従 軍慰安婦 (第 3集 )」
在 日韓 国民主女性 会 1994年 7月 600円
ウイメ ンズ
=書
評
ブ ック ス
第52号 1994年 8月 25日
=
『 オ トメ の 身 体 ― 女 の 近 代 と セ ク シ ュ ア リテ ィ』
川村 邦 光
紀 伊 国屋 書 店
1994年 1880円
「 女 の近代 とセ ク シュア リテ ィ」 とい う副題 がつ い た本書 は、 1920年 前 後 における女 のセ ク
シュア リテ ィや身 体観 の変化、 “
純 潔 ―純血 "イ デ オ ロギ ーの誕生 を論 じた もので あ る。 同 じ
著者 によ る『 オ トメの祈 り』 が昨年 12月 に出版 され、 これ はそ の続編 で あ るが、私 自身 の 問題
関心 か らいえば、 本 書 の内容 の方 が お も しろか った。 そ して 日本 の女性 史 が これ まで なか なか
扱 って こなか った性 や 身体 の問題 を正 面 か ら論 じて い る とい う意味で、 つ いに このよ うな研究
が登 場 して きた のか とい う感慨 を抱 いて しま った。 (ま た もや女 は男 に よ って論 じられ る対象
とな り、男 は 自 らを語 らな い とい うい らだ ち もあ るが 、 それ は著者 自身 が重 々 自覚 して い るこ
とで あ るか ら、 ここで は間 うまい。 )
本書 は様 々な発 見 が あ るお もしろ い本 で あ るが、 改 めて 考 え させ られ た ことは、医学 や衛生
学 とい った「 科学 的」 学 問 が女 たちの身体 を いか に翻弄 し、女 たちはそ の学 問的知 を いか に内
面化 させ られて い ったか、 とい うことで あ る。 た とえば処 女性 の要求 とい うの は、女 に対 す る
男 の独 占欲求 の現 れ だ とわ た しは これ まで単純 に考 えて いたのだが、 ことはそ う簡単 で はな い
ら しい。 す なわ ち当時 の 医学者 によれ ば、性交 のみ な らず 接 吻 において も、女性 は一 度 男 性 と
接 した な らばその影 響 を永 く受 け、純血 だ った血 液 が 汚 れ て い くので あ り、結果的 に子 ど もは
「 医学 上、不良 」 にな る とい う。 だか らこそ処女 や貞操 が重 要 だ と考 え られ た ので あ る。 しか
も この “
純潔 ―純血 "イ デオ ロギーは、 中産階級 の家族観 に適 合 し、女 た ち 自身 も支持 して い
くので あ った。
これ は ほんの一 例 で あ るが、 その他、 「 見 せ る身体」 の 創 出、女 と して の性 を卑 じむ感 性 の
誕生、 月経 の処理方 法 の変化 とその結 果 と して の身体感 覚 の変容、身体 を め ぐる母 と娘 の文化
のギ ャ ップな ど、 本書 で取 り上 げ られ た女 の身体 をめ ぐる問題 には、 いず れ も医学 や衛 生 が絡
んで い る。科学 の イデ オ ロギ ー性 につ いて一 般 的 に は分 か って いるつ もりで あ って も、 これ ら
の具 体 的問題 か らその イデ オ ロギ ー性 が 暴 かれて い くプ ロセ スはお もしろ く、男 の身体・ セ ク
シュア リテ ィを俎上 にあ げれば何 が見 えて くるのか、是 非 明 らか に して も らいたい と思 った次
第 で あ る。
上記 の書評欄 へ の投 稿 を お待 ち して い ます 。
女性 の 目で見 直 した鋭 い批 評 や、視点 を変 え た
ユニ ー クな もの をお寄 せ くだ さい。 400字 詰 原
= 原 稿 募 集 =
稿用紙 に約 2枚 、900字 前 後 です。掲 載 させ て頂
いた方 に は薄 々謝、進 呈致 します。
「 あな たの情報 。私 の 情 報 」 と コ ラ ム 「 わ た
しの出会 った本」 は知 って 欲 しい本、 ご意 見・
情報交換等 に御利用 くだ さい。 400字 以 内 で お
願 い します。但 しこれ らの欄 は 申 しわけあ りま
せんが、薄 々謝 も差 し上 げ られ ません。
尚、 ご投 稿 は会員 に限 らせ て いただ きます。
宛先 は
〒602京 都市上京 区下立 売通西洞院西入
松香堂 書店「 ウイメ ンズ ブ ックス係」です。
次号 の締切 は 1994年 10月 20日 。
た くさん の ご投稿 をお 待 ち して い ます。
小 山静 子 (女 性史研 究 者 )
編 集 室 か ら
☆暑 い夏 、寝苦 しい夜 が 続 きますけれ ど、心 が 潤 うよ
うな本 との 出会 いはあ りま したで しょ うか。 この 十
月 に は推 理 小説作家 サ ラ・ パ レツキー が 来 日する と
か。新 作 も秋 には出 るそ うで、パ レツキ ーの フ ァ ン
で あ る私 は今か ら楽 しみ に しています 。 従嶋 陽∋
☆男 が 書 く女性論、男性論 、 セ ク シュア リテ ィの本が、
そ ろそ ろ出始 めている。 なのに、 なか なか い い本 に
出会 わ な い。著者 (男 )の 他者 (女 で あ れ男であれ)
との 関係 が 固定的で、貧 しい。女か ら見 られ る覚悟
が、 い ま ひ とつ男 たちに足 りな いのだ。 そ れ で は暑
い夏、読 書 で涼 を
!
(ゃ
☆次号 は 1994年 11月 25日 発 行 の予定です。
ぎ
みね)