≪大分県≫ 第 55 回 大会主題 小学校部会主題 九州音楽教育研究大会 大分大会 「感じ取ろう つながろう そして楽しもう」 「みんなのわくわく つたえあおう!」 2.研究内容と方法 1.主題設定の理由 音楽科学習指導要領では、音楽のよさや特 〈1〉子どもがわくわくしながら教材に出会 質を感じ取り、思考・判断しながら根拠をも い、主体的に課題解決していくことができ る音楽との出会いの工夫をする。 って表現したりふりかえって批評したりする ○子どもの実態や既習事項の関わりを把握し ことが重視されている。 ながら、興味関心をもち意欲的に課題がも 本大会では「感じとろう 「感じとろう つながろう そ てるような教材選択・研究をする。 して楽しもう」を大会主題に、感受性豊かに して楽しもう」 感じ取る力・音楽的要素[共通事項]を基盤 ○子どもが主体的に課題解決していける学習 過程の構想をたてる。 とし、思いや意図を伝え合う力・みんなで考 えた工夫を表現する力・そして味わうことが できる成就感を大切にしながら、心情・感性・ 〈2〉自分や友だちの思いや意図をもとに、 能力をつなげ、子どもたちの豊かな情操を養 わくわく聴き合い伝え合う場の工夫をする ○伝え合い活動を十分取り入れ、言語活動の っていきたいと考えた。 力を育てながら、課題にせまらせる。 そこで、小学校部会は「みんなのわくわく 「みんなのわくわく つたえあおう!」をテーマに掲げ、わくわく つたえあおう!」 ○伝え合いの手段になれるワークシートの活 感じ取り、わくわく思いや意図を伝え合い、 用・板書の工夫により、曲のイメージや自 わくわく工夫して創り上げる喜びを味わい、 分の思い意図を[共通事項]から明らかに 子どもたちが主体的に楽しく音楽活動する授 していきながら、表現の工夫(表現)楽曲の 業をめざして、本研究主題を設定し研究を進 特徴や仕組みの理解(鑑賞)につなげていく。 めた。 〈3〉思いや意図を表現につなげるために、 (1)みんなのわくわく わくわく表現を創り上げていく工夫(表現) 【音楽との出会い】(感じ取るわくわく感) や、音楽を味わって聴くために、楽曲のよ さを味わう工夫(鑑賞)をする。 【思いや意図を根拠にした伝え合い】 ○思いや意図を、 [共通事項]を明らかにし (伝え合うわくわく感) た工夫で、表現につなげる技能を身につけ る支援をする。 【成就感のある音楽づくり】 ○みんなで創り上げた楽曲や演奏を聴き合い、 (創り上げるわくわく感) 思いや意図を表現できた楽しさや成就感を (2)つたえよう! 味わわせる。 感じ取った思いや意図をもとに、それを [共通事項]から表現につなげていくために、 ○曲の特徴や仕組みを理解する支援をし、音 ペア・グループ・全体など適切な学習形態を 楽の面白さ・よさ・美しさを味わって聴か とりながら、表現の工夫を考えていく伝え合 せる。 いの場の設定。 - 20 - 第3学年 研究の構想図 別府市立緑丘小学校3年生23名 【A 表現 器楽】 授業者 野﨑 章子教諭 ◇題材名「せんりつのとくちょうをかんじと ろう」 教材名「山ねこバンガロー」 [共通事項]旋律 フレーズ 音色 強弱 音楽の仕組み 楽しい気持ちになれる間奏の工夫をしよう をめあてに、グループ名に合う工夫になって いるかなと課題を投げかけ、イメージに合っ た音色や強弱を工夫し、お互いに聴き合い見 直し、楽しく演奏する取り組みをした実践。 3.研究実践 第4学年 ■研究授業 【B 鑑賞】 第1学年 別府市立境川小学校1年生24名 【A 表現 歌唱】 授業者 日出町立藤原小学校4年生40名 授業者 毛井 香織教諭 ◇題材「せんりつのとくちょうを感じ取ろう」 麻生真由美教諭 教材名「つるぎのまい」「白鳥」 ◇題材名「ようすをおもいうかべよう」 [共通事項]旋律 リズム 強弱 速度 教材名「はる なつ あき ふゆ」 曲のとくちょうを感じとってきこう をめ [共通事項]旋律 音楽の仕組み 速度 強弱 あてに、曲のちがいのひみつを見つけようを 「1ねん1くみのはるなつあきふゆのうた」 課題に投げかけ、旋律や伴奏の音の動きや速 をつくろう 度・強弱に気をつけて聴き比べ、感じ取らせ をめあてに、きせつにあったう たいかたができているかなと、グループ発表 ていく取り組みの実践。 の聴く視点をもたせ、強弱・速さ・発音や声 の出し方を聴き合い伝え合いながら、歌詞の 第5学年 感じに合う歌い方を工夫していった実践。 【A 表現 音楽づくり】授業者 村田泰代教諭 別府市立青山小学校5年生35名 ◇題材名「日本的な音楽の曲想を味わおう」 第2学年 日出町立豊岡小学校2年生23名 【A 表現 歌唱】 授業者 ~別府のお祭りをイメージした音楽づくり~ 米野 理恵子教諭 教材名「別府いいとこめぐり唄」 [共通事項]音色 リズム 旋律 強弱 ◇題材名「ようすをおもいうかべよう」 教材名「小ぎつね」 音楽の仕組み [共通事項]旋律 強弱 速度 音楽の仕組み グループでつくった楽譜を表現しよう を ○○ぎつねになって、くふうして歌おう めあてに、ストーリーがみんなに伝わるよう をめあてに、 「○○ぎつね」がつたわるうたい に、どんな工夫ができるかなと課題を投げか かたになっているかなと、グループ発表の聴 け、 「別府いいとこめぐり唄」を、ストーリー く視点をもたせ、鳴き声やくり返しの部分の に合うように強弱や演奏の仕方に目を向け練 速度や強弱を工夫してイメージした小ぎつね 習したり、聴き合ったりして、工夫して表現 になって歌うことに取り組んだ実践。 することに取り組んだ実践。 - 21 - 別府市立大平山小6年生40名 第6学年 【A 表現 歌唱】 授業者 4.研究の成果 林 明子教諭 本研究では、学習指導案で研究の内容の3 ◇題材名「曲想を味わおう」 つの柱の工夫点を具体的に記述し、本時の「め 教材名「あすという日が」 あて」に取り組む中でうまれる「課題」を提示 [共通事項]旋律 音色 音の重なり 強弱 して取り組んだ。視点がより明確になったこ 思いが伝わるように、工夫して歌おう を とで、子どもたちは課題を意識し、 [共通事項] めあてに、何に気をつけたら工夫を生かした に着目して活発な言語活動をすることにより、 歌声になるかなと課題を投げかけ、表したい 主眼にせまることができた。 イメージをもとに、歌詞や旋律の特徴・音の 【研究の内容1 重なり方に着目し強弱や声の出し方などの歌 〇他教科の学習や様々な体験活動と関連させ 声を工夫し、思いが伝わるように表現を創り たり、郷土別府を教材に扱ったりしたこと 上げていく実践。 で、イメージが広がり、子どもの主体的な 音楽との出会いの工夫 】 活動を促すことができた。 【研究の内容2 聴き合い伝え合う場の工夫】 〇拡大楽譜や歌詞等板書の工夫をし、思いや 意図を聴き合い伝え合いやすい環境をつく ったことで、 [共通事項]を意識して課題に せまることができた。 〇伝え合い活動では、ルールや仕方を身に付 〈思いが伝わるように、工夫して歌おう〉 け、子どもの実態や内容によりグループや 全体での適切な学習形態をとることが効果 的だった。 ■研究演奏 ◇合唱 〇伝え合う根拠となれる、板書と連動したワ 「今日から明日へ」「見えない翼」 ークシートの工夫も有効だった。 卒業を目の前にし、希望に満ちた未来に向か って仲間とともに元気に歩んでいこうという 【研究の内容3 メッセージを心に込めた学年合唱の発表。 別府市立石垣小学校 ◇合奏 〇歌や演奏楽器の奏法など基礎・基本をふま 6年生79名 指導者 表現を創り上げていく工夫 (表現)楽曲のよさを味わう工夫(鑑賞) 】 えて、工夫を表現につなげるための技能を 笠村 由美子教諭 身に付ける支援が大切である。 「JOY!!」「ソーラン節」 学校目標「本気で取り組む南っ子の育成」・学 〇作曲者の思いと自分の思いを重ねながら、 年目標の達成に向けて音楽活動を行っている 曲の特徴・構成を理解した上で、楽曲のよ さを味わわせることが大切である。 子どもたちが、全身でリズムを感じ、音楽の 楽しさと力強さを伝えた合奏の発表。 5.今後の課題 別府市立南小学校5・6年生90名 指導者 限られた授業時数の中で、子どもが音楽と 佐藤 貴美子教諭 深く関わり楽しさを味わうために、心情・感 性が表現へつながる言語活動の力をつけてい く工夫が課題である。今後も、わくわくしな がら、主体的に楽しく音楽活動する子どもを 育てていく研究を推進していきたい。 〈エネルギーあふれる「ソーラン節」の演奏〉 - 22 -
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