下大静脈内腫瘍血栓を伴う腎がんの手術 一般的に腎がんと呼ばれる

下大静脈内腫瘍血栓を伴う腎がんの手術
一般的に腎がんと呼ばれるものは病理診断では腎細胞がんに相当します。腎細胞がんは、
抗がん剤や放射線療法に対する感受性が非常に低く、そのため外科療法が中心的治療法と
なります。腎原発巣に対する外科療法は、腫瘍の大きさや局在部位により、根治的腎摘除
術、腎部分切除術を選択します。局所進行性 の腎細胞がんでは、根治的腎摘除術を行いま
すが、その中でも腫瘍が進展し下大静脈内に腫瘍血栓が存在するような場合、体外補助循
環装置を用いて、腫瘍 血栓摘除を含めた腎摘除術を行うことがあります。腫瘍血栓の下大
静脈壁への 浸潤があれば、下大静脈壁の合併切除と人工血管を用いた血管再建術を行いま
す。当センターでは消化器外科、血管外科等と協力し、積極的にこのような手術を行って
います。このような大掛かりな手術を行い、完全に腫瘍を摘除できれば、5 年生存率は 70%
と非常に良好な成績です。(残念ながら、当センターには心臓血管外科の常勤医師が不在の
ため、必要な場合には近隣の心臓血管外科と連携して診療を行っています。腫瘍血栓が横
隔膜を超え、心臓近くまで進展するような場合は現在、当院では対応できません。心臓血
管外科医による専門的な対応が可能な病院をお勧めします。)
(第 4 版 腎癌取扱い規約より引用) 黒い部分が“がん = 腫瘍”に相当します。