小児に対する腹腔鏡手術についてご案内

宮崎大学附属病院 消化管・内分泌・小児外科
平成 28 年度より小児外科では、小児に対する腹腔鏡手術を積極的に行っていきます。これ
までも虫垂炎に対しては、腹腔鏡で行っていましたが、女児の鼠径ヘルニアに対する鼠径
ヘルニア根治術、胃食道逆流症に対する噴門形成術、摂食障害に対する胃瘻造設術などを
腹腔鏡で行っていきます。腹腔鏡手術により患者様に対する低侵襲な治療を目指します。
今後徐々に適応疾患を拡大していく予定です。
腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(LPEC 法)
女児が対象です。腹腔鏡を使用し、腹腔内で鼠径ヘルニアの孔を閉じます。反対の鼠径ヘ
ルニアの有無を確認することができます。
手術時間:片側・約 1 時間
両側・約 1 時間 30 分
入院期間:2 泊 3 日
腹腔鏡ポート:5mm・1 本
3mm・1 本 針孔:2 か所
腹腔鏡下噴門形成術(Nissen 法)
主に重症心身障害児の胃食道逆流症に対する手術です。下部食道に胃の一部を巻き付ける
ことで、胃内容物が食道に逆流することを防ぎます。また食道裂孔も縫縮するため食道裂
孔ヘルニアの予防または治療にもなります。開腹手術と比較して低侵襲で行えます。また
同時に胃瘻を造設することもできます。
手術時間:約 4 時間
入院期間:約 2 週間
腹腔鏡ポート:12mm・1 本 5mm または 3mm・3 本
文責 松久保 眞