電 気 工 学

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平成 20 年度
※ 問題番号【No.1】∼【No.15】までの 15 問題のうちから,10 問題を選択し,解答
してください.
【No.1】 図に示す直列に接続されたコンデンサに蓄
えられる総電荷量が8mC のとき,コンデンサ C2 の容
ただし,コンデンサ C1 の容量は 2mF とする.
C1
6V
1. M =
m SL
{H}
N1 N 2
2. M =
N1 N 2
{H}
m SL
3. M =
L
{H}
m SN1 N 2
4. M =
m SN1 N 2
{H}
L
S
L
N1
【解答】 4
C2
1.2 mF
2.4 mF
【解説】 コイルの巻数 N1 側の磁気抵抗 Rm1〔H−1〕は,次式で表される.
Rm1 = L {H−1}
mS
3.6 mF
コイルに電流 I〔A〕を流すと,そのときの磁束 f1〔Wb〕は,
4.8 mF
f1 =
【解答】 2
【解説】 コンデンサが直列に接続されているので,題意によりコンデンサ C1 および C2
には 8〔mC]の電荷が蓄えられる.したがって,Q=CV の関係から,C1 の端子電圧を V1
とすると,
V1 =
−−
ただし,磁束の漏れはないものとする.
電気工学
量として,正しいものはどれか.
電気工学
Q 8 × 10− 6
=
= 4 {V}
C1 2 × 10− 6
したがって,コンデンサ C2 の端子電圧 V2 は,電源の電圧が 6〔V〕であるので 6−4=2
〔V〕が加わることとなる.よって,コンデンサ C2〔mF〕の値は,
−6
C2 = Q = 8 × 10 = 4 × 10−6{F} = 4 {mF}
V2
2
したがって,2 が正しい.
【No.2】 図に示す長さ L〔m〕,断面積 S〔m2〕,透磁率 m〔H/m〕の環状鉄心に巻
数 N1,N2 の二つのコイルがあるとき,両コイル間の相互インダクタンス M〔H〕を
表す式として,正しいものはどれか.
N1 I m SN1 I
=
{Wb}
Rm1
L
よって,巻数 N1 のコイルの自己インダクタンス L1〔H〕は,次式で表される.
L1 =
N1f1 m SN12
=
{H}
I
L
同様にして計算すると,L2〔H〕は次式で表される.
L2 =
N 2f2 m SN 22
=
{H}
I
L
したがって,両コイル間の相互インダクタンス M〔H〕は, M = L1 L2 より,
M=
m SN12 m SN 22
m SN1 N 2
×
=
{H}
L
L
L
したがって,4 が正しい.
【No.3】 電気回路に関する記述として,不適当なものはどれか.
1.交流回路の波形率は,実効値を平均値で除した値である.
N2
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平成 20 年度
2.交流回路における皮相電力は,有効電力の 2 乗と無効電力の 2 乗の和の平方根
電気工学
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大きく受ける.
計器の指示は実効値を示し,交直流の差が極めて小さいので,直流で目盛定めしたもの
に等しい.
3.回路網の中で任意の閉回路を一巡するとき,その閉回路中の起電力の総和と電
を使用できる.現在,主として携帯用精密級電力計として交直両用に広く使用され,交直
比較計器として特長がある.
圧降下の総和は等しい.
可動コイル
4.並列に接続された抵抗のそれぞれに流れる電流は,各抵抗値に比例した大きさ
となる.
指針
固定
コイル
B
0
【解答】 4
指針
可動
コイル
【解説】 n 個の抵抗が並列接続された回路の例を第 3-1 図に示す.
固定
コイル
V
I1
I2
I3
In
r1
r2
r3
rn
制御ばね
コイル軸
⒜ 平断面図
⒝ 切取り斜視図
第4-1図
第3-1図
各枝路に流れる電流を求めると,
I1 : I2 : I3 :  : I n = V : V : V :  : V
r1 r2 r3
rn
したがって,各抵抗値に反比例した大きさとなるので,4 が不適当である.
したがって,3 が最も不適当である.
【No.5】 図に示すシーケンス制御回路の名称と
R
して,適当なものはどれか.
1.自己保持回路
2.遅延回路
PBS1
3.優先回路
【No.4】 電流力計形計器に関する記述として,最も不適当なものはどれか.
4.フリッカ回路
1.固定コイルと可動コイル等から構成されている.
X
PBS2
2.電力計としても使用される.
3.永久磁石可動コイル形計器に比べ,外部磁界の影響を受けにくい.
4.交直両用計器として使用される.
X
【解答】 3
S
【解説】 電流力計形計器は,第 4-1 図のように,一組の固定コイルのつくる磁界中で可
動コイルを回転させるため,永久磁石可動コイル形計器と比較すると,外部磁界の影響を
【解答】 1