学校保健委員会だより 〈テーマ〉 知って防ごう

学校保健委員会だより
平成27年2月13日
安中市立第一中学校
学校保健委員会は,学校医の先生と生徒・学校職員・PTAの代表が参加して健康に関する課題につい
てそれぞれの立場で意見を出して話し合い,解決策を考える委員会です。
【平成26年度第2回学校保健委員会
〈テーマ〉
2月2日(月)に開催される】
知って防ごう インフルエンザ
今回は,保健委員(34 名),生徒会役員(8名),学校職員代表(14 名),PTA役員(7名)
,学校薬
剤師の先生の合計 64 名が参加しました。司会は保健委員長早川みくさん(2-2)が務めました。
内容は,①保健委員の実験結果発表 ②安中保健福祉事務所の塩原正枝先生を講師にお招きしての
講話と実習 ③栄養教諭の渡邉靖江先生からの食事の話 ④学校薬剤師の福島晴江先生の助言,です。
※ 紙面の都合で写真を掲載できませんでしたが,安中一中ホームページの「教育活動のページ」に
写真と報告が載っていますので,そちらをご覧になってください。
[インフルエンザの予防について~そして,手洗い・マスク~]
安中保健福祉事務所 塩原 正枝先生の講話
正しく手を洗う こと
はとても重要!
感染対策は手洗いに始まって,手洗いに終わります!
○
感染症対策の基本は3つ
1 感染源の排除(はいじょ)
2 感染経路の遮断(しゃだん)
3 個人の抵抗力の向上
○ インフルエンザウイルスの大きさ
インフルエンザウイルスは 1 ㎜の中に約5万個並ぶくらいの大きさで非常に小さい。
○ インフルエンザの感染経路と対策
・飛沫(ひまつ)感染を防ぐには→せきエチケットとマスクの着用
せきエチケット+手洗い
・接触(せっしょく)感染を防ぐには→手洗い
○ なぜ,せきエチケットが必要?
・周りに飛沫(ひまつ=口から出るしぶき)をまき散らさないため。
・インフルエンザウイルスは1回のせきに約5万個,1回のくしゃみに約10万個含まれてい
る。体に入ったウイルスが増える速さ→1個のウイルスが24時間後には100万個になる。
○ せきエチケットとは…?
・せきやくしゃみを他の人に向けてしない。
・せきが出るときは,マスクを着用する。
・手のひらなどでせきやくしゃみを受け止めたら,すぐに手を洗う。
○ 感染予防のために…
・流行する前に…ワクチン接種(重症化の予防)
・流行したら…①人ごみへの外出を避ける。②外出時はマスクを着用する。③室内を適度な
湿度(50~60%)に保つ。④十分な休養とバランスのとれた食事をする。
○ マスクの使用方法
・一日一枚のマスクを「使い捨て」利用 ・不織布(ふしょくふ)製マスク利用
・鼻と口の両方を覆い,顔にフィット
・使用済みのマスクはきちんと処分
[かぜ・インフルエンザに強くなる食事のポイント]
栄養教諭 渡邉靖江先生の話
☆バランスのよい食事と緑黄色野菜をたっぷり使う!(ビタミン補給)☆
1 たんぱく質をたっぷりとろう。
→抵抗力を高める。
2 ビタミンCを毎日とろう。
→ウイルスへの免疫力を高める。
3 ビタミンAも忘れずにとろう。
→鼻やのどの粘膜を強くしてウイルスの侵入を防ぐ。
4 油も上手に利用しよう。
→体を温める。
[手洗い実験の結果]*発表者:2年生保健委員(茂木千波さん,林
[水で洗った結果]
手の甲
左手
[石けんでいつもどおり洗った結果]
手のひら
右手
左手
夏穂さん)
右手
手の甲
左手
手のひら
右手
左手
右手
※洗い残しがあった場所に丸いシールを貼った(丸いシールの部分が洗い残しの場所)
。
水で洗った結果は,全体的に洗い残しがあったので全体に色を塗ってある。
<実験内容>手洗いチェッカーを使って,手洗
い後の洗い残しを調べて,汚れが残りやすい場
所を知る目的で実験をした。保健委員34名が
次の3つのグループに分かれて行った。
①水だけで洗う。
②石けんでいつもどおりに洗う。
[石けんでしっかり洗った結果]
手の甲
手のひら
③正しい手洗いの資料どおりに石けんで洗う。
左手
(発表内容抜粋)
右手
左手
右手
☆水だけで洗ったグループ☆ 手のひらも手の甲も全体が洗えていない。特に,親指,手のひら
の指の付け根が洗えていなかった。<考察>「水洗いでは汚れが落ちていなくて意味がない。」
「無意識に洗っていると親指を洗っていないことがわかった。」
「いろいろな角度から洗ったり,
いろいろな洗い方ができていないため片寄った洗い方になっていたので汚れが残った。」
☆石けんをつけていつもどおりに洗ったグループ☆ 手のひらや手の甲は洗えていたが,親指,
手首,小指側の手の横,小指の先,爪の中が洗えていなかった。<考察>「両手を合わせて動か
すと小指は浮いてしまい,くっつかないので,小指の先が洗えていなかった。」「手首や指の間
を洗う癖がないので汚れが残った。」「爪の中は洗いづらい。」「左手をけがしていて,右手だ
けで洗ったが全然洗えなかった。両手で洗わないと汚れが落ちない。」
☆しっかり洗ったグループ☆ きれいに洗えていた。右手より左手のほうがきれいだった。手首
や爪には少し洗い残しがあった。<考察>「右利きなので,右手に力が入るため,左手のほうが
きれいに洗えた。」「ちゃんと洗ったつもりだったが,汚れが残ったのは日頃の洗い方の癖だと
思った。」
「いつもは1分も洗っていないが,しっかり洗いは5分以上かかりかなり大変だった。」
*全体をとおしての感想* 今回の実験を通して今まで自分が洗えていなかった場所を知るこ
とができたので,今後はもっとしっかり洗うようにしようと思った。保健委員だけでなく,全校
生徒に行ってほしい実験だと思う。
【学校薬剤師
福島先生の助言】
*手洗いは,しわのあるところに汚れが残りやすいので,しわを伸ばして洗うのも大事です。
*インフルエンザの予防には体を温めることが大切です。季節の物を食べると体が温まります。
運動も体温を上げます。服装を工夫するのも体温を上げる方法です。のどを温めると風邪をひ
きにくくなります。
「栄養・運動・服装」で体温を上げてインフルエンザを予防しましょう。
【最後に】学校保健委員会前にインフルエンザが流行して全校生徒の約 20%が罹患しました。流行後にこのような
テーマは,現実からずれていると思われるかもしれません。しかし,さまざまな感染症に対しての予防は常に必要で
す。一人でも多くの人に正しい知識と行動を身につけてもらい感染症の予防をして欲しいと願い実施しました。