第47回 日本小児感染症学会総会・学術集会 ランチョンセミナー 18 会 場 I 会場(コラッセふくしま 5 階 小研修室) 〒960-8053 福島県福島市三河南町 1-20 TEL024-525-4089 日 時 演 題 座 長 2015年11月1日 (日) 12:10∼13:00 IgG サブクラス欠損を呈する 原発性免疫不全症の診断と治療 河島 尚志 先生 今井 耕輔 先生 (東京医科大学 小児科学分野 主任教授) 演 者 (東京医科歯科大学 茨城県小児・周産期地域医療学 准教授) 共催:第 47 回 日本小児感染症学会総会・学術集会 一般社団法人 日本血液製剤機構 IgGサブクラス欠損を呈する 原発性免疫不全症の診断と治療 東京医科歯科大学 茨城県小児・周産期地域医療学 准教授 今井 耕輔 先生 IgG は4つのサブクラスからなっており、それぞれ異なる働きを持っており、その産生メ カニズムも異なるが、 マウスとヒトでも異なるため、不明な点も多い。 IgG サブクラス欠損症は、総 IgG が正常にも関わらず、IgG サブクラス (IgG1, IgG2, IgG3, IgG4)のうち1つないし複数の欠乏または低下を示すものであり、IgA の欠損を 伴うものもある。IgG サブクラス欠損症の原因として、サブクラス領域の遺伝子欠損 , 免疫グロブリンのクラススイッチ異常、などが報告されているが、人種差も大きく、その 詳細については不明である。 本講演では、最近遺伝子が同定された PI3K(phosphatidyl inositol-3-kinase) p110δサブユニットをコードする PIK3CD 遺伝子の機能獲得型変異(タイプ1)、なら びにその制御因子である p85αサブユニットをコードする PIK3R1 遺伝子変異(タイプ 2)により生じる Activated PI3K syndrome(APDS)は、新たに IgG サブクラス欠損 症を呈する疾患であることが明らかになった。 どちらも常染色体優性遺伝疾患である が、孤発例が多く、すでに国内で 20 例以上が診断された。約 20 年前の治験データを もとに、本年より、日本でも IgG2 が保険適用となり、感染症の予防にグロブリン製剤の 投与が可能となったが、我々は PIDJ(Primary Immunodeficiency Database in Japan: http://pidj.rcai.riken.jp)などを通じて当院に紹介を受けた原発性免疫不全 症が疑われる患者で、IgG サブクラスを測定し、興味深い症例にいくつか出会った。 これらの症例呈示を交えて講演する。
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