平成 27 年 8 月 1 日作成 研究課題名:「末梢循環不全に伴う凝固障害の診断に対する血清乳酸値 の有用性について」 この調査は平成 25 年 1 月から平成 26 年 12 月の間に、当院高度救命救急センター に救急搬送され治療をうけられた患者さんを対象としています。 【調査の目的や背景】 当院高度救命救急センターでは、様々な病態における血液凝固異常の診療・研究 を行っております。とくに末梢循環不全(ショック状態もこれに含まれます)とよ ばれる全身臓器に十分な血液が供給できない状態になると、全身の血管に炎症が生 じ、それに伴う様々な合併症を引き起こすことが知られています。特に血液に対す る影響は有名であり、凝固(血液が固まること)や線溶(固まった血液が溶けるこ と)という機能が障害されることが知られています。この障害が重症化すると播種 性血管内凝固症(DIC)と呼ばれる状態に陥り、全身の血管内にたくさんの血栓が でき臓器障害を引き起こしたり、逆に血が固まらなくなることで出血症状が増悪し たりすることにより致死的になることもあります。 末梢循環不全を早期に知るためにこれまでは収縮期血圧などで判断しておりま したが、血清乳酸値がその指標として有効とする報告が近年増加しています。そこ で、この度、当センターに救急搬送された患者さんの来院時に採取した血液検査を 多角的に評価することにより、末梢循環不全による凝固異常の病態解析ならびにそ の早期診断の指標としての血清乳酸値の有効性を解析します。この調査結果は、急 性末梢循環不全に陥る全ての患者さんに対する治療開始時間の短縮やその治療法 の改善につながることが期待されます。 【調査の方法】 調査対象になるのは、上記、調査期間に当院高度救命救急センターに救急搬送さ れ、収縮期血圧、血清乳酸値、血液の粘稠度(粘りけの度合い)を測定する機器であ る ROTEM を使用された患者さんです。調査項目は、年齢、性別、バイタルサイン、 生理学的重症指標、播種性血管内凝固症診断基準、血液検査、治療内容、入院後経 過などです。上記調査項目は、すべて今までに治療してきた診療内容を記録した診 療録(電子カルテ)にある情報のみです。調査したデータは、集計後に解析を行い ます。解析後のデータは破棄されますが、佐賀大学病院の患者さんの基本データ(匿 名化されたもの)は佐賀大学病院高度救命救急センターで厳重に管理します。調査 期間は臨床研究倫理審査委員会承認日より平成 28 年 3 月 31 日までを予定していま す。 【個人情報の取扱い】 調査情報のうち、患者さんのお名前、住所などプライバシーに関する情報は、す べて匿名化するため、外部に漏れることは一切ありません。また、今回の研究で得 られた結果に関しては、医学的な専門学会や専門雑誌などで報告されることがあり ますが、前述のとおり患者さんの個人情報は守られます。 【調査参加は患者さんの自由であること】 調査への参加は患者さんの自由です、患者さんの自由な意思でお決め下さい。調 査対象の患者さんで、調査に同意いただけない患者さんは下記の問合せ先までご連 絡下さい。但し、調査参加に異議のある場合、平成 27 年 10 月末日までにお願い致 します。調査の進行により場合によっては削除出来ない場合もありますのでご了承 ください。 【調査への質問・苦情などの連絡先】 本研究に関するご質問等ありましたら、遠慮なくご自由に下記の研究責任者までお 尋ね下さい。 当院研究責任者 佐賀大学医学部救急医学講座 小網博之 連絡先:救急医学講座医局 佐賀市鍋島 5-1-1 佐賀大学医学部救急医学講座 電話:0952-34-3160(医局直通) このお知らせは当院臨床研究倫理審査委員会承認日より平成 28 年 3 月 31 日まで の間、研究対象となる患者さんへの公表を目的に佐賀大学医学部附属病院治験セン タ ー ホ ー ム ペ ー ジ ( HP ) で 掲 載 し て い る も の で す 。 治 験 セ ン タ ー HP:http://www.hospital.med.saga-u.ac.jp/chiken/ なお、この研究内容は、佐賀大学医学部附属病院臨床研究倫理審査委員会で審議 を受け、医学的、倫理的に適切であることが承認されたものであります。治験セン ターHP では、当委員会に関する他の情報等も公表していますのでご覧下さい。
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