茶園地域の硝酸汚染と酸性化に関する研究

茶園地域の硝酸汚染と酸性化に関する研究
Nitrate pollution and acidification in the area of tea garden
神谷 昭吾 ・佐竹 研一
*
*
Shogo KAMIYA and Kenichi SATAKE
立正大学地球環境科学部
Faculty of Geo-environmental Science, Rissho University
摘 要
茶園は窒素肥料の施肥量が多く、窒素汚染の進んでいることで知られている。本研
究では、その実態と茶園地域の井戸水、湧水、河川水への影響を明らかにするために
静岡県の典型的な茶園地域で調査を行った。また、硝酸態窒素による汚染からの回復
過程について知見を得ることを目的として、耕作放棄茶園土壌の調査を行った。
調査を行った茶園周辺の井戸水、湧水の pH は 4~5 を示し、硝酸態窒素濃度は環
境基準の 10 mgN l
-1
を大きく上回った。一方、畑地周辺の湧水の pH は 6~7 を示し、
硝酸態窒素濃度は 10 mgN l
-1
を下回った。茶園周辺で酸性化と硝酸汚染が起きてい
ることが明らかとなった。河川水は硝酸イオン濃度および硫酸イオン濃度が 100 mg l
-1
を上回る値を示したが、pH は 7 を示した。これは酸性の湧水が河川に流入する際に
中和反応を起こしたためであった。施肥茶園土壌の土壌 pH は 3~4 を示したが、耕
作放棄茶園土壌の土壌 pH は 4~5 を示した。また、耕作放棄茶園土壌の土壌水抽出
液中の硝酸イオン濃度や硫酸イオン濃度は大きく減少していることが明らかとなっ
た。
キーワード:酸性化,硝酸汚染,硝酸態窒素,窒素肥料,茶園
Key words:acidification, nitrate pollution, nitrate-N, nitrogen fertilizer, tea garden
1.はじめに
窒素成分含量の高い茶は遊離アミノ酸などが多
1), 2)
く、良質とされている
。このため、これらの窒
素成分含量を高めることが品質の向上につながると
3)
考えられている 。
茶園に施用される窒素肥料は、明治以前において
は人糞尿や刈り草などが中心であった。それが
1890 年代になると油かすや魚かすなどの利用が増
-1
-1
え、施用量は 100 kgN ha
y 程度になった。
1900 年代になると硫酸アンモニウムが多少施され
るようになった。さらに硝石
(NaNO3)
が発見される
と貴重な窒素肥料として利用されるようになった。
大正時代に入ると無機質肥料が増加し、1917 年の
-1
-1
窒素肥料の施用量は 270 kgN ha y 程度になっ
た。さらに施肥量は徐々に増加し続け、1947 年に
-1
-1
は 300 kgN ha y 台に達した。その後 1960 年代
になると品質重視により窒素の多施用が一般化し、
-1
-1
施用量は 500 ~ 1,000 kgN ha y と著しく増加し
た。肥料の形態は、当初は菜種かす、大豆油かす、
魚かすなどの有機質肥料や硫酸アンモンニウム、尿
素などの配合肥料が中心であったが、徐々に有機質
肥料が減少し、1960 年代に入ると化学肥料が中心
4), 5)
となった
。また、世界全体の窒素肥料の消費量
6)
も 1960 年代以降増加してきた 。
現在の茶の主要生産府県における窒素肥料の施用
-1
-1
7)- 15)
量は 450 ~ 700 kgN ha y であり
、施用形
態は硫酸アンモニウムや硝酸アンモニウムなどの化
学肥料と菜種かすや魚かすなどの有機肥料が中心で
ある。茶の栽培面積と生産量で国内 1 位の静岡県の
-1
-1
16)
窒素肥料施用量は 540 kgN ha y である 。こ
れは主要生産府県の平均値とほぼ等しい。この窒素
施肥量を上回る農作物は、静岡県が定める施肥基準
17)
の中にはほとんどない 。またこの窒素施用量は、
大気からの窒素降下量が多い首都圏(群馬県高崎市)
-1
-1
に降雨によって供給される窒素量 30 kgN ha y
5)
の約 20 倍に相当する 。
施用された硫酸アンモニウムや有機肥料の分解に
よって生じたアンモニウムイオンは、土壌中で硝化
細菌によって亜硝酸イオンを経て硝酸イオンに変化
する。硝酸イオンは負の電荷を帯びているため、土
壌には吸着しにくい。そのため、茶樹に吸収されな
受付;2010 年 3 月 30 日,受理:2010 年 4 月 12 日
*
〒 360-0194 埼玉県熊谷市万吉 1700,e-mail:[email protected]
2010 AIRIES
161
神谷・佐竹:茶園地域の硝酸汚染と酸性化に関する研究
かったり、脱窒反応に利用されなかった硝酸イオン
は、雨水や散水などで土壌から流出したり、地下へ
浸透する。地下へ浸透した硝酸イオンはやがて地下
水に浸透する。その硝酸態窒素濃度はしばしば水道
-1
水基準の 10 mgN l を越え、周辺の井戸水、湧水、
河川水が汚染されるようになるのである。
窒素肥料が大量に施用されるようになった 1970
年代の静岡県西部の茶園の深井戸の硝酸態窒素濃度
-1
-1
は 1 mgN l であったが、1980 年代には 10 mgN l
-1
を上回った。さらにその後 5 年間で 20 mgN l を
上回り、茶園における硝酸汚染が深刻化したことが
17)
明らかとなった 。茶園以外でも、岐阜県の各務原
市のニンジン畑や沖縄県宮古島のサトウキビ畑など
18)
で硝酸態窒素による地下水汚染が引き起こされた 。
このような農業地帯の地下水の硝酸態窒素濃度は、
水田地帯では低いのに対して、畜産地帯、野菜・果
樹生産地帯、茶栽培地帯で高いことが明らかとされ
19)
てきた 。
さらに、硝酸態窒素濃度の増加に伴い環境水の
20)
pH が低下し、酸性化を招くことが知られている 。
環境の酸性化を引き起こす酸性物質は、亜硫酸ガス
21)
や硫酸などの硫黄酸化物と窒素酸化物である 。こ
のような酸性物質の放出に伴う環境水の酸性化によ
って様々な現象が起こることが知られている。静岡
県中部地方の茶園周辺の地下水では、pH が低い地
下水ほどアルミニウムイオンやマンガンイオンなど
20)
の重金属濃度が高い 。茶樹はこのアルミニウムを
吸収蓄積するが、茶葉中タンパク質と強く結合し飲
用に際しては問題がないのは幸いである。
一方近年、農業従事者の高齢化などによって耕作
放棄された茶園が増加している(以下、耕作放棄茶
園とする)。耕作放棄茶園は機械化が進みにくく、
茶園の整備が行いにくい山間地の斜面などで多く見
受けられる。耕作放棄茶園では耕作放棄とともに窒
素肥料の供給が停止する。しかし、耕作放棄によっ
て土壌の窒素含量がどのように減少していくかにつ
いてはまだ研究例がない。
静岡県の主要な茶栽培地域は、県中部に位置する
牧之原台地とその周辺である。牧之原台地は静岡県
の中部を流れる大井川下流の西岸に位置する洪積台
地であり、南端は御前崎にまで伸びる。御前崎は茶
の典型的な栽培地の一つであるが、これまで茶栽培
地域における硝酸態窒素の汚染を考慮した水質の経
年的な研究は行われていない。このような典型的な
茶栽培地において、現在の井戸水や湧水の水質や土
壌の窒素含量について知ることは、今後の茶栽培地
域の環境水の水質の変化を知る上で重要である。ま
た、茶栽培地域以外の窒素肥料施用量が多い農耕地
の環境水の水質を考える上でも重要なデータになる
と考える。
そこで本研究では、茶園周辺の井戸水、湧水、中
西川の酸性化と硝酸汚染の実態および耕作放棄に伴
う土壌中の硝酸イオンの減少量について知見を得る
ことを目的とし、静岡県御前崎市を調査地として研
究を行った。
2.調査地域の概要
2.1 調査地域の地形と地質
御前崎は静岡県の最南端に位置しており、駿河湾
の湾口西側と遠州灘の間に南東方向に突き出た半島
である。静岡県の中部を流れる大井川下流の西岸に
は牧之原台地と呼ばれる洪積台地が発達しており、
御前崎はその南端に位置する(図 1)。台地の高度は
図 1 調査地域の位置および茶園と畑地の分布.
162
地球環境 Vol.15 No.2 161-170
(2010)
表 1 採取地点の緯度・経度および概要.
採取地点
北緯
東経
概要
St.1-1
34°37′14″ 138°11′51″
湧水
St.1-2
34°37′12″ 138°11′48″
渓流水
St.1-3
34°37′15″ 138°11′29″
渓流水
St.2-1
34°37′15″ 138°11′28″
河川水
St.2-2
34°37′01″ 138°11′20″
河川水
St.2-3
34°36′41″ 138°11′56″
河川水
St.2-4
34°36′29″ 138°11′50″
河川水
St.3
34°37′02″ 138°11′12″
井戸水
St.4
34°37′02″ 138°11′14″
井戸水
St.5
34°36′53″ 138°11′59″
湧水
St.6
34°43′02″ 138°11′37″
湧水
St.7
34°36′30″ 138°11′44″
湧水
St.8
34°37′03″ 138°11′15″
施肥茶園土壌
St.9
34°37′02″ 138°11′15″ 耕作放棄茶園土壌
St.10
34°36′30″ 138°11′00″
畑地土壌
St.11
34°35′47″ 138°13′16″
湧水
St.12
34°35′02″ 138°13′33″
湧水
St.13
34°36′23″ 138°12′53″
湧水
図 2 茶園周辺の井戸水,湧水,河川水・渓流水,土壌
の採取地点.
台地北端で標高 280 m に達し、南に向かって徐々
に低下し、南端の御前崎では 30~50 m 程度となる。
御前崎台地の頂面は、最終間氷期以降に形成された
堆積段丘面からなっている。この面は段丘面全体と
して見たときには 5‰~20‰の勾配で南西方向に傾
斜している。段丘堆積物の下位には、第三紀の相良
22)
層群
(泥岩)が広く存在している 。
2.2 茶園の分布
御前崎台地を形成する堆積段丘面の西側には
23)
200 ha の茶園が分布している 。段丘面東側の御
前崎地区では、茶がほとんど栽培されておらず、主
に畑地が広がっている。
2.3 河川・井戸水・湧水・渓流
本調査を行った河川・井戸水・湧水・渓流の位置
を表 1 および図 2、図 3 に示す。
St. 2-1 ~St. 2-4 は茶園周辺を流下する中西川の採
取地点である。中西川は御前崎市と牧之原市の境界
付近の標高約 40 m を源流部とする 2 級河川であ
24)
り、北北東~南南西方向に走る白羽断層 に沿って
流下する。茶園地域を流下する中西川の左岸には谷
が形成されており、谷頭湧水が 4 ヵ所
(St. 1-1、St. 5、
St. 6、St. 7)が分布する。
このうち St. 1-1 から St. 1-3 は中西川の源流の一
つである。St. 1-1(湧水)は渓流となって 500 m に渡
り谷を流下し、St. 2-1 で中西川に合流する。この谷
は St. 1-1 から約 200 m に渡って堆積物で埋没して
いる。渓流水は St. 1-2 を通過してこの堆積物中を
伏流後、再び湧出して St. 1-3 を通過している。な
おこの堆積物は、御前崎市内の浜岡原子力発電所を
建設する際に廃棄された土砂であることが聞き取り
調査から明らかとなっている。
2.4 土壌
25)
St. 8 および St. 9 付近の土壌は黒ボク土である 。
St. 8 は現在耕作と施肥が行われている茶園(以下施
肥茶園とする)
であり、耕作開始から 40 年が経過し
ていることが農家への聞き取り調査から明らかとな
っている
(図 4a, b, c)。St. 9 はかつて耕作が行われ
ていた茶園であるが、
現在は耕作放棄されている(以
下耕作放棄茶園とする)。この耕作放棄茶園は放棄
後 15 ~ 20 年経過していることが明らかとなってい
る(図 4d, e)。St. 10 は畑地である(図 4f)
。St. 10 が
位置する中西川下流には海岸へかけて砂地の畑地が
広く分布している。この海岸沿いの畑地地帯には茶
園はほとんど分布していない。
図 3 畑地周辺の湧水の採取地点.
163
神谷・佐竹:茶園地域の硝酸汚染と酸性化に関する研究
図 4 施肥茶園の景観と施肥の様子(a,b,c),耕作放棄茶園の景観(d,e),
畑地の景観
(f)
.
3.サンプリングおよび分析方法
3.1 水試料のサンプリング
2007 年 6 月から 2009 年 9 月にかけて 2 カ月おき
に St. 3(井戸水)及び St. 5、St. 6、St. 7、St. 11、St.
12、St. 13(湧水)の採水を行った。試水は 0.45 μm
メンブレンフィルターでろ過し、ろ液を 100 ml ポ
リプロピレンビン(和歌山 CIC 研究所製)に入れ、
-30℃で凍結保存した。St. 2-1 ~St. 2-4(中西川)は
2007 年 9 月、11 月に採水した。St. 1-1 ~St. 1-3 は
2009 年 9 月と 11 月に採取した。
3.2 土壌試料のサンプリング
土壌試料は、St. 8(施肥茶園)、St. 9(耕作放棄茶園)
および St. 10
(畑地)
において採取した。St. 8 は 2007
年 11 月、2008 年 3 月、7 月、2009 年 3 月に採取した。
St. 8 は 2007 年 11 月及び 2009 年 3 月に採取した。
St. 10 は 2007 年 11 月に採取した。採取は茶樹の畝
間において 30 cm 土壌コアサンプラー(大起理化工
業、DIK-110B)を用いて行った。試料は 4℃の冷
蔵庫で保存した。
3.3 pH、電気伝導度、土壌 pH
水試料の採取に際して現地で pH と電気伝導度を
pH メーター及び電気伝導度計(HORIBA、pH/
COND METER D-54)を用いて測定した。土壌 pH
測定試料は、30 cm 土壌コアから 2 cm ごとに分け
た未風乾新鮮土 10 g に対し、純水 30 ml を 100 ml
ポリビンに入れ、振とう機(TAITEC, SR-2S)で 1
時間振とうして抽出した。振とう後、抽出液の上澄
み液の pH を pH メーターを用いて測定した。
3.4 溶存イオン濃度の分析
実験室にて試水を解凍した後、試水中の溶存イオ
+
+
+
2+
2+
-
-
ン濃度
(Na 、NH4 、K 、Mg 、Ca 、Cl 、NO3 、
2-
SO 4 )をイオンクロマトグラフ(DIONEX、DX-
120)
を用いて測定した。土壌水抽出液中の溶存イオ
ン濃度は、土壌 pH の測定と同様の方法で土壌を抽
164
出した後、抽出液の上澄みを 0.45 μm フィルタで
ろ過し、イオンクロマトグラフを用いて測定した。
Al、Mn 濃度は ICP
(Nippon Jarrell-Ash, ICAP-750)
を用いて測定した。
4.結果
4.1 井戸水・湧水・中西川の pH の経年変化
茶園周辺の井戸水、湧水及び畑地周辺の湧水の
pH の時系列変化を図 5 に示す。
St. 3(井戸水)の pH は 4.2 ~ 4.9 を示した。2007
年 9 月に pH4.2 と最も低い値を示し、2008 年 5 月
には pH4.8 まで上昇した。その後 pH4.4 を示した
が、2008 年 5 月以降は再び上昇して pH4.7 ~ 4.9 を
示した。このように St. 3 は pH4 ~ 5 を示し、酸性
化していることが明らかとなった。St. 5( 湧水)の
pH は 3.9 ~ 5.1 を示した。St. 5 では、2007 年 11 月
に pH5.0 を示した後低下し、pH4.5 付近を推移した。
St. 6(湧水)の pH は 4.7 ~ 5.8 を示した。St. 6 では
2007 年 11 月までは pH が上昇傾向にあったが、そ
れ以降は低下し、pH5.0 付近を推移した。St. 7(湧水)
の pH は 3.7 ~ 6.0 を示し、茶園周辺の湧水におい
図 5 茶園周辺の井戸水,湧水および畑地周辺の湧水の
pH の経年変化.
地球環境 Vol.15 No.2 161-170
(2010)
表 2 中西川
(St.2-1 ~St.2-4)
の pH,EC,Mg ,Ca ,SO4 ,NO3 ,NO3-N 濃度
2+
採取地点
採取日
pH
EC
-1
(mSm )
St.2-1
2007 年 9 月 21 日
2+
2-
2+
Mg
-
2+
Ca
2-
SO4
mgl
NO3
-
NO3-N
-1
7.2
43
12.2
39.5
99.6
84.1
19.0
St.2-2
7.4
86
17.6
60.1
131
89.8
20.3
St.2-3
7.3
55
14.4
41.8
110
92.2
20.8
St.2-4
7.5
78
13.0
35.6
97.2
77.8
17.6
St.2-1
2007 年 11 月 6 日
7.2
53
11.2
35.2
90.4
66.1
14.9
St.2-2
7.2
63
16.8
59.6
122
56.1
12.7
St.2-3
7.4
49
12.2
36.7
91.5
57.3
12.9
St.2-4
7.6
51
12.5
31.6
81.0
47.2
10.7
て唯一上昇を続ける傾向にあった。2007 年 6 月に
は pH3.7 と最も低い値を示したものの、同年 11 月
から上昇し続け、2009 年 9 月には pH6.0 を示した。
このように茶園周辺の湧水の pH は St. 3(井戸水)と
比較して大きく変動したが、pH4 ~ 5 を示す場合が
ほとんどであり、酸性化していることが明らかとな
った。
一方、畑地周辺の湧水は St. 11 では pH6.0 ~ 6.9
を示し、St. 12 では pH6.5 ~ 7.7、St. 13 では pH5.4
~ 6.9 を示した。このように畑地周辺の湧水は
pH6.0 ~ 7.7 のほぼ中性付近の範囲で推移してお
り、茶園周辺の湧水と比較しても pH が高く、酸性
化していないことが明らかとなった。
中西川(St. 2-1、St. 2-2、St. 2-3、St. 2-4)の pH 及
び EC、カルシウムイオン濃度、マグネシウムイオ
ン濃度を表 2 に示す。
St. 2-1 において 2007 年 9 月及び 11 月に pH7.2 を
示した。St. 2-2 においては、2007 年 9 月に pH7.4
を示し、同年 11 月には pH7.2 を示した。St. 2-3 で
は 2007 年 9 月に pH7.3 を示し、同年 11 月に pH7.4
を示した。St. 2-4 では、2007 年 9 月に pH7.5 を示し、
同年 11 月に pH7.6 を示した。このように河川水は
pH7 付近であるにもかかわらず、硝酸イオン濃度が
-1
-1
90 mgl 、硫酸イオン濃度が 100 mgl を超える値
を示す地点もあった。この結果は、中西川の水源で
ある St. 5 や St. 6 のように酸性化した湧水が、流入
するまでに中和したことを示していた。
4.2 硝酸態窒素濃度の経年変化
茶園周辺の井戸水、湧水及び茶園地域外の畑地の
湧水の硝酸態窒素濃度の時系列変化を図 6 に示す。
-1
St. 3
(井戸水)
では 12.9 ~ 29.7 mgN l を示した。
-1
St. 3 では 15 mgN l 付近を示したが、最も高い値
-1
で 29.7 mgN l を示した。これは水道水基準の約 3
倍の値であり、本調査の中で最も高い硝酸態窒素濃
度であった。
-1
St. 5(湧水)では 11.6 ~ 22.1 mgN l を示した。
-1
St. 5 では 20 mgN l を上回る場合が多く、茶園周
辺の湧水の中で最も高い値を示した。St. 6(湧水)に
-1
おいては 6.6 ~ 18.6 mgN l を示した。St. 6 では
図 6 茶園周辺の井戸水,湧水および畑地周辺の湧水の
硝酸態窒素濃度の経年変化.
2009 年 1 月に 10 mgN l を下回る値を示したこと
-1
を除き、15 mgN l を上回る値を示した。St. 7(湧
-1
水)においては 10.1 ~ 19.8 mgN l を示した。St. 7
の硝酸態窒素濃度は茶園周辺の湧水の中で最も低い
-1
値を示したが、10 mgN l を下回ることはなかっ
た。
また表 2 に示すように中西川
(St. 2-1、St. 2-2、St.
2-3、St. 2-4)の硝酸態窒素濃度は 2007 年 9 月におい
-1
て 17.6 ~ 20.8 mgN l を示した。また、同年 11 月
-1
には 10.7 ~ 14.9 mgN l を示し、環境基準を上回
った。
このように茶園周辺の井戸水、湧水、中西川は環
-1
境基準である 10 mgN l を下回ることはほとんど
なく、硝酸態窒素によって汚染されていることが明
らかとなった。硝酸態窒素濃度の時系列変化の傾向
は St. 6 と St. 7 において類似していたが、その他の
地点では共通する季節変化は認められなかった。
一方、茶園地域外の湧水では、St. 11
(湧水)
で 4.3
-1
~11.9 mgN l を示した。2007 年 6 月、9 月、11 月
-1
において 10 mgN l を上回る値を示したが、それ
-1
以降は 10 mgN l 以下を推移した。St. 12
(湧水)
で
-1
は 4.3~9.8 mgN l を示した。2007 年 9 月および 11
-1
月において 10 mgN l を近くの値を示したものの、
-1
5 mgN l 前後を推移し、本調査の中では最も低い
-1
値を示した。St. 13
(湧水)
では 6.8~12.6 mgN l を
-1
示した。この地点では 10 mgN l を付近を推移す
-1
165
神谷・佐竹:茶園地域の硝酸汚染と酸性化に関する研究
St.3(井戸水)
図 7 St. 3
(井戸水)
の溶存イオン濃度の経年変化.
St.5(湧水)
図 9 井 戸水および湧水の水素イオン濃度と硝酸
イオン濃度の関係.
図 8 St. 5
(湧水)
の溶存イオン濃度の経年変化.
ることが多く、畑地周辺の湧水のうちで最も高い値
を示した。
このように茶園地域外の湧水 St. 11~St. 13 の硝
-1
酸態窒素濃度は 6~12 mgN l の範囲で推移した。
-1
環境基準である 10 mgN l をわずかに上回っては
いるものの、茶園周辺と比較して低い値を示し、硝
酸態窒素による汚染の程度が小さいことが明らかと
なった。
4.3 溶存陽イオンおよび陰イオン濃度
溶存陽イオンおよび陰イオン濃度の時系列変化を
図 7、図 8 に示す。
-1
St. 3(井戸水)では、硫酸イオン濃度が 100 mg l
-1
を上回る高い値を推移し、2008 年 11 月には 194 mg l
と最も高い値を示した。また、硝酸イオン濃度の時
系列変化は硫酸イオン濃度の変化と類似していた。
-1
陽イオンでは、カルシウムイオン濃度は 30~40 mg l
の範囲で推移し、ナトリウムイオン濃度は 20~
-1
30 mg l の範囲にあった。
St. 5(湧水)では、硫酸イオン濃度が 2007 年 8 月
-1
に 100 mg l を上回り、同年 11 月に減少した後再
-1
び 100 mg l を上回った。その後減少を続け、
-1
2008 年 11 月に 58 mg l と最も低い値を示した。
-1
2009 年 3 月以降は 100 mg l 付近を示した。St. 5
の硫酸イオン濃度は茶園地域内の湧水の中で最も高
い値を示した。また、St. 3 同様に硫酸イオン濃度
と硝酸イオンの時系列変化が同様の傾向を示した。
166
図 10 井戸水および湧水の水素イオン濃度と硫酸
イオン濃度の関係.
陽イオンではカルシウムイオン濃度が 20~30 mg l
-1
を推移し、2009 年 3 月には 40 mg l と最も高い値
を示した。
井戸水、湧水(St. 3、St. 5 ~St. 7)
では硝酸イオン
濃度と硫酸イオン濃度が高い値を示した。さらに両
イオン濃度の経年変化の傾向は類似していることが
明らかとなった。特に茶園地域内の井戸水や湧水ほ
ど顕著であった。
また、水素イオン濃度と硝酸イオン濃度、硫酸イ
オン濃度の関係を図 9 および図 10 に示す。硝酸イ
オンがすべて硝酸として存在すると仮定すると、硝
酸イオン濃度が対応する水素イオン濃度よりも大幅
に上回ることが明らかとなった。この傾向は、茶園
地域内の井戸水と湧水で顕著であった。硫酸イオン
濃度についても同様の結果を示した。したがって、
井戸水や湧水に含まれる硝酸イオンや硫酸イオンの
内、硝酸や硫酸として寄与しているものは少なく、
硝酸塩や硫酸塩として存在しているものが多いこと
が明らかとなった。
4.4 アルミニウムおよびマンガン濃度
アルミニウム濃度およびマンガン濃度を表 3 に
示す。
-1
アルミニウム濃度は、St. 1-1(湧水)で 11.3 mg l
-1
と高い値を示したほか、St. (
4 井戸水)
で 11.3 mg l 、
-1
地球環境 Vol.15 No.2 161-170
(2010)
表 3 井戸水および湧水の pH,Al 濃度,Mn 濃度.
採取地点
採取日
St.1-1(湧水)
2009 年 9 月 19 日
pH
Al
mgl
Mn
-1
4.3
11.3
0.87
St.1-2(渓流水)
4.8
6.86
1.53
St.1-3(渓流水)
7.1
< 0.02
0.01
St.4 (井戸水)
4.4
11.3
1.88
St.3 (井戸水) 2009 年 1 月 3 日
4.9
0.55
0.25
St.5 (湧水)
3.9
3.62
0.62
St.6 (湧水)
4.8
0.04
0.07
St.7 (湧水)
5.6
< 0.02
< 0.01
St.11 (湧水)
6.0
< 0.02
< 0.01
St.12 (湧水)
7.0
< 0.02
< 0.01
St.13 (湧水)
6.0
< 0.02
< 0.01
図 11 St. 1-1
(湧水)
の流下に伴う pH,Ca ,NO3 ,
Al 濃度の変化.
2+
-
St. 5(湧水)で 3.6 mg l と高い値を示した。一方、
畑地周辺の湧水では検出限界以下であった。
-1
マンガン濃度は、St. 1-2(渓流水)
で 1.53 mg l を
-1
示し、St. 4(井戸水)で 1.88 mg l 、St. 5(湧水)で
-1
0.62 mg l と高い値を示した。
アルミニウムとマンガンの濃度は pH が低い茶園
周辺の井戸水や湧水(St. 1-1 ~St. 6)で高く、pH が
高い畑地周辺の湧水(St. 11 ~ 13)ではほとんど検出
されなかった。
4.5 湧水の中和
St. 1-1(湧水)の流下に伴う pH、溶存イオン濃度
の測定結果を図 11 に示す。
St. 1-1 は湧出部であり、pH4.3 を示した。pH は
渓流となって流下するに伴って上昇し、St. 1-2 では
pH4.8 を示した。この渓流水は堆積物中を 200 m に
渡り伏流し、湧出した。湧出後に再び谷を流下し、
St. 1-3 では pH7.1 を示し、湧水が完全に中和されて
-1
いた。EC は、St. 1-1 では 53 mS m を示し、St.
-1
-1
1-2 では 54 mS m を示し、St. 1-3 では 70 mS m
を示し流下に伴って増加した。溶存イオン濃度はカ
-1
ルシウムイオン濃度が St. 1-1 で 41.3 mgN l を示
-1
したが St. 1-3 では 80.4 mgN l と 2 倍に増加した。
-1
一方アルミニウム濃度は St. 1-1 で 11.3 mg l を示
-1
図 12 土壌 pH の鉛直分布
(左:水抽出,右:KCl 抽出)
.
したが、St. 1-3 では検出限界以下まで減少した。硝
-1
酸イオン濃度は St. 1-1 では 118 mgN l を示した
-1
が、St. 1-3 では 44 mgN l と 3 分の 1 に減少した。
4.6 茶園土壌
施肥茶園土壌、耕作放棄茶園土壌、砂地畑地の土
壌 pH を図 12 に示した。
施肥茶園土壌は水抽出では、土壌 pH2.9 ~ 4.0 と
いう非常に低い値を示した。表層付近では pH3.3 で
あったが、深度 10 cm より下になると徐々に下が
り始め、深度 25 cm では pH3.0 を示し、30 cm では
pH2.9 にまで低下した。KCl 抽出では、土壌 pH2.5
~ 3.0 を示した。KCl 抽出においても、深度が大き
くなるにつれて pH が低下する傾向にあった。この
施肥茶園は茶の耕作開始から約 40 年間絶えず施肥
を続けてきた土壌であるため、窒素肥料に含まれる
アンモニアの酸化に伴う酸性化が起きていると考え
られる。耕作放棄茶園土壌は、水抽出で土壌 pH4
~ 5 を示した。これは施肥茶園の土壌 pH よりも 1
高かった。深度 15 cm まで減少し pH3.8 を示し、
その後わずかに上昇して pH4.0 を示した。KCl によ
る抽出でも同様の傾向を示した。畑地土壌は水抽出
で pH5 ~ 6 を示し、茶園土壌のいずれと比較して
も高い値を示した。
施肥茶園および耕作放棄茶園土壌の水抽出液中の
アンモニウムイオン濃度、硝酸イオン濃度、硫酸イ
オン濃度を図 13 に示す。
2009 年 3 月の耕作放棄茶園土壌の深度 0~2 cm
-1
におけるアンモニウムイオン濃度は 1.6 mg l を示
し、深度 30 cm まではほぼ一定であった。これは
施肥直後(2008 年 3 月、施肥 1 週間後)の深度 0~
2 cm におけるアンモニウムイオン濃度の 100 分の
1 で あ っ た 。 硝 酸 イ オ ン 濃 度 は 深 度 0 ~2 c m で
-1
25.7 mg l を示した。これは施肥直後の硝酸イオ
ン濃度の 30 分の 1 であった。硫酸イオン濃度は深
-1
度 0~2 cm で 22.3 mg l を示した。これは施肥直
後の深度 0~2 cm の 30 分の 1 であった。このよう
に耕作放棄茶園土壌のアンモニウムイオン濃度、硝
酸イオン濃度、硫酸イオン濃度は施肥茶園土壌より
167
神谷・佐竹:茶園地域の硝酸汚染と酸性化に関する研究
図 13 施肥茶園および耕作放棄茶園土壌の水抽出液中の
アンモニウムイオン,硝酸イオン,硫酸イオン濃
度の経年変化.
も大きく減少していることが明らかとなった。
5.考察
茶園には大量の硫酸アンモニウムが投入され、こ
の大量投入の影響が危惧される。本調査の結果、茶
園周辺の井戸水や湧水の水質には共通する特徴が見
られた。その特色とは、(1)pH が 4~5 の範囲にあ
-1
った。
(2)
硝酸態窒素濃度が水道水基準の 10 mgN l
を上回った。土壌の特色は、施肥茶園土壌の施肥 1
週間後の土壌 pH は 3 ~ 4 を示し、強酸性であった。
酸性物質が土壌に供給されても、中和剤、土壌、
砂礫層によって中和される。しかし、井戸水や湧水
の pH は 5 以下の場合がほとんどであった。これは、
茶園から浸透した酸性水が中和剤、土壌、砂礫層で
中和されなかったことを示していた。土壌や砂礫層
の酸緩衝機能が大きく低下し、茶園土壌から供給さ
れた硝酸や硫酸が地下水に浸透し、井戸水および湧
水が酸性化していると考えられる。
中西川や渓流水の下流では pH7 を示し、酸性水
の中和反応が見られた。本研究では St. 1-1(湧水)~
St. 1-3(渓流水)で確認された。この渓流水は流下す
るに従いカルシウムイオン濃度が大きく上昇した。
これはカルシウムイオンの溶出が中和に寄与したこ
とを示していた。一方、硝酸イオンは流下に伴って
減少した。これは、谷が堆積物で埋没し、渓流水が
伏流していたことから、脱窒によって減少したため
と考えられる。しかし、硝酸イオン濃度の減少につ
いては、脱窒量の測定など詳細な調査を行う必要が
ある。このような中和反応や脱窒反応の事例は牧之
168
原台地の北部の水田で報告されてきた
。
茶園周辺の井戸水や湧水では、St. 1-1、St. 1-2、
St. 4 などの pH が低い地点ほどアルミニウムイオン
やマンガンイオン濃度が高い値を示した。牧之原台
地の地下水の調査において、pH が低い地下水では、
アルミニウムイオンやマンガンイオン濃度が高くな
20)
ることが報告されている 。本調査でも同様の結果
が得られた。しかし、St. 3 のように pH が低い地点
でもアルミニウムイオンが低濃度を示したことから
も、アルミニウムなどの溶出は地点によって異なる
ことが明らかとなった。
前述したように、茶園周辺の井戸水や湧水の酸性
化をもたらすのは茶園から浸透した硝酸や硫酸であ
ると考えられる。茶園周辺の井戸水、湧水、河川水
-1
の硝酸態窒素濃度は環境基準である 10 mgN l を
下回ることはほとんどなく、井戸水で最大で
-1
-1
30 mgN l 、湧水で最大 22 mgN l と高い値を示
した。これは酸性化と同時に茶園周辺の井戸水や湧
水が硝酸態窒素によって汚染されていることを示し
ていた。
井戸水
(St. 3 および St. 4)
は周囲を茶園に囲まれた
場所に位置する。また、湧水は St. 7 を除き、茶園が
分布する御前崎段丘面から中西川に向かって形成さ
れた谷の谷頭湧水である。さらに御前崎段丘面は南
西方向に傾斜しており、段丘面を構成する上部礫層
22)
には同方向に傾斜する平行層理が発達している 。
したがって、段丘面下の浅層地下水の流動方向はこ
れとほぼ一致すると考えられる。茶園周辺の井戸水
や湧水において硝酸イオン濃度が高い値を示したこ
とからも、井戸水や湧水の硝酸態窒素は、茶園に供
26), 27)
地球環境 Vol.15 No.2 161-170
(2010)
給された窒素肥料の分解に伴って生じる硝酸イオン
が地下水に浸透、流動し、湧出しているものと考え
られる。
施肥茶園では土壌は pH3 ~ 4 を示し、茶園土壌
が酸性化していることが明らかとなった。土壌を採
取した茶園は耕作開始から 40 年以上経過しており、
施肥が行われ続けていることから、酸性化が定常状
態にあると考えられる。耕作放棄茶園土壌の土壌
pH は 4 ~ 5 を示した。また、水抽出液中のアンモ
ニウムイオン濃度、硝酸イオン濃度、硫酸イオン濃
度は施肥茶園と比較して大きく減少していることが
明らかとなった。これは耕作放棄によって窒素肥料
の供給が停止し、降雨、地下への浸透、茶樹による
吸収、表面流出、硝酸イオンやアンモニウムイオン
は脱窒、揮散によって土壌から減少したためと考え
られる。その結果、pH が上昇したと考えられる。
一方、畑地周辺の湧水の硝酸態窒素濃度が茶園周
辺と比較して低かった。畑地周辺は砂地畑が多く、
栽培作物は主にダイコン、タマネギ、カンショ、ネ
ギなどである。これらは茶のように多量の窒素肥料
16)
を必要としない 。したがって、窒素肥料の分解に
伴う硝酸イオンや硫酸イオンの土壌および地下水へ
の供給量が少なく、地下水や湧水の硝酸態窒素濃度
が低い値を示したと考えられる。さらに、海岸砂地
畑地帯の浅層地下水においては脱窒が起こりやすい
28)
ことが明らかとなっている 。これらによって畑地
周辺の湧水の硝酸態窒素濃度が低くなっていると考
えられる。また、St. 10(畑地土壌)では土壌 pH5 ~
6 を示し、施肥茶園土壌のように酸性化していなか
った。これは、前述のように、窒素肥料の施用量が
少なく、土壌中の硝酸イオンや硫酸イオン濃度が低
くなっているためと考えられる。さらに、海岸砂地
畑では降水によって肥料成分が地下へ速やかに浸透
29)
する ことから、土壌表層から硝酸イオンや硫酸イ
オンが下層へ浸透することで表層が酸性化していな
かったと考えられる。
これら畑地の状況は、大量の窒素肥料の施用によ
って酸性化と硝酸態窒素汚染が引き起こされている
茶園と対称的であった。
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(2003)茶栽培法,21-22.
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19)熊澤喜久雄(1999)地下水の硝酸態窒素汚染の現況.
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20)田中豊和・井伊博行・平田健正・西川雅高・中島
二夫・梅原鎬一・小川裕美(2001)静岡県中部地方
の茶畑周辺の地下水について.水工学論文集,
45,355-360.
謝
辞
21)佐竹研一(2004)環境水-酸汚染の歴史と課題.ぶ
んせき,7,415-418.
本研究は茶園農家の神谷綾乃、神谷暢吉、神谷美
鈴の皆様にフィールドの御提供ならびに調査・研究
に御協力をいただきました。また元素分析について
国立環境研究所の伊藤裕康、大川雅代、佐藤理恵子、
熊田玲子の皆様に御協力をいただきました。感謝い
たします。
22)杉山雄一・寒川 旭・下川浩一・水野清秀(1987)静
岡県御前崎地域の段丘堆積物(上部更新統)と更新
世後期における地殻変動.地質調査所月報,8,
443-472.
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http://www.tdb.maff.go.jp/machimura/
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169
神谷・佐竹:茶園地域の硝酸汚染と酸性化に関する研究
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組織を敷設した海岸砂地畑における窒素溶脱量の
推定.日本土壌肥料学雑誌,71,512-519.
170
Shogo KAMIYA
立正大学にて地球環境について学ぶ。
修士論文では「茶園地域の硝酸汚染と酸
性化」についての研究成果をまとめた。
静岡県の茶園及び耕作放棄茶園ならびに
茶園近くの湧水の硝酸汚染と酸性化を取
りまとめた本稿はこの修士論文をもとに作成したものである。
佐竹 研一
Kenichi SATAKE
専門は生物地球化学、陸水学。湧水、
渓流・河川、湖沼、森林、樹木、環境汚
染の指標植物などの研究を行っている。
また、環境汚染史解明の新しい研究手法
「入皮法(いりかわほう)」を創始し、入
皮法による各国の汚染史解明研究を指導している。1999 年 3
月より編集委員。主な編著書:『自然観察と発見』
(イセブ印
刷)、『酸性環境の生態学』
(編)
(愛智出版)
、『酸性雨研究と環
境試料分析』
(編)
(愛智出版)、『新しい地球環境学』
(西岡秀三
編,古今書院)
(分担執筆)、
‘Acid rain 2000-Special issue of
water air and soil pollution’
(K. Satake, Editor in Chief, Kluwer
Academic Publishers, 1854p.)、‘Metals in the Environment’
(M.N.V. Prasad Editor, Marcel Deller Inc.)
(分担執筆)など。
立正大学地球環境科学部環境システム学科・教授、理学博士。