2013年 7月 No.205 号 One for All, All for One ∼1人はみんなのために、みんなは1人のために ラグビーのチームスピリットを表す言葉。先日、早良区に住む画家岡部文明 さんの『ピエロの画家 魂の旅路』出版記念会（東京）に出席した。 岡部さんは、高校生の岐阜国体の時にラグビーで頸椎を傷め、車いすの生活 となった。人生の大きな目標を失った少年を来日したニュージーランドのラガ ーマン4人が励ましに来てくれた。 その後岡部さんは画家としての道を歩み始 め、ピエロを題材として絵を描き、世界中のピエロと出会う旅を続けてきた。 ピエロとの出会い、奥さんとの出会い、など様々なエピソードがあるが、中で も2011年ニュージーランドでのラグビー・ワールドカップ大会の年にニュー ジーランドで個展を開いたときの話は、感動的だった。 失意の少年時代に励まされた４人のラガーマンにお礼を言いたい、今の自分の姿を見てほしい、と いう願いを持っていた岡部さん。彼の願いを聞き、日本中のラグビー仲間が動き、個展と再会が実現 した。４人のうち２人は亡くなっていたが、遺族の方たちにも岡部少年の話は伝えられており、岡部 さんを訪ねてくれたという。そして44年ぶりの感動の再会を関係者と共に喜び合った。 著書にはこう書いてある。「人が人を優しくしたり、何らかの形で声をかけたりすることが相手の 心に響き、その人の人生にいかに素晴らしい結果をもたらすかということを、如実に物語っている。 たとえ時間がかかっても、そこに国境も人種も宗教も政治も超えた人間の持つ本来の優しさがある限 り、そこには人間同士が支え合って生きる基本としての尊さがある…」と。 世界が一つのチームであれば、そのチームの一員である私たちは、あのラグビーのスピリットを表 す言葉のように、そして岡部さんの言葉のように、すべてを超えて支え合い生きていけるはずであ る。（院長 二ノ坂） 健康教室のご案内 毎週火曜日 １３：００∼１４：００ 場所／にのさかクリニック 参加 無料 2 肺炎の話（最近の話題も含めて） 8/6 狭心症について 7/ 8/ 9 痛風について 13 お盆休み 7/ 16 バングラデシュと手をつなぐ会 8/20 レット・ミー・ディサイド ぼけても普通に暮らしたい 7/ 8/ 23 27 よろず相談（介護や福祉のこと） 7/ 医師 大久保 院長 二ノ坂 看護師 寺山・熊 院長 二ノ坂 院長 二ノ坂 認知症になっても安心して老いるために 第２宅老所よりあい 村瀬孝生さん ソーシャルワーカー 内田・寺町 ※都合により内容を変更する場合がございます。予めご了承ください。 EVENT REPORT 先月行われました公演やイベントのリポートです。 第一薬科大学にて∼院長二ノ坂の講義∼ 池本タエ子さんをお招きして 開催日／2013年6月11日（火） 場所／第一薬科大学 番の幸せ者です」とおっしゃいました。 お母さんや弟さんを家で看取れなかったことを後悔 し、自分が死ぬ時は絶対家に帰る、自分の布団の上で 死にたいと思って自宅に帰ってきたそうです。不安も 確かにあるけれど、病院にいるより不安は少なくなっ たという理由を次のように述べられました。 「朝起きて、自分で植えた花、畑の野菜を見ること ができる。小鳥の声を聴くことができる。友達や親族 がいつでも来ておしゃべりができる。病院では普通の 第一薬科大学のターミナルケア論の講義（院長二ノ 坂担当）の最終日、当クリニックで診ている患者（池 本タエ子）さんに参加していただきました。主治医で ある二ノ坂医師から池本さんへインタビュー形式で話 をして、学生さんに在宅ホスピスの話を聴いてもらい ました。後半は二人でオカリナの演奏（アメイジング グレイス、ふるさとの２曲）もありました。 池本さんから事前にお聴きした話と講義の中でのお 話を合わせて、少しご紹介したいと思います。池本さ 暮らしは制限される。私は、自分の家で生きて行きた い。」と。そして「残り少ないいのちだったら、楽し く生きたい。まわりも楽しくなって欲しい。自分が楽 しくしてればまわりも楽しくなる。」とも。 先日お母さんの夢を見た時のこと…「もう少し待っ ててね…って言いました。そして幸せだったよという 言葉を、母へのお土産として持って行きたいと思って います。」…と語っていた晴れやかな表情がとても印 象的でした。（統括部長 内田） んは一年前、スキルス性の胃がんで手術ができないと 告知されました。その時は、目の前が真っ白になり狂 い泣きしたこともあったそうです。でも今はとても幸 せだとおっしゃっていました。 病気をする前の池本さんは、いろんなことで悩み何 度も死のうと思ったことがあったそうです。そんな自 分がこの病気をした後は、夫がいつもそばにいて優し くしてくれるし、ボランティアやオカリナの仲間もた くさんできて、充実した生活を送っている。「私は一 バングラデシュ看護学校建設プロジェクト 実現に向けてまた一歩 事務局からご挨拶と進捗状況 にのさかクリニックとは、長く、深く、関わって ができ、人が集まり、活気が出ているそうです。遠く いましたが、これまでこの活動には無関心でした。 離れた日本の多くの方々からの支援が、現地の方々の しかし、ひょんなことから、今年5月に、バングラデ 喜びや活力に繋がっているからだと思います。 シュと手をつなぐ会・看護学校建設プロジェクトの 昨年、看護学校建設プロジェクトが発足しました。 事務局の話が舞い込みました。仕事をするようにな 現在、現地では１階部分の基礎工事が終わり、屋根そ って、二ノ坂代表をはじめ、会のスタッフの 人生意 して2階部分へと建設が進んでいます。来年夏の開校を 気に感ず 支援の姿に、ただただ驚いています。 目標に、もっともっと多くの方々にこの活動に対する 『バングラデシュに小学校を作る会』から始まっ ご理解とご支援をお願いしていかなければなりませ たバングラデシュへの教育面・医療面での支援活動 ん。その為に、微力ながら頑張ります。 は、25年を過ぎました。建設したションダニスクー 皆様のより一層のご支援をよろしくお願い申し上げ ル（小・中・高）や母子保健センターの周りには店 ます。（事務局 笠松範子） 福岡県医療ソーシャルワーカー協会講演会∼院長二ノ坂∼ 定例研究会 開催日／2013年6月8日（土） 場所／博多駅バスターミナル9F大ホール しながら支援（援助）をしていきます。人権を守り、 生活の困難を克服するために相談者と共に考え闘う重 要な仕事をしているのですが、まだ社会的な認知度は 低く制度的な基準も曖昧で、その報酬も決して十分と は言えない職種です。しかし講師は「そのことを行政 や制度のせいにしないこと、今日からそういう愚痴を いわないこと、医療ソーシャルワーカーである自分達 の問題であり責任であることを自覚せよ」という刺激 的な言葉から始まり、ケアの力とは何か、チームとは 普段病院などで患者さんやそのご家族から相談を 受けている、ソーシャルワーカーが所属する協会で 講演会（講師：院長二ノ坂）が行われ、100名を超 す参加者が真剣に聴き入っていました。 この人達は医療ソーシャルワーカーと呼ばれ、相 談を受け関係機関に働きかけたり環境調整をしたり 何か、そして最後は、より人間らしい死を迎えるため のコミュニティ創りという盛りだくさんの90分でし た。講演会の参加者の中には、講師の言葉に自問自答 した人や、これからの仕事に変化が出てくる人がきっ といるのではないかと感じさせるような話でした。 （統括部長 内田） 風疹について 予防接種が大切 感染予防対策情報 今年は『風疹大流行』のニュースをよく耳にしま 足、受けたいのに受けられないという方もおられるで す。大々的に取り上げられている理由、それは妊娠 しょう。「風疹の検査はできますか？」「風疹の予防 初期の女性が感染すると赤ちゃんの目や耳、心臓な 接種はできますか？」等、当クリニックへの問い合わ どの障害が出る「先天性風疹症候群」を引き起こす せも増えています。現在、予防接種についてはご希望 おそれがあるからです。 に添いかねる場合がありますが、風疹の免疫の有無に 流行は首都圏や近畿地方を中心に全国的に拡大して ついては血液検査で調べることができます。（保険は います。ワクチン接種を受ける機会がなかったとみ 適用外です。医療機関により料金が異なりますので事 られる20∼40代の男性が8割を占め、今年の全国患 前にご確認ください。） 者数は6月9日現在1万人を超えたと発表されまし 福岡市では成人女性を対象とした風疹の抗体検査を た。（福岡県の患者数は5月現在全国9位） 行なっており、各区の保健福祉センターでは安い費用 風疹ウイルスに感染すると発疹や発熱、リンパの （760円）で検査を受けることができますので、お問 腫脹などの症状がでます。ウイルス潜伏期間は2∼3 合せの上ご利用ください。 週間ですが、発症を自覚できる数日前から発症後数 ■早良区保健福祉センター TEL851-6012 日間は感染力があるといわれています、まだウイルス 実施日：7月∼9月は月に2回 第1・3(水)■ を出している状態なのに自己判断で職場に戻るな 妊娠可能年齢になったら抗体検査を受けておかれる ど、自覚のないまま人にうつすケースもあり注意が ことをお勧めします。生まれてくる赤ちゃんを守るた 必要です。 めにも、自分自身が感染源にならないためにも、それ では、どうやって予防すればいいのでしょう？感染 ぞれの立場でできることをやっていきましょう。予防 経路は飛沫感染や接触感染ですから、手洗いやうが 接種や医療費等についてのお尋ねは遠慮なくお声掛け い、マスク着用といった日頃の感染予防対策も大切 下さい。（受付 古賀） ですが、予防接種が最も効果的とされています。厚 生労働省は予防接種を受けるよう呼びかける一方で 接種者急増によるワクチン確保の問題から、妊娠を 希望する女性や妊婦の周囲の方を優先するよう自治 体や医療機関へ協力を求めているのが現状です。 予防接種を受けようと思った矢先ワクチンが不 Event 催し物・イベントのご案内 7/9（火） 話 ふれあいサロン・よろいだ集遊館 院長 二ノ坂講演会 にのさかクリニック健康教室 ミニミニ・プレ情報 飯倉カレッジ・男女共同参画事業 ふれあいサロン・よろいだ集遊館 7/9（火）「痛風について」 「レット・ミー・ディサイド」について 痛風について知っていますか？ 痛風は、血液中の尿酸の結晶が関節に沈着して起こる 病気です。痛風になると、関節が赤く腫れあがり激し ●日時：７月１２日（金）10:30∼12:30 ●場所：鎧田町内会館 TEL 090-1977-3515（笠松） ・ ・ ・ ・ ・ い痛みを伴います。 飯倉カレッジ∼男女共同参画事業∼ 「いのちを受けとめる新しい町へ①」 か、どのようなことに気をつけたらよいか…特にお酒 あなたは「かかりつけのお医者さん」が や食事について皆さんとお話したいと思っています。 いらっしゃいますか？ どうぞお気軽にご参加ください。（看護師 熊） ●日時：７月３１日（水）19:00∼ ●場所：飯倉公民館 TEL 092-864-0818 そこで７月９日の健康教室では、痛風とはどんな病気 ・ ・ ・ ・ ・ 7/23（火）「ぼけても普通に暮らしたい」 クリニックからのお願い ∼認知症になっても安心して老いるために∼ 特別養護老人ホーム、宅老 所よりあいの勤務を経て、 1996年から第２宅老所より あいの所長を務める、村瀬孝 生さんが講師。本（左写真） も執筆されています。 老いや認知症という、避け ては通れない問題について、 たっぷりお話していただきま す。日々現場で感じることや 数多い経験を踏まえた貴重な お話が聴けると思いますよ。 ぜひご参加ください。 （月） バングラ看護学校プロジェクトの募金箱設置と お薬の処方について ●バングラデシュ看護学校建設プロジェクト募金箱： クリニックの近隣に募金箱の設置をお願いしていま す。もし置いてもいいよ、というところがあればぜひ ご連絡ください。当院外来待合室にも設置しています ので、ご協力よろしくお願いします。 ●お薬の処方について： 外来窓口やお電話にて、診察なしでお薬のみご希望に なる方がいらっしゃいます。診察なしでお薬のみを処 方することはできません。どうかご理解のほどよろし くお願いいたします。 ● 診 療 の ご 案内● （火） （水） （木） （金） 9：00 午前 外 来 診 療 13：00 昼休み 健康教室 訪 問 外 来 診 療 昼休み 14：00 訪問診療 17：00 18：00 ※ 午後 外来診療 診 療 訪問診療 外来診療 午後5：00∼6：00の外来診療は、訪問診療の都合により、診療開始時間が遅れる ことがございます。診察をご希望の方は事前にお電話いただけると幸いです。 （土）
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