12.研究成果概要図 (別添2 ) (ID06-44)「新規低分子NF-kB阻害剤(DHMEQ)による新 たな免疫抑制剤療法の開発」 【研究目的】低分子NFkB阻害剤DHMEQの臓器移植、細 胞(膵島)移植モデルにおける免疫抑制剤としての有効性 と作用機序を検討する。また、皮膚炎症性疾患への治療効 果を検討し、新しい抗炎症外用薬を開発する。さらに、臨床 応用に向けた薬剤投与法・投与方法の確立、副作用の有 無などについて検討し、本薬剤の臨床適応を決定し速やか に臨床応用への道筋をつける。 【研究期間】H18~H22年度 【実施体制】 北海道大学 消化器外科・一般外科(総括) 北海道大学 分子制御外科(協力) 北海道大学 皮膚科(協力) 慶應義塾大学 理工学部(分担) 明治薬科大学 薬学部(分担) 北海道大学大 薬学研究院(協力) 【研究成果】 ・小動物臓器・膵島移植モデルにおいて、DHMEQの急性および慢性拒絶反応抑制効果を確認した。また、 拒絶反応に関与するリンパ球、樹状細胞等免疫担当細胞に対する作用と機序を解析した。(マウス心移植モ デル、気管移植モデル、動脈硬化モデル) ・皮膚科領域の炎症性疾患(アレルギー性皮膚炎モデル)において、DHMEQの外用薬としての有効性を確 認し、細胞レベルでの機序の解明を試みた。適当な基剤、薬剤濃度の検討、既存薬剤タクロリムスとの比較 実験を行い、その有効性を示した。また、気管支喘息、炎症性腸疾患においても有効性を確認した。 ・DHMEQの安価で安定的な供給のためのDHMEQ(キラル体)の工業的合成法の開発に成功し、ラージス ケールでの合成を行なった。 また、DHMEQをリポソーム化することで水溶製剤化に成功し、血液中の薬剤 安定性を高めた。その後、リポソーム化DHMEQの大量合成を行なった。 ・リポソーム化DHMEQ製剤をもちいて大動物移植実験をおこない、その効果とその効果を検討した。 ・HPLCによる血中および組織内濃度測定法を確立した。 【今後の計画】リポソーム化DHMEQをもちいた大動物実験(臓器・膵島移植)を行うとともに、毒性試験を行 なう。皮膚科疾患を含めた抗炎症剤、免疫抑制剤臨床応用に向けた条件検討を行なう。水溶化DHMEQの 体内薬物動態、安定性を確認する。 1/2 保健医療分野における基礎研究推進事業 (ID 06-44 )「新規低分子NF-kB阻害剤(DHMEQ)による新たな免疫抑制療法の開発」 【研究概要】 本研究は、1)DHMEQによる免疫原性・炎症性疾患モデルでの有用性の検討(細胞、小動物、大動 物)、2)作用機序の解明、3)キラル体合成によるDHMEQ大量生産、4)水溶製剤化(リポソーム化) および濃度測定・薬物動態解析、の各プロジェクトよりなる。 DHMEQの各疾患モデルへの有効性の解析(小動物) A)マウス移植モデル 1)急性拒絶モデル(心移植) 2)慢性拒絶モデル(心移植、気管移植、動脈硬化) B)糖尿病マウス膵島移植モデル C)マウス炎症性皮膚疾患モデル(アレルギー性皮膚炎) D)気管支喘息(マウス)、炎症性腸疾患モデル(ラット) DHMEQ生体内濃度測定法の確立 薬物動態の解析 様々な細胞における DHMEQ作用・機序解析 工業的合成法の確立と (-)-DHMEQ大量合成 OH O HO H N O O (-)-DHMEQ 大動物実験 A) 臓器・膵島移植モデル B) 薬剤毒性検討 C) 薬物動態・代謝解析 臨床応用に向けた総合的検討 2/2 DHMEQリポソーム化 による水溶製剤化 DHMEQ Liposome 保健医療分野における基礎研究推進事業
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