1) USPTOに納付する米国出願料金(2009年)。 出展→ http://www.uspto.gov/web/offices/pac/mpep/documents/appxr_1_16.htm ・基本料金(独立クレーム3項まで、全クレーム数20項まで)→1030ドル 内訳:基本料金310ドル、調査料金510ドル、審査料金210ドル ・3項を超える独立クレーム→210ドル/項 ・20項を超えるクレーム→50ドル/項(従属項は最上位まで逐一分けて計数する) ・多数従属項を含む出願→370ドル追加 ・明細書、デクラレーション、料金納付が揃わない場合→130ドル追加 ・出願時非英語明細書→130ドル追加 ・先行技術調査料金→510ドル/出願 ・審査料金→210ドル/出願 2)米国出願5つのまめ知識 1、新規性(Anticipation) →日本の出願公開後1年以内の米国出願であれば、新規性喪失とならず米国出願可 能(米国特許法 102 条(b))。 いわゆるグレース・ピリオドといわれる1年間。 先発明主義を採用する米国で早期出願を促す規定であるとされる。 2、宣言書(Declaration) →発明者が内容を確認して自筆によるサインが必要。 宣言書の虚偽陳述は、処罰されかつ特許が無効とされる畏れがある。 IDS提出義務を承知していることも宣誓に含まれる。 3、IDS(情報開示義務) →米国出願後、3 月以内または最初のオフィスアクション迄に、発明者が認識している先 行技術文献をUSPTOに提出(無料)。 その後、許可通知までの対応外国出願に関して発行された国際調査見解書、拒絶理 由通知書に引用されている文献等の提出を、知ってから3ヶ月以内に提出(無料)。知って から3ヶ月後は有料となる。 許可通知後特許発行料を払う迄は、3ヶ月以内に知った文献を有料で提出。 特許発行料を払った後は、一端特許発行を辞退してRCEをして提出。 訴訟では、知っているはずの文献のIDS提出義務違反が、不公正行為として権利行使 不能とされる畏れが高い。(係争になれば、まず最初にIDS義務違反がないか緻密にチェッ クされる) このため、特許発行後であっても有力な関連文献、例えば日本での拒絶査定引例が通 知された場合には、再審査請求等によりIDSすることが好ましい。 4、発明の単一性(Unity of Invention) 日本では一出願で認められる「物と物を作る方法」の場合、米国では「限定要求」が出さ れ、「物」か「物を作る方法」かに、審査対象を選択する必要がある。 選択しなかった発明については、分割出願で対応可能。 なお、PCT出願から移行した米国出願は、PCTルールの単一性基準が適用され日本と 同じ基準となるので、上述の選択の必要はない。 鎌田国際特許事務所 弁理士 鎌田和弘 5、ファイナルオフィスアクションへの対応 日本の「拒絶査定」に対しては審判請求によってのみ補正機会が得られるが、米国の「最 終拒絶」では補正が可能。(この補正でもだめならアドバイザリアクションがくる) 6ヶ月以内にRCE(継続審査請求制度)をすることにより、最終拒絶状態を回避して補 正範囲の内容的加重制限を解除可能。 また、RCEには回数制限がないので、出願人は審査結果に納得するまでRCEをするこ とができる。 鎌田国際特許事務所 弁理士 鎌田和弘
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