国内クラウド市場ユーザー動向調査結果を発表(PDF:716KB)

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国 内クラウド市場 ユーザー動向調査結果を発表
IDC Japan
2015年のIT戦略にクラウドが影響を与えると考える企業割合は44.8%
IDC Japan(以下、IDC)は、2015 年 4 月に実施したユーザー動向調査「2015 年 国内クラウド調査」の結果を発表した。
国内市場では、クラウドは広く普
クラウドの価値を認識する企業が多
過と共に埋まっていくものの、一般
及をはじめた。また、クラウドは登
いことを示している。また、IT 戦略
的な企業に対して、効率化だけでは
場して以来、IT を大きく変革すると
に対するクラウドの影響度が年々高
ないクラウドの価値をベンダーは訴
言われてきた。しかし、クラウドが
まっていくことを表している。
求し続ける必要がある。
IT 戦略に影響を与えると考える企業
クラウドは高い技術力を有する企
効率化だけではないクラウドの価
は、決して多くはない。現在(2015
業や、変革を求める先駆的な企業だ
値の訴求では、社会/企業活動のデ
年)の IT 戦略にクラウドが影響を
けでなく、多くの一般的な企業が利
ジタル化に対応した「IT(クラウド)
与えると考える企業は 44.8%。また、
用するソリューションへと発展して
を使った事業強化」が重要だ。また
2 年後(2017 年)の IT 戦略におい
おり、急速にユーザー層を拡大して
現在、クラウド市場では「パブリッ
ても、クラウドが影響を与えると考
いる。一方、クラウド導入の目的が
ククラウド」
「プライベートクラウド」
える企業割合は 50.1%。
先駆的な企業では「IT や業務の効率
といった配備/サービスモデルに焦
一方、パブリッククラウドサービス
化」と「事業強化」を同時に検証し
点を絞り、コスト/セキュリティと
やプライベートクラウドなど、何らか
ていることに対して、一般的な企業
いった要件から「適材適所」でクラ
のクラウドを既に導入/利用中の企
は「効率化」のみ、
あるいはソーシャ
ウドを選択し、
連携させるハイブリッ
業では、クラウドが現在の IT 戦略に
ルメディア/モバイル対応といった
ドクラウドが高い注目を集めている。
影 響を与えると考える企 業 割 合は
個別案件としての「事業強化」だけ
もちろん、配備モデルの検証は重要
78.7%(強く影響:35.6%、少し影響:
となっている。即ち、
クラウドのユー
だが、
「業務の効率化」と「事業拡大」
43.1%)
。また、
2 年後の IT 戦略では、
ザー層は拡大しているが、
「先駆的
の統合/連携を考慮したハイブリッ
クラウドが「強く影響」を与えると考
な企業」と「一般的な企業」の間に
ドクラウドこそが、価値を創造する
える企業割合は 48.5%だ。これらは、
は溝が見られる。この溝は時間の経
新たな基盤となる。IDC Japan IT サー
現在(2015 年)
ビスリサーチマネージャーの松本聡
全体
14.8
クラウドを利用中の企業
30.0
35.6
37.3
氏は「ベンダーにとって、真のハイ
17.8
43.1
ブリッドクラウドを実現するソ
18.4
リューションの整備が喫緊の課題で
2年後(2017年)
全体
22.8
クラウドを利用中の企業
27.3
48.5
強く影響
少し影響
30.2
31.6
(ほとんど)
影響はない
ある」と分析している。
19.8
14.6
分からない
5.4
(%)
n=3,717(全体)
、n=522(クラウドを利用中の企業) Sour
ce:IDC Japan,8/2015
図1 IT 戦略に与えるクラウドの影響、現在と2年後
34
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ビジネスコミュニケーション 2015 Vol.52 No.9