CHEMOTHERAPY 822 JUNE1969 抗微生物剤の生体内動態に関する研究 Clindamycin(7-Chlorolincomycin)に 北 本 つ い て 治 ・深 谷 一 太 ・友 利 玄 一 東 大 医 科 研 内 科(主 任:北 本 Lま え が 感 受 性 菌 に お い て は 明 らか にLCMに き は 小 さ く,2倍 か ら え ら れ た 抗 生 物 質 で,マ イ ド群 に 近 い 構 造 を 有 し,抗 近 い も の を 示 し,私 が,現 クPtラ 菌 ス ペ ク トル も ほ ぼ こ れ に ど も もか つ て 検 討 成 績 を 報 告 し た 今 ひ ろ く用 い られ て い る こ とは 周 知 の こ と で あ る。 さ ら に こ のLCMにClを (CLM)が つ け た7-Chloro-LCM 提 供 さ れ,Clindamycinと 構 造 式 は 図1の ご と き も の で あ る 。 こ の も の はLCMと に 強 化 さ れ,2∼10倍 菌力は さ ら た 吸 収 が 良 好 で,経 日 投 与 時 の 血 中 濃 度 上 昇 が 早 く,さ ら に 達 し,LCMの これ らの 菌 のMIC値 を,EM,SPM,OM,LMら に つ い て 同 様 の 方 法 で測 定 した と きのMIC値 を,各 株 ご とに 直 線 で 連 結 した も の が 図2で あ る。CLMの それ は他 の 諸 剤 に 比 して もつ と もす ぐれ て い る こ とが 明 瞭 で 意 味 して い る。CLM耐 ま たEM耐 に 達 す る こ と も 報 ぜ られ て い る 。 ま に 同 量 投 与 時 の ピ ー ク 値 は3∼4倍 比 してMIC値 程度 す ぐれ た 成 績 で あ あ つ た。 太 い 線 は 高 頻 度 に あ らわれ るパ ター ンの もの を 名 づ け られ た 。 そ の 抗 菌 ス ペ ク トル は だ い た い 同 一 で あ る が,抗 希 釈 平 板3∼4枚 つ た。 Lincomycin(LCM)はStreptem]ceslincoli!ecasdsvar. lincotnensisnov・sp・ 治 教 授) 約 性 菌 は す べ て に 交 叉 した。 性 ブ ドウ球 菌42株 を と りあ げ,各 種マ ク ロ ライ ド系 抗 生 物 質 に 対 す る交 叉耐 性 に つ い て み る と,表2の ご と く35株(83.3%)は す べ て の もの に対 して交 叉 耐 性 を 示 し,5株(lI.9%)はEMの OMに ほか も耐 性 を 示 し,2株(4.8%)はEM以 外 のす 2倍 の 生 体 内 抗 菌 作 用 を 示 し た と い わ れ る 。 毒 性 も 低 く 表1黄 す ぐれ た 特性 を有 す る抗 生 物 質 と して 提 供 され た 。 私 ど も の こ の も の に 対 す る2,3の 検討 成 績 に つ い て 述 べ る。 MIC 病 巣 分 離 黄 色 ブ ドウ球 菌73株 対 50 0.4 25 0.2 水寒天平板を用 0.1 イ ヨ ン1夜 培 養 原 液 の1白 金 耳 塗 抹 に よ り測定 し 6.3 ≦0.05 をLCMと た 。 そ の成 績 は 表1の と も に,肉 ご と くで,MIC値100mcg/mlな い しそ れ 以 上 の もの35株 と,0.2な は そ れ 以 下 の もの38株 の2群 い し0.05あ にわ かれ た。LCMと るい 構 造式 C〃3 1 ハ1CH3 瞬蝋 謬 "轄 0〃 槻 1 3.1 1 1.6 17 計 73 の 比 較 で は 耐性 菌 に つ い て は 全 く交 叉 耐 性 が 存 在 した が, 図lCLMの 陣 lLCM 0.8 12.5 す るMIC値 い,ブ に つ い て ・CLMに 35 8 4^ 5 2 受性測定 35 4 ≧100mcg/ml 罐0 1 ICLMILCMl MIC ∬・ 方 法 お よび 成 績 1)感 色 ブ ドウ球 菌 の 感受 性 寒 天 平 板,原 液1自 金 耳 塗 抹 図2黄 色 ブ ドウ球 菌 の感 受 性 値 各 種 マ ク ロ ライ ド系抗 生 剤 との比 較 73 CHEMOTHERAPY VOL.17NO.5 表2EM耐 823 性 黄 色 ブ ドウ球 菌 のCLM,LCMな どに 対 す る感 受 性 35 R RlR S S R 計42株 RlR SR り乙 ﹁V R 菌,殺 菌 作 用(CLM) 菌 的 使 用 菌'黄 色 ブ ドウ球 菌 mcg/mll EMSPMI・MLM LCM 劇CLM 表3制 菌 的C:殺 S:制 S 離Nαio・050・IO・20・40・81・63・16・3 sト ヒ 1 S ++++ト_ C S 中 +++i- 2 35株(83.3%)CLM・LCM・SPM。OM・LMにR i C 5株(11・9%){8監L長M'sPM'LMにs i一 S 2株(4.8%)CLM・LCM・SPM。OM・LMにS 十 3 十 十 C r 図3グ ラ ム陰 性 桿 菌 の 感 受 性 値 CLM,LCM,EM3老 の比較 s{+÷L _ 4 α〃 〃6 陽 ∠6〃 c++1一 創4 皇 ξ ++【 S 5 >200 C 十 S 3"x 2〃 2 6 C 1'\ /〃 x=θ ごどa△:κ ε∠どδ ∠865!セ ∠ど∂ ▲:Pse〃 舵!・ob∂`∼ 乞勲o:左scゐ8声 MIC値 を示 す 耐 性 菌 では,los希 2)制 対 す る 釈時 ま では 全 く不 変 準曲線の作製 広 い 範 囲 に お い て 測定 可 能 で あ つ た◇ ご と くで,CLMは りも小 さいMIC値 用 い る重 層 法 に よ り,pH7・2燐 酸 緩 衝 液 に て薬 剤 を希 釈 して 標 準 曲線 を 作 製 した。O.Ol な い し100mcg/m1の を 同様 の方 法 で測 定 した成 績 は,同 一 株 のMIC 5)赤 を 示 す 株 が 多 つ ぐ よい成 績 で あ つ た。 血球吸着性 型 の ご と き方 法 に て検 討 した 成 績 は 図4の ご と くで, 吸 着 後 の上 清 中濃 度 であ らわ す と,赤 血球 濃 度 の濃 い ほ 菌 ・ 殺菌 作 吊 黄 色 ブ ドウ球菌 を 用 い,液 体 培 地2倍 希 釈 法 に て 型 の ご と くMIC値 上の 七ん宏 ブ ドウ球 菌209Pを 値 を直 線 で 結 ん で あ らわ す と図3の の差 は 平 板 であつた。 吻!刀onas 各 種 グ ラム陰 性 桿 菌 のCLM,LCM,EMに く,EMに 一 一 に と ど ま りわ ず か で あ つ た 。100mcg/ml以 4)標 明 らか にLCMよ 十 1∼2枚 べて に 感受 性 を示 した。 MIC値 十 抹 した場 合 と,原 液 を用 い た 場 合 のMIC値 ・:5∂tmo!7ε 。:5勿 十 を 測 定 して 制 菌 的MIC値 と した の ち, うに,上 清 中 のCLM残 存 量 が や や 多 く,吸 着はあま り多 くない よ うで あ つ た 。 菌 発育 を み とめ な い試 験 管 か ら1白 金 耳 を, 薬 剤 をふ くまな い 寒 天 平 板 に 塗 抹 して 発 育 の 有 無 を検 し,殺 菌 的MIC値 を み た と ころ, 表3の ご と く制 菌 的MIC値 との 差 は 試 験 管 0∼4本 の間 に あ つ た 。 ふ つ うマ ク ロ ライ ド 黄 色 ブ ドウ球 菌 を 用 い,寒 天 平 板 法 で検 査 した 成 績 は表4の ご と くで ・105希 釈 液 を塗 ハ0 種 菌 量 の影 響 ﹃V 3)接 乙乙 こ とが推 定 され た。 3 る差 は小 さ く,か な り殺 菌 的 作 用 を も有 す る o.2i 9台 有す 表4接 種'菌量 の 影響 色 ブ ドウ球菌,寒 天 平板 法 lO"一` 液li。-i 雪1 が大 きい こ とが 多 い の に比 し,CLMの \ \菌 量i 菌 株 \i原 \1 α N 系抗 生剤 で は 主 と して 制 菌 的 作 用 を呈 し・差 CLM,黄 O.10.1 olil 0.10.1 O,2[ 0.10.1 >IOO >100{>IOO >IOO >100{>100 >100 >IOO 10'"4 10-b i>100i>100i>100 >lool>100 トlool>100 示す lO--b 18ill8ii,ll:651 、 〉 乱 品㌧談 雄 MIC値(mcg!m1>で lO一3 O.8 3.l O.2 JUNE1969 CHEMOTHERAPY 824 図4CLM赤 血 球吸 着,吸 兎 のCLIMのcrossover血 100mg/kg経 口投 与 ■ 〃 〃5 一 撫 詔 〃鰍 実 12∠Z5∠3 一 n n "赤 表5CLMの 3〃32 Z5Z7 c勿 "L 対 緩 衝 液, 外液中濃度 に100mg!kgのCLMを き の血 中 濃 度 は 図5の ご と くで,ピ 個体 差 が 大 で あ つ きの 成 績 は 図6の ご 高 い ピー 口投 与 時 の 血中 濃 度 口投 与3羽 40 0.32 ! ノ 30癒1235時 b)ラ 審z・ 麗15 5L∠)入 こ 度 は 表6,図7の 経 口投 与 した と き の 臓 器 内濃 ご と くで,臓 器移 行 は 良 好 で あ り,そ の ピー ク値 は 肺,脾,肝,心,腎,血 町 周 同 ッ トに経1コ投 与 時 の 臓 器 内濃 度 ラ ッ トに50mg/k9を 30参1234567醐 / … … 血 中濃 蕨 ア%の 一・ 一 腸}彗・ 容4〃 爵 10 0.3 2 兎 のCLM経 100mglkg経 5.8 ノ ク値 を うる よ うで あ つ た 。 図5家 2.4 4 は,2∼3倍 2.1 . 6 比 してCLMで 2.8 口投 与 時 の臓 器 内 濃 度 E 量 投 与 とのcrossoverと 1.9 〃 渋 LCM同 2.5 2.0 濃/2 ない た。 と くで,LCMに 3.7 8 し3時 間後 に あ り,5∼25mcg/m1と ー ク値 は30分 0.07 ノ トにCLM経 50mg/kg投 与 吻 経 口投 与 した と 0.07 l 兎 に 経 口投 与 時 の 血 中 濃 度 l.5 ∩V 収 ・排 泄 a)家 血清 図7ラ 4.6 ( U 7)吸 家 兎3羽 ご と くで,そ な り,結 合 率 は 中 等度 とみ な さ れ た 。 7.O 3 間後 の成 績 で み る と,表5の の平 均 は60%と 5.2 ハ ∪ 用 い て48時 4.3 / ユ 2 セ ロフ ァ ン嚢 透 析 に よ る血 溝蛋 白結 合 率 を,馬 血 清 を 4.0 / 0.48mcg!ml 腸 内容 清 蛋 白結 合率 5.3 nO 60% 均 平 / 0.05 3.L 3、3 OJ 0。57 4.3 5 ー 1。6 4.8mcg/9 1.4 2.6 3.7 3 Q♂ 3.3 1時醐2 30分 後 り幽 5.7 ッ トにCLM経 口投 与 時 の 臓 器 内濃 度 50mg/kg投 与 Ωり lO 厨 り凸 68% 73 56 52 50 59 22mcg/ml 3.2 1.4 表6ラ 肝 脾 腎 肺 心脳 1 ∬ 皿 W V W 70mcg/ml 37 13 7 6)血 血清蛋 白 結 合 率 対 馬血 清, 外液 中 濃 度 _ 30分1234567時 セ ロ フ ァ ン嚢 透 析 に よ る血 清 蛋 白 結合 験 八 Z1 一 π 〃 5 β 袋 / 訓 旋鴻 ヱ 実 レ ム7勿 5汐53 43 中濃 度 \ 瀕 図6家 着後の上清中濃度 清,脳 の 順 で あつ た 。 臓 器 内濃 度 は 脳 を除 きす べ て血 中 濃度 を 上 回 わ り, CHEMOTHERAPY VOL17NO.5 2∼2.5倍 に 達 した。 c)マ 825 表8マ ウ ス にCLM経 100mg/kg投 与 ウ ス に経 口投 与時 の臓 器 内 濃 度 マ ゥス に100mg/kgのCLMを 経 口投 与 した と き 口投 与時 の臓 器 内濃 度 (ホ モ ジ ネ ー トに お け る 力 価 減 少 が 仮 りに 実 在 し た と 考 え た 場 合) の臓 器 内 濃度 は 図8の ご と くで,ピ ー ク値 は1時 間 後 に 1時 闘 後 清 の 順 を示 した 。 肝脾 腎 肺 脳 あ り,肺,腎,肝,脾,血 マ ウ ス臓 器 ホ モ ジ ネ ー トと の接 触 に よる力 価 の減 少 を LCMと と もに 検 討 す る と,既 知 濃 度 の薬 剤 は,型 のご とき臓 器 内 濃 度 測 定 法 に 準 じて 操 作 して上 清 中 の濃 度 を 測定 す る と,残 存 率 は表7の ご と くで,CLMで は肝 に 6、3 0.6 7.O 1.7 ll、5 2.9 0 0.1 大 差 な く,不 活 化 は 少 な い も の と思 われ 1.3mcg/ml 22 血清 腸 内容 た。 1.0 15.8mcg/9【 おけ る力価 の低 下 が かな り大 で あつ た が,他 の臓 器 に お いて はLCMと 2時 間 後 O.14 47 この 力価 減 少が 仮 りに 実 際 そ の ま まあ つ た もの と した 場 合 の値 で,図8を 書 き直 す と,i表8の ご と くに な りピ ー ク値 の 順 序 は 肝,肺,腎,脾 の順になつた。 実9マ ウ ス にCLMお よ びLcMloomg/kg経 口投 与時 の臓 器 内濃 度 (各 々 の 標 準 曲 線 で 示 す 〉 また,マ ウ スにLCMを 同 量経 口投 与 した と きの 臓 器 内濃度 をな らべ て 示 す と,表9の はLCMで 高 く,肺,肝 ご と くで,腎 にお い て な どに おい て ぱCLMで 数倍高 ρO 9歯 AU にJ oJ 2 oJ Q4 4盈 A U ︽U 度8 8>実 2.1mcg!ml 28 菌logコ 1.Omcglml 35 の マ ウ ス の背 部 皮 下 に 病 巣 分 離黄 色 ブ ドウ球 ない し10sコ を接 種 し,た だ ち にCLM・LCM・ 4 EMを 2 後 に膿 瘍 の大 い さ を検 索 す る と,表10の そ れ ぞれIOOmg/kgず つ経 口投 与 し・48時 を 与 え て平 均 値 を 出 す と,IO9コ 12時 時 周 CLM,LCM,EMの LCMの 器 ホモ ジネ ー トの 力 価 減 少 よ びLCM(残 存 率 で 示 す) CLM 肝 脾 腎肺 脳 51% 100 81 91 73 ΩU ブ﹂ >100 84% 78 81 81 92 -義 Ωリ >100 LCM 9>臨 間 ご と くで評 点 接種時に は そ の 値 は 順 に 小 さ く,CLMは す ぐれ た 効 果 を 示 した。108ロ 周 2.9 >4,000 験 的 感 染 症 に 対 す る治 療効 果 1群4匹 6 表7臓 CLMお 9 ノ 鰭 霊且 腸 内容 血清 腸内容 Q﹂ 2.6 2 (V 8 5 血清 濃/0 器 - 1。4 i9:1 間後 0 陸 臓 -▲ 3 " 0.6 m 口投 与時 の臓 盟 内 濃 度 与 O,5 }8・ 鵠 ・mcg/9 幽! ウス にCLM経 100mg/kg投 塒 間制2時 間 後i ハV 図8マ LCM CLM 1時 間 後i2時 肝 脾 腎 肺 脳 い値 を示 した 。 ア もつ と も 接 種 時 にはEM・CLM・ 順 で あ つ た。 床使用成績 症 例lH.Y.74才 男 気 管 支 拡 張症(図9) 急 性 増 悪 に対 し てCLMl日600mg分4に 週 間 投 与 し,下 熱,喀 疾 減 少 を み,X線 て約3 上陰影の縮少を み とめ有 効 と判 定 され た。 起 炎 菌 に つ い て は不 明 で あ つ た。 症 例2N.K.38才 ラ音 聴 取 男 気管 支 炎 喀 疾 あ り。CLMl日600mg分4に 日間 経 口投 与 し,喀 疾 の 減 少 を み,有 効 と され た。 症 例3K.T.71才 男 気管支 炎 同 じ く咳 噺 。喀 疾 。ラ音 聴 取 し,CLMl日750mg て5 CHEMOTHERAPY 826 表10マ ゥ スの ブ ドウ球 菌 感 染 に対 す る治 療 効 果 皿.考 各 抗 生 剤100mg/kg経 口投 与 ブ ドウ球 菌 背 部 皮 下 接 種 菌 JUNE1969 量 Clindamycin(7-Chl。rolincomycin)はLCMの log 2 5.5×5 CLM 1.5 5x5 3.5×3.5 1.5 4.5×2.5 1.5 1.6 1.5 3×3 1.5 4.5×4、5 L5 4.5×6 2 5 1 4.5×3 4.5×4.5 平均 膿瘍の大い さ 1.5 4mm×5mm 占い 抗生斉N 平均 点 瘍の大いさ 1.5 3×5 5 1 1.8 4.5×4.5 1.5 2 5.5×4 13×3 2 6x6 0;充 血 2 6×4.5 5.5x8 鐙∂ 2 2.1 2 5.5×5.5 4 8、5×7 2.5 9×5 2.5 22x13.5 4 18×16.5 3.7 3 対照 工1XI2 2 7.5×6.5 1.6 う。 また 本 剤 で か な り殺 菌 的 作 用 が み とめ ら れ た こ と は,マ 吸収 ・排 泄 の 点 に お い て も,動 物 実 験 で あ るが,本 剤 工.3 は 明 らか に母 体LCMよ 例lH、Y.74才 δ りす ぐれ,速 や か で,し 与 量 の 減少 を 図 るこ とが 可 能 で あ る根 拠 が 与 え られ た と 考 え られ る。 臓 器 内 濃度 の 分 布 で 肺 濃 度 が 高 い こ とは, 2.3 マ ク ロ ライ ド系一 般 の抗 生 剤 の 有 す る特 性 と思 わ れ,す で にSPMな 体LCMで とか ら,LCMと 気管支 拡張症 どで も知 られ て い る こ と と同 様 で あ つ た は 腎濃 度 が 高 く,肺 に比 較 的 低い こ 比 較 した と きの1相 違 点 と して 注 目さ れ る。 呼 吸 器 感 染 症 に対 す る治 療 にLCMを 餓 一 かも 高い 血 中濃 度 値 を示 した と こ ろか ら,こ の方 面 か ら も投 が,母 図9症 ク ロ ライ ド系 抗 生 剤 に 近 い とされ る点 か らは注 目 す べ きこ とで あ ろ う。 2 6×5 他 の 同 類 の 抗 生 剤 中 で は 抜群 る こ と も十 分 理 解 し うる こ と が 判 明 した 。 本 剤 の 価 値の 2 6x3.5 関 す る限 りでは,CLMは 第 旦の 点 と して まず 抗 菌 力 の よさ を あ げ る こ とが で き よ 1 1.5 4.5×4.5 性 ブ ドウ球 菌 に は さ した る期 待 が お け ない の 抗 菌 力 を 示 して お り,投 与 量 の 減 少 が す す め られ てい 1.5 .3.5×5 EM らに マ ク ロ ラ イ ド系 抗 生 剤 に も交 叉 が お よん で お り,こ の点 に おい の で は な か ろ うか と思 わ れ た 。 しか し,こ と感 受 性 菌 に 1.5 L5 4×4 て は す べ て交 叉 耐 性 を 示 す こ とが 知 られ,さ て は,EM耐 2 8.5×4.5 LCM 誘 導体 で あ つ て,抗 菌 ス ペ ク トル も同 一 で あ り,耐 性菌 に おい 108 \ぞ 盤 察 24/3%6!014〃22 凌駕するよ い 成 績 を収 め うる か ど うか が 検 討 され るべ きで あ ろ う。 CL〃6〃"夢 分% また 臓 器 内濃 度 の血 中濃 度 に対 す る比 が5∼4:1と い こ と も有 利 な こ とで,LCMに ※造影 気管 支 轟 数 字 で あ り,同 じ数 値 の血 中濃 度 を え た と して も,実 際 曝 5600 白 血球数1〃00 血 沈 ηη (僻 嗣)38 麟 紳 細茜5か レih.㈹ 〃ヒ'擁加(》) κと86∫ 観㈲ 大き 比 して か な りす く ・ れた の 罹 患 臓 器 へ の分 布 は さ らに多 い こ とが 考 え られ る。 総 体 的 に み てCLMは 交 叉 耐 性 に よ る鰯約 を除 け ば, マ ク ロ ラ イ ド群 な らび に 類 似抗 生 物 質 中随 一 の抗 菌 力 な 23 らび に 吸 収 ・排 泄 ・分 布 の動 態 に長 所 を 有 して お り,十 分 な 利 用 衝 値 を 承 認 せ られ るで あ ろ う。 ※ 左B8.9,〃に棒状拡 張 な お 私 ど もは 臨 床 使 用 経 験 に 乏 し く,こ の方 面 で の 副 作 用 な どの検 討 が 不 十 分 で あ るた め,結 論 的 な こ とは差 分3に て2週 間 投 与 し,症 状 を 軽 快 を み,ラ 音 の減 少 を 認 め た。 の発 現 は十 分 監 視 せ ね ば な らな い こ とは 当 然 で あ ろ う。 症 例4S.K.20才 女 て5日 間 状 軽快 し有 効 で あ つ た 。 症 例5KA48才 男 肺 結 核 に て 入 院 中,右 StaPh]lococcusepidermidisを 日600mg分4に グ ラム陽 性 菌 用 の 抗 生 剤 は す で に 数 多 く,中 に は ほ と 急 性 気管 支 炎 咳 徽 ・微 熱 あ り,CLM1日600mg分4に 投 与 し,症 控 え た い。 い か に す ぐれ た 利 点 を 備 え て い て も,副 作用 て6日 て 有 効 と判 定 され た。 れ る現 状 で あ るが,本 急 性外耳炎 剤 は 単 に 経 口少 量 投 与 に よつ て有 効 性 を うる に止 ま るば か りで な く,さ らに大 量 を用 い, 耳 よ り 漿 液 性 分 泌 物 を み, 純 培 養 状 に 検 出 し,CLMl 間 投 与 に よ り,治 ん ど全 く耐 性 菌 の存 在 を み とめ な い もの もい くつ か み ら 癒iし た 。 よ つ 重 症 感 染 症 に対 す る治療 を も試 み る価 値 が あ り,他 の注 射 剤 に 伍 して 成 績 を競 う ご と き事 態 が え られ るか も しれ ない。 VOL. 17 NO. 5 CHEMOTHERAPY IV・ 結 827 ピ ー ク 値 の 順 序,肺,脾,肝,心,腎,血 論 6.マ 新 しいLCM誘 (CLM)に ピ ー ク 値 は 肺,腎,肝,脾,血 導 体Clindamycin(7-Chlor-LCM) つ い て2,3の 検 討 を行 ない,つ ウ ス に100mg/kg経 ぎ の成 績 を え た。 菌 力 試験 で は 黄 色 ブ ドウ球 菌 はCLMに LCMよ 対 し, りも2倍 希 釈 平 板3枚 程 度 小 さいMIC値 を示 2.殺 菌 的MIC値 で0∼4段 と制 菌 的MIC値 と,腎 の差 は2倍 希 釈 ず か で あ つ た 。LCM投 の み で 低 か つ た が,他 で50%で 与 と比 較 す る のす べ て の臓 器 に お い て は 高 濃度 を示 した。 7.マ したが,耐 性 菌 で は す べ て 交 叉 耐 性 を示 した 。 清 の順 であ つ た 。臓 器 ホ モ ジ ネ ー トと の 接 触 に よ る 力 衝 の 減 少 は,肝 あ つ た ほ か は,わ 1.抗 清 を 示 した 。 口投 与 時 の 臓 器 内 濃 度 の ウ ス の ブ ド ウ球 菌 皮 下 感 染 に お け る 治 療 効 果 は,LCM,EMよ 階 で あ り,殺 菌 的 作 用 を 有 す る こ と も示 され り す ぐれ た 成 績 を え た 。 薬 剤 を 提 出 さ れ た 日 本 ア プ ジ ョ ソKKに 感 謝 す る。 た。 3.赤 血 球 吸 着性 は大 で な く,セpaフ る血清 蛋 白結 合 率 は 平 均60%で 4.家 兎 に100mg/kg経 ク値は5∼25mcglmlで1∼3時 とのcrossovertestで,LCMよ 文 ァン嚢 透 析 に よ あつた。 1)北 口投 与 時 の血 中濃 度 の ピ■ ・-wL 間 後 に あつ た。LCM ッ トに50mg/kg経 2)深 りか な り高 い 値 を え STUDIES ON 口投 与 時 の 臓 器 内 濃 度 は, PHARMACOKINETICS ON 治,深 谷 一 太:抗 微 生 物 剤 の生 体内 動 態 に 関 す る 研 究 一Lincomycinに biotics,Ser.B18(2):80∼81,1955 谷 一 太,谷 荘 吉,友 っ い て 一 。J.Anti- 利 玄 一:Lincomycinの 細 菌 性 赤 痢 に 対 す る 使 用 経 験 。ibid.18(6):506∼ 508,1965 た。 5.ラ 本 献 3)CLM研 OF 究 報 省 集 。 日 本 ア プ ジ ・ ソKK ANTIMICROBIAL AGENT CLINDAMYCIN OSAMUKITAMOTO,KAZUFUTOFUKAYA & GEN-ICHI TOMORI Department of Internal Medicine, Institute of Medical Science, University of Tokyo (Director: Prof. 0. KITAMOTO) Summary On a new lincomycin (abbreviated as LCM) derivative, clindamycin or 7—chlorolincomycin (abbreviated as CLM) several experiments were carried out and the following results were obtained. 1. So-called sensitive Staphylococcusaureus showed the smaller MIC values against CLM than LCM at about three degree of plates in two-fold dilution method. 2. The difference between bactericidal and bacteriostatic MIC values was zero to four grades. 3. CLM had no strong adsorption to red blood corpuscle. The serum protein binding rate by means of cellophane bag dialysis was 60% on the average. 4. The peak serum level following oral administration of CLM to rabbits in dose of 100 mg per kg was 5 to 25 mcg/ml at 1 to 3 hours after starting. At cross over test of CLM and LCM, CLM showed considerably higher levels in each animal. 5. The peak organ level after oral administration of CLM to rats in dose of 50 mg per kg ranked in the order as lung, spleen, liver and kidney, each exceeding serum level. 6. The similar experiment to mice gave the same results as the above ones. The mixing with organ homogenates brought the reduction of CLM concentration of about 50% in that of liver, but was slight in other organs. Comparing with LCM oral administration, only kidney level was higher in this case, and CLM was always superior to LCM in other organ distribution. 7. The treatment of CLM against staphylococal subcutaneous infection to the back of mice showed more execllent effect than that of LCM or erythromycin.
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