輻湊検査(輻輳近点)

準備物調節視標・光視標・メジャー
PD を測定し、(近見)矯正上から被検者に
調節視標をしっかり見るように指示する
ハンドブック4版では近見矯正となっているが、輻湊の4要素
全てを含むのが輻湊近点なので自然な状態で良いと思う。プリズ
ム効果もでるし・・・。ただし調節障害がある場合不正確となる場合
があるね。それと若年者も距離 30cmから調節性輻湊を働かせた
方が統一できて正確という考えもあるし、どちらとも言えない。
視標を被検者の顔の正面から 40∼50cm 離れたやや下方位置から、鼻根
部へ向けてゆっくり近づけながら輻輳を命じ、輻湊の限界まで続ける
例)
被検者自身の指を視標にし
たり視標を指で示すと行ない易い
が、駿河台日大病院によると、あ
まり診断的価値がなく、輻輳不全
の発見は優位眼に赤フィ ルター
が一番有効とのこと。
輻湊が不可能である見分け方として
・固視目標が2つに見え始める点を問う(ぼけた点ではない)
・両眼球が内転しなくなった点
・片眼がすぐに外側へ離れる点・瞳孔が散大する点
輻輳できなくなった!
ハ ン ド ブ ック 第 3 版
P68 は外眼角となって
い る が 、 下記 の 計算
では加算するので。
輻湊異常の簡便な検出
斜視の病態の把握
目的
輻湊検査(輻輳近点)
内眼角(正しくは角膜頂点)から
の距離 Lcm を測定する
例)
臨床では鼻根部からの距離で代用して良く、下記のややこしい計算は通
常しない。鼻根部距離に鼻根部の高さを 12mm、回旋点までを 14mm として計 26mm
を加算するともっと正確。ただし、加算しないなら回旋点距離に近い外眼角からの
距離の方が正確。角膜頂点には内眼角からの方がより正確。
視能矯正-理論と実際-p254
Lcm=6.7cm PD=60 ㎜だった!
その他の方法)
距離で表す方法
メートル角で表す方法
輻輳角で表す方法
視標と両眼の回旋点を結んだ直線の距離bcm を下記の式に当て
はめて計算する
固視標
L が cm なので 100 を
かけるよ。1.3 は省略
することもある。
輻湊角θ
角膜頂点から
の距離 Lcm
bcm=√(L+1.3)2−a2/4
a:瞳孔間距離(cm)
L:角膜頂点からの距離(cm)
bcm
メートル角
1
=
(L+1.3)×100
θ=
a
b
×100
1.3 ㎝
a/2
回旋点
瞳孔間距離a
回旋点
例)
√(6.7+1.3)2−62/4=7.4・・・だった!
1/(6.7+1.3)×100=14.9・・・
その計算した値が輻湊近点距離(単位はcm)
6/7.4×100=81.0・・・
その値が メートル角
(単位 Ma)
その値が輻湊角
(単位は⊿)
判定基準)
光視標 によっ
ても同様に行う
赤フィルターを片眼
に装用させ光源が2 つ
に分かれる点を問うても
よ い。但 し融 像性 輻輳
は出来にくくなるね。
正常:通常 6∼8cm
異常:10cm 以上
決まった記載法がなく、その
病院の記載法に従うこと。
記載・判定例)
輻輳可能な
距離
Convergence 7.4cm
自分の結果を書いておこう!
又は言葉(詳細は下記)で記載する
又は good
言葉の場合
to (the) nose
good
・良好とまでは言えない場合 better、weak(まずまず∼不良とまでは言えず)
・鼻根部まで OK な場合
・6∼8cmまで
(約 9∼10cm未満)
・10cm以上の場合
poor(不良)
参考
輻湊近点距離の良好な順番
①調節視標
②光視標(ただしこれは不安定)
③片眼赤フィルター装用下光視標
測定法の詳細
(1)固視標までの距離を基にして表す方法
(a)メートル角(Ma)
眼の回旋点と固視目標との距離(m)の逆数。単位は、メートル角 meter angle(Ma)。
欠点:瞳孔間距離の大小によって実際に輻湊した角度が異なること。
固視標
メートル角=1/B Ma
=
Ma
1
回旋点から固視目標
までの距離(m)
Ma
B(m)
回 旋点 から 固視 目標
までの距離
1Ma
1m
回旋点
2Ma
回旋点
50cm
例)正視の人が2mの位置にある固視標を注視した場合
回旋点が基準
1/2
Maの輻湊と
1/2
Dの調節を必要とする。
調節の計算がわからない場合、Ma
の計算をすれば良い。
参)ジオプトリ‐は眼の第一主点からの距離であり、メートル角とは微妙に異なる。
(b)眼から固視標までの距離
両眼の回旋点を結んだ直線と固視標との間の距離(図のb)をいい、通常は cm で表す。輻湊・
開散の遠点・近点はこの方法で表現する。
固視標
bcm=√(L+1.3)2−a2/4
=√(角膜頂点からの距離+1.3) 2−瞳孔間距離2/4
角膜頂点からの距離
Lcm
これは、三平方の定理C2=A2+B2 に当
てはめよう!!
B=√C2―A2
bcm
1.3 ㎝
A=a/2 B=b C=L+1.3
回旋点
瞳孔間距離acm
回旋点
b=√(L+1.3)2−(a/2)2
=√(L+1.3)2−a2/4
(2)輻輳・開散の幅を角度で表す方法
(a)プリズムジオプトリ‐
復習
Lmの距離でhcm ずれた場合の角度θは、単位はプリズムジオプトリ−(⊿)
⊿=hcm/Lm
角度
hcm
Lm
緊張性輻湊以外の角度を求め、プリズムジオプトリーで表す。
θ=輻湊角
固視標
θ(⊿)=a/b ×100
=
瞳孔間距離(cm)
a/2
×100
両眼の回旋点を結んだ直線から固視標までの距離(cm)
θ
これは、プリズムジオプトリ‐の式
⊿=hcm/Lmで考えよう!
固視目標までの距離
bcm
回旋点
瞳孔間距離acm
h=a/2 b=b/100
回旋点
θ(⊿)=(a/2)/(b/100)×2
= a×100×2
2×b
=a/b ×100