インドネシア国バンダ・アチェ市において、防災教育と災害アーカイブに関する調査・セミナー 発表を行いました(2015/9/3−13) テーマ:2004 年インド洋大津波からの復興、防災教育とアーカイブの活用 場所:バンダ・アチェ市内、シャークアラ大学津波災害軽減センター 2015 年 9 月 3日〜13日、インドネシア国アチェ州バンダ・アチェ市において、本研究所 情報管理・社会連携部門の桜井 愛子准教授とボレー・ペンメレン・セバスチャン助教は、アチ ェの津波博物館・シャークアラ大学と連携し、防災教育と災害アーカイブに関する現地調査を実 施しました。桜井准教授はバンダ・アチェ市内の 2004 年津波浸水域の小学校を中心とした学 校調査を、ボレー助教はシャークアラ大学のムザイリン・アフワン准教授と沿岸部ムラクサ地区 の 3 つの村を中心としたデジタル・アーカイブ素材の収集、ヒアリング調査に取組みました。 また、調査期間中の9月10日には、シャークアラ大学津波災害軽減研究センター (TDMRC)の主催する「災害科学セミナー 防災教育」において、 「日本における学校安全と 防災教育」 (桜井) 、 「防災教育の手段としての災害メモリアル」(ボレー)をテーマに発表しまし た。桜井准教授からは、東日本大震災以降の日本の学校安全の強化に向けた施策等についての紹 介に続いて、バンダ・アチェ市での小学校調査をもとに、全108校の内、半数以上の 55 校が 2004 年の津波浸水域に現在も位置している現状を踏まえて、教育委員会と防災管理担当部局 との間でのコーディネーション、各学校の年間活動計画の中で定期的な津波避難訓練の実施を可 能とするための制度改善、等の必要性が指摘されました。ボレー助教からは、東日本大震災後や スマトラ島津波の津波メモリアルの紹介、さらに 2004 年アチェ大津波から 10 周年が経過し たアチェにおいて、アチェ津波ミュージアム、シャークアラ大学、東北大学災害科学国際研究所 が協働し、 「アチェ津波デジタル・アーカイブ:Digital Archive Tsunami in Aceh (DATA) 」の構築に向けて現在準備中であることが報告されました。セミナーには、学校教育 関係者、大学研究者、アチェ州、バンダ・アチェ市の防災・復興担当者、NGO 関係者等、総勢 55 名が参加し、アチェにおける持続発展可能な学校防災のあり方について活発な意見交換が行 われました。当日のセミナーについては、現地新聞 serambi Komunitas においても紹介され ました。 9 月 11 日には、桜井准教授は TDMRC ハイルル・ムナディ所長とともにシャークアラ大 学ヒジール・ソフヤン副学長を表敬訪問し、防災教育分野での連携研究について報告いたしまし た。なお、ボレー助教と桜井准教授は、アーカイブを活用した防災教育の展開を見据えて、引き 続き、バンダ・アチェ市の調査を継続していく予定です。 文責:桜井 愛子・ボレー ペンメレン セバスチャン(情報管理・社会連携部門) (次頁へつづく) TDMRC での防災教育セミナー会場の様子 アチェ津波デジタル・アーカイブについて説明する 津波博物館のトミー・ハッサン所長とムザイリン・ アフワン准教授 バンダアチェ市立第65小学校校舎 2 階から 浸水域における学校位置を確認しながら、避難経路 見る津波遺構のひとつ「屋根の上の漁船」 について検討する教員
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