東北大学災害科学国際研究所とイギリス・ロンドン大学リスク・減災研究

東北大学災害科学国際研究所とイギリス・ロンドン大学リスク・減災研究所主催
日英減災研究セミナーを開催しました(2015/10/22-23)
テーマ: 災害軽減のための共同セミナー
場所: 大和ハウス,ロンドン,イギリス
2013 年に災害科学国際研究所とイギリスのロンドン大学のリスク・減災研究所間で SOI が締
結されて以来,両機関は活発な学際研究を共同で進めてきました.セミナーや研究ミーティング,
4 回に渡る被災地での共同調査,そして 2 回の研究者の交換により 10 編の研究論文が出版され
ました.10月22日と10月23日の2日間にかけて,ロンドンにおいて,両研究機関の今ま
での研究成果を報告すると共に,将来の展望について話合われる会合が開かれました.
10月22日に初日の打ち合わせが行われました.1)現在進行中で連携研究である,2011
年津波被害関数と津波被害による仮設住宅においての面談調査とアンケート調査,2)研究者の交
換訪問,3)研究費助成金獲得のための申請関連とプロジェクトの立ち上げなどについて話し合わ
れました.さらに,IRDR の博士課程の学生が,日本学術振興会(JSPS)より短期(4ヶ月)研究
助成金を獲得したので,2016年に4ヶ月間,研究者交換制度を活用して災害科学国際研究所
に滞在することが決まりました.
10月23日には,2つの研究機関がロンドン市所在の大和ファウンデーションにおいてセミ
ナーが行われました.本セミナーには,東北大学とロンドン大学の研究者だけでなく,ケンブリ
ッジやキングスカレッジ,ブリストル大学,オックスフォード大学ブルックスおよび保険会社の
専門家が参加しました.松浦博司 イギリス駐在大使は,始めの挨拶で,両研究機関による共同研
究の重要性についてお話くださいました.当研究所の今村文彦所長は,今までの両研究機関の歩
みについて述べ,日本において11月5日の世界津波の日の制定について紹介をしました.午前
中は,科学や工学的分析手法を用いて地震や津波の分析と脆弱性評価などの発表がありました.
午後は,災害リスク軽減のための社会的問題点と課題について発表と議論が行われました.セミ
ナーの終わりでは,ロンドン大学の IRDR のセンター長である,ピーター教授と当研究所 情報管
理・社会連携部門の小野裕一教授が,両研究機関の連携による共同研究がもたらす貴重な知識と,
現場における実証的研究について話しました.その他,災害リスク研究部門のサッパシー アナワ
ット准教授,保田真理助手,人間・社会対応研究部門の野内類助教,地域・都市再生研究部門の
イ ケリーン助教,災害理学研究部門の遠田晋次教授,情報管理・社会連携部門のボレー セバス
チャン助教が参加しました.当研究所所属教員による発表タイトルは,以下の通りです.
遠田晋次:日本における地震災害評価と2014年長野県の地震
サッパシー・アナワットと今村文彦:世界津波モデル(GTM)のイニシアティブ
小野裕一:仙台フレームワークとグローバル災害統計センター
野内類と保田真理:災害リスク軽減のための避難
イ・ケリーン:NGO の災害対応と活動,そして災害リスク軽減
ボレー・セバスチャン:死体の管理からみるメンタル・ヘルス・サポートと応急対応時期の追悼
詳細なプログラムの確認は下記のリンクから:
http://www.dajf.org.uk/news/uk-japan-seminar-on-disaster-risk-reduction-atdaiwa-anglo-japanese-foundation-on-23-october-2015
文責:サッパシー・アナワット(災害リスク研究部門)
イ・ケリーン(地域・都市再生研究部門)
ボレー・セバスチャン(情報管理・社会連携部門)
(次頁へつづく)
10月22日の IRIDeS-IRDR 打ち合わせ
10月23日の日英セミナー
イギリス駐在大使による始めの挨拶(左)と災害科学国際研究所の所長の今村文彦教授(右)