Back office 会社が得する！行政書士のバックオフィスサポ―ト 税金面で優遇される非営利的な 法人の設立要件と特色 法人の中で圧倒的に多いのは株式会社ですが、 そのほかにも法人格を持つ組織がたくさんあります。 大きく分けますと営利法人、非営利法人、公的法人に区分できますが、今回は非営利的な法人 に着目し、いくつかの法人制度をご紹介します。 非営利法人とは、営利法人のように株主などの構成員の経済的 利益を追求して、団体の利益を分配するということをしない法人 3 社会福祉法人 主な設立要件 のことを指します。つまり、 「非営利法人」は、利益を上げては 1. 原 則として事業をおこなうため必要な不動産は所有すること いけないということではなく、 「利益があがったとしても構成員 2. 担 保権を付ける民間単独融資での物件購入は行政庁の承認が必要 に分配するのではなく、その利益を団体の活動目的を達成するた 3. 理 事は6名以上で学識経験者、地域福祉関係者を含むこと めの費用に充てること」を目的としている点に特色があります。 主な特色 団体がサービスを提供した場合に、対価を得て、売上を上げても、 1. 財 産は出資持分が認められておらず、解散時において最終的に国庫に そこから経費を差し引いて残った利益を団体の構成員などに分配 しなければ、非営利団体となります。公益社団・財団法人、非営 2. 行 う社会福祉事業は、役所の管理監督のもと、高い継続性が確保される 利型一般社団・財団法人、特定非営利活動法人（NPO法人） 、 3. 法 人税・事業税などが非課税になり、補助金も受けられる 社会福祉法人、学校法人、宗教法人、医療法人、職業訓練法人、 4. 営 利目的事業は行うことはできない 協同組合、企業組合はすべて非営利団体である法人になります。 5. 経 営する事業の許認可取得とセットでの法人設立となる これらの法人は、税金面において、収益事業分にのみに課税され、 4 協同組合 会費収入や寄附収入については非課税になるなどの優遇措置を受 主な設立要件 けられる場合が多いです。ここでは、特定非営利活動法人 （NPO 1. ４ 人以上の中小事業者が設立を発起して組合員となること 法人） 、非営利型一般社団法人、社会福祉法人、協同組合の設立 2. １ 組合員の出資額は、全出資額の1/4以下であること 要件と特色を挙げてみます。 3. 設 立の手順、定款、事業計画の内容が適切であること 1 特定非営利活動法人（NPO法人） 4. 事 業目的にふさわしい組織であること 主な設立要件 主な特色 1. 決 められた20分野に当てはまる非営利活動が主目的であること 1. 議 決権は、各組合員の出資の額に関係なく、１人につき１票 2. 役 員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の３分の１以下であること 2. 出 資額に応じて行う剰余金配当は、年１割までに制限されている 3. 1 0人以上の社員（運営に議決権を持つ人）がいること 3. 事 業は組合の利益ではなく、組合員に直接事業の効果を与えることを 主な特色 1. 資 本金や定款認証手数料・設立登記の申請の際の登録免許税等の費用を 以上、４種類の法人を挙げさせていただきました。上記は、全 てが網羅されてはいませんが、 参考にしていただければ幸いです。 必要とせずに設立できる 帰属する 目的として行うこと。 2. 経 営内容を情報公開する必要がある 3. 設 立前に公衆の縦覧（住民の事前チェック）期間が２か月間必要 2 非営利型一般社団法人 主な設立要件 1. 設 立時には社員（運営に議決権を持つ人）が２人以上、 設立後には最低１名いること 2. 理 事３名以上、監事１名以上を必ず置くこと 3. 定 款に、解散したときはその残余財産を国、地方公共団体などに 帰属させる定めがあること 4. 役 員については、親族同士が総数の３分の１以下であること 主な特色 1. 公 証役場の定款認証と法務局の登記手続だけで設立できる 2. 設 立に要する期間が２～３週間程度と短い期間で設立できる 3. 資 本金の制度がなく、資産が０円であっても設立が可能 執筆者紹介 ∼グループ総従業員数450名！∼ ＳＡＴＯ ＧＲＯＵＰ ＳＡＴＯ行政書士法人 東京オフィス 副所長 今城 貴愉 SATO GROUPは、 創業35年余の実績と 品質を誇る業界最高水準のアウトソーサー です。 当法人ではＢtoＢに特化したサービ スを提供しており、 大企業をターゲットと した 「許認可総合管理サービス」 「ビザ・在留資格サポートサービ ス」 「開業支援ワンストップサービス」 を主要業務とし、 お客様企業 に点在している 「リスク管理」 「法令遵守」 「業務の大量処理」 などを 徹底サポートするサービス体制を構築しています。 近年は、 周辺業務をアウトソーシングし、 コアコンピタンスに集 中するというグローバルな経営文化が浸透しつつあります。 ご興味がございましたら是非一度お気軽にご相談ください。 http://sgs.sato-group.com/ 12 03_2015_07_012_CS5.indd 12 2015/06/05 9:49
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