店長昇格はリストラ宣言

マクドナルド店長は管理職か
マクドナルドの店長は管理職か社員かでもめている。一応の決着は裁判所の判決で管理職で
はないという結論が出たようである。
こ れ に つ い て 私 は 30 歳 代 前 半 の と き 気 づ い て 周 り の 者 に 話 し た こ と を 思 い 出 し た 。 私 が 勤
めていた会社の隣にその当時としてはその地方でかなり大きなガソリンスタンドのチェーン店
のうちの一軒があった。
当然のことながら隣ということもあり、便利にこのガソリンスタンドを利用していた。店長
や店員とも気軽に世間話をすることも多かった。そうこうしているうちに奇妙なことに気がつ
いた。
それは社員で店長に昇格したものが、1 年ちょっとでみんな退職していくのだ。不思議に思
って何故店長はだいたい同じ時期に退職するのだと店員に聞いてみた。その店員の説明で納得
した。店員から店長に昇格すると確かに昇給はするがその額はたいしたことはなく、その上店
長になったとたん残業手当がなくなり、残業手当が支給される店員より総合収入が少なくなっ
てしまうということを言っていた。
私 が 見 て い た と こ ろ 店 長 に 昇 格 す る の が 30 歳 く ら い 。 結 婚 し て 子 ど も が 一 人 く ら い い る 時
分だ。結局のところ生活が成り立たなくなって、生活を維持するために新たに職を探して自己
都合退職せざるを得なくなるのである。自己都合退職となれば会社側としては、退職金も大幅
に減額できる上に新入社員を安い給料で雇い入れることができることになり万々歳である。け
れども、退職する側としたら職を失しなう上に退職金まで減額されて踏んだり蹴ったりの状況
に陥る。
こういうことに気がついて周りを見渡したらこれと同様の現象があちこちの職場で起きてい
ることに気がついた。私はこれを職業別実質定年制と呼んでいた。職業職場によって定年が異
な る の で あ る 。 ガ ソ リ ン ス タ ン ド の 社 員 の 定 年 は 実 質 30 歳 位 だ っ た の で あ る 。
マクドナルドの店長もガソリンスタンドの店長と同じ状態ではなかろうか。マクドナルドで
店長になる年齢がマクドナルドの実質の定年年齢なのである。マクドナルドがそうであるとし
たら、他のこれに類した店もだいたい同じ状態だと見て間違いないだろう。
視点を変えて今非難の集中しているお役人の天下りも、上記で説明した職業別実質定年制の
一種である。規則で決められている定年年齢よりも早く肩たたきをされ外郭団体へ職を移すの
である。役員として天下った人間が短期間に外郭団体を渡り歩いて考えられないような退職金
を懐に入れられるというのは言語道断で、このような甘い汁は民間会社での早期退職者では経
験のできないことである。
しかし、左翼グループからは悪の権化のように非難の対象となる大企業でも同じ職業別実質
定 年 制 度 は あ る 。 係 長 以 上 の 役 職 者 に な っ た も の は 60 歳 が 定 年 の 場 合 は 55 歳 く ら い で 下 請 け
会 社 に 放 り 出 さ れ る 。 こ の 場 合 の 下 請 け 会 社 は 親 会 社 100 パ ー セ ン ト の 出 資 会 社 も あ る し 、 一
部出資をしている会社もある。そして、これらの会社に勤めて60歳という規則上の定年にな
ると能力のある社員はそのままこの下請け会社にとどまることもあるが、大半はこの下請け会
社と取引のある会社に席を移して三度目のご奉公になる。この場合は、年金プラス給料という
収入になり、給料は大幅減額となる。
中小企業の社員が退職に追い込まれたときのような八方塞がりのような状態にはならず次の
勤め先を探してくれるのが中小企業の場合と大きく違う所である。
みたところ規則上の定年いっぱいまで放出されずに同じ職場にいられえるのは、公立学校の
先生くらいではなかろうか。地方公務員やキャリアでない国家公務員が昇格せずに生涯平職員
で終わるお役人は定年いっぱい同じ職場にいられるのか、関係団体に移籍させられるのかは知
らない。
ということで、マクドナルドの店長になる年齢がマクドナルドの実質定年退職年齢なのであ
る。それ以上勤めてくれると会社としては困ってしまうのである。これはマクドナルドだけの
問題ではなく、今勤めている自分の会社、職場を見つめ直してみて欲しい。これに該当するケ
ースは山ほどあるのではないだろうか。