珍キノコ ノボリリュウ 時は秋,白樺の葉もとうに散って色も枯れ葉色になったある日,激素庵の近くにどっしりと大きなきのこを 見かけました.真っ白なねじれた形で縦に走る溝がある茎に,これまた不定形のしわしわっとした傘が乗って いる.茎の割には小さな傘です. 初めてお眼に掛かるキノコなので早速写真を撮って置く.ついでに物指しも添えて見ると太さは約9cm, 立派なサイズです. 手持ちのキノコ図鑑で調べたのだが,見付からない.首をかしげたまま時が経って,或る時管理事務所に用 があって出かけたら,カウンターの上にばらばらになりかけている古ぼけたキノコ図鑑があり,何の気無しに パラパラとめくって見たら,あ りました.名前はチャワンタケ 目ノボリリュウ科のノボリリュ ウ.茎の部分の皺乃至は溝が伸 び上がる竜の胴体に見えるので しょうか.それにしてもずんぐ りしていて龍とはね? そのすぐ後で,もうひとつ細 いのを見つけました.是は確か に竜が天に昇るような形を髣髴 とさせますね. 西洋では elfin saddles (妖精 の鞍)と呼ばれているそうです が... 食用キノコなのだそうです.後 で名前が特定できたので,当然味のほう間では無理です.次のチャンスを待ちましょう. (2008)
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