アロマセラピーと音楽の気分的効果

Medical aroma News
(月刊第 13 号)
2015 年 1 月号
Medical Aroma News
■発行/鳥居医療総研 統合医療研究所
T-LAB.〒231-0003 神奈川県横浜市中区北仲通 3-34-2 キクシマ関内ビル3階
TEL 045-305-6853
「Medical Aroma News」は、統合医療研究所「T-LAB.」より、皆様の健康の維持・増進、また「未病」に有効な情報
をお伝えしております。T-LAB は、アロマセラピーや音楽療法をはじめとした統合医療(holistic medicine)全般における心
とからだへ、その効果の客観的測定をおこなう施設です。人の無意識における気分の偏りやゆらぎ、それに伴う自律神
経系内分泌系の変調を把握し、より効果的な治療法を考案し、統合医療で未病やさまざまな症状や疾患への新しい治
「動的平衡」
療法の可能性の確立を模索する研究機関です。
アロマセラピーと音楽の気分的効果
アロマセラピーには、リラックス効果や気持ちを集中させる効果、また、入眠、催淫効果など、気分に
かかわるその効果の有効性を示唆する論文が数多くあります。
実際に、ペパーミントガムを噛んで気分が落ち着いたり、コーヒーを飲んでシャキッとしたり、香りに
よって、気分が変わることが日常生活の中にも多くあるでしょう。
T-LAB.では、鳥居先生の提唱するハイブリッド証論理に基づき、モノアミンバランス変化による気分
の揺らぎを研究しています。脳内のモノアミンが今どのような状態なのかを測定するのは不可能に等し
いですが、実際に脳の中でどのような変化が起きているのか、NAT や NIRS(光トポグラフィー)な
どで脳血流をみたり、MEG(脳磁図検査)で脳機能を確認できます。しかし、なかなか個人で自分の
脳の状態を把握することは困難です。
そこで、よりウェアラブルな方法で自分の脳の状態を把握できる評価法を検討しました。T-LAB.にて、
被験者15名(健常成人男女15名(男9名 女6名) 平均年齢 33.4±7.83 GCPに則った倫理
的配慮のもと研究実施)に精油の芳香と音楽リスニングによるその気分的効果の評価法の検討を、主観
評価と生理指標評価(脳波、血圧、体表温度)で行い、2014年12月20日、21日パシフィコ横
浜にて行われた第17回日本アロマセラピー学会にて研究結果を鳥居先生が発表しました。精油芳香と
音楽リスニングは精油と楽曲を変え3セッション行いました。
期待される効果
芳香精油
音楽*
「ローマの松」より
「ジャニコロの松」
(レスピーギ)
「展覧会の絵」より
集中(覚醒)する
カンファー
「キエフの門」
(ノルアドレナリン調整) (Cinnamomum camphora)
(ムソルグスキー=ラヴェル)
安心する
(セロトニン調整)
ペパーミント
(Mentha x piperita L)
満足する
(ドパミン調整)
フェンネル
(Foeniculum vulgare)
「神聖な舞曲と世俗的舞曲」
(ドビュッシー)
*「音楽と無意識の世界」新しい音楽の聴き方としての GIM(音楽によるイメージ誘導法)
ヘレン・ボニー+ルイス・サヴァリー 著 村井靖児+村井満恵 訳
今回の研究で主に次の様な結果がでました。
・実験前後の過去一週間の気分評価に違いが出ました。
15人中14人に、抑うつや落ち込み、怒りなどのネガティブな感情が緩和
・被験者15人全員にセッション毎の気分的効果の違いを確認
・被験者15に全員にセッション毎に芳香による脳波の変化あり
さらに芳香+音楽脳波の変化や出力量の増加あり
以上より、精油・音楽併用の相乗効果が示唆されました。
■ペパーミント(Mentha x piperita L)
ペパーミントの主要成分であるl-メントールを含む生薬の「薄荷」は、行気薬等に用いられること、ま
たメンソールのニコチン性アセチルコリン受容体作用を示唆する文献*1より、ペパーミントはセロトニン
上昇作用があると考えられる。
*1 Brody AL1, Mukhin AG, La Charite ,et al:Int J Neuropsychopharmacol. 2013 Jun;16(5):957-66. doi:
10.1017/S1461145712001022. Epub 2012 Nov 21.
■カンファー(Cinnamomum camphora)
カンファーは周知のとおり、かつて強心剤に使われるなど覚醒作用があることから、ノルアドレナリン上
昇作用があると考えられる。
■フェンネル(Foeniculum vulgare)
フェンネルの主成分であるトランスアネトールの抗不安作用を示唆する文献*2 *3より、フェンネル
にはGABA上昇によるドパミン上昇作用があると考えられる。
*2 Goswami N, Chatterjee S.Biomed Res Int. 2014;2014:582767. doi:
10.1155/2014/582767. Epub 2014 Jul 23.
*3Miyagawa M1, Satou T, Yukimune C,et al:Phytother Res. 2014 Nov;
28(11):1710-2. doi: 10.1002/ptr.5190. Epub 2014 Jun 11.
精神療法的音楽療法を応用したアロマセラピーにおけるモノアミンバランスの変化による気分的効果と自律
神経系変化の客観的測定の検討をした。
精油と音楽を用いることで気分を変化させる作用がみられ、脳波の変化も確認でき相乗効果があったと考え
られた。
今回の検討は、脳波、血圧、体表温度などの生理指標と主観評価を可視化し、患者にフィードバックすること
で、将来的には認知症やうつ病、不眠症、男性更年期障害、PMS(月経前症候群)などの予防や治療に繋が
る可能性も十分期待できると考えられた。
精油、アロマセラピーのお問い合わせは
T-LAB 有限会社 鳥居医療総研
(月刊第 13 号)
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Medical aroma News
2015年 1 月号