英語も選べる私立中入試、首都圏で倍増 2015年01月19日 08時00分 大都市部を中心に、中学入試が1月中旬から2月にかけてピークを迎える。 文部科学省が小学校の英語を教科化する方針を打ち出すなか、英語を入試科目に取り入れる私立中が 増えた。知識量より「思考力」を問うとして、適性検査型の試験を行う中学も目立っている。 高校レベル出題「グローバル入試」も 小学5、6年生で英語が教科化されるのは2020年度だが、英語学習への関心は高まっており、塾 で学ぶ子も多い。中学入試の模試を行う「首都圏模試センター」(東京都)によると、帰国生枠以外で 英語を入試科目とする首都圏の私立中は、30校を超える。約半数は今年から導入。希望者が選択して 東京都市大付属中では今年、算数、作文と英語で選抜する「グローバル入試」を始める。若干名の募 集で、英語教室で学習した子や、国内のインターナショナルスクール出身者らの受験を想定し、英検準 2級(高校レベル)程度の出題を行う。「英語教育に関心が高い家庭が増える中、小学生時代に学んだ 成果を生かしてもらえれば」と同校。入学後は外国人教師らの特別授業も行い、語学力向上を図る。 横浜市の桐蔭学園中と桐蔭学園中等教育学校でも、今年から英語を導入。国語、算数、英語から2科 目を選ぶ方式などを募集人員の2割程度の枠で行う。英検3級(中学卒業レベル)程度の内容で、英作 文も出す予定。同校では「グローバル社会で活躍する人材に成長してもらいたい」と話す。東京都の山 脇学園中も来年、英語、国語、算数で受験する枠を設ける予定だ。 思考力問う「適性検査型」も 費用負担が少ない公立中高一貫校は、依然人気だ。東京都内では昨年志願倍率が5~11倍で、大手 都立一貫校(10校)は今年から、共通問題を作成。個別に作文や資料の読解など、思考力を測る 「適性検査型」問題を出してきたが、一部を共同で作成し、効率化や質の向上をめざす。 適性検査型の入試を行う私立中も増えた。東京都の富士見丘中では今年から、思考力を問う試験で選 抜する枠を設ける。「国の大学入試改革で、思考力や知識を活用する力が重視されるのを見据えた」と 公立一貫校志望者に受けてもらう狙いもあり、首都圏模試センターによると、横浜中や埼玉県の聖望 学園など私立中約10校が導入し、今年は約40校で行われる。
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