梗概 - 東海大学工学部建築学科

ぶ.ん.か.み.ち再生
旧火薬廠引き込み線跡再考計画
指導教員 杉本洋文教授 印 4AEB3235 志村俊樹
1.問題意識
神奈川県平塚市は昼間人口が夜間人口を上回っている
という特質を持った都市である。(fig.1)これは平塚の大
学や高校に多くの学生が通学してくるという事が要因の
一つと考えられる。しかし、平塚には商業、工業、農業
の専門知識を学ぶ高校や大学があるにも関わらず、平塚
の市街地には、学生が活動できる拠点がなく、学校の情
報は学内で完結していて市民と 情報を 共有する と いう 交
流が生ま れていない。 (fig,2)
fig.1
fig.2
2.対象敷地
計画地に選定する旧火薬廠引き込み線は、かつて駅か
ら火薬廠まで火薬類積み出し用に敷設された線路が道路
化されたもので記憶が残され、曲線街路が持つ空間的な
魅力は区画整理した街路に対しては特異点を創出してい
る。
しかし、この街路に対する市民の認知度は低く、
駅や旧東海道からの繋がりは断絶され、アイデン
ティティのない空間となっている。
3.提案
駅 西 口 か ら 市 の 文 化 拠 点 を 位 置 づ け て い る 市 民
センター周辺を繋ぐ、新たな「ぶんかみち」を創
造する。
文 化 交 流 は 建 物 や 場 だ け に 集 積 す る も の で は な
く、文化は街中に現れてくると考え、市民活動重
ねられて街中に表現されてくる。旧火薬廠引き込
み線の通り沿いの駐車場や公園、既存建物に交流
空間を創出して、学生の活動をを集積させ、活動
を誘致する事で、市民との接点や活動の恊働関係
を誘発させる。
4.設計手法
直 線 街路 と 曲 線街 路 の 調査 し た とこ ろ 、 曲線 街 路
では街路の側面にある空間構成要素に視線がぶつか
り 、 印 象 が つ よ く 残 る こ と が わ か っ た 。 (fig.3)
街路構成により縛られたファサードは一体かして認識さ
REGENERATION BUNKAMICHI
Circulation to the Lifestyle from Production
れてしまうので、分割した空間ボリュームを重奏させる
ことで多様な場を発生させていく。文化創造のための活
動要素である(しらべる・つくる・そだつ・はなす・は
っしんと発生した場の領域が出会い近代文化を創造する。
fig.3
5.結果
本 計 画 は 曲 線 街 路 に お け る の 視 認 効 果 を 利 用 し
て、多様な場を創造させる手法を提案したもので
ある。噛み合わせのスタック空間を創造していく
ことで内部の場と場が繋がり、交流力のある空間
を 期 待 す る こ と が で き る 。 (fig.4)
fig.4 街路模型写真
SHIMURA Toshiki
2007年度卒業設計梗概集 東海大学工学部建築学科