II nn ff o o rr m ma a tt ii o o nn a a nn d d 梅原 大祐 H H uu m ma a nn 准教授 SS c c ii e e nn c ce e ss 情報工学・ 人間科学系 車載データバスへの電力重畳による省線化の実現 電力重畳車載ネットワークシステム ■キーワード 車載データバス CAN PoDL 省線化 ■研究の概要 自動車の電子制御化により、ECU (Electronic Control Unit)間で互いに通信する車載ネットワークが導入されて、 搭乗者の安全性や利便性の向上が実現しています。この車載ネットワーク規格として、CAN(Controller Area Network)が広く採用されています。 しかしながら、車載ネットワーク制御の高機能化に伴い、配線量の増加による車 両重量の増加及び車内空間の圧迫が問題となりつつあります。一方、IEEE P802.3buタスクグループでは、データ信 号に電力を重畳して送信するPoDL (Power over Data Lines)を策定中です。そこで、本研究では、PoCAN (Power over CAN)を提案し、CANデバイスを用いたPoDLの実現を目指します。PoCANにより、CANの通信媒体であるツイス トペアケーブル上に、データ信号と直流電力信号を同時に伝送することができ、給電用のワイヤハーネスを削減す ることが可能です。 ■研究・技術のプロセス/研究事例 CANの伝送路符号であるNRZ (Non-Return-to-Zero)符号はユニポーラ(単極性)です。ユニポーラNRZ符号による データ信号は直流成分を含むため、 このデータ信号に直流電力信号を重畳した場合、受信機においてデータ信号 と直流電力信号を分離することが困難です。そこで、2つのCANトランシーバを用いて、直流成分のないAMI (Alternate Mark Inversion)-NRZ符号によるデータ信号を生成し、 このデータ信号にバッテリからの直流電力信号を 重畳します。受信機のアナログフロントエンドでは、HPF (High-Pass Filter)によりデータ信号を、LPF (Low-Pass Filter) により直流電力信号を抽出します。そして、2つのCANトランシーバに用いて、受信データ信号からデータを復元しま す。本研究では、 デジタル/アナログ混合シミュレータを用いて、車載CAN規格であるSAE J2284の許容限界値を与え るネットワークバスにおいて、提案PoCANデバイスによりデータ信号と直流電力信号の送受信が可能であることを 明らかにしています。 電力重畳車載ネットワークによる省線化 PoCAN バス上の直流電力重畳データ信号 PoCAN デバイスアーキテクチャ ■セールスポイント ・2つのCANトランシーバに用いてPoCANデバイスが実現できます。 ・車載ネットワークにおける給電用のワイヤハーネスが削減できます。
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