平成 27 年 1 月 1 日発行 静岡県学校給食会だより 県学給だより№27 第 27 号(1) 発行日:平成 27 年 1 月 1 日 発行者: 公益財団法人静岡県学校給食会 〒420-0856 静岡市葵区駿府町1-12 TEL:054-254-7428 FAX:054-251-0879 URL:http://www.sgk.or.jp 新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 さて、今年の干支は「乙未」(きのと・ひつじ)となり、「未」は熟しきらない成長途上の植物を表し ており、未来、未熟、未明などの言葉があります。又、羊は群れを成して行動するため、家族の 安泰やいつまでも平和に暮らすことを意味しているそうです。 昨年の浜松市内で発生した学校給食用パンを原因とするノロウイルス食中毒事故の発生から、 今月で 1 年が経過します。委託工場に対する巡回指導を強化し衛生管理体制の充実を図っている ところですが、引続きご指導ご協力をお願いします。 (担当:八木) ❒学校給食の衛生管理 ❍食品衛生講習会を開催 昨年 9 月 19 日、パン・米飯及びめん加工委託工場、一般 商品県内製造工場、県学校給食会協力会を対象に、学校給 食食品衛生講習会を開催しました。この講習会は、衛生管 理の改善・充実と異物混入防止を図ることを目的として毎 年開催しているものです。 今年は、県健康福祉部衛生課食品監視班より、「食中毒 防止対策及び最近 の食品衛生情報」の H26 食品衛生講習会(県教育会館) 講義と、(公社)日本食品衛生協会学術顧問より、「食中毒・ 感染症を防ぐ!!食品を取り扱う人のための衛生的な手洗 い」の講義を受け、何故食品による食中毒事故が発生するの か、衛生的な手洗いが必要なのか等について知識を深めま した。又、東京サラヤ(株)より、基本の手洗い手順の実演 と手洗いチェッカーの活用方法について解説を受けました。 正しい手洗い方法の指導を受けました (担当:榛葉、小林) ❍ノロウイルス食中毒防止講習会を開催 ノロウイルス食中毒が多発する時期に入り、昨年 11 月 21 日、12 月 5・12 日、パン・米飯及びめん加工委託工場の 製造従事者を対象に、県内 3 か所でノロウイルス食中毒防 止講習会を開催しました。 この講習会では、静岡県東部保健所、静岡市保健所及び 浜松市保健所の担当者より「ノロウイルス食中毒の防止」 西部地区会場(浜松市教育会館) 平成 27 年 1 月 1 日発行 静岡県学校給食会だより 第 27 号(2) の講義と、本会衛生管理係より「委託工場における衛生管 理」について講義を行いました。 昨年、浜松市で発生したノロウイルス食中毒事故の実 例を踏まえて、手洗いの大切さや使い捨て手袋の取扱方 法等について改めて指導を行った他、昨年実施した委託 工場実地調査時の指導・指摘内容について説明し、共通す る課題等について知識を深めました。(担当:榛葉、小林) 中部地区会場(静岡市保健所) ❒基幹商品の価格動向等 ①精米 農林水産省は2014年12月、「平成26年産水陸稲の収穫量」を公表しました。作況指数は全国平均: 「101」の「平年並み」(静岡平均:「99」の「平年並み」、地域別では西部99「平年並み」、中東部98「やや 不良」)となりました。北海道から関東に掛けての東日本では概ね豊作になった一方、西日本では 夏以降の天候不順から不作の地域が多くなりました。作況指数が100を上回るのは4年連続です。 2014年産米の出荷業者と卸売業者の相対取引価格は、統計の公表を始めた2006年産米以降で最 安値を更新しました。2014年産米の順調な収穫量が見込まれ、民間の在庫量も多めに推移したこ とから、市場関係者の間で供給過剰になるとの見方が強く、市場に影響力を持つJAグループが、 コメ農家から販売委託を受けた際に前払いする「仮渡し金」を2013年と比べて大幅に引き下げ、過 去5年間で最低の水準としたことが価格下落の要因となりました。 本会が JA 静岡経済連より購入する玄米の価格も大幅な値下げとなり、平成 26 年度 1~3 月分学 校給食用精米の供給価格は、前期比約 12.3%の値下げとなりました。しかし、JA 静岡経済連の集 荷状況は、「コシヒカリ」の主産地である御殿場地区の作況が振るわないなど、「コシヒカリ」の集 荷量が大幅に減少したことから、学校給食用玄米「コシヒカリ」についても割当の減量要請があり ました。 本会では、事情やむを得ないものと認め、平成 27 年度 4 月より「コシヒカリ」を 10%減量し、「コ シヒカリ」50%:「その他の銘柄」50%を基本配合とすることにしましたのでご承知願います。 ②小麦粉 米国農務省(USDA)の需給予測によると、2014/2015年度の小麦生産量は、カナダ、豪州、米国で 減少するものの、EU、ロシア、中国等で増加することから、世界全体で史上最高の前年度を上回 る見込みです。消費量も米国等で減少するものの、EU、中国等で増加することから、世界全体で 史上最高となる見込みです。世界全体の生産量は消費量を上回り、期末在庫率は前年度より上昇 しています。 輸入小麦の政府売渡価格は、2014年10月期は5銘柄平均で0.4%の値下げとなりました。2015年4 月期の価格は9~2月の6ヵ月間の政府買付価格を基に算定されますが、5銘柄平均の買付価格は円 安の影響もあり、前算定期間(3~8月)の平均を上回る水準で推移しています。 国産小麦は全量が民間流通に移行しており、収穫の前年(作付<は種>をする前)に生産者と需要 者(製粉企業等)の間で取引数量・価格について契約(は種前契約)を締結し、これに基づく取引が行 われていますが、取引価格については輸入小麦の政府売渡価格の変動率に基づいて決定されるた 平成 27 年 1 月 1 日発行 静岡県学校給食会だより 第 27 号(3) め、2014年10月期の静岡県産小麦「イワイノダイチ」の価格は、前期比0.1%の値下げとなりました。 平成26年度1~3月分の学校給食用小麦粉の価格は、小麦価格が値下がりしたものの輸送経費が 大幅に高騰しているため10月から値上げとなりましたが、値上がり分は本会が負担しパン・めんの 供給価格は据置くこととしました。 本県では、平成14年度より県内農産物の利用促進と県内食糧自給率向上を図るため、カナダ・ アメリカ産小麦80%と静岡県産小麦20%(H14~21年度は「農林61号」、H22~26年度は「イワイノダ イチ」)をブレンドした小麦粉で、学校給食用パン及びめんを供給してまいりました。 更なる食糧自給率の向上を図るため、2年前から関係団体のご協力のもと国産小麦100%の小麦 粉を使用したパン及びめんの試作・検討を行ってきましたが、原料小麦の確保や価格面の課題がク リア出来る目途が立ったことから、本会物資委員会で審議いただいた結果、国産小麦100%の小麦 粉への変更が承認されました。 平成27年度4月より国産小麦100%の小麦粉(北海道産小麦「ゆめちから」60%と静岡県産小麦 「イワイノダイチ」40%のブレンド)に切り替えて学校給食用パン及びめんを供給します。 超強力粉である北海道産小麦「ゆめちから」と中力粉である静岡県産小麦「イワイノダイチ」をブ レンドすることにより、なめらかで弾力のあるおいしいパンと、コシがあり茹で伸びが遅いめん を製造することが出来ます。(担当:石上、前田) ❒お知らせ ❍標準食品構成表の改正に伴う基幹商品の規格変更 平成 25 年度から、学校給食用標準食品構成表における小麦粉と米の摂取基準量が下表のとおり 改正されています。 区分 小麦 米 幼児 40g 50g 児童(低) 40g 50g 児童(中) 50g 70g 児童(高) 70g 90g 生徒 80g 100g これに伴い、パン・めん及び米飯の規格について、本会物資委員会で審議いただいた結果、平成 27 年度 4 月より基幹商品の取扱規格は次のとおりといたします。(担当:石上、前田) 【パ ン】 ○食パン(角・山)・・・30g、45g、55g、65g の 4 規格(製造設備上変更なし) ○ロ ー ル パ ン・・・30g、40g、50g、60g、70g、80g の 6 規格 ○変 型 パ ン ※・・・30g、40g、50g、60g の 4 規格 ※変型パンの内、ナンは 30g、40g の 2 規格に対応 【め ん】 ○ソフトめん、中華めん、うどん、平うどん・・・60g、70g、80g、90g、100g、110g の各種 6 規格 【米 飯(委託炊飯)】 ○個人別方式・・・60g、70g、80g、90g、100g、110g の 6 規格 ❍クラス別米飯の納品方法を検討 現在、学校給食用クラス別米飯は、一部地域を除き保温箱(エスレンコンテナ)の中に米飯を直 に入れる方法が取られています。 保温箱は通い方式を取っており、回収した保温箱は洗浄殺菌を行っていますが、厚生労働省・ 平成 27 年 1 月 1 日発行 静岡県学校給食会だより 第 27 号(4) 農林水産省より認定機関として指定を受け炊飯製品の HACCP認定を行う(公社)日本炊飯協会では、微生物汚染を 十分に除去出来ないケースを考慮すると、食品衛生上問 題が発生する恐れがあるとして、容器への直入れは避け、 ガゼット袋(ビニール)等を使用し、その中にご飯を入れ る方法を推奨しています。 このことを受けて、静岡県学校給食パン協同組合より、 保温箱への米飯の直入れは避け、ガゼット袋を使用し、 米飯保温箱にガゼット袋と吸水紙を使用 その中に米飯を入れ、その上には米飯のべちゃつき防止のため吸水紙を載せる方法を標準化した いとの申し入れがありました。米飯の安全性の確保、べちゃつき防止、保温力の向上、保温箱の 洗浄作業の軽減などメリットが多いことから、平成27年度4月からこの方式による納品方法を標準 化する方向で検討していますので、ご承知いただきたくお願いします。(担当:石上、前田) ❍「印南養鶏農協」工場調査を実施 昨年10月24日、 「カットベーコン、キャベツ入り平つく ね」などを製造している印南養鶏農業協同組合(兵庫県加 古郡稲美町)の施設設備や品質管理・衛生管理体制につい て調査を実施しました。 印南養鶏農協は、学校給食向け鶏卵・鶏肉製品を主体に 手掛けており、国際規格ISO9001(品質)・14001(環境)を取 得し、徹底した品質管理・衛生管理の下で製造を行ってい 「キャベツ入り平つくね」の製造を確認 ました。又、小中学生や生産者などを招いた地域交流も行 い、地元農協としての事業活動に理解を深めていました。 (担当:斉藤) ❍冷凍野菜工場及び圃場を視察 昨年 12 月 8・9 日、「冷凍ほうれん草、小松菜」などの製造工場で ある(株)キュウレイフーズ(宮崎県えびの市)及び(有)四位農園(宮 崎県小林市・高原町)の製造工場並びに圃場を視察しました。 当初、秋作の小松菜等は、お盆明け以降の天候不順、季節外れの 台風の影響で成育が遅れていましたが、秋になり天候に恵まれたこ とで、遅れを取り戻し順調な 収穫に至っています。四位農 園ではタブレットを用いた タイムリーな圃場管理を、キ ュウレイフーズでは新しい ほうれん草の選別工程(キュウレイ) 選別機械を用いることで、更なる品質管理・衛生管理の向上 に努めており、より良い製品作りに励んでいました。 (担当:小野田圭) えびの市の圃場では小松菜を収穫中 平成 27 年 1 月 1 日発行 静岡県学校給食会だより 第 27 号(5) ❍第三者委員会を設置 この度、本会では公益法人としてのあり方や方向性、事 業活動の公益性や適正性等について意見を求めるため、外 部有識者による「法人運営に関する第三者委員会」を設置し ました。 弁護士、大学教授、食に関する学識経験者や PTA 代表者 等 7 名で構成し、既に 8 月 25 日と 12 月 5 日に 2 回の会合 第三者委員会を開催しました を行い、「県内全域への安定供給は重要な役割を担ってい る」、「給食会を知らない保護者等への情報発信の必要性」な ど様々な意見が出されました。引続き会合を重ねて答申を出していただく予定です。(担当:八木) ❍「しずおか元気応援フェア」に参加 昨年 10 月 11・12 日、ツインメッセ静岡(静岡市駿河区)にて 健康・福祉・食をキーワードにした健康イベント「しずおか 元気応援フェア 2014」が開催されました。本会は、学校給 食への理解や食育の推進を図る他、本会の事業活動を理解 していただくため、 食を知る・つくる・ 楽しむ「食のゾー ン」に年代別給食献 ブースには大勢の来場者がありました 立や郷土料理を活用した給食献立のレプリカを展示した 他、野菜や果物などの旬を当てる「旬の食材あてクイズ」 を実施しました。当日は大変多くの来場者が訪れて、学校 給食の移り変わりや本会の事業活動などに興味を持って 「旬の食材あてクイズ」は少し難しかったかな いただきました。(担当:八木) ❍「ふじのくに和の食文化の祭典」に参加 昨年 12 月 6・7 日、プラサヴェルデ(沼津市)にて「ふじの くに和の食文化の祭典」が開催されました。ユネスコ無形文 化遺産登録を記念して、米やお茶、魚など和の食文化を情 報発信するもので、本会は郷土料理を活用した学校給食メ ニューのレプリカ を展示した他、県内 産のみかんやお茶 を使用したデザー 郷土料理の給食メニューレプリカを展示 トの試食配布も行いました。 当日は多くの来場者が訪れて、学校給食に和食が取り入 れられている様子に興味を持っていただきました。 (担当:八木) 昔の給食との変化に驚いていました 平成 27 年 1 月 1 日発行 静岡県学校給食会だより 第 27 号(6) ❒県学給取扱商品のご案内 ❍H26 年度 1 月分からの新規取扱・規格変更商品をご紹介します 新規取扱 規格変更 規格変更 かます澱粉付 むきえび 浜名湖産青のりボール 25g・35g L・2L・3L 1kg 清水冷凍㈱ ㈱ピアット スズヒロシーフーズ㈱ 駿河湾(由比港、沼津港、小川 従来のベトナム産での供給が 一括表示記載の原材料名につ 港)で水揚げされた「かます」を 困難なため、ミャンマー産に いて、「青のり」を「ひとえぐ フィーレ加工し、馬鈴薯澱粉 変更します。 さ」に変更します。 で衣付けをした製品です。 ミャンマー西部の沖合で漁獲 ひとえぐさは青のりと同じ緑 水揚げから最終製品の加工ま した天然えび(ピンク種・ホワ 藻類で、一般的に「青のり」と でを静岡県内で行っていま イト種)で、保水効果のあるリ して用いられているため表示 す。 ン酸塩等の食品添加物は一切 をしてまいりましたが、実態 使用していません。 に合わせて「ひとえぐさ」に変 ※産地変更に伴い、3L サイズ 更します。 を再開します なお、商品名・配合割合につい ては変更ありません。 ※上段:25g(皮側を上に撮影) 下段:35g(肉側を上に撮影) ○規格を変更します ・信州うらごしトマト(ピューレー) (㈱ナガノトマト) 包材の破れ防止のため、材質を変更します。(現行:PE,EVOH,PA→変更後:PE,PA) ※ 1 月分以降で順次切り替え ・アシドミルク PLUS、アシドフィルスヨーグルト、ソフトクリームヨーグルト、りんごヨーグルト 主原料の脱脂粉乳の産地にオーストラリアとニュージーランドを加えます。 (現行:北海道→変更後:北海道、オーストラリア、ニュージーランド) ○取扱いを一時中止しています ・県内産みかんフィルムパック 品不足により取扱いを一時中止しています。2 月分から再開します。 ・あさり水煮 本会の定期抜取検査にて農薬プロメトリンが検出されたことを受け、取扱いを一時中止し ています。 ・にじます澱粉付(25g) 品不足により取扱いを一時中止しています。 ・ししゃも竜田揚・澱粉付(M) 漁獲量の減少と小型化に加え、今年度は M サイズに適した原料が少なく、安定した物量確 保が困難なため、当面の間 M サイズの取扱いを一時中止します。 ※お問合せ・サンプル依頼等は、本会までご連絡下さい。(担当:田形)
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