季刊誌フォレスト Vol.12

株式会社 環境技術センター
フォレストvol.12
長野県松本市大字笹賀 5652-166
TEL:0263(27)1606 FAX:0263(27)2133
URL:http://www.kgc-minnanolab.com/
新聞委員会(降幡、寺嶋、藤田、中村、櫻井)
~ ホームページリニューアル のお知らせ~
この度、ホームページをリニューアルいたしました。今回のリニューアルでは、皆さまが必要とされてい
る情報をより簡単に検索出来るように整理し、デザインを刷新するとともにコンテンツを拡充しました。今
後もわかりやすく利便性の高いホームページにしていきたいと思っております。多数のアクセスをお待ちし
ております。なお、今回のリニューアルに伴い、トップページのアドレス(URL)が変更になります。ト
ップページ以外のコンテンツをブラウザのお気に入り等に登録されている場合は、お手数ですが新しいアド
レス(URL)への変更をお願いします。
弊社代表挨拶
品質方針
環境方針
アクセスマップ
等 記載
調査一般
大気質、水質、土壌、
騒音・振動・低周波、
悪臭・臭気、
作業環境、廃棄物、
ダイオキシン類、
アスベスト、
自然系
主要分析機器
環境計画 等
作業環境・・・職場での快適な環境作り、健康維持と生産向上等の環境測定
悪臭・・・原因を徹底調査し、改善策をご提案
騒音・振動・・・発生源の状況把握をし、原因を究明するとともにシミュレーション対応改善策のご提案
品質調査・・・部品の調査、品質評価等
不良・故障解析・・・原因究明、異物調査をするとともに改善のご提案
多数のアクセス
お待ちしております!
http://www.kgc-minnanolab.com/
みんなのラボ
検索
自衛消防訓練会に参加しました
9 月 27 日、松本市島内体育館にて自衛消防訓練会
が行われ、当社からも 5 人参加しました。救出、消火
器・屋内消火栓、救急救護などの訓練がありましたが、
中でも印象に残ることが 2 つありました。
まず 1 つ目は、消火器の訓練です。当社員が「コン
ロのてんぷら鍋から火が出た時、消火器はどこに向け
たらよいか」と質問したところ、消防隊員の方は「大
抵コンロの置いてある場所は壁側ですので、壁に向け
て噴射すると粉が壁から跳ね返って下に落ち、油が飛
び散ることなく消火できます」と教えてくださいまし
た。今後万が一に備えて覚えておこうと思います。
2 つ目は、隊員の方の訓練会終わりの挨拶です。
「松
本市は人口 20 万人ですが、救急車の数は 16 台しか
ありません。従って地震など大規模の災害には、救急
車が現場へ到着するのはかなり遅れると考えられま
す。そのような時には、まず自分の事業所の安全を確
認してから、隣の事業所は大丈夫なのか、またその隣
は大丈夫なのかとお互いに声を掛け合い協力し合って
ください」とおっしゃっており、とても印象に残りま
した。昔から習慣的に行っていた防災訓練ですが、改
めて見つめ直すと知
らなかったことも意
外とあるものですね。
皆さんもこの際、防災
に関して改めて考え
てみるのはいかがで
しょうか。
AED(自動体外式除細動器)を
当社の RAS 棟に導入しました
人が倒れて意識を失った場合、心臓が心室
細動という不整脈(心室が震えて血液を送り
出せなくなった状態)を起こしている可能性
があります。その際には、AEDによる電気
ショックを与えることで、元に戻せる場合が
あります。
まったく健康な人で
も、心室細動が突然起
こることがあるため、
AEDを備えておくと
安心です。
放射能・放射線について
東京電力福島第 1 原子力発電所の放射性物質漏れ事故発生から半年以上が経過しました。ここでは、放射
能や放射性物質についての用語の一部をまとめてみました。
1 放射能と放射線の違い
放射線を出す物質を「放射性物質」、放射線を出す
能力を「放射能」という。
「放射線」には、アルファ線、
ベータ線、ガンマ線や、エックス線、中性子線などがある。
2 ベクレルとシーベルトの違い
「ベクレル(Bq)」は放射能の単位であり、1 ベクレ
ルは 1 秒間に一つの原子核が崩壊し放射線を放つ量
放射線を 1 時間浴び続けたときの量を示している。
を示す。
「シーベルト(Sv)」は放射線によって人体の
国際放射線防護委員会(ICRP)は、平常時の自然放
組織にどれだけの影響を与えるかを示す単位。放射
射線量及び医療目的以外による被ばく限度量を
線の種類によって人体への影響は異なるので、各放
1mSv/年としている。
射線に与えられている係数を掛けて算出する。
単位:1 シーベルト(Sv)=1,000 ミリシーベルト(mSv)=100
「シーベルト毎時(Sv/h)」とは、1 時間あたりの生
万マイクロシーベルト(μSv)=10 億ナノシーベルト(nSv)
体への被爆の大きさの単位で、その場でその強度の
3 ヨウ素 131 とセシウム 137
4 半減期とは
ヨウ素 131 とセシウム 137 は、放射性物質のなか
放射性物質は、自分自身を崩壊させながら放射線
では比較的沸点が低く(沸点:ヨウ素 131-184.3℃
を放ち続け、原子の数を減らしていく。半減期(物
/セシウム-671℃/ストロンチウム-1,382℃/プ
理学的半減期)とは、ある時点から原子の数が半分
ルトニウム-3,228℃など)、福島第 1 原発事故で大
になるまでの期間のこと。なお、内部被爆について
気中に放出された量が多かった。放射性ヨウ素は甲
は、放射性物質が代謝作用により体外に排出されて
状腺に蓄積し、ガンの原因となるなどの毒性があり、
半分になるまでの時間である「生物学的半減期」に
放射性セシウムは染色体や遺伝子の異常の原因とな
ついても考慮する必要がある。
る。
生成過程など
放射性物質の種類 物理学的半減期
核分裂により生成。
ヨウ素-131
8日
β線、γ線を放出する。
セシウム-137
30年
5 測定機器、分析機器について
モニタリングポストによる常時監視
海外の核実験や原発事故の影響を把握。大地からの
自然放射線の影響を避け、その地域を代表する放射
線量を常に把握するため、建物の屋上などに設置さ
れている。
サーベイメーターによる測定
人の生活空間に近い位置の放射線量を把握。機器が
安定したら約30秒間の測定を複数回繰り返し、各
測定値を平均してその地点の測定値とする。
ゲルマニウム半導体検出器による放射性核種分析
放射線によるゲルマニウム半導体の電離作用を利用した
放射線検出器の一つ。すぐれたエネルギー分解能を有して
いるため、ガンマ線スペクトル測定による放射性核種の同
定に広く利用されている。
農作物や海産物、土壌や水などに含まれるヨウ素 131
やセシウム 137 を測定する。試料は、外部からの放射線
を遮断する鉛などの遮へい体のなかに入れて測定する。
参考:長野県HP 笠井篤氏提供資料
放射線のセミナーを開催しました
放射線の話
太陽テクノリサーチ株式会社代表取締役 大門忠志氏
6 月 22 日、弊社にて太陽テクノリサーチ株式会社代表取締役
の大門忠志氏(*1)に講演していただきました。講演では、東京電
力原発事故以来特に耳にする機会が多くなった「放射能」と「放
射線」の違い「シーベルト」と「ベクレル」の違いを身近なもの
に例えて説明していただきました。また、放射線は自然放射線と
人工放射線があり、実は日常生活で身近に接してきていたことに
気づかされました。そして、東京電力原発事故の経緯や原子力発
電の仕組み等を一般の方々にも理解できるよう、噛み砕いて解説
してくださいました。
【放射線の話】セミナー講演中の大門氏
第二回放射線の話【環境放射線技術測定セミナー】
元日本原子力研究所研究室長 笠井篤氏
9 月 7 日、弊社にて原子力開発の第一世代である元日
本原子力研究所の研究室長笠井篤氏(*2)を講師に迎え、
環境放射線測定技術セミナーを開催しました。講演では
まず、環境中の放射線を測定する前に現状を把握して欲
しいという先生の意図から、原子力発電所の仕組みと福
島の原発事故についての解説がありました。次に、測定
の基礎知識である核分裂の種類と放射線の種類、各種サ
ーベイメーター(放射線測定器)の特徴と放射性核種分
析の仕組みについて説明をしていただきました。講演の
中でも特に、実際に放射線を測定するにあたっての方法
や注意点は受講者の方々から多くの質問が寄せられて
【環境放射線技術測定セミナー】講演中の笠井氏
おり、皆様の切実な悩みがうかがえました。サーベイメ
ーターを使用する際には標準物質を使ったチェックが必要となります。測定値は検出部の位置や高さ・天候によ
って変化し、複数地点で測定する際には、川や草地などの場所の特徴によってデータが異なることも考えなけれ
ばなりません。さらに、すべての測定において何を測定するのかを考慮すること(もともと測定地点にあった天
然の放射性物質も同時に検出される、校庭などの表面について測定する場合は蓄積量、農作物などの土壌の測定
ならば濃度)はとても大切であり、測定値は一定範囲内(標準偏差×3)でのばらつきが存在することを忘れて
はならないそうです。
(*1)大門忠志氏 :原子力発電所で放射線管理水質分析の仕事に従事後、計量証明事業所にて環境分析検査部門の管理等を
された。平成 18 年に太陽テクノリサーチ株式会社を起業され、アスベスト分析、環境分析の依頼分析を中心に活躍中。
(*2)笠井篤氏 :長野県長和町在住。元日本原子力研究所研究室長。京都大学原子炉実験所専門研究員、国際原子力機関
(IAEA)諮問委員、国連科学委員会(UNSCEAR)日本委員など歴任された。
原発事故が起こるまで、放射線を理解する機会があった方は少ないと思います。以前は放射線と聞くと「高
校の時に習ったα崩壊とか…」と頭をかすめる程度でしたが、今回のセミナーを通して放射線を様々な角度
から見ることができるようになり、とても勉強になりました。弊社の2回の講演を通してより広く深く理解
していただけたなら幸いです。これからも弊社では、様々な分野でお役にたてるようなセミナーや講演会を
企画していきます。ご要望がありましたらお電話又は e-mail でご連絡ください。