基礎電磁気学演習

開講学期:
科目名:
教室:
2015年 前期
基礎電磁気学演習
A―111
担当教員:後藤太一, [email protected]
基礎電磁気学演習
学籍番号:_________
氏名:___________
第10回 アンペールの法則,ローレンツ力,静磁気
10.1 1本の無限に長い直線上の導線があり,電流 I が流れているとき,中心からの距離が r の場所に
おける磁束密度 Br  を求めよ.銅線太さは無視できる.
10.2 右図のように,半径 I の無限長の導線があり,その中を全電流 I が一様に流れ
ているとき,導線の内外の磁束密度の大きさと方向を求めよ.
10.3 下図のような半径 a (m)の半径と直線からなる導線に電流 I (A)が流れているとき,
中心 O の磁束密度を求めよ.
10.4 無限に長い直線上導線に電流 I が流れている.右図において,2辺が a ,
b (m)の長方形部分を通過する磁束を求めよ.
10.5 中心半径 5 cm,巻き数 1200 回の無端ソレノイドコイルに電流 40 mA を
流したとき,ソレノイド中心線上の磁束密度を求めよ.
10.6 共通の中心軸をもつ半径 a (m)の2つの円形コイルが 2d (m)の間隔で平行に置かれている.
a  2d で同じ向きに電流を流したとき中心軸上の中心付近では,磁界がほぼ一様になる.このコイルを
ヘルムホルツコイルという.それでは,これら半径 a (m)のヘルムホルツコイルに電流 I (A)の電流を流し
た時,コイルの中心及び中心軸上の中心の磁束密度を求めよ.
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10.1 1本の無限に長い直線上の銅線があり,電流 I が流れているとき,中心からの距離が r の場所に
おける磁束密度 Br  を求めよ.銅線太さは無視できる.
【回答】
アンペールの法則

C
B (r )  ds(r )  0 I   0 (Cを貫く全電流)
を用いる.左辺は,
 B(r)  ds(r)  B(r) 
C
C
ds(r ) B (r )  ds  2rB (r )
C
となる.
右辺は,C を貫く全電流が I であるから, 0 I となる.したがって,
 B(r)  ds(r) 2rB(r )  
C
B (r ) 
0
I
0 I
2r
となる.
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10.2 図のように,半径 I の無限長の導線があり,その中を全電流 I が一様に流れて
いるとき,導線の内外の磁束密度の大きさと方向を求めよ.
【回答】
アンペールの法則

C
B (r )  ds(r )  0 I   0 (Cを貫く全電流)
を用いる.ここで,中心からの距離を R とする.円周 C を積分経路に選ぶと, ds ベクト
ルは,円周に沿ったベクトルとなる.経路 C 上で BR  は定数のため,積分の外に
出せる.
つまり,
 B(r )  ds(r ) B( R) 
ここで,
C

C
したがって,
C
ds
となる.
ds は経路 C の長さであるから,円周 2R に等しい.
 B(r )  ds B( R) 
C
C
ds  2RB ( R ) となる.
一方,右辺は,経路 C の取り方によって変化する.半径が a よりも小さい場合は,
面積比を考えれば良い.したがって,

R2
(0  R  a )
 I
2RB ( R)   0 a 2
 I ( R  a)
 0
となり,
  0 RI
(0  R  a )
 2a 2 B( R)  

I
 0 ( R  a)
 2R
となる.
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10.3 図のような半径 a (m)の半径と直線からなる導線に電流 I (A)が流れているとき,中心 O の磁束密
度を求めよ.
【回答】直線部分は, sin   0 であるため,無視できる.よって,半円部分による B だけを考える.
アンペールの法則より,
B
0 I 1

2a 2

0 I
4a
(T)
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10.4 無限に長い直線上導線に電流 I が流れている.右図において,2辺が a ,
b (m)の長方形部分を通過する磁束を求めよ.
【回答】
微小区間 S の磁束密度 B
0 I
 I d a 1
dr  0 
dr
d
2r
2 d r
I
I
d a
d a
 0 log r d  0 log
d
2
2
 Ib
d a
  Bs  b  0 log
[Wb]
2
d
B
d a
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10.5 中心半径 5 cm,巻き数 1200 回の無端ソレノイドコイルに電流 40 mA を流したとき,ソレノイド中
心線上の磁束密度を求めよ.
【回答】
N:1200 回, I  40 mA  40  10 3 A

C
B S dS B  ds  2r
C
B  2r   0 NI
B
 0NI 4  107  1200  40  103

 19200  10 8
2
2r
2    5  10
 1.92  10  4 [T]
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10.6 共通の中心軸をもつ半径 a (m)の2つの円形コイルが 2d (m)の間隔で平行に置かれている.
a  2d で同じ向きに電流を流したとき中心軸上の中心付近では,磁界がほぼ一様になる.このコイルを
ヘルムホルツコイルという.それでは,これら半径 a (m)のヘルムホルツコイルに電流 I (A)の電流を流し
た時,コイルの中心及び中心軸上の中心の磁束密度を求めよ.
【回答】
2 つのコイルを L1,L2 とし,その中心を X,Y とする.
X の L1 による次磁界度 B1
 0I
 I
dS  0 2 dS
2
4r
4a
2a  I
 I
 I
0
B1  
dS  0 2  2a  0 [T]
2
0
4a
4a
2a
dB1 
X の L2 による磁束密度 B2,
 0I
dS
4r '2
dB2 
B2  
2a
0


dB2 sin  
 0I
 sin   2a
4r '2
 0 Ia 2
 0 Ia
2



a
4r '3
2 r '3
 0 Ia 2

2 2a 2

3

B  B1  B2 
4a
 0I
2a
2a

a
より,
r'
r '  a 2  2 d 2  a 2  a 2  2 a 2 より,
 0 Ia 2
2
sin  
2

0 I
4 2a

20 I
[T ]
8a
2  0 I  0I
 I
24


 0.677 0 [T ]
8a
a
8
a
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中心軸の中心 O の磁束密度 B
O の L1 による磁束密度 B3
 0I
dS
4R 2
dB3 
B3  
2a
0
dB3 sin  ' 
 0I
 sin  '2a
4R 2
 Ia 2
 Ia
 0 3  2a  0 3
4R
2R

 0 Ia 2
 5 2
2
a 
 4 
3

sin  ' 
a
より,
R
2
a
r'  a  d  a    
2
2
 0 Ia 2
5
5
2  a2 
a
4
2

2
2
5 2
a より,
4
40 I
[T ]
5 5a
O の L2 による磁束密度 B4  B3 より,
B  B3  B4  B3  2 
4 0I
8 0 I
2 
[T ]
5 5a
5 5a
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