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第 13 回数学教育世界会議 ICME13 のご案内
―渉外部便り―
数学教育世界会議 ICME(International Congress on Mathematical Education)は,4 年毎に開催
され,世界中から約 3000 名もの数学教育の研究者・実践者が集まり活発な議論が行われる数学教育最
大規模の国際会議です.2012 年(第 12 回)は韓国で,2008 年(第 11 回)はメキシコで,2004 年(第
10 回)はデンマークで,2000 年(第 9 回)は日本の幕張メッセで開催されてきました.なお 1976 年
(第 3 回)はドイツのカールスルーエ市で開催されたため,ドイツで開催されるのは今回が 2 度目と
なります.
さて,2016 年にドイツのハンブルグ市で開催予定の ICME13 の第二次案内が,2015 年夏からウェブ
サイト www.icme13.org に掲載されています.PDF で 39 頁の詳しい案内です.ただしウェブサイトで
は,論文受付締切と基金によるポスター発表受付締切が 2015 年 10 月 15 日まで延長,ディスカッシ
ョン・グループとワークショップの企画案受付締切が 2015 年 10 月 31 日まで延長されたことが示さ
れています.なお,基金を受けない一般のポスター発表受付締切は 2016 年 1 月 31 日と変更はありま
せん.それらを含め,全体的な概要をお知らせします.公用語は英語です.
1.会場と日程
場所:ドイツ・ハンブルグ市
会場:ハンブルク大学,ハンブルク会議センター
実行委員長:ガブリエル・カイザー氏(Gabriele Kaiser,ハンブルグ大学教授)
共催:ドイツ数学教育学会(GDM:Gesellschaft für Didaktik der Mathematik)他
日程:2016 年 7 月 24 日(日)から 31 日(日)までの 8 日間
日時
7月24日(日)
7月25日(月)
9:00-10:00
10:30-11:30
11:30-12:00
13:30-15:00
参
加
登
録
受
付
7月30日(土)
7月31日(日)
全体講演
全体講演
全体講演
招待講演
招待講演
招待講演
招待講演
招待講演
全体講演
(パネル)
コーヒーブレイク コーヒーブレイク
全体講演
(パネル)
分科会(TSG)
分科会(TSG)
昼食
昼食
昼食
エ
ク
ス
カ
ドイツとヨーロッ
パの伝統の
催し
シ
歓迎レ
セプ
ション
分科会(DG)/
サーベイチー ドイツとヨーロッ
口頭発表(各
ム/ICMI研究
パの伝統の
TSGに加えて)
催し
ポス
ポス
ター発
ター発
表
表
懇親会
懇親会
ョ
コーヒーブレイク コーヒーブレイク コーヒーブレイク
16:30-18:00
18:00-20:00
全体講演
ICMI各賞の受 口頭発表(各
賞者講演
TSGに加えて)
)
16:00-16:30
7月29日(金)
7月28日(木)
分科会(TSG)
分科会(TSG)
閉会行事
昼食
昼食
歓送の集い
ー
15:00-16:00
9
時
3
0
分
か
ら
1
7
時
7月27日(水)
コーヒーブレイク コーヒーブレイク コーヒーブレイク
(
12:00-13:30
開会行事
(9時30分から)
I
C
M
I
総
会
7月26日(火)
ン
口頭発表(各
口頭発表(各
TSGに加えて) TSGに加えて)
コーヒーブレイク コーヒーブレイク
分科会(DG)/
ICMI認可研究グ
ワークショップ/
ループ会合/国
口頭発表(各
別発表
TSGに加えて)
懇親会
ポス
ター発
表
懇親会
ポス
ター発
表
懇親会
20:00-21:00
1
2.主な締切と参加費
(1)論文・ポスター発表の受付等日程
2015 年 9 月 1 日から 10 月 15 日: 論文受付,及び,基金による支援申請者のポスター発表受付
2015 年 12 月 10 日から 20 日:論文・基金によるポスター発表の採択決定通知
2015 年 10 月 1 日から 12 月 22 日:途上国の研究者による基金応募受付
2016 年 1 月 12 日から 20 日: 基金による支援の決定通知
2016 年 1 月 1 日から 31 日:ポスター発表受付(基金による支援申請者以外)
2016 年 2 月 22 日から 28 日:ポスター発表の採択決定通知
2016 年 6 月 15 日:ポスターの提出
(2) 論文・ポスター発表の主な投稿規程
発表希望者は,後述の分科会(トピック・スタデイ・グループ TSG,Topic Study Groups)を 1 つ選
び,それに関する論文かポスターのどちらか 1 つを申し込むことになっています.論文の長さは最大
4頁,ポスターは内容の要旨(ポスタ―そのものではない)1頁です.
http://icme13.org/proposals_and_paper_submission からテンプレートをダウンロードする必要
があります.なお希望分科会で正式に発表が採択されると,論文は最大 8 頁に延長可能です.
(3)分科会(ディスカッション・グループ,Discussion Groups)とワークショップの企画受付等日程
今回の ICME13 も前回の ICME12 同様,企画を参加者から募集することとなりました.
2015 年 9 月 1 日から 10 月 31 日: ディスカッション・グループとワークショップの企画案受付
2015 年 11 月 1 日:企画の採択決定通知
2016 年 2 月 1 日:ディスカッション・グループの進行状況報告(ICME13 実行委員長宛)
2016 年 5 月 1 日:ディスカッション・グループとワークショップの最終版のプログラム提出
(4)参加費
2015 年 11 月 1 日から 12 月 31 日まで:参加費 370 ユーロ
2016 年 1 月 1 日から 3 月 31 日まで:参加費 390 ユーロ
2016 年 4 月 1 日から 5 月 31 日まで:参加費 430 ユーロ
2016 年 6 月 1 日以降 :参加費 450 ユーロ
3.全体講演,ドイツやヨーロッパの伝統の催し,サーベイチーム,招待講演,国別発表
(1)全体講演
次の6つの全体講演が予定されており,うち2つはパネル講演です.
全体講演 1: Deborah Loewenberg Ball (アメリカ)
全体講演 2: Bill Barton (ニュージーランド)
全体講演 3: Berinderjeet Kaur (シンガポール)
全体講演 4: Günter Ziegler (ドイツ)
全体講演 5 (パネル): Jinfa Cai (座長, アメリカ), Ida A.C. Mok (香港), Vijay Reddy (南アフリ
カ),Kaye Stacey (オーストラリア)
全体講演 6 (パネル): Ghislaine Gueudet (座長, フランス), Marianna Bosch (スペイン), Andrea
diSessa (アメリカ),Oh Nam Kwon (韓国), Jianhua Li (中国), Lieven Verschaffel (ベ
ルギー)
2
(2) ドイツとヨーロッパの伝統の催し(Thematic Afternoon)
ICME13 の特徴は,ICMI の初代会長であったフェリックス・クラインにまで遡り,ドイツとヨーロッ
パの数学教育の伝統に関する次の 3 つの催しを設けたことです.
・ヨーロッパの教授学の伝統(European Didactic Traditions)
,Werner Blum(座長,ドイツ)他
・ドイツ語圏における数学教育研究の伝統(German-speaking Traditions in Mathematics Education
Research),Hans-Niels Jahnke(座長,ドイツ)他
・フェリックス・クラインが残したもの(Legacy of Felix Klein)
,Hans-Georg Weigand(座長,ドイ
ツ)他
同時に,ドイツの数学教授学の伝統やフェリックス・クラインにちなんだ数学教材等の展示等も行
われます.
(3)サーベイチーム
次の 5 つのサーベイチームが予定されています.日本からは,礒田正美氏(筑波大学教授・本学会
理事)が4つ目のサーベイチームのメンバーとなっています.
・数学の遠隔地教育,オンライン教育,インターネットによる教育-無料で世界の著名な講義がオン
ラインで受講できるムークスを含む(Distance learning, blended learning, e-learning in
mathematics (including MOOC)),Marcelo C. Borba (座長, ブラジル)
・数学教育研究におけるコンピテンス,知ることと知識の概念化と役割(Conceptualisations and role
of competences, knowing and knowledge in mathematics education research),Mogens Niss (座
長, デンマーク)
・数学の学習に困難を持つ生徒への援助―研究はいかに実践を支援できるか? (Assistance of
students with mathematical learning difficulties – How can research support practice?),
Petra Scherer (座長, ドイツ)
・ 協 働 に よ る 数 学 教 師 の 実 践 と 学 習 ( Mathematics teachers working and learning through
collaboration),Barbara Jaworski (座長, イギリス)
・幾何教育―新しいテクノロジーを含む(Geometry Education (including new technologies)),
Nathalie Sinclair (座長, カナダ)
(4) 招待講演
次の 67 の招待講演(連名の講演が 2 つあるため,合計 69 名)が予定されています.日本からは小
山正孝氏(広島大学教授・本学会理事),浪川幸彦氏(椙山女学園大学教授)のお二人が講演者となっ
ています.
Glenda Anthony (ニュージーランド),Arthur Bakker (オランダ),Sigrid Blömeke (ノルウェー),
Faïza Chellougui (チュニジア),Nancy Chitera (マラウイ),Marta Civil(アメリカ),Al Cuoco (ア
メリカ),Ubiratan D’Ambrosio (ブラジル),Betina Duarte (アルゼンチン),Anthony A. Essien (南
アフリカ),Janete Frant (ブラジル),Michael Fried (イスラエル),Linda Furuto (アメリカ),Ann
Gervasoni (オーストラリア),Ines Gomez-Chacon (スペイン),Liv Sissel Grønmo(ノルウェー),Ansie
Harding (南アフリカ),Rina Hershkowitz (イスラエル)& Stefan Ufer (ドイツ),Alena Hošpesová
(チェコ),Luckson Kaino (タンザニア),Elena Kardanova (ロシア) ,Ronnie Karsenty (イスラエ
ル),Petar Kenderov (ブルガリア),Boris Koichu (イスラエル),小山正孝 (日本),Günter Krauthausen
(ドイツ),Kyeong-Hwa Lee (韓国),Roza Leikin (イスラエル),Yeping Li (アメリカ),Thein Lwin
(ミャンマー),浪川幸彦 (日本),Mdu Ndlovu (南アフリカ),Ricardo Nemirovsky(アメリカ),Judith
Sadja Ngansop (カメルーン),Chi Thanh Nguygen (ベトナム),Cynthia Nicol (カナダ),Asuman Oktaç
3
(メキシコ),Charles Opolot-Okurut (ウガンダ),Mehmet Fatih Özmantar (トルコ),Adrian Paenza
(アルゼンチン),Arthur Powell(アメリカ),Janine Remillard(アメリカ),Kurt Reusser (スイス),
Eric Roditi (フランス),Ruth Rodriguez (メキシコ),Jeremy Roschelle (アメリカ),Kenneth Ruthven
(イギリス),Cristina Sabena (イタリア),Mamadou Sangare (マリ),Wee Tiong Seah (オーストラ
リア),Carmen Sessa (アルゼンチン),Jeppe Skott (デンマーク),Alina Spinillo (ブラジル),Jorge
Soto (チリ),Bharath Sriraman(アメリカ)& Mike Thomas (ニュージーランド),Xuhua Sun (中国),
Malcom Swan (イギリス),Yahya Tabesh (イラン),Denis Tanguay (カナダ),Zülbiye Toluk Uçar (ト
ルコ),Fabrice Vandebrouck (フランス),Helena Wessels (南アフリカ),Nouzha El Yacoubi (モロ
ッコ),Nada Vondrová (チェコ),Ivan Vysotzky (ロシア),Jianyue Zhang (中国),Yan Zhu (中国)
(5)国別発表
第二次案内にはまだ国名が示されていませんが,日本(日本数学教育学会が中心)を含む数か国の
発表が予定されています.
4. 分科会
TSG(Topic Study Groups)
前回の ICME12 では 37 のトピック・スタデイ・グループ(TSG, Topic Study Groups)が設けられま
した.今回の ICME13 では 54 あり,大幅に分科会の数が増加しました.時間枠は,前掲の表にあるよ
うに 90 分が 4 回です.
日本からは,清水美憲氏(筑波大学教授・本学会副会長)が TSG26 の座長,日野圭子氏(宇都宮大
学教授)が TSG47 の座長,藤井斉亮氏(東京学芸大学教授・本学会会長)が TSG49 の座長,垣花京子
氏(筑波学院大学教授)が TSG4 のチームメンバー,宮崎樹夫氏(信州大学教授)が TSG18 のチーム
メンバー, 池田敏和氏(横浜国立大学教授・本学会理事)が TSG21 のチームメンバー, 宮川健氏(上
越教育大学准教授)が TSG51 のチームメンバーとなっています.
【分科会 TSG1 から TSG7:生涯学習の観点や特定の生徒のための数学指導】
TSG 1:幼児期の数学教育―7 歳まで(Early childhood mathematics education (up to age 7))
TSG 2:大学・高等専門学校の数学教育(Mathematics education at tertiary level)
TSG 3:仕事と数学教育(Mathematics education in and for work)
TSG 4:才能ある生徒のための活動やプログラム(Activities for, and research on, mathematically
gifted students)
TSG 5:特別な支援の必要がある生徒のための活動やプログラム(Activities for, and research on,
students with special needs)
TSG 6:成人の数学の学習-生涯学習(Adult learning of mathematics – lifelong learning)
TSG 7:数学の大衆化(Popularization of mathematics)
【分科会 TSG8 から TSG44:各学校段階の数学カリキュラムの内容や指導と学習】
TSG 8:計算と数の体系の指導と学習―小学校を中心に(Teaching and learning of arithmetic and
number systems (focus on primary education))
TSG 9:測定の指導と学習―小学校を中心に(Teaching and learning of measurement (focus on primary
education))
TSG 10:代数の初歩の指導と学習(Teaching and learning of early algebra)
TSG 11:代数の指導と学習(Teaching and learning of algebra)
TSG 12:幾何の指導と学習-小学校(Teaching and learning of geometry (primary level))
4
TSG 13:幾何の指導と学習-中・高等学校(Teaching and learning of geometry – secondary level)
TSG 14:確率の指導と学習(Teaching and learning of probability)
TSG 15:統計の指導と学習(Teaching and learning of statistics)
TSG 16:微積分の指導と学習(Teaching and learning of calculus)
TSG 17:離散数学の指導と学習-論理とゲーム理論とアルゴリズムを含む(Teaching and learning of
discrete mathematics (including logic, game theory and algorithms))
TSG 18:数学教育における推論と証明(Reasoning and proof in mathematics education)
TSG 19:数学教育における問題解決(Problem solving in mathematics education)
TSG 20:数学の指導と学習における視覚化( Visualisation in the teaching and learning of
mathematics)
TSG 21:数学の指導と学習における数学の応用とモデル化(Mathematical applications and modelling
in the teaching and learning of mathematics)
TSG 22:学際的な数学教育(Interdisciplinary mathematics education)
TSG 23:数学的リテラシー(Mathematical literacy)
TSG 24:数学の指導と学習の歴史(History of the teaching and learning of mathematics)
TSG 25:数学教育における数学史の役割(The role of history of mathematics in mathematics
education)
TSG 26:指導と教室実践についての研究(Research on teaching and classroom practice)
TSG 27:数学における学習と認知(Learning and cognition in mathematics)
TSG 28:数学教育における情意と信念とアイデンティティ(Affect, beliefs and identity in
mathematics education)
TSG 29:数学と創造性(Mathematics and creativity)
TSG 30:数学コンテスト(Mathematical competitions)
TSG 31:数学教育における言語とコミュニケーション(Language and communication in mathematics
education)
TSG 32:多言語・多文化の環境における数学教育(Mathematics education in a multilingual and
multicultural environment)
TSG 33:数学教育における公正-ジェンダーを含む(Equity in mathematics education (including
gender))
TSG 34:数学教育の社会的・政治的側面(Social and political dimensions of mathematics education)
TSG 35:数学教育における民族数学の役割(Role of ethnomathematics in mathematics education)
TSG 36:問題の設計と分析と学習環境(Task design, analysis and learning environments)
TSG 37:数学カリキュラムの開発(Mathematics curriculum development)
TSG 38:資料についての研究-教科書や学習教材等(Research on resources (textbooks, learning
materials etc.))
TSG 39:数学教育における大規模調査とテスト(Large scale assessment and testing in mathematics
education)
TSG 40:数学学習の授業評価(Classroom assessment for mathematics learning)
TSG 41:小学校の数学教育におけるテクノロジー利用-10 歳まで(Uses of technology in primary
mathematics education (up to age 10))
TSG 42:中学校の数学教育におけるテクノロジー利用-10 歳から 14 歳まで(Uses of technology in
lower secondary mathematics education (age 10 to 14))
TSG 43:高等学校の数学教育におけるテクノロジー利用-14 歳から 19 歳まで(Uses of technology in
5
upper secondary mathematics education (age 14 to 19))
TSG 44:遠隔地教育,インターネットによる教育,オンライン教育,
(Distance learning, e-learning,
blended learning)
【分科会 TSG45 から TSG50:教師の知識や教育】
TSG 45:小学校で数学を指導する際に必要な知識(Knowledge in/for teaching mathematics at primary
level)
TSG 46:中・高等学校で数学を指導する際に必要な知識(Knowledge in/for teaching mathematics at
secondary level)
TSG 47:小学校教員養成の数学教育(Pre-service mathematics education of primary teachers)
TSG 48:中・高等学校教員養成の数学教育
(Pre-service mathematics education of secondary teachers)
TSG 49:小学校数学教師の現職教育と専門性の開発(In-service education and professional
development of primary mathematics teachers)
TSG 50:中・高等学校数学教師の現職教育と専門性の開発(In-service education, and professional
development of secondary mathematics teachers)
【分科会 TSG51 から TSG54:実践や学問としての数学教育自体に関するメタ論点】
TSG 51:数学教育の理論の多様性(Diversity of theories in mathematics education)
TSG 52:経験的な手法と方法論(Empirical methods and methodologies)
TSG 53:数学教育の哲学(Philosophy of mathematics education)
TSG 54:数学教育における記号論(Semiotics in mathematics education)
(渉外部長 玉川大学 瀬沼花子)
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