2015年度後期 数理情報学9 (木曜2限) 講義の予定: 担当:金森 敬文 ([email protected]) http://www.math.cm.is.nagoya-u.ac.jp/~kanamori/suuri9.html ✓ • 数理統計学の理解を深める 目標 ✏ • (時間があれば) 統計解析言語Rを用いて,データ解析の手法 を学ぶ ✒ ✑ • 数理情報学5 (確率) の講義内容は既知とする. • 講義に関する情報はウェブページ上でアナウンスする. 配布資料はウェブページに置いておく. • オフィス・アワー:木曜12:00∼13:00(情科棟3階313) 10/01: 10/08: 10/15: 10/22: 10/29: 11/05: 11/12: 11/19: 11/26: 12/03: 12/10: 12/17: 12/19: 12/24: 12/25: 01/14: 01/21: ??/??: ガイダンス,確率論の復習 休講 休講 統計的推定:統計的推測,不偏推定量 統計的推定:平均 2 乗誤差,クラメール・ラオの不等式 統計的推定:クラメール・ラオの不等式の応用 休講 統計的推定:最尤推定量 休講 信頼区間:パーセント点,期待値の信頼区間1 休講 信頼区間:期待値の信頼区間2 (予備日:2 限@SIS2) 信頼区間:ブートストラップ信頼区間 仮説検定:検定の考え方 (予備日:2 限@SIS2) 仮説検定: 両側検定,片側検定 回帰分析:最小2乗法 回帰分析:信頼区間,検定 試験 1/44 • 成績について: ∗ レポート課題 の成績と期末試験 の結果を総合して評価する. レポート課題は3,4週に1回のペースで出題する予定. ∗ 講義アンケートを堤出すれば出席点を付けることがある. ∗ 試験:レポート = 6:4∼7:3 • レポート課題について: ∗ 他の人と議論することは大いに推奨するが,レポートは自力で 書くこと. ∗ 他のレポートと酷似している場合(写した・写させたを問わず), 該当する全てのレポートを0点とする. ∗ レポート堤出期限より前に情科棟3階313に堤出しても よい. ∗ レポート堤出期限を過ぎたレポートは受理しない. 3/44 2/44 • 教科書は指定しない.講義時にプリントを配布する. • 参考文献: ∗ 本講義の内容を理解する上で参考になる本 ∗ 統計技法(工系数学講座 14),宮川雅巳,共立出版 ∗ 確率と統計,藤澤洋徳,朝倉書店 ∗ 統計解析言語 R ∗ 書籍:工学のためのデータサイエンス入門, 数理工学社 ∗ 以下のウェブサイト.“R-Tips” で検索. http://cse.naro.affrc.go.jp/takezawa/r-tips/r2.html 4/44 今日 (10/1) のレポート課題 統計学(statistics)とは? • この資料の最後にある演習問題 (1∼12) から3題 (以上) 選んで 解く. • 堤出期限:10/22(木) の講義時. • データから有用な情報を取り出す技術. データの生成過程は複雑 =⇒ 確率的に取り扱う • 大きく分けて,推定と検定の2つの手法がある: ∗ 推定:観測されたデータから,背後にある (確率的) 法則を推論, 将来の予測に役立てる. 例 1. 迷惑メールの文章パターンを確率的に解析.将来のメールの仕分け. ∗ 検定:設定された仮説が正しいかどうか,データに基づいて 判断する. 例 2. 喫煙と肺ガンに相関関係はあるか? 5/44 6/44 標本空間・データ 統計学の目標:観測されたデータから,母集団について推論する • 標本空間 Ω:観測する可能性のある事柄全体の集合. 例:コイン投げのとき,Ω = {H, T} (Head, Tail). 観測 • 確率空間 (Ω, Pr):標本空間 Ω と確率 Pr の組.(σ-加法族 B は省略) ∗ 確率的に「出現しやすい事柄」と「出現しにくい事柄」がある. ∗ 統計では確率空間を「母集団」とも言う. • 確率変数:標本空間 Ω に値をとる変数 X(通常は大文字で書く) 例:Ω = {H, T} のとき,公正なコインなら 母集団 データ (確率空間) 推論 Pr(X = H) = 1/2, Pr(X = T) = 1/2. • データ:確率変数の「実現値」.実際に得られた観測値. 7/44 8/44 確率の公理 例 3 (サイコロの例). サイコロを2回振る.1回目に X1,2回目に X2 が出るとき, X = (X1, X2) の確率空間を (Ω, Pr) とする. • 確率の公理 1. 事象 A ⊂ Ω に対して 0 ≤ Pr(X ∈ A) ≤ 1. 確率の公理から以下が成り立つ. 2. 全事象 Ω の確率は 1.Pr(X ∈ Ω) = 1 Ω 3. 互いに排反な事象 Ai, i = 1, 2, 3, . . . に対して ! Pr X ∈ " i # Ai = $ i Pr(X ∈ Ai). (要素数は 36). Ω = {(1, 1), (1, 2), (1, 3) . . . , (6, 6)}, A1 A2 Pr(X ∈ Ω) = 1, Pr(X ∈ {(1, 2), (2, 3)}) = Pr(X = (1, 2)) + Pr(X = (2, 3)). A = {(1, 1), (2, 2), (3, 3), (4, 4), (5, 5), (6, 6)} とすると Pr(X ∈ A) はサイコロを2回振って同じ目が出る確率. 公平なサイコロなら Pr(X ∈ A) = 1/6. (互いに排反: i ̸= j に対して Ai ∩ Aj = φ) ( 簡単のため Pr(X ∈ A) を Pr(A) と表すこともある ) 9/44 確率の計算 10/44 連続値をとる確率変数:確率密度関数 • Rn に値をとる確率変数 X : Ω = Rn. X が確率密度 p(x) の分布にしたがう % 定義 ⇐⇒ Pr(X ∈ A) = p(x)dx, A ⊂ Ω. 公理(だけ)から確認できる • Pr(A) + Pr(Ac) = 1, Ac : A の補集合 A • 確率密度関数 p(x) の性質 • 単調性: A ⊂ B ⊂ Ω =⇒ Pr(A) ≤ Pr(B). A ⊂ B のとき B = A ∪ (B ∩ Ac) (互いに排反). ∴ Pr(B) = Pr(A) + Pr(B ∩ Ac) ≥ Pr(A). (i) ∀x ∈ Ω, p(x) ≥ 0 (ii) % p(x)dx = 1 Ω (確率密度関数を確率密度,密度関数,密度と言うこともある) • 加法定理: Pr(A ∪ B) = Pr(A) + Pr(B) − Pr(A ∩ B). • サイコロのような離散値をとる確率変数の場合:積分を和にする. $ p(x) = 1/6 (x = 1, . . . , 6), Pr(X ∈ A) = p(x). x∈A (離散のとき p(x) を確率関数とよぶこともある) 11/44 12/44 例:正規分布 分布関数 確率変数 X が 1 次元正規分布にしたがう: % b (x−µ)2 1 − √ Pr(a ≤ X ≤ b) = e 2σ2 dx, 2πσ 2 a 確率変数 X が確率密度 p(x) の分布にしたがうとする. • X の分布関数 F (x) の定義: (Ω = R) 定義 このとき X ∼ N (µ, σ ) と表す. 2 0.4 F (z) = Pr(X ≤ z) = z p(x)dx. −∞ 0.2 0.3 • 両辺を微分すると d F (x) = p(x) dx 0.0 0.1 density % −3 −2 −1 0 1 2 つまり「分布関数の微分」=「確率密度」 (連続変数の場合) 3 X ∼ N (0, 1), " の面積 = Pr(1 ≤ X ≤ 2) 13/44 例 4. 確率変数 X の密度関数を pX (x) とする.定数 a ̸= 0, b に対 して Z = aX + b の密度関数 pZ (z) は ' & 1 z−b pZ (z) = pX |a| a となる.これは分布関数を用いて以下のように計算できる. X の分布関数を FX (x),Z の分布関数を FZ (z) とする.a > 0 のとき FZ (z) = Pr(Z ≤ z) = Pr(aX + b ≤ z) & ' z−b = FX ((z − b)/a). = Pr X ≤ a & ' d 1 z−b ′ よって pZ (z) = FZ (z) = FX ((z − b)/a)/a = pX . dz a a 14/44 例 5. X ∼ N (0, 1) のとき Z = X 2 の密度関数を求める. √ √ F (z) = Pr{X 2 ≤ z} = Pr{− z ≤ X ≤ z} % √z 2 1 = √ √ e−x /2dx 2π − z % √z 2 1 √ e−x /2dx. =2 2π 0 d 2 d√ e−z/2 F (z) = √ e−z/2 z=√ (z > 0) dx dz 2π 2πz a < 0 の場合も同様. 15/44 16/44 期待値・分散 • Ω = R のとき X の分散: X のバラツキの大きさ % 定義 V (X) = E[(X − E(X))2] = (x − E(X))2p(x)dx Ω X の確率密度を p(x) とする. 期待値からのズレ X − E(X) の大きさを2乗で測っている. • Ω = R のとき X の期待値: X が取り得る値の真ん中 % 定義 E(X) = x p(x)dx 例:正規分布について X ∼ N (µ, σ 2) のとき E(X) = µ, V (X) = σ 2 が成立 Ω 200 200 samples from normal dist. 150 ∗ E[X] と書くこともある. $ ∗ 離散確率変数のときには E(X) = x p(x). (p(x) は確率関数 ) (証明は略) g(x)p(x)dx からのサンプル 50 % Ω 0 • 関数 g(X) の期待値は E(g(X)) = 期待値 0, 分散 1 の正規分布 N (0, 1) 100 x∈Ω 4 2 0 2 4 17/44 期待値・分散の公式 18/44 多次元の確率分布 • 2つ以上の確率変数の関係を調べることは重要 a, b ∈ R とする.確率変数 X に対して次が成立: ∗ A 社の株価と B 社の株価の関係 ∗ 医療検査の結果と,病気に罹患しているかどうかの関係 E[aX + b] = aE[X] + b V [aX + b] = a2V [X] • 2つの確率変数 X, Y が密度関数 p(x, y) の 同時確率分布に したがう: 分散の別の表現: V (X) = E(X 2) − (E(X))2 Pr(a ≤ X ≤ b, c ≤ Y ≤ d) = p(x, y):密度関数 p(x, y) ≥ 0, 19/44 %% R2 % b% a d p(x, y)dydx c p(x, y)dydx = 1, (Ω = R2). 20/44 • 周辺確率密度関数 pX (x) = % p(x, y)dy, R pY (y) = % 独立性 X, Y の密度関数 p(x, y) p(x, y)dx R • X と Y は 独立: p(x, y) = pX (x)pY (y) が成り立つこと pX (x) は (X, Y ) の X だけを見たときの密度関数. % b % Pr(a ≤ X ≤ b) = dx dy p(x, y) 「X と Y の間に関連がない」ということ. R a • 離散確率変数のときも同様. p(x, y) = pX (x)pY (y) が成立 • 離散値をとる確率変数の場合には,積分を和にする: $ $ ∗ Pr(a ≤ X ≤ b, c ≤ Y ≤ d) = p(x, y) ∗ Pr(X = a) = $ a≤x≤b c≤y≤d 例 6. 2つのサイコロの目を (X, Y ) とする.X, Y は独立と仮定 すると Pr(X = 1, Y = 2) = 1/6 × 1/6 = 1/36. p(a, y) y:(a,y)∈Ω 21/44 ✓ 22/44 ✏ R-code (#・・・はコメントなので入力する必要なし) > x <- rnorm(100,mean=1,sd=2); y <- rnorm(100) > plot(x,y) # x と y は独立 > plot(x,x+y) # x と x+y は独立でない. ✒ x1, . . . , x100 ∼i .i .d . N (1, 22), ✑ R コンソールでの入力 (mac 版) y1, . . . , y100 ∼i .i .d . N (0, 1) (xi, xi + yi) のプロット x+y y 0 -2 -1 -4 -2 -2 0 2 x 23/44 0 2 1 4 2 6 (xi, yi) のプロット 4 6 -2 0 2 4 6 x 24/44 独立性と期待値・分散 2. の証明: 重要:X と Y が独立のときに成り立つ公式 ✓ ✏ 1. E(XY ) = E(X)E(Y ) 2. V (X + Y ) = V (X) + V (Y ) ✒ 1. の証明: E[XY ] = = % % ✑ % xyp(x, y)dxdy = xypX (x)pY (y)dxdy % xpX (x)dx ypY (y)dy = E[X]E[Y ] V (X + Y ) % = (x + y − E(X) − E(Y ))2p(x, y)dxdy % % 2 = (x − E[X]) p(x, y)dxdy + (y − E[Y ])2p(x, y)dxdy % + 2 (x − E[X])(y − E[Y ])p(x, y)dxdy % % 2 = (x − E[X]) pX (x)dx + (y − E[Y ])2pY (y)dy % % + 2 (x − E[X])pX (x)dx (y − E[Y ])pY (y)dy (最後の項は独立性 p(x, y) = pX (x)pY (y) から導かれる) (最後の項が 0) = V (X) + V (Y ) 25/44 注意:次式はいつでも(独立でなくても)成立する: 26/44 多次元確率変数の密度関数 E(X + Y ) = E(X) + E(Y ). % (x + y)p(x, y)dxdy = % % x p(x, y)dxdy + y p(x, y)dxdy % % = xpX (x)dx + ypY (y)dy n 個の確率変数:X1, X2, . . . , Xn.集合 A ⊂ Ω ⊂ Rn (X1, X2, . . . , Xn) が集合 A に含まれる確率の計算: % Pr((X1, . . . , Xn) ∈ A) = p(x1, . . . , xn)dx1, . . . , xn 簡単のため積分を ! A p(x)dx と書くこともある A • 確率密度関数:p(x1, . . . , xn) ≥ 0, 27/44 % p(x)dx = 1. Ω 28/44 ✓ 独立性,独立同一分布 > > > > > > n 個の確率変数:X1, X2, . . . , Xn. • X1, . . . , Xn が独立 ⇐⇒ 同時密度関数が積に分解 ✒ p(x1, . . . , xn) = q1(x1)q2(x2) · · · qn(xn) R-code # x,y は 正規分布.独立同一 x <- rnorm(300); y <- rnorm(300) plot(x,y, xlim=c(-0.1, 1.1), ylim=c(-0.1, 1.1)) # x は正規分布, y は正規分布を2つ混ぜた分布.独立だが同一でない x <- runif(300); y <- c(rnorm(100,mean=3),rnorm(200,mean=-2)) plot(x,y) X, Y が独立同一の分布にしたがう X, Y は独立な分布にしたがう • X1, . . . , Xn が独立に同一の分布にしたがう: p(x1, . . . , xn) = q(x1)q(x2) · · · q(xn), (q = q1 = · · · = qn) 29/44 30/44 • X1, . . . , Xn が独立に同一の分布 P にしたがうとき: X 1 , . . . , X n ∼ i .i .d . P と書く X1, . . . , Xn が独立のとき以下が成り立つ: 例:X1, . . . , Xn∼i .i .d .N (0, 1). E(X1X2 · · · Xn) = E(X1)E(X2) · · · E(Xn) V (X1 + X2 + · · · + Xn) = V (X1) + V (X2) + · · · + V (Xn) このとき.X1, . . . , Xn の期待値や分散は全て等しい: E[X1] = · · · = E[Xn], note: n = 2 のときの一般化. V [X1] = · · · = V [Xn]. 例 7. X, Y ∼i .i .d .N (0, 1) のとき (X, Y ) の同時密度は 2 2 2 2 1 1 1 p(x, y) = √ e−x /2 × √ e−y /2 = e−(x +y )/2. 2π 2π 2π 31/44 32/44 ✏ ✑ 正規分布と独立性 補足1:大数の法則 • a, b (a ̸= 0) を定数とすると X1, . . . , Xn ∼i .i .d . P として E(Xi) = µ とおく. X ∼ N (µ, σ 2) =⇒ aX + b ∼ N (aµ + b, a2σ 2) • X, Y は独立で X ∼ N (µ1, σ12), Y ∼ N (µ2, σ22) のとき X + Y ∼ N (µ1 + µ2, σ12 + σ22) ∀ε > 0, lim Pr(|X̄n − µ| > ε) = 0. n→∞ ∗ 意味:n が十分大きいと,高い確率で X̄n は µ にほぼ等しい. したがって X1, . . . , Xn ∼i .i .d . N (µ, σ 2) のとき n が大きくなると n $ ∗ これを X̄n −→ µ と書き「X̄n が µ に確率収束する」という. p ! σ2 # 1 Xi ∼ N µ, n i=1 n 1 n (n i=1 Xi n 1$ • 大数の法則:X̄n = Xi とすると n i=1 定義 の分散が小さくなる note: 上の関係式は積率母関数を用いて証明できる. 33/44 例 8 (大数の法則の例). 表の確率が 0.7 のコイン. n 回振って表が出た割合をプロット p p p Zn −→ c =⇒ average 0.7 0.8 一般に,関数 f : R → R が定数 c で連続のとき,確率変数列 Zn, n = 1, 2, . . . , に対して Law of Large Numbers 1.0 X̄n −→ µ ならば f (X̄n) −→ f (µ) が成り立つ. 0.9 • f (x) を連続関数とするとき,普通の極限と類似の関係: 34/44 p f (Zn) −→ f (c) 0.5 0.6 が成り立つ (スラツキー (Slutsky) の公式). 35/44 0 200 400 n 600 800 36/44 例 9. コインを n 回振る.k 回目が表なら Xk = 1,裏なら Xk = 0 (n とすると n 回のうち k=1 Xk 回表が出ることになる.X1, . . . , Xn は独立とする.表が出る確率を p とすると E(Xi) = p となり, 補足2:中心極限定理 X1, . . . , Xn ∼i .i .d . P とする • 中心極限定理:E(Xi) = µ, V (Xi) = σ 2 のとき n 1$ p Xk −→ p n n 1 $ Xk − µ √ X̄n − µ Zn = √ = n· とすると, σ σ n k=1 % z lim Pr(Zn ≤ z) = φ(x; 0, 1)dx が成り立つ. k=1 定義 が成り立つ.また f (x) = x(1 − x) とすると & $ ' n 1 p f Xk −→ p(1 − p) n n→∞ k=1 −∞ • 大数の法則:X̄n − µ −→ 0. √ 中心極限定理では X̄n − µ を n(X̄n − µ) に拡大して,極限の 分布を詳しく見ている. p となる. したがって,E(Xi) = p を X̄n で推定でき,V (Xi) = p(1 − p) を f (X̄n) で推定できる. 37/44 例 10 (中心極限定理の例). 表の確率が 0.3 のコイン. n 回振るときの Zn の密度関数をプロット n = 10 38/44 例 11. コインを n 回振る.k 回目が表なら Xk = 1,裏なら Xk = 0 として,X1, . . . , Xn は独立とする.表が出る確率を p とすると, E(Xi) = p, V (Xi) = p(1 − p) となる.このとき n n = 100 √ 1 $ Xi − p X̄n − p ) Zn = √ = n·) n p(1 − p) p(1 − p) k=1 N (0, 1) とすると N (0, 1) lim Pr(Zn ≤ z) = n→∞ % z φ(x; 0, 1)dx が成り立つ. (1) −∞ 式 (1) のように分布関数が収束することを d Zn −→ N (0, 1) と書くこともある. 39/44 40/44 演習問題 演習問題 5. 確率変数 X, Y は,区間 (0, 1) 上の一様分布に独立に したがうとする. 演習問題 1. P (A ∩ B) = P (A)P (B) のとき,次式が成り立つこ とを確認する.P (A ∩ B c) = P (A)P (B c). 演習問題 2. 分散について 1. X 2 の分布関数と確率密度関数を求める. 2. Z = max{X, Y } の分布関数を求める.また Z の期待値を求める. 演習問題 6. する. X を標準正規分布 N (0, 1) にしたがう確率変数と 1. Y = eX の確率密度関数を求める. 2. Y の期待値を求める. V [aX + b] = a2V [X] が成り立つことを確認. 演習問題 3. E[(X − a)2] を最小にする実数 a を求める. 演習問題 4. X を確率変数,a, b を定数として Y = aX + b とおく. E(Y ) = 0, V (Y ) = 1 となるように a, b を定める. note: a, b を E(X), V (X) で表す. 演習問題 7. X1, . . . , Xn が独立のとき,以下の式が成り立つこと を確認する. E(X1X2 · · · Xn) = E(X1)E(X2) · · · E(Xn) V (X1 + X2 + · · · + Xn) = V (X1) + V (X2) + · · · + V (Xn) 演習問題 8. 2次元確率変数 (X, Y ) の散布図 (a),(b),(c) を示す. 演習問題 9. X, Y は連続値をとる確率変数とし,独立に同一の分布 にしたがう.また,確率変数 Z を Z = X − Y とおく.このとき Z の確率密度関数 p(z) は原点に関して対称,すなわち p(z) = p(−z) となることを確認する. ● 6 ● 0.6 42/44 3 41/44 ● ● ● ● ● ● y ● ●● ● ● ● ● ● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ●● ● ●● ●● ● ●●● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ● ● ● ● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ●● ● ●● ● ●● ● ● ●● ●●●● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ●● ● ● ● ● ●● ● ● ●● ●● ● ● ● ● ●● ● ● ● ●● ● ● ●● ● ●● ● ● ●● ● ● ● ●● ● ● ●●● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ●● ● ● ● ●● ● ●● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ●● ● ●● ● ● ●● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 −2 1 ● ● ● ● ● ● 2 ● ● ● 0 ● ● ● ● ● ● −1 y 3 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●●● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ● ● ● ● ● ●● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ● ● ●● ●● ● ● ●● ● ●● ● ● ●● ●● ●● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ● ● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ●● ● ●● ● ●● ● ● ● ● ●● ●● ● ●● ● ● ● ● ● ● ●● ●● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● −2 −1 0 1 2 ● ● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 0.4 ● ● ● ● 演習問題 10. X1, . . . , Xn ∼i .i .d . P として, ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● 0.2 ● ● ● ● ● ● ● ●● ● 0.0 ● ● ● ●● ● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ● ● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●●● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ●● ● ● ● ● ● ● ●● ● ● ● ●● ● ● ●● ●● ● ●● ● ● ● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ● ● ● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ●● ●● ● ● 0.2 ● ● ● ● ● ● y 0.0 ● ● ● −0.2 1 4 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● −0.6 2 5 ● 0 ● ● ● ● 0.4 ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ● ● ● ●● 0.6 ● ● 0.8 x x x (a) (b) (c) 1.0 1.2 µ = E[Xi], 1.4 σ 2 = V [Xi], i = 1, . . . , n n 1$ とおく.確率変数 Y を Y = Xi とおく.Y の期待値 E(Y ) n i=1 と分散 V (Y ) を µ と σ 2 で表す. 演習問題 11. X, Y は独立な確率変数とし,a, b, c を定数とする. aX − bY − c の分散を V (X) と V (Y ) を用いて表す. 1. X, Y が独立でない散布図が1つある. それは (a),(b),(c) のうちどれか? 理由も書く. 2. X, Y が独立で同一の分布にしたがう散布図が1つある. それは (a),(b),(c) のうちどれか? 理由も書く. 演習問題 12. 確率変数 X の密度関数を pX (x) とする.a < 0 であ る定数 a, b に対して,Z = aX + b の密度関数 pZ (z) を pX を用い て表す. 43/44 44/44
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