2015年度後期 数理情報学9 (木曜2限) - Home Page of Math CM

2015年度後期 数理情報学9 (木曜2限)
講義の予定:
担当:金森 敬文 ([email protected])
http://www.math.cm.is.nagoya-u.ac.jp/~kanamori/suuri9.html
✓
• 数理統計学の理解を深める
目標
✏
• (時間があれば) 統計解析言語Rを用いて,データ解析の手法
を学ぶ
✒
✑
• 数理情報学5 (確率) の講義内容は既知とする.
• 講義に関する情報はウェブページ上でアナウンスする.
配布資料はウェブページに置いておく.
• オフィス・アワー:木曜12:00∼13:00(情科棟3階313)
10/01:
10/08:
10/15:
10/22:
10/29:
11/05:
11/12:
11/19:
11/26:
12/03:
12/10:
12/17:
12/19:
12/24:
12/25:
01/14:
01/21:
??/??:
ガイダンス,確率論の復習
休講
休講
統計的推定:統計的推測,不偏推定量
統計的推定:平均 2 乗誤差,クラメール・ラオの不等式
統計的推定:クラメール・ラオの不等式の応用
休講
統計的推定:最尤推定量
休講
信頼区間:パーセント点,期待値の信頼区間1
休講
信頼区間:期待値の信頼区間2
(予備日:2 限@SIS2) 信頼区間:ブートストラップ信頼区間
仮説検定:検定の考え方
(予備日:2 限@SIS2) 仮説検定: 両側検定,片側検定
回帰分析:最小2乗法
回帰分析:信頼区間,検定
試験
1/44
• 成績について:
∗ レポート課題 の成績と期末試験 の結果を総合して評価する.
レポート課題は3,4週に1回のペースで出題する予定.
∗ 講義アンケートを堤出すれば出席点を付けることがある.
∗ 試験:レポート = 6:4∼7:3
• レポート課題について:
∗ 他の人と議論することは大いに推奨するが,レポートは自力で
書くこと.
∗ 他のレポートと酷似している場合(写した・写させたを問わず),
該当する全てのレポートを0点とする.
∗ レポート堤出期限より前に情科棟3階313に堤出しても
よい.
∗ レポート堤出期限を過ぎたレポートは受理しない.
3/44
2/44
• 教科書は指定しない.講義時にプリントを配布する.
• 参考文献:
∗ 本講義の内容を理解する上で参考になる本
∗ 統計技法(工系数学講座 14),宮川雅巳,共立出版
∗ 確率と統計,藤澤洋徳,朝倉書店
∗ 統計解析言語 R
∗ 書籍:工学のためのデータサイエンス入門, 数理工学社
∗ 以下のウェブサイト.“R-Tips” で検索.
http://cse.naro.affrc.go.jp/takezawa/r-tips/r2.html
4/44
今日 (10/1) のレポート課題
統計学(statistics)とは?
• この資料の最後にある演習問題 (1∼12) から3題 (以上) 選んで
解く.
• 堤出期限:10/22(木) の講義時.
• データから有用な情報を取り出す技術.
データの生成過程は複雑 =⇒ 確率的に取り扱う
• 大きく分けて,推定と検定の2つの手法がある:
∗ 推定:観測されたデータから,背後にある (確率的) 法則を推論,
将来の予測に役立てる.
例 1. 迷惑メールの文章パターンを確率的に解析.将来のメールの仕分け.
∗ 検定:設定された仮説が正しいかどうか,データに基づいて
判断する.
例 2. 喫煙と肺ガンに相関関係はあるか?
5/44
6/44
標本空間・データ
統計学の目標:観測されたデータから,母集団について推論する
• 標本空間 Ω:観測する可能性のある事柄全体の集合.
例:コイン投げのとき,Ω = {H, T} (Head, Tail).
観測
• 確率空間 (Ω, Pr):標本空間 Ω と確率 Pr の組.(σ-加法族 B は省略)
∗ 確率的に「出現しやすい事柄」と「出現しにくい事柄」がある.
∗ 統計では確率空間を「母集団」とも言う.
• 確率変数:標本空間 Ω に値をとる変数 X(通常は大文字で書く)
例:Ω = {H, T} のとき,公正なコインなら
母集団
データ
(確率空間)
推論
Pr(X = H) = 1/2, Pr(X = T) = 1/2.
• データ:確率変数の「実現値」.実際に得られた観測値.
7/44
8/44
確率の公理
例 3 (サイコロの例).
サイコロを2回振る.1回目に X1,2回目に X2 が出るとき,
X = (X1, X2) の確率空間を (Ω, Pr) とする.
• 確率の公理
1. 事象 A ⊂ Ω に対して 0 ≤ Pr(X ∈ A) ≤ 1.
確率の公理から以下が成り立つ.
2. 全事象 Ω の確率は 1.Pr(X ∈ Ω) = 1
Ω
3. 互いに排反な事象 Ai, i = 1, 2, 3, . . .
に対して
!
Pr X ∈
"
i
#
Ai =
$
i
Pr(X ∈ Ai).
(要素数は 36).
Ω = {(1, 1), (1, 2), (1, 3) . . . , (6, 6)},
A1
A2
Pr(X ∈ Ω) = 1,
Pr(X ∈ {(1, 2), (2, 3)}) = Pr(X = (1, 2)) + Pr(X = (2, 3)).
A = {(1, 1), (2, 2), (3, 3), (4, 4), (5, 5), (6, 6)} とすると
Pr(X ∈ A) はサイコロを2回振って同じ目が出る確率.
公平なサイコロなら Pr(X ∈ A) = 1/6.
(互いに排反: i ̸= j に対して Ai ∩ Aj = φ)
( 簡単のため Pr(X ∈ A) を Pr(A) と表すこともある )
9/44
確率の計算
10/44
連続値をとる確率変数:確率密度関数
• Rn に値をとる確率変数 X : Ω = Rn.
X が確率密度 p(x) の分布にしたがう
%
定義
⇐⇒ Pr(X ∈ A) =
p(x)dx, A ⊂ Ω.
公理(だけ)から確認できる
• Pr(A) + Pr(Ac) = 1,
Ac : A の補集合
A
• 確率密度関数 p(x) の性質
• 単調性: A ⊂ B ⊂ Ω =⇒ Pr(A) ≤ Pr(B).
A ⊂ B のとき B = A ∪ (B ∩ Ac) (互いに排反).
∴ Pr(B) = Pr(A) + Pr(B ∩ Ac) ≥ Pr(A).
(i) ∀x ∈ Ω, p(x) ≥ 0
(ii)
%
p(x)dx = 1
Ω
(確率密度関数を確率密度,密度関数,密度と言うこともある)
• 加法定理: Pr(A ∪ B) = Pr(A) + Pr(B) − Pr(A ∩ B).
• サイコロのような離散値をとる確率変数の場合:積分を和にする.
$
p(x) = 1/6 (x = 1, . . . , 6), Pr(X ∈ A) =
p(x).
x∈A
(離散のとき p(x) を確率関数とよぶこともある)
11/44
12/44
例:正規分布
分布関数
確率変数 X が 1 次元正規分布にしたがう:
% b
(x−µ)2
1
−
√
Pr(a ≤ X ≤ b) =
e 2σ2 dx,
2πσ 2
a
確率変数 X が確率密度 p(x) の分布にしたがうとする.
• X の分布関数 F (x) の定義:
(Ω = R)
定義
このとき X ∼ N (µ, σ ) と表す.
2
0.4
F (z) = Pr(X ≤ z) =
z
p(x)dx.
−∞
0.2
0.3
• 両辺を微分すると
d
F (x) = p(x)
dx
0.0
0.1
density
%
−3
−2
−1
0
1
2
つまり「分布関数の微分」=「確率密度」 (連続変数の場合)
3
X ∼ N (0, 1), " の面積 = Pr(1 ≤ X ≤ 2)
13/44
例 4. 確率変数 X の密度関数を pX (x) とする.定数 a ̸= 0, b に対
して Z = aX + b の密度関数 pZ (z) は
'
&
1
z−b
pZ (z) =
pX
|a|
a
となる.これは分布関数を用いて以下のように計算できる.
X の分布関数を FX (x),Z の分布関数を FZ (z) とする.a > 0 のとき
FZ (z) = Pr(Z ≤ z) = Pr(aX + b ≤ z)
&
'
z−b
= FX ((z − b)/a).
= Pr X ≤
a
&
'
d
1
z−b
′
よって pZ (z) = FZ (z) = FX ((z − b)/a)/a = pX
.
dz
a
a
14/44
例 5. X ∼ N (0, 1) のとき Z = X 2 の密度関数を求める.
√
√
F (z) = Pr{X 2 ≤ z} = Pr{− z ≤ X ≤ z}
% √z
2
1
= √ √ e−x /2dx
2π
− z
% √z
2
1
√ e−x /2dx.
=2
2π
0
d
2
d√
e−z/2
F (z) = √ e−z/2
z=√
(z > 0)
dx
dz
2π
2πz
a < 0 の場合も同様.
15/44
16/44
期待値・分散
• Ω = R のとき X の分散: X のバラツキの大きさ
%
定義
V (X) = E[(X − E(X))2] = (x − E(X))2p(x)dx
Ω
X の確率密度を p(x) とする.
期待値からのズレ X − E(X) の大きさを2乗で測っている.
• Ω = R のとき X の期待値: X が取り得る値の真ん中
%
定義
E(X) =
x p(x)dx
例:正規分布について X ∼ N (µ, σ 2) のとき
E(X) = µ, V (X) = σ 2 が成立
Ω
200
200 samples from normal dist.
150
∗ E[X] と書くこともある.
$
∗ 離散確率変数のときには E(X) =
x p(x). (p(x) は確率関数 )
(証明は略)
g(x)p(x)dx
からのサンプル
50
%
Ω
0
• 関数 g(X) の期待値は E(g(X)) =
期待値 0, 分散 1 の正規分布 N (0, 1)
100
x∈Ω
4
2
0
2
4
17/44
期待値・分散の公式
18/44
多次元の確率分布
• 2つ以上の確率変数の関係を調べることは重要
a, b ∈ R とする.確率変数 X に対して次が成立:
∗ A 社の株価と B 社の株価の関係
∗ 医療検査の結果と,病気に罹患しているかどうかの関係
E[aX + b] = aE[X] + b
V [aX + b] = a2V [X]
• 2つの確率変数 X, Y が密度関数 p(x, y) の 同時確率分布に
したがう:
分散の別の表現: V (X) = E(X 2) − (E(X))2
Pr(a ≤ X ≤ b, c ≤ Y ≤ d) =
p(x, y):密度関数 p(x, y) ≥ 0,
19/44
%%
R2
% b%
a
d
p(x, y)dydx
c
p(x, y)dydx = 1, (Ω = R2).
20/44
• 周辺確率密度関数
pX (x) =
%
p(x, y)dy,
R
pY (y) =
%
独立性
X, Y の密度関数 p(x, y)
p(x, y)dx
R
• X と Y は 独立: p(x, y) = pX (x)pY (y) が成り立つこと
pX (x) は (X, Y ) の X だけを見たときの密度関数.
% b %
Pr(a ≤ X ≤ b) =
dx dy p(x, y)
「X と Y の間に関連がない」ということ.
R
a
• 離散確率変数のときも同様.
p(x, y) = pX (x)pY (y) が成立
• 離散値をとる確率変数の場合には,積分を和にする:
$ $
∗ Pr(a ≤ X ≤ b, c ≤ Y ≤ d) =
p(x, y)
∗ Pr(X = a) =
$
a≤x≤b c≤y≤d
例 6. 2つのサイコロの目を (X, Y ) とする.X, Y は独立と仮定
すると Pr(X = 1, Y = 2) = 1/6 × 1/6 = 1/36.
p(a, y)
y:(a,y)∈Ω
21/44
✓
22/44
✏
R-code (#・・・はコメントなので入力する必要なし)
> x <- rnorm(100,mean=1,sd=2); y <- rnorm(100)
> plot(x,y)
# x と y は独立
> plot(x,x+y)
# x と x+y は独立でない.
✒
x1, . . . , x100 ∼i .i .d . N (1, 22),
✑
R コンソールでの入力 (mac 版)
y1, . . . , y100 ∼i .i .d . N (0, 1)
(xi, xi + yi) のプロット
x+y
y
0
-2
-1
-4
-2
-2
0
2
x
23/44
0
2
1
4
2
6
(xi, yi) のプロット
4
6
-2
0
2
4
6
x
24/44
独立性と期待値・分散
2. の証明:
重要:X と Y が独立のときに成り立つ公式
✓
✏
1. E(XY ) = E(X)E(Y )
2. V (X + Y ) = V (X) + V (Y )
✒
1. の証明: E[XY ] =
=
%
%
✑
%
xyp(x, y)dxdy = xypX (x)pY (y)dxdy
%
xpX (x)dx ypY (y)dy = E[X]E[Y ]
V (X + Y )
%
= (x + y − E(X) − E(Y ))2p(x, y)dxdy
%
%
2
= (x − E[X]) p(x, y)dxdy + (y − E[Y ])2p(x, y)dxdy
%
+ 2 (x − E[X])(y − E[Y ])p(x, y)dxdy
%
%
2
= (x − E[X]) pX (x)dx + (y − E[Y ])2pY (y)dy
%
%
+ 2 (x − E[X])pX (x)dx (y − E[Y ])pY (y)dy
(最後の項は独立性 p(x, y) = pX (x)pY (y) から導かれる)
(最後の項が 0)
= V (X) + V (Y )
25/44
注意:次式はいつでも(独立でなくても)成立する:
26/44
多次元確率変数の密度関数
E(X + Y ) = E(X) + E(Y ).
%
(x + y)p(x, y)dxdy =
%
%
x p(x, y)dxdy + y p(x, y)dxdy
%
%
= xpX (x)dx + ypY (y)dy
n 個の確率変数:X1, X2, . . . , Xn.集合 A ⊂ Ω ⊂ Rn
(X1, X2, . . . , Xn) が集合 A に含まれる確率の計算:
%
Pr((X1, . . . , Xn) ∈ A) =
p(x1, . . . , xn)dx1, . . . , xn
簡単のため積分を
!
A
p(x)dx と書くこともある
A
• 確率密度関数:p(x1, . . . , xn) ≥ 0,
27/44
%
p(x)dx = 1.
Ω
28/44
✓
独立性,独立同一分布
>
>
>
>
>
>
n 個の確率変数:X1, X2, . . . , Xn.
• X1, . . . , Xn が独立 ⇐⇒ 同時密度関数が積に分解
✒
p(x1, . . . , xn) = q1(x1)q2(x2) · · · qn(xn)
R-code
# x,y は 正規分布.独立同一
x <- rnorm(300); y <- rnorm(300)
plot(x,y, xlim=c(-0.1, 1.1), ylim=c(-0.1, 1.1))
# x は正規分布, y は正規分布を2つ混ぜた分布.独立だが同一でない
x <- runif(300); y <- c(rnorm(100,mean=3),rnorm(200,mean=-2))
plot(x,y)
X, Y が独立同一の分布にしたがう
X, Y は独立な分布にしたがう
• X1, . . . , Xn が独立に同一の分布にしたがう:
p(x1, . . . , xn) = q(x1)q(x2) · · · q(xn),
(q = q1 = · · · = qn)
29/44
30/44
• X1, . . . , Xn が独立に同一の分布 P にしたがうとき:
X 1 , . . . , X n ∼ i .i .d . P
と書く
X1, . . . , Xn が独立のとき以下が成り立つ:
例:X1, . . . , Xn∼i .i .d .N (0, 1).
E(X1X2 · · · Xn) = E(X1)E(X2) · · · E(Xn)
V (X1 + X2 + · · · + Xn) = V (X1) + V (X2) + · · · + V (Xn)
このとき.X1, . . . , Xn の期待値や分散は全て等しい:
E[X1] = · · · = E[Xn],
note: n = 2 のときの一般化.
V [X1] = · · · = V [Xn].
例 7. X, Y ∼i .i .d .N (0, 1) のとき (X, Y ) の同時密度は
2
2
2
2
1
1
1
p(x, y) = √ e−x /2 × √ e−y /2 = e−(x +y )/2.
2π
2π
2π
31/44
32/44
✏
✑
正規分布と独立性
補足1:大数の法則
• a, b (a ̸= 0) を定数とすると
X1, . . . , Xn ∼i .i .d . P として E(Xi) = µ とおく.
X ∼ N (µ, σ 2) =⇒ aX + b ∼ N (aµ + b, a2σ 2)
• X, Y は独立で X ∼
N (µ1, σ12),
Y ∼
N (µ2, σ22)
のとき
X + Y ∼ N (µ1 + µ2, σ12 + σ22)
∀ε > 0, lim Pr(|X̄n − µ| > ε) = 0.
n→∞
∗ 意味:n が十分大きいと,高い確率で X̄n は µ にほぼ等しい.
したがって X1, . . . , Xn ∼i .i .d . N (µ, σ 2) のとき
n が大きくなると
n
$
∗ これを X̄n −→ µ と書き「X̄n が µ に確率収束する」という.
p
! σ2 #
1
Xi ∼ N µ,
n i=1
n
1
n
(n
i=1 Xi
n
1$
• 大数の法則:X̄n =
Xi とすると
n i=1
定義
の分散が小さくなる
note: 上の関係式は積率母関数を用いて証明できる.
33/44
例 8 (大数の法則の例). 表の確率が 0.7 のコイン.
n 回振って表が出た割合をプロット
p
p
p
Zn −→ c
=⇒
average
0.7
0.8
一般に,関数 f : R → R が定数 c で連続のとき,確率変数列
Zn, n = 1, 2, . . . , に対して
Law of Large Numbers
1.0
X̄n −→ µ ならば f (X̄n) −→ f (µ) が成り立つ.
0.9
• f (x) を連続関数とするとき,普通の極限と類似の関係:
34/44
p
f (Zn) −→ f (c)
0.5
0.6
が成り立つ (スラツキー (Slutsky) の公式).
35/44
0
200
400
n
600
800
36/44
例 9. コインを n 回振る.k 回目が表なら Xk = 1,裏なら Xk = 0
(n
とすると n 回のうち k=1 Xk 回表が出ることになる.X1, . . . , Xn
は独立とする.表が出る確率を p とすると E(Xi) = p となり,
補足2:中心極限定理
X1, . . . , Xn ∼i .i .d . P とする
• 中心極限定理:E(Xi) = µ, V (Xi) = σ 2 のとき
n
1$
p
Xk −→ p
n
n
1 $ Xk − µ √ X̄n − µ
Zn = √
= n·
とすると,
σ
σ
n
k=1
% z
lim Pr(Zn ≤ z) =
φ(x; 0, 1)dx が成り立つ.
k=1
定義
が成り立つ.また f (x) = x(1 − x) とすると
& $
'
n
1
p
f
Xk −→ p(1 − p)
n
n→∞
k=1
−∞
• 大数の法則:X̄n − µ −→ 0.
√
中心極限定理では X̄n − µ を n(X̄n − µ) に拡大して,極限の
分布を詳しく見ている.
p
となる.
したがって,E(Xi) = p を X̄n で推定でき,V (Xi) = p(1 − p) を
f (X̄n) で推定できる.
37/44
例 10 (中心極限定理の例). 表の確率が 0.3 のコイン.
n 回振るときの Zn の密度関数をプロット
n = 10
38/44
例 11. コインを n 回振る.k 回目が表なら Xk = 1,裏なら Xk = 0
として,X1, . . . , Xn は独立とする.表が出る確率を p とすると,
E(Xi) = p, V (Xi) = p(1 − p) となる.このとき
n
n = 100
√
1 $ Xi − p
X̄n − p
)
Zn = √
= n·)
n
p(1 − p)
p(1 − p)
k=1
N (0, 1)
とすると
N (0, 1)
lim Pr(Zn ≤ z) =
n→∞
%
z
φ(x; 0, 1)dx が成り立つ.
(1)
−∞
式 (1) のように分布関数が収束することを
d
Zn −→ N (0, 1)
と書くこともある.
39/44
40/44
演習問題
演習問題 5. 確率変数 X, Y は,区間 (0, 1) 上の一様分布に独立に
したがうとする.
演習問題 1. P (A ∩ B) = P (A)P (B) のとき,次式が成り立つこ
とを確認する.P (A ∩ B c) = P (A)P (B c).
演習問題 2. 分散について
1. X 2 の分布関数と確率密度関数を求める.
2. Z = max{X, Y } の分布関数を求める.また Z の期待値を求める.
演習問題 6.
する.
X を標準正規分布 N (0, 1) にしたがう確率変数と
1. Y = eX の確率密度関数を求める.
2. Y の期待値を求める.
V [aX + b] = a2V [X]
が成り立つことを確認.
演習問題 3. E[(X − a)2] を最小にする実数 a を求める.
演習問題 4. X を確率変数,a, b を定数として Y = aX + b とおく.
E(Y ) = 0, V (Y ) = 1 となるように a, b を定める.
note: a, b を E(X), V (X) で表す.
演習問題 7. X1, . . . , Xn が独立のとき,以下の式が成り立つこと
を確認する.
E(X1X2 · · · Xn) = E(X1)E(X2) · · · E(Xn)
V (X1 + X2 + · · · + Xn) = V (X1) + V (X2) + · · · + V (Xn)
演習問題 8. 2次元確率変数 (X, Y ) の散布図 (a),(b),(c) を示す.
演習問題 9. X, Y は連続値をとる確率変数とし,独立に同一の分布
にしたがう.また,確率変数 Z を Z = X − Y とおく.このとき Z
の確率密度関数 p(z) は原点に関して対称,すなわち p(z) = p(−z)
となることを確認する.
●
6
●
0.6
42/44
3
41/44
●
●
●
●
●
●
y
●
●●
●
●
●
●
●
●
●●
●
●
●
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0.4
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演習問題 10. X1, . . . , Xn ∼i .i .d . P として,
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y
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5
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0
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0.4
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0.6
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0.8
x
x
x
(a)
(b)
(c)
1.0
1.2
µ = E[Xi],
1.4
σ 2 = V [Xi],
i = 1, . . . , n
n
1$
とおく.確率変数 Y を Y =
Xi とおく.Y の期待値 E(Y )
n i=1
と分散 V (Y ) を µ と σ 2 で表す.
演習問題 11. X, Y は独立な確率変数とし,a, b, c を定数とする.
aX − bY − c の分散を V (X) と V (Y ) を用いて表す.
1. X, Y が独立でない散布図が1つある.
それは (a),(b),(c) のうちどれか? 理由も書く.
2. X, Y が独立で同一の分布にしたがう散布図が1つある.
それは (a),(b),(c) のうちどれか? 理由も書く.
演習問題 12. 確率変数 X の密度関数を pX (x) とする.a < 0 であ
る定数 a, b に対して,Z = aX + b の密度関数 pZ (z) を pX を用い
て表す.
43/44
44/44