ブランドの組織浸透における経営者の意識形成について

ブランドの組織浸透における経営者の意識形成について
インターナルマーケティングの考察
The Process of Philosophy Formation for Brand Penetration
within the Organization by Managers of Large Enterprises
Considering Internal Marketing
櫻
井
恵里子
Eriko SAKURAI
要旨
本研究の目的は、職業的に成功していると想定される大企業経営者が組織内におけるブランド浸
透や人材育成について、どのような意識形成をしているのかを探索的に明らかにすることである。
上記目的のため本論文では、東京証券取引所市場第
部に上場する企業の代表取締役社長 名(
∼ 代)に半構造化面接調査を行い、修正版グラウンデッド・セオリー法により分析し、上記プロ
セスの仮説モデルを構築した。結果、
カテゴリー・グループ、 カテゴリー、 概念が生成され
た。ブランドの組織浸透における経営者の意識形成のプロセスは、
「ブランド哲学」
、
「ブランド浸
透」から「経営者の役割」を経て「経営者自身の育成観」を醸成し、
「人材育成やキャリア支援の
考え方」を形成するものと、
「ブランド哲学」
、
「ブランド浸透」を直接体現する場として「人材育
成やキャリア支援の考え方」につながるものとがある。本分析内容は経営者自身への啓蒙並びに企
業内のキャリア支援施策や経営幹部候補者への選抜・能力開発など広く経営・人事戦略に活用され
ることを期待するものである。
Abstract
This research aims to clarify the process of philosophy formation for brand penetration
and human resource development within the organization by successful managers of large
enterprises. Semi-structured investigative interviews were conducted with 10 presidents and
representative directors (aged between 40 and 60) of top enterprises listed on the Tokyo
Stock Exchange. The interview results were analyzed using the modified grounded theory
approach (M-GTA). A hypothetical model of the aforementioned process was constructed.
As a result, 5 group categories, 12 categories, and 34 concepts were established. The results revealed the existence of two career paths for the philosophy formation of brand
penetration within the organization by managers. The first path begins with “brand philosophy” and “brand penetration,” and progresses through “role of management” and
“one’s own philosophy for developing subordinates,” and culminates with “career support
awareness.” The other path is similar to the first, except that it progresses directly from
―
―
西武文理大学サービス経営学部研究紀要第 号(
年
月)
“brand philosophy” and “brand penetration” to “career support awareness.” The results of
this analysis are expected to be applicable to management and personnel strategy for the
general enlightenment of managers, career support measures within enterprises, as well as
selection and ability development, among others, for senior management candidates.
[キーワード]
経営者、仕事への取組み、ブランド浸透、インターナルマーケティング、修正版グランデッド・
セオリー・アプローチ(M-GTA)
Keywords : business manager, attitude towards work, brand penetration,
internal marketing, Modified Grounded Theory Approach(M-GTA)
一般社員とは異なる特殊な対応が必要になり、
問題と目的
対応の複雑さが増す。
「メンタルヘルスへの対
応」が示すように、複雑化する組織の中で働く
近年、日本企業の経営環境は激しく変化して
個人が働く意義を見出してイキイキしている状
おり、多くの企業が生き残るためには、経営改
態とは言いがたい。
「グローバル人材の育成」
革を重ねざるを得ない。人事制度は成果主義へ
が
と大きく転換された上に、経営戦略としてグロ
する。このように人事的な改変が求められる中
ーバル人事戦略の確立が求められている。グロ
で、企業が永続的に成長し、顧客満足を向上さ
ーバル人事の重点課題に関する調査では、グロ
せ、新たな価値を提供するためには、これまで
ーバル化に向けて人事・人材マネジメントの仕
主に外部に対して実施していたマーケティング
組みが対応できているかという問に、
「十分対
の考え方を組織内部に適用するインターナルマ
応できている」と回答した企業はわずか .%
ーケティングがこれまで以上に必要と考えられ
位に挙がっているのは、上記の実情と符合
で、半数以上の企業が対応できていないと回答
る。
(平岩,
している(日本能率協会,
ケティングとは、職務(仕事内容)を製品(商
)
。
年から
)によると、インターナルマー
年にかけての経営課題認識の推移をみても、グ
品)
、従業員を顧客(内部顧客)と看做して行
ローバル化は
うアプローチと顧客(エクスターナルマーケテ
年に
位となり、年々順位を
上げている(日本能率協会,
)
。グローバル
化が進むと、組織内人材の多様性が増し、創造
ィング)の視点から捉えた組織から従業員に対
するアプローチの
への強いエネルギーが生まれる反面、組織内で
つがあるとしている。
インターナルマーケティングの先行研究とし
の衝突のエネルギーも生み出しやすく、人事的
ては、
(Berry, Hensel and Burke,
にはより複雑になり制御は難しくなる。一方で
より、最初にインターナルマーケティングの考
企業が認識している人事課題としては、回答が
え方を小売業に提示した。その後(Berry,
多かった順に上から「次世代リーダーの育成」
、
)に
)は従業員を内部顧客、仕事を内部製品と
「メンタルヘルスへの対応」
、
「グローバル人材
するインターナルマーケティグに言及した。従
の育成」となっている(リクルートワークス研
業員を顧客として扱う哲学とした研究(Berry
究所,
and Parasuraman,
)
。
「次世代リーダーの育成」には、
―
―
)
、インターナルマー
ブランドの組織浸透における経営者の意識形成について
ケティングを動機づけと顧客意識を与えること
者の夢・ビジョンによって生まれ、経営者の役
と捉えた研究(Grönroos,
)
、労働時間短
割・使命は夢やビジョンを明確に規定し、従業
縮による豊かさなどの労働環境改善の視点での
員や顧客、社会に対して発信することとしてい
イ ン タ ー ナ ル マ ー ケ テ ィ ン グ の 研 究(高
る(片平・古川・阿部,
橋,
)
そこで本研究では、職業的に成功していると
)が初期の研究として位置づけられる。
初期の研究では従業員を顧客(内部顧客)とし
想定される大企業経営者の組織内ブランド浸透
てアプローチすることで共通しているが、イン
や人材育成における経営者自身の意識形成のプ
ターナルマーケティングの範囲や位置づけは不
ロセスとその影響要因について仮説モデルを構
明瞭である。近年のインターナルマーケティン
築することを目的とする。本研究で明らかにな
グの研究では、インターナルマーケティングと
った知見により経営者のみならず、経営・人事
従業員の組織コミットメントの関連(Ting,
に携わる組織並びに人に対して、組織内で展開
)
、インターナルマーケティングの手段と
される経営・人事戦略や示唆を得ることを最終
して従業員に対するサービストレーニングを提
的に目指すところである。
供する研究(Mosahab, Mahamad, and Ramayah,
方法
)
、リーダーとフォロワーの関係構築
を行うことをリーダーの役割にしたもの(Wieseke, Ahearne, Lam, and van Dick,
)
、
⑴面接調査対象者と調査時期
面接対象者(以下、対象者と略す)は、東京
知識のリニューアルとそのための学習活動を促
すリレーションシップを開発とするもの(Bal-
証券取引所市場第
lantyne,
する企業の代表取締役社長( ∼ 代) 名で
)
、インターナルマーケティング
とホスピタリティ教育(親泊・平敷,
)
、マ
ネジメント手法としてのインターナルマーケテ
ィング(富田,
部(以後東証一部)に上場
ある。プロフィールは Table .
に示す。調査
時期は
年
月
日から 月 日であった。
)
、インターナルマーケティ
ングをインターナルブランディング活用の視点
で捉えたもの(徐,
⑵調査方法
対象者が指定する場所にて第
)などがある。近年の
著書が半構造
インターナルマーケティングの研究は様々な視
化面接調査を実施した。インタビュー時間は
点から絞ったアプローチが多く、具体性を帯び
時間∼
ている反面、狭い範囲となり全体像や位置づけ
ュー内容を IC レコーダーに録音した。回によ
が不明確である。いずれの研究でもインターナ
っては対象者の紹介者である有識者並びに指導
ルマーケティングの重要性は論じられているが、
員が陪席しインタビューを実施した。
基本的質問項目
定義や範囲、位置付けが明確ではない。
また日本能率協会(
時間半、対象者の承諾を得てインタビ
以下の点についてインタビューを行った。
)では、
「わが社が何
のために存立するのか」
、
「自分の仕事が社会と
.経営者意識醸成時期について
どのようにつながっているのか」
、
「所属してい
.経営者に最も影響を与えている経験について
る部門の使命は何か」ということを経営者が常
.メンターの支援内容
に社員に問いかけ、難局に向けた社員奮起を促
.経営者に影響を与えている大きな転機
すことを経営革新提言として示している。革新
.経営者自身の今後のキャリアについて
的な企業文化を醸成するには経営トップの先見
.企業理念の位置づけについて
性が必要であり、
(片平,
.経営者自身の育成観
)企業文化は経営
―
―
西武文理大学サービス経営学部研究紀要第 号(
年
月)
Table . 調査対象者プロフィール
.人材育成、キャリア支援の考え方
①分析テーマについて最も詳細かつ豊富な内
.経営者自身の夢・ビジョン
容の対象者の逐語録を読み込み、分析テー
マに関連する箇所を選定し、一つの具体例
⑶分析方法
とし説明概念を作成する。
インタビュー内容の逐語録を作成し、修正版
②概念を生成する際、概念名、定義、最初の
グラウンデッド・セオリー・アプローチ(以下
具体例(ヴァリエーション)
、理論的メモ
M-GTA と略す)によりデータ収集と分析を行
を記入する分析ワークシート(Table .
)
っ た。M-GTA は、木 下(
を作成した。分析を進めつつ、新たな概念
,
)に よ っ
て方法論が確立されており、その理念が研究を
を追加する際は、
現場に還元することを重視し、またプロセスを
ートを作成した。
分析する研究に適している。
概念ごと分析ワークシ
③概念生成しながら同時並行でデータから他
本研究では、先行研究において十分に解明さ
の具体例を探し、ワークシートのヴァリエ
れていない、組織内におけるブランド浸透や人
ーション欄に順次追加記入した。追加の際、
材育成における経営者の意識形成についてのプ
概念が具体例を十分に説明しているか、概
ロセスを扱うためM-GTAを採用することとした。
念名や定義の修正、他の概念との関係性や
分析テーマは「ブランドの組織浸透や人材育
有効性についての検討を加え理論的メモに
成における経営者の意識形成の探索的プロセス
追記した。
と組織内における影響要因」と設定した。
④生成した概念の収束化は、類似例の確認だ
分析焦点者は大企業経営者とする。
けでなく、対極的データを関連的に見てい
分析は、木下(
くことで、解釈が恣意的にならないよう配
)に基づき以下の手順に
よって行われた。
慮した。
―
―
ブランドの組織浸透における経営者の意識形成について
Table . 分析ワークシート例
⑤データから新たな概念が生成されず、個別
の概念ごとの類似例、対極例の検討の結果、
を行った。
群の定義は、以下のとおりである。
ステップ
営業部門中心の現業を軸とした経
概念名と定義が確定された段階で、その概
念が理論的飽和化されたと判断した。
営者グループ(
ステップ
⑥生成された概念と他の概念との相互関係を
名)
経営企画部門中心の戦略策定を軸
とし、海外経験をした人を含む経営者グルー
解釈的に検討するとともに、複数の概念か
プ(
らなるカテゴリーを生成し、カテゴリー相
ステップ
互の関係から分析結果をまとめた。
名)
創業系キャリア(創業者もしくは
創業家)経営者グループ(
なお本研究における理論的サンプリングは以
ステップ
下のステップで進められた。
者グループ(
ブランドの組織浸透や人材育成における経営
以上の
名)
総務部門中心の社長秘書経験経営
名)
段階で理論的飽和化をめざし、分析
者の意識形成プロセスに影響すると想定される
ワークシートを基に概念を生成し、概念を統合・
社内での主な職種、主な経験(転職、海外勤務
生成してカテゴリーを、カテゴリーから同様に
の有無)
を考慮して、 群に分けて段階的に分析
カテゴリー・グループを生成し、その概要をス
―
―
西武文理大学サービス経営学部研究紀要第 号(
年
トーリーラインとして文章化し、仮説モデルを
月)
の 名を使用する。
作成した。
妥当性の検討として、質的研究の評価基準と
して、Guba&Lincole(
⑴ストーリーライン
)は信用性、信憑
性、確実性、転用可能性、確認可能性の
ブランドの組織浸透における経営者の意識形
つを
成プロセスにおいては、ブランド哲学、ブラン
挙げている。その中心的な基準として信用性を
ド浸透から経営者の役割を経て経営者自身の育
高める
つの戦略を提示している。
(長期的関
成観を醸成し、人材育成やキャリア支援の考え
わり、持続的な観察、ピア・ディブリーフィン
方を形成するものと、ブランド哲学、ブランド
グ、否定的ケース分析、連続的な主観性、メン
浸透を直接体現する場として人材育成、キャリ
バーチェック)
ア支援の考え方につながるものとがある。
本研究では M-GTA に心得のある研究者
名
組織内におけるブランド哲学や理念は、経営
によるスーパービジョン、並びにキャリア研究
者自身が考え捉えている【ブランド哲学・理念
を行う大学院博士後期課程の院生
名による
の位置づけ】と過去の経営者の歴史の中で積み
「ピア・ディブリーフィング」を実施し、途中
重ねてきた【ブランド哲学・理念の継承性】の
の分析結果を報告し、著書の盲点を指摘しても
両面で構成されている。
《ブランド浸透》は【経
らった。結果の妥当性を担保するための手続き
営者自身が実施するリーダーシップ】を発揮し
を行った。
ながら「組織文化の形成・再発信」という形で
組織文化を強化したり、明確化し改善を重ねて
結果と考察
いる。
《ブランド哲学》
、
《ブランド浸透》が起
点となり時間経過ともに組織内を空気のように
分析の結果、最終的に
カテゴリー・グルー
流れていく中で《経営者の役割》
《経営者自身
プ、 カテゴリー、 概念を生成し、理論的飽
の育成観》
《人材育成・キャリア支援の考え方》
和に達した。ブランドの組織浸透や人材育成に
が育まれていく。
おける経営者の意識形成プロセスとその影響要
経営者として自覚する出来事や経営者の原点
因という観点から、カテゴリー間の関連を検討
となる原体験は、
【経営者としての自覚認識】
し、Fig..
に示す仮説モデルとして結果図を作
を高め、
《経営者役割》の理解を深める。
《経営
成した。結果図は左端から右に向かって時間軸
者役割》に影響を与えているものは、
【社内メ
が進んでいくことを示し、各カテゴリーや概念
ンターによる支援】と【社外メンターによる支
は緩やかな関連を持たせて配置された。またカ
援】の相互影響によるものである。
【経営者意
テゴリー間の関係性が認められる部分は矢印で
識時期】に関しては、多くの経営者が「初期キ
示した。以下にストーリーラインを、カテゴリ
ャリア期の経営者意識の未表出」であり、
「部
ー・グループ、カテゴリー、概念の表を基に詳
長になることで経営者意識の表出」や「経営ト
しく述べるが、文中では、カテゴリー・グルー
ップになることで経営者意識の表出」や「社長
プを《
】
、概念名を
秘書経験による経営者意識の表出」など上級管
”であらわす。カテ
理職に昇格したり、経営層の近くで働き、組織
「
》
、カテゴリーを【
」
、対象者発言を“
ゴリー・グループ間の関係を推察する場合には、
や経営を深く見つめる機会を得ることで経営者
分析シートの内容・人数・割合等を(
)で明
を意識し始める人が多い。創業系キャリアの経
記する。なお、表の中の各概念の出現度数は、
営者のみが「初期キャリア段階での経営者意識
同じ条件で比較するため、全ての分母に対象者
の表出」をしており、 代の若い段階で経営者
―
―
ブランドの組織浸透における経営者の意識形成について
Table . 生成されたカテゴリーグループ,カテゴリー,概念および定義
になることを強く意識しているケースもあった。
え方の差がある。
【自社の人材育成方針】も「人
次に《経営者自身の育成観》については、
【社
材育成の場がインターナルブランディング(自
内メンターによる支援】と【社外メンターによ
社の価値や理念などを人材育成などの場を通じ
る支援】の影響を受けながら経営者自身の【部
て浸透させること)の強化」と位置づける人と
下育成タイプ】が確立されている。経営者自身
「仕事そのものが人材育成」と捉える人に分か
が考える【部下育成タイプ】は、結果ではなく
れる。
【自社の人材育成方針】と自社の人材育
プロセスを大事にする「結果よりプロセス重視
成のどこに力点を置くかという【人材育成の焦
型部下育成」と自律性を重んじ部下に任せる「権
点化】が【人事・人材育成部門の役割】に相互
限委譲型部下育成」と納得できるまでとことん
に影響している。
【自社の育成方針】
【人事・人
部下と議論する「徹底議論型部下育成」の
事育成部門の役割】
【人材育成の焦点化】が影
つ
のタイプが見出された。
響しあいながら、経営者自体の《人材育成・キ
経営者自身の《人材育成・キャリア支援の考
ャリア支援の考え方》へとつながっている。
【人
え方》は、
「人材育成の独自路線」と「他社事
材育成・キャリア支援の課題と展望】について
例も参照しつつ独自にカスタマイズ」に分かれ、
は、海外人材をいかに採用・育成し働く環境ま
【他社事例の参考度合い】にも経営者自体に捉
で含めて制度化する「グローバル展開に対応し
―
―
西武文理大学サービス経営学部研究紀要第 号(
年
た海外人材のしくみづくり」と会社全体で多様
月)
《ブランド浸透》
性を受け入れる風土づくりをどのように醸成す
ブランド哲学や企業理念を浸透させるための
べきかという「多様性を認めるダイバシティの
経営者自身の具体的なアクションである「ブラ
実現化」をあげていた。
ンド哲学・理念の浸透行動」は【経営者自身が
実施するリーダーシップ】である。
⑵カテゴリーごとの結果と考察
b 氏は“若
手との会談を重ねたり、CST(クロス・セクシ
ここでは本研究の分析テーマであるブランド
ョナル・タスクフォース)を作り、これからの
の組織浸透や人材育成における経営者の意識形
会社のあるべき姿はどういう姿が良いのか、あ
成の探索的プロセスと組織内における影響要
なたなりの考えをくださいと、それを
因」に関連するカテゴリーを中心に結果と考察
渡り実施しています。最終的に彼らがまとめた
を述べる。
もののプレゼンを受けて、意見交換をしていま
《ブランド哲学》
す。時にはお酒を飲みながらやることもありま
カ月に
経営者は、
【経営者自身が考えるブランド哲
す”とあるように経営者自らが語り部となり、
学】において、
「ブランド哲学・理念の位置づ
積極的に議論を重ねインターナルマーケティン
b 氏は“グローバ
グの推進者となるケースが多かった。今回イン
け」を各自で捉えている。
ルな会社になっても変えてはいけないもの。前
タビューした
社長の時からずっと言われてきていて、
(ブラ
とのコミュニケーションの場を創出していた。
ンド哲学や理念は)変えてはいけないものとし
また
て定着しています。ブランド哲学や理念の外に
して)社長と語ろう会を作った。
(中略)私に
a
思いの丈をぶつけてくれ僕や会社の文句でも構
氏は“企業理念は言ってみれば H 社足らしめ
わないから…とそこで感じたのは従業員側の社
るものです。DNA 的なものですかね”として
長と話すことができると思っていなかったとい
いる。グローバル化が推進されても変えてはな
う意外な反応でした。この距離感ではいけない
らない活動の根幹にあるものとしてブランド哲
と感じましたね”と発言された。社内外のメン
学や企業理念を捉える発言がなされていた。創
ターの影響は、
「ブランド哲学・理念の浸透行
業系キャリア以外の経営者は、前社長のブラン
動」にも影響していることが示唆された。
ドの哲学の考え踏襲した形で意見を述べていた
《経営者の役割》
あるものはどんどん潰していきます”また
割の経営者は何かしらの従業員
d 氏は“(メンターの方のミニモデルと
が、創業系キャリアの経営者は一人称で力強く
経営者として自覚する出来事や経営者の原点
意見を述べていた。ブランド哲学や理念の意味
となる原体験は、
【経営者としての自覚認識】を
づけが経営者のキャリアによって異なることが
高め、
《経営者役割》の理解を深めている。経
示唆された。
【ブランド哲学・理念の継承性】
営者として原点となる原体験として、
a 氏は
b 氏は“ブランド哲学や企業理
“酒類カンパニーの社長になって、将来事業会
念はリレー式に伝わっていくもの”と発言され
社になる X 社のトップだと、これから少子高
a 氏は“将来のビジョンをしっかり描き
齢化で(業績の)伸びも厳しい、その中で収益
切る。それがしっかりしていくことによって、
構造を改革して、なおかつこれから国際展開だ
今やるべきことがものすごく説得力を増すのだ
のとやらなくてはいけないことを自覚したとい
と思います。私自身(理念)は伝承していくこ
うのが最大の経験じゃあないですかね。営業一
とを重要視しています。
”
とあるように、ブラン
筋でしたから、もちろん工場にも行ったことあ
ド哲学や理念の経営者間の継承性が推察される。
ったし、物流の人とも話したことあったんだけ
については、
た。
―
―
ブランドの組織浸透における経営者の意識形成について
ど実際に工場現場でやっている人と意見交換す
ごいなと思いました。要は事業拡張することは
る中で、一人ひとりの苦労がね会社を動かして
当時では当たり前でしたが、自分の社長として
いるんだし、こういった人が
%会
の拡張の限界をきちんとわかっている。社長と
社の方針を腹に落ちて現場力を発揮してくれな
して大きくして事業の最大限はここまでだと、
いと駄目なんだと実感したわけですよね”と発
その先は違うスキームだから別の人だと”と言
言された。営業キャリア一筋だったが、経営者
う発言にあるように、社外人材でも大きな影響
という立場になり、多くの従業員の現場力を結
力のあるメンターになり得ることが確認された。
集させなくてはならないという良い意味での危
《経営者自身の育成観》
%いや
機感が経営者役割を醸成した例である。また社
経営者自身が考える【部下育成タイプ】は、
会人になってからの経験ではなく、青年期の経
結果ではなくプロセスを大事にする「結果より
d
プロセス重視型部下育成」と自律性を重んじ部
氏は“私の祖父は C 市で網元をやっていまし
下に任せる「権限委譲型部下育成」と納得でき
た。割と他のビジネスも成功していて財をなし
るまでとことん部下と議論する「徹底議論型部
ていました。私の父がいくつかの会社を経営し
下育成」の
験を原体験としてあげるケースがあった。
ていましたが、悉く潰れて、経営才覚がないと
つのタイプが見出された。
「結果よりプロセス重視型」の
a 氏は“
同時に道楽にうつつを抜かしていました。そん
番気を付けていたのは販売目標や活動目標の結
な状態でしたので資産を売り払ったりしました。
果ではなく、そこに至るプロセスのところで
決して裕福に育ったわけではない。なんかね、
す”としている。
「権限委譲型部下育成」の
その頃からかいつかは見返してやるみたいのが
b 氏の“僕は極端な言い方をすると全部ぶん投
あったね(笑)
”
とあるように青年期での逆境経
げていました。
(中略)お前が一番知っている
験が経営者役割に良い意味で影響しているケー
だろうという、先程のマネージャー(メンター)
スもあった。
《経営者役割》は社会人になって
と一緒です”という発言にある通り、自分がメ
からの経験だけでなく、青年期の経験も影響さ
ンターから受けた支援を中間管理職になったタ
れているという示唆が得られた。今後は青年期
イミングでも踏襲することが確認された。
「徹
での経験もどのように意味づけているかという
底議論型部下育成」の
a 氏は“やっぱり徹底
点を見ていく必要がある。さらに《経営者役割》
して議論するということがとても大事だと思い
に影響を与えているものは、
【社内メンターによ
ます。僕は当時は中間管理職で若い人たちが沢
る支援】と【社外メンターによる支援】の相互
山いたとしてもその間にたとえば管理職前の人
影響によるものである。関口(
)は、メン
がいても全体をまとめている人がいる訳ですよ
ターとして職場の上司を上げると指摘している
ね。その人達も含めて、提案者も含めてやはり
が、同じように社外より社内関係者をメンター
鉄砲の弾が上から飛んでくるのではなく、右か
と発言する人も多かった。
【社外関係者による支
ら、横から、下から飛んでくることもある。だ
援】については、
「社外経営者による仕事姿勢
からこそ自由闊達に議論できる、そういう組織
と支援スタイル」を回答している。
b 氏の“あ
にしていかないと”
る社外の社長に可愛がられて、彼が言ったこと
久村(
)は、メンタリング経験がその人
で頭にこびりついているのは、俺は売上 億、
のメンタリングの有りように影響を及ぼし、過
社員
去のメンタリング経験がメンターになることの
人までの社長だと、で当時は全然意味
がわからなかったんですよ。何を言いたいのか。
意欲を高め、プロテジェに受け継がれる「メン
でも何年か経ってふと振り返った時、これはす
タリングの継承性」の存在を示唆しているが、
―
―
西武文理大学サービス経営学部研究紀要第 号(
Table
年
月)
.生成されたカテゴリーグループ,カテゴリー,概念および定義
同傾向の結果となった。メンタリングの継承性
プロフェショナルを育てる人材育成のコースっ
と同じく、経営者の育成観も継承性があると推
ていろいろあるでしょうけど、この元のところ
定される。
にインターナルブランディングみたいなね。自
《人材育成・キャリア支援の考え方》
分の働いている会社に愛着を持つ、自分がブラ
人材育成・キャリア支援の【他社事例の参考
ンドの伝道者になろうというような人を育てて
度合い】は「人材育成の独自路線」
(出現率 %)
行こうという必要性があるんで、そこんとか大
a 氏“う∼ん正直言って
事かなって思ってますね”というように人材育
が多く確認された。
特にないですね。経済誌など読んではいますが、
成をインターナルブランディング強化の場にす
実際にうちはここが足りてないとか思った事例
ることが確認された。
《ブランド浸透》で【経
はほとんどないですね”というように人材育成
営者自身が実施するリーダーシップ行動】と同
においては他社を参考にしていないことが確認
様に人材育成の場を一貫性を持って経営者自身
された。
【自社の人材育成方針】においても
が推進していこうという意図が見受けられた。
a 氏が“自分が勤めている企業ブランド、ある
【人材育成の焦点化】については、
a 氏は
いは企業そのもの、それに誇りを持って、あの
“部長、執行役員かな。もはやこのレベルにな
∼、仕事ができる人って言うのかな、
(中略)
ると自分のテリトリーのことだけをやっていれ
―
―
ブランドの組織浸透における経営者の意識形成について
Fig. 1. ブランドの組織浸透における経営者の意識形成プロセスの結果図
ばよいということではないんです。そうすると、
にアンケートしてそこでの最少公倍数では人事
つは視野の広がりを求められやすい。もうひ
制度にはならない”や「長期視点での人事戦略・
a 氏は“人事は 年先を
とつは他を巻き込むという能力が求められます
制度改善」について
よね”と言う発言のように次期経営幹部の育成
見据えて人のことに関してあらゆる思いを馳せ
が焦点化されていた。日本能率協会(
)の
てプランを作らなくてはならない。
(中略)人
人事課題認識と同様の結果となった。その他「若
事はキャピタルを扱っている部署であると思っ
手キャリアの育成」
「課長クラスのマネジメン
て仕事にのぞむのと、コストであると思っての
ト能力強化」
「グローバル人材育成プログラム
ぞむのとではこんなに大きな差が出てくると思
の実施」
「社内起業化的な人材育成」が焦点化
います”という発言にあるように人事部への発
されている。
想の転換と長期スパンで物事を観ることの重要
【人事・人材育成部門の役割】について「会
性が確認された。
社を変革するイノベーティブな人事部門」で
【人材育成・キャリア支援の課題と展望】は
d 氏は“人事部はここ数年文句を言ってきた。
「グローバル展開に対応した海外人材の仕組み
お前らは現状追認型だ、もっと人事が戦略的な
づくり」と「多様性を認めるダイバシティの実
組織に変わらないといけない。人事制度も万人
現化」の両概念であった(ともに出現率 %)
。
―
―
西武文理大学サービス経営学部研究紀要第 号(
年
b 氏は“やっぱり難しいし、大変チャレンジ
月)
哲学、ブランド浸透を起点として
つのルート
だけど、グローバルに考えたとき何がフェアか
を持つ仮説モデルを構築する事ができた。
ということ。正直今はグローバル対応できてい
はブランド哲学、ブランド浸透から経営者の役
ないですね。グローバルの問題で言うと実際に
割を経て経営者自身の育成観を醸成し、人材育
外国に住んだことがあるか、海外の人とビジネ
成やキャリア支援の考え方を形成するものと、
スを実際にやったことがあるかで、間接的です
もう
けど制度編成にも影響がある。例えば
体現する場として人材育成、キャリア支援の考
分の
がパーソナルなセキュリティに力を費やさない
つはブランド哲学、ブランド浸透を直接
え方につながるものである。
と住めないとか、日本では蛇口をひねればきれ
いな水が出るけど、そんなこともできない場合
つ
以下に今後の研究と実践につながる知見や提
言をまとめる。
もある。自分でやらなくてはならない。子供や
経営者のブランド哲学やブランド浸透におい
家族のこともある。そういうことも含めて、良
て組織内におけるリーダーシップ行動には、歴
い悪いを含めて、異なる生活文化の中で働くと
代経営者から継承されるブランド哲学や企業理
はどういうことか、やはりある程度制度として
念が連綿と受け継がれていることが示唆された。
保障してあげないといけないと思う”という発
ブランド哲学や企業理念に関しては、創業系キ
言にあるようにグローバル対応に向けての仕組
ャリアの経営者と、それ以外の経営者では伝承
みづくりを早急に求められていることが確認で
の重みや意味合いに異なる部分が推察されるた
b 氏の場合、海外経験を有しているか
め、今後は経営者のキャリアパターンに応じて
らこそ、単なる国際感覚だとか海外要員不足の
分けて調査・分析する必要がある。経営者の役
問題だけでなく、人事制度のひとつとしてグロ
割についても社内外のメンターの影響を受けな
ーバル展開に対応したしくみづくりについて言
がらそして経営者自身が経営者として自覚し認
及がなされていると推察される。また「多様性
識しうる様々な経験により、徐々に経営者役割
を認めるダイバシティの実現化」については
を確立していく。本研究では、経営者に影響を
a 氏は“やはりボードメンバーが多様性のある
与えた経験として社会人になってからの経験と
対応がとれるようになることで、
(中略)人の
いう形で質問したが、社会人になってからの経
行き来よりも人の価値観、人種、国籍、性別を
験だけでなく、青年期の逆境経験そのものが影
超えて、多様な価値を受け入れらるそういう企
響することが示唆された。経営者役割を醸成す
業文化を作りあげることがグローバル化に対応
るために直接的もしくは間接的であるにせよ、
するための要件かと。というようにトップマネ
青年期・青年期以前の経験とその経験の意味づ
ジメント層から変革をし、組織文化醸成を含め
けも重要となるため、学校教育・家庭教育から
て多様化を推進したいという意識が確認された。
企業内教育へのつながりを研究・分析すること
きた。
が望まれる。
まとめと提言
以下本研究の知見から経営・人事戦略の実務
上想定される課題について提言を行う。インタ
本研究では、
「ブランドの組織浸透や人材育
ーナルマーケティングを推進していくためには、
成における経営者の意識形成の探索的プロセス
経営者自身の強い意思と主体的に実行するダイ
と組織内における影響要因」をテーマに分析を
ナミックさが重要となる。ブランド哲学や理念
行った。結果、ブランドの組織や人材育成にお
浸透をするため大半の経営者が従業員とのコミ
ける経営者の意識形成のプロセスは、ブランド
ュニケーションの場を創出していたが、単なる
―
―
ブランドの組織浸透における経営者の意識形成について
チャネル構築になり、質的・レベル感にも差が
ど条件を考慮した上で幅広く有用かどうかの検
ある状態だった。またブランド哲学や企業理念
証が必要である。本研究の質的調査の結果をも
の捉え方も経営者自らが主役であり、
とに、今後は量的データによる検証が望まれる。
番リー
ダーシップを発揮しなくてはならない存在であ
ることについての捉え方や本気度にも差が見受
付
記
けられた。それらを払拭するために、今後は、
本論文の作成にあたり、丸の内ブランドフォ
ブランドを専門とする有識者と共同でブランド
ーラム代表片平秀貴氏、筑波大学大学院教授岡
浸透における評価軸の導入を検討し、学問領域
田昌毅氏、面接調査にご協力いただきました
と実務の融合化を図るなどの検討も必要と考え
方々に、心より感謝申しあげます。
る。またインターナルマーケティングを推進す
るには経営者のブランド浸透行動のみならず、
人事制度や人材育成制度など仕組みすべてにお
いての一貫性、経営者以外のマネジメントの言
動や職場環境との一貫性を保つことが重要とな
る。さらにグローバル対応に向けたしくみづく
りやダイバーシティ展開の実現に向けて、経営
者は、国籍・雇用身分・性別などを超えて多様
性を認める組織文化を醸成する必要性を示唆し
ている。組織内おけるグローバル化を加速させ
るためにも、経営者自身がブランド哲学やブラ
ンド浸透を意識する必要がある。次世代リーダ
ー育成のあり方もスキル偏重から脱却し、ブラ
ンド哲学の重要性やブランド哲学を守り育てる
役割が経営者にある旨をじっくり刷り込んでい
くような取組みが期待される。
今後の課題
本研究は分析方法論として M-GTA を採択し、
大企業経営者のインタビューを通じて、ブラン
ドの組織浸透や人材育成における経営者の意識
形成プロセスを導き出し、分析テーマに関する
一定の結論と知見を得ることができた。しかし、
これはあくまで 例の経営者の限られた範囲の
結果であり、すべての経営者にあてはまるとは
言い難い。
今後の課題として、
M-GTA の研究方
法としての方法論的限界が残されている。今後
一般化の判断は慎重に行う必要がある。特に今
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