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地盤環境エンジニアリング株式会社
深田 園子
1
1.土壌汚染対策法で対象とする土壌汚染
2.土壌汚染対策法の調査の概要
3.土壌汚染対策法の措置の概要と区域指定
を受けた土地の管理
2
(1)人的原因による土壌汚染
人の活動によって生じた汚染
(2)自然由来の土壌汚染
土壌に自然由来の有害物質が含まれることによる汚染
砒素、鉛、ふっ素、ほう素、水銀、カドミウム、セレン、
六価クロムに限定される
(3)水面埋立て用材料に由来する土壌汚染
埋立てに用いた土壌に有害物質が含まれることによる汚染
すべての特定有害物質について可能性がある
(2)-1 自然由来の汚染土壌を造成した盛土
自然由来の土壌汚染として扱える場合がある
(次のスライド参照)
3
人為的原因による土壌汚染
基本となる調査
特例調査以外のもの
(専ら)自然由来の土壌汚染
自然由来特例の調査
(専ら)自然由来の汚
染土壌を盛土材料とし
たことによる土壌汚染
(専ら)水面埋立用材料由来
の土壌汚染

水面埋立地特例の調査
地歴調査によって土壌汚染のおそれの種類を特定し、
調査方法を決定する
4


自然由来の土壌汚染と同じように取り扱うことができる盛土を
「自然由来汚染盛土」とよぶ
公有水面埋立地の盛土は、自然由来汚染盛土に該当しない
盛土工事の
完了時期
盛土の土壌を掘
削した地層と同質
な状態でつながっ
ている地層の分布
造成工事の条件
汚染状況
調査方法
改正土壌汚染 ・深さ10m以浅に
対策法施行前
分布する
(H22.3.31
以前)に完了 ・深さ10m以浅に
分布していない
条件なし
第二溶出量 自然由来
基準に適合 特例の調査
条件なし
第二溶出量 基本となる
基準に適合 調査
改正土壌汚染 ・深さ10m以浅に
分布する
対策法施行後
(H22.4.1以
降)に完了
・掘削および盛土が同一の事 第二溶出量 自然由来
業で行われた
基準に適合 特例の調査
または
・掘削場所と盛土場所の距離
が900m以上離れていない
5
・有害物質使用特定施設の廃止時
調
査
の
契
機
・3000m2以上の土地の形質変更の際に、土壌汚染のおそれがあると都道府県 知事が認めるとき
状土
況壌
調汚
査染
・土地の所有者等(所有者、管理者又は占有者)が指定調査期間に調査を行わ
せ、その結果を都道府県知事に報告する
・土壌汚染により健康被害が生ずるおそれがあると都道府県知事が認めるとき
【要措置区域】
区
(
台域
帳の
へ指
の定
記と
載公
)示
・自主調査によって土壌汚染
が判明した場合の、区域の
指定の申請(任意)
【形質変更時要届出区域】
・土壌汚染の摂取経路があり、健康被害が生
ずるおそれがあるため、汚染の除去等の措置
が必要な区域
・汚染の除去等の措置を都道府県知事が指示
・土地の形質変更は原則禁止
・土壌汚染の摂取経路がなく、健康被害が生ずる
おそれがないため、汚染の除去等の措置が不要
な区域
・土地の形質変更時に都道府県知事へ計画の届
出が必要
摂取経路
の遮断 ・一般管理区域、自然由来特例区域等の4種類が
ある
汚染の除去が行われた場合は、要措置区域等の指定を解除
6
第一種特定有害物質
(揮発性有機化合物)
第二種特定有害物質
(重金属等)
第三種特定有害物質
(農薬とPCB)
四塩化炭素
カドミウム及びその化合物 シマジン
1,2-ジクロロエタン
六価クロム化合物
チオベンカルブ
1,1-ジクロロエチレン
シアン化合物
チウラム
シス-1,2-ジクロロエチレン 水銀及びその化合物
ポリ塩化ビフェニル(PCB)
1,3-ジクロロプロペン
セレン及びその化合物
有機りん化合物
ジクロロメタン
鉛及びその化合物
テトラクロロエチレン
砒素及びその化合物
1,1,1-トリクロロエタン
ふっ素及びその化合物
1,1,2-トリクロロエタン
ほう素及びその合物
トリクロロエチレン
ベンゼン
7
2.土壌汚染対策法の調査の概要
8
有害物質使用特定施設 の
廃止 の届出
調査義務発生
地歴調査
①情報の入手・ 把握
土
壌
汚
染
状
況
調
査
② 土壌汚染 のおそれがある 特定有害物質
の種類の通知の申請
土壌汚染のおそれがある 特
定有害物質の種類 の通知
③ 試料採取等対象物質の特定
④ 土壌汚染 のおそれの 区分の分類
試料採取等 を行う 区画の選定
試料採取等
土壌や土壌 ガスの 採取と 分析
土壌汚染状況調査の結果の報告
土壌汚染 の有無の判断
基準適合
規制対象外
凡例
都道府県知事が実施する事項
基準不適合
要措置区域等に指定
土地の所有者等が実施する事項
調査実施者(指定調査機関)が実施する事項
9

目的
◦ 調査対象地及びその周辺について、土壌汚染のおそれを推
定するために有効な情報を把握する

地歴調査結果をどのように利用するか
=調査計画の立案
◦ 土壌汚染状況調査の対象となる特定有害物質の種類を特
定する
◦ 土壌汚染のおそれに従って、試料採取地点、採取深度を決
定する
◦ 自然由来や水面埋立て用材料由来の汚染のおそれについ
ても把握し、必要に応じて特例調査を計画する
10

情報の入手・把握の方法
資料調査/聴取調査/現地調査

情報を入手・把握する対象物質
◦ 法第3条調査:特定有害物質全25物質
◦ 法第4条調査・法第5条調査:調査の命令に係る書面に記載
された特定有害物質の種類

情報を入手・把握する対象期間
◦ 可能な限り過去に遡る/1945年を目途に遡る
◦ 1945年以前についても工場又は事業場が開設された時期
まで可能な限り遡ることが望ましい
11
情報の分類
ア 調査対象地の範囲を確定するための情報
イ 土地の用途及び地表の高 ①土地の用途に関する情報(土地利用状況、建物・設備等の配置)
さの変更、地質に関する
②地表の高さの変更、地質に関する情報
情報
ウ 特定有害物質による汚染 ①土壌の特定有害物質による汚染状態に関する情報
のおそれに関する情報
②特定有害物質又は特定有害物質を含む固体・液体の埋設等(埋
設・飛散・流出・地下浸透)に関する情報
③特定有害物質の使用等(製造・使用・処理)に関する情報
④特定有害物質又は特定有害物質を含む固体・液体の貯蔵等(貯
蔵・保管)に関する情報
⑤その他の情報
・自然由来の土壌の汚染状態に関する資料
・盛土部分に用いられた盛土材料の自然由来の汚染に関する
情報
・水面埋立て用材料由来の土壌の汚染状態に関する資料 等
エ 公有水面埋立地に関する ・公有水面埋立法による埋立て又は干拓による造成履歴の有無
情報
・上記造成が開始された日
・廃棄物の埋め立ての有無
・都市計画法第8条第1項に規定される工業専用地域に該当するか
12

第一種特定有害物質については、基準不適合や埋設等、使
用等、貯蔵等の履歴があった物質と、分解生成物を試料採
取等対象物質とする

地歴調査で収集した過去に実施した調査結果は、現在の基
準を用いて、基準適合・不適合を判断する
1,1-ジクロロエチレンの基準緩和
新基準
旧基準
土壌溶出量基準
0.1mg/L以下
0.02mg/L以下
地下水基準
0.1mg/L以下
0.02mg/L以下
第二溶出量基準
1mg/L以下
0.2mg/L以下
その他の物質についても基準の見直し、物質の追加が検討されている
13

地歴調査をもとに、調査対象地を3つに区分する
➀土壌汚染が存在するおそれがない土地
②土壌汚染が存在するおそれが少ない土地
③土壌汚染が存在するおそれが比較的多い土地

上記の区分ごとに試料を採取する単位区画と試料採
取地点を選定する

特定有害物質の種類ごとに行う
14
特定有害物質
の種類
第一種特定有害物質
(揮発性有機化合物)
第二種特定有害物質
(重金属等)
第三種特定有害物質
(農薬等)
全部対象区画
(土壌汚染が存在
するおそれが比較
試 的多い単位区画)
料
採 一部対象区画
取 (土壌汚染が存在
の するおそれが少な
考 い単位区画)
え
方 対象外区画
(土壌汚染が存在
するおそれのない
単位区画)
単位区画毎に
1地点
単位区画毎に
1地点
単位区画毎に
1地点
30m格子内の
1地点
(30m格子の中心)
30m格子内の
一部対象区画で
5地点均等混合
30m格子内の
一部対象区画で
5地点均等混合
必要なし
必要なし
必要なし
調査方法
土壌ガス調査
↓
土壌溶出量調査
(ボーリング調査)
土壌溶出量調査
土壌含有量調査
土壌溶出量調査
土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)に加筆、修正
15
第一種特定有害物質は、土壌中で一部が揮発してガ
ス体となる。土壌ガス(地下の空気)中の有害物質の濃
度を測定し、土壌汚染のおそれを把握する調査


土壌ガスの試料採取
地表から概ね1m下(0.8~1.0m)より採取
◦ コンクリート、アルファルト等で舗装されている場合は、その
表面を基準とする
◦ 地下水面が高く、土壌ガスの採取が困難な場合は、同深度
(最大2mまで掘り増し可)の地下水を採取し、分析する
(ろ過分析は不可)
土壌ガスの分析と定量下限値
 ガスクロマトグラフによる分析
 ベンゼン以外:0.1 volppm、ベンゼン:0.05 volppm
16

ボーリング調査(深さ10mまでの土壌溶出量調査)は
土壌ガスが検出された場合に実施する
全地点で不検出の場合は、基準不適合なしとして調査終了

ボーリング調査は土壌ガスが検出された特定有害物
質ごとに、土壌ガス濃度が相対的に高い地点で行う
濃度分布図を作成して判定

試料採取深度
使用場所、埋設場所等の深さ
➀「汚染のおそれが生じた場所の位置」の土壌
※上記の位置が地表または不明な場合は表層の土壌
②「汚染のおそれが生じた場所の位置」から深さ50cmの土壌
③深さ1mから10mまでの1mごとの土壌
※汚染が生じた場所の位置よりも深い部分の土壌に限る
④深さ10m以内に帯水層の底面がある場合は、底面の土壌
※底面より深い部分の土壌は採取不要
17
0m
汚染のおそれが生じた場所の
位置が地表または不明な場合
汚染のおそれが生じた場所の 汚染のおそれが生じた
位置が地表より下にある場合 場所の位置複数ある場合
1m
深さ10m以浅に帯水層
の底が存在する場合
0m
1m
深さ1mの土壌
2m
2m
汚染のおそれが
生じた場所の位
置から深さ50cm
の土壌
3m
4m
3m
4m
5m
5m
帯水層の底面の土壌
6m
6m
難透水性の地層の厚さ 7 m
確認のボーリング(試料
採取なし)
7m
8m
8m
9m
9m
10 m
10 m
11 m
凡例
試料採取位置
舗装・砕石
11 m
汚染のおそれ
が生じた場所
の位置
難透水性の地層
18

全てのボーリング調査地点において全ての試料が土
壌溶出量基準に適合
→調査対象地全域が基準不適合なし

1以上のボーリング調査地点において基準不適合が
あった。
→土壌ガスが検出された単位区画は、土壌溶出量の最大値
の汚染状態と同じと評価される
→ただし、全ての試料が土壌溶出量基準に適合した単位区
画は基準適合とみなす(上記から除外)

調査の過程の全部または一部を省略すると、第二溶
出量基準不適合とみなされる(詳しくはガイドラインを参照のこと)
19

土壌調査(土壌溶出量調査、土壌含有量調査)を行う

試料採取深度
➀「汚染のおそれが生じた場所の位置」から深さ50cmまでの土壌
②「汚染のおそれが生じた場所の位置」が地表と同一の場合又は
明らかでない場合は、地表~深さ5cmまでの土壌(表層の土壌)
と深さ5~50cmの土壌をそれぞれ採取し、同じ重量で混合して
1試料とする
※試料採取は地表~深さ10mまでに限定される
※「汚染のおそれが生じた場所の位置」が複数あれば、それぞれの深
さで土壌試料を採取する


第二種特定有害物質:土壌溶出量、土壌含有量
第三種特定有害物質:土壌溶出量
20
重金属を使用していた施設
全部対象区画の試料採取地点
5地点均等混合法による試料採取地点
試料採取地点の配置例
地表面
特定有害物質を
含む排水の配管
配管下の50cm
地表部分の試料採取例
50cm
原則
配管の近傍で
の採取も可
地下配管がある場合の例
21


5地点均等混合法による調査で土壌溶出量又は土壌含有量が基準不適合
であった場合、30m格子内のすべての一部対象区画で個別に土壌溶出量
調査又は土壌含有量調査を実施する
これを省略すると、 30m格子内のすべての一部対象区画は、第二溶出量
基準不適合又は土壌含有量基準不適合とみなされる
30m
30m
試料採取地点の試料は
個別に分析する
5地点均等混合法による採取
30m
30m
凡例
:試料採取地点
10m
10m
10m
5地点均等混合法の試料採取例
:追加調査地点
10m
30m格子内で基準不適合であった
場合の試料採取例
土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)より引用
22



地歴調査の結果、専ら自然由来の土壌汚染のおそれが
あると認められるときに行う調査
自然由来汚染盛土のおそれがあり、盛土の土壌を掘削
した地層とつながっている地層が、深さ10m以浅に分布
する場合にも、盛土に対して特例の調査を行う
調査対象地
 専ら自然由来の土壌汚染のおそれがあると認められる土地の範囲
 調査対象地全域を「土壌汚染のおそれがある土地」とするのが基本

試料採取等と調査結果の評価
調査対象地内の2地点においてボーリング調査を行う
2地点とも、土壌溶出量基準及び土壌含有量基準に適合した場合の
み、汚染なしと評価される
23
凡 例
:調査対象地の最も離れた二つの単位区画
:調査対象地の最も離れた二つの単位区画を含む30m格子
:試料採取等区画
:30m格子
:試料採取地点
:単位区画
:起点
これら三つの単位区画のうち、任意
の単位区画を試料採取等区画とする
①調査対象地の最も離れた二つの単位区画を含む30m格子を選ぶ
②これらの30m格子の中心を含む単位区画を試料採取等区画とする(原則)
③調査対象地が一つの30m格子内にある場合は、30m格子の中心の単位区画を
試料採取等区画とする
④ただし、これらの30m格子の中心が調査対象地の区域内にない場合は、30m格子
内のいずれか 一つの単位区画を試料採取等区画とする
⑤試料採取等区画の中心を試料採取地点とする
土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)より引用
24
自然由来の汚染のおそれがある盛土
に対する試料採取
自然由来の汚染のおそれがある地層
に対する試料採取
土壌汚染のおそれがある
自然地層の位置が明らか
でない場合
土壌汚染のおそれがある
自然地層の位置が明らか
な場合
自然由来汚染盛土のおそれがある盛土部分
の土壌と当該盛土を掘削した地層と同質な状
態でつながっている地層が分布する場合
0m
1m
2m
3m
0m
表層
表層と盛土
部分に含ま
れる深さ1m
ごとの土壌
深さ1mごと
の土壌
1m
2m
3m
4m
4m
5m
自然地層内
に含まれる
深さ1mごと
の土壌
当該地層内
の任意の深
度の土壌
6m
5m
6m
7m
7m
8m
8m
9m
10 m
9m
当該地層内に含ま
れる、深さ1mごとの
土壌
注)地表面が舗装されている場合は、
舗装や砕石下を基準とする
10 m
試料採取位置
凡 例
自然由来の土壌汚染のおそれがある自然地層
自然由来汚染盛土のおそれがある盛土部分の土壌
25
A
B
A
B
図1 調査対象地全域が土壌溶出量基 準及び土壌含有量基準に適合
図3 調査対象地全域が土壌溶出量基 準及び土壌含有量基準に不適合
凡 例
A
<試料採取地点>
:土壌溶出量基準に不適合、土壌含有量基準に適合
:土壌溶出量基準に適合、土壌含有量基準に不適合
:土壌溶出量基準及び土壌含有量基準に不適合
B
:土壌溶出量基準及び土壌含有量基準に適合
<単位区画>
:土壌溶出量基準に不適合とみなされる単位区画
図2 Aを含む30m格子を除き土壌溶出量
基準に不適合
(土壌含有量基準は全域で適合)
:土壌溶出量基準及び土壌含有量基準に不適合
とみなされる単位区画
:土壌溶出量基準及び土壌含有量基準に適合と
みなされる単位区画
26



地歴調査の結果、専ら水面埋立て用材料由来の土壌
汚染のおそれがあると認められるときに行う調査
自然由来の有害物質を含む土壌や水底土砂で埋立て
た公有水面埋立地は、この特例調査を行う
調査対象地
専ら水面埋立て用材料来の土壌汚染のおそれがあると認められる
土地の範囲
調査対象地全域を「土壌汚染のおそれがある土地」とするのが基本

試料採取等と調査結果の評価
30m格子ごとにボーリング調査を行う
30m格子ごとに土壌汚染の状態を評価する
27
第一種特定有害物質
第二種・第三種特定有害物質
➀30m格子の中心を含む単位区画を試料採
取等区画とする
②30m格子の中心が調査対象地に含まれな
い場合は、30m格子内の任意の単位区
画を試料採取等区画とする
③試料採取地点は当該区画の中心とする
➀30m格子内の任意の5区画を試料採取等
区画とする
②30m格子内の単位区画が5以下の場合は、
すべての単位区画を試料採取等区画とする
③試料採取地点は当該区画の中心とする
④5地点混合法による試料採取を行う
土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)に加筆
28
同じ深さの土壌を5地点混合する
0m
0m
0m
1m
1m
1m
混合
する
舗装の有無
2 m にかかわら
ず、同じ深さ
3 m の土壌を混
合する
0m
1m
2m
2m
3m
3m
4m
4m
4m
4m
5m
5m
5m
5m
6m
6m
6m
7m
7m
8m
8m
帯水層の底面の土壌
6m
2m
3m
8m
難透水性の地層の 7 m
厚さ確認のボーリン
グ(試料採取なし)
8m
9m
9m
9m
9m
10 m
10 m
10 m
10 m
11 m
11 m
7m
11 m
凡例
試料採取位置
凡例
舗装・砕石
試料採取位置
難透水性の地層
難透水性の地層
舗装・砕石
30m格子内の混合試料
第一種特定有害物質
➀表層の土壌及び深さ1mから10mまでの1m
ごとの土壌
②深さ10m以内に帯水層の底面が存在する場
合は、その底面の土壌
帯水層の底面より深い部分の土壌は採取不要
帯水層の底面の 11 m
土壌だけを混合
する
第二種及び第三種特定有害物質
➀表層及び深さ5~50cmまでの土壌と、深さ1m
から10mまでの1mごとの土壌
②深さ10m以内に帯水層の底面が存在する場合
は、その底面の土壌
帯水層の底面より深い部分の土壌は採取不要
29
3.土壌汚染対策法の措置の概要と
区域指定を受けた土地の管理
30

人の健康被害が生じない程度まで、特定有害物質の
影響(リスク)を低減させることを目的としている
特定有害物質を人が摂取する経路を遮断する
原位置封じ込め/遮水工封じ込め/不溶化封じ込め
地下水汚染の拡大防止
遮断工封じ込め
立ち入り禁止
舗装・盛土
特定有害物質の溶出量や含有量を低下させる
原位置不溶化/不溶化封じ込め
原位置浄化
土壌掘削除去
31

要措置区域
土壌汚染により人の健康被害が生じるおそれがある
土地=都道府県知事が措置の実施を指示する
地下水の飲用等がある/汚染土壌を摂取する可能性がある

形質変更時要届出区域
現状で土壌汚染により人の健康被害が生じるおそれ
はないが、土壌汚染を管理する必要がある土地
 土地の形質の変更時には汚染土壌を拡散させたり、地下へ
浸透させない
 汚染土壌を搬出する場合は適切に処分する
 措置を実施して形質変更時要届出区域となった土地は、措
置の効果を維持する
32
第一種特定有 第二種特定有 第三種特定有
【凡例】
害物質
害物質
害物質
第二溶出量基 第二溶出量基 第二溶出量基 ◎指示措置
措置の種類
○指示措置と同
準
準
準
等以上の効果
適合 不適合 適合 不適合 適合 不適合 を有すると認め
られる措置
原位置封じ込め
◎
◎*
◎
◎*
◎
×
×選択できない
*
*
遮水工封じ込め
◎
◎
◎
◎
◎
×
措置
地下水汚染の拡 ○
○
○
○
○
○
大の防止
土壌汚染の除去 ○
○
○
○
○
○
遮断工封じ込め
×
×
○
○
○
◎
不溶化
×
×
○
×
×
×
※第二溶出量基準に適合させた上で行うことが必要
土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)より引用
33
措置の種類
通常の土地
【凡例】
盛土では支障が
*2
特別な場合
ある土地*1
舗装
○
○
○
立入禁止
○
○
盛土
◎
×
○
×
土壌入換え
○
◎
×
土壌汚染の
除去
○
○
◎
◎指示措置
○指示措置と同等
以上の効果を有す
ると認められる措
置
×選択できない措置
*1 住宅やマンション(一階部分が店舗等の住宅以外の用途であるものを除く。)で、盛土し
て50 cmかさ上げされると日常生活に著しい支障が生ずる土地
*2 乳幼児の砂遊び等に日常的に利用されている砂場等や、遊園地等で土地の形質の変
更が頻繁に行われ盛土等の効果の確保に支障がある土地
土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)より引用
34
区域内措置優良化ガイドブック(環境省)より引用


土壌溶出量基準に不適合で、地下水の摂取等のリスクがあ
る場合に行う措置の代表例
汚染土壌を遮水壁内に封じ込めることで、有害物質が地下
水へ溶出することを防ぐ
35

土壌含有量基準に不
適合で、直接摂取のリ
スクがある場合に行う
措置の代表例
盛土
舗装
区域内措置優良化ガイドブック(環境省)より引用
36

要措置区域において措置を実施すると・・・

土壌汚染の除去以外の措置を実施し、完了した場合
は、要措置区域の指定が解除され、形質変更時要届
出区域に指定される
措置により有害物質の摂取経路は遮断されたが、土壌汚染が存在
する土地であるため管理は必要

土壌汚染の除去等の措置を実施し、完了した場合は
指定が解除される
37

要措置区域に指定された土地は、措置を行うことにより、
形質変更時要届出区域に区域が変更される
→事業を行う土地は形質変更時要届出区域になって
いると想定される

土地の形質の変更を行う場合の届出

土地の形質の変更方法の制限
施行方法の基準

区域外への土壌の搬出の制限

区域内の土壌の移動の管理
38
形質変更時要届出区域内において土地の形質の変更をしようと
する者は、土地の形質の変更に着手する日の14日前までに、都
道府県知事に届け出なければならない
例外
➀通常の管理行為等
②形質変更時要届出区域の指定時にすでに着手している行為
③非常災害のための応急措置として行う行為
②と③は事前届出は不要、14日以内の事後届出が必要

39

土地の形質の変更を行う施行方法の基準
➀基準不適合土壌又は特定有害物質の飛散、揮散又は流出を
防止するために必要な措置を講ずること
②基準不適合土壌(土壌溶出量)が形質変更時要届出区域内の
帯水層に接しないこと
③土地の形質の変更後、汚染の除去等の措置が講じられた場合
と同等以上に人の健康に係る被害が生ずるおそれがないこと
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都道府県知事は、施行方法の基準に適合しないと認めるときは、
届出から14日以内に限り、施行方法に関する計画の変更を命
ずることができる
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形質変更時要届出区域だけでなく、要措置区域外への土壌
の搬出も同じように制限されている
区域内の土壌は、すべて汚染土壌として汚染土壌浄化施
設等へ搬出しなければならない(原則)
都道府県知事が基準に適合する土壌であることを認定した
ものは、例外的に法の規制を受けずに要措置区域等外へ
搬出できる
都道府県知事の認定を受けるためには、指定調査機関が
認定調査を行い、25種類のすべての特定有害物質につい
て、土壌溶出量基準及び土壌含有量基準に適合しているこ
とが必要
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土壌汚染対策法では人為的原因による土壌汚染のほか、
自然由来、水面埋立て用材料由来の土壌汚染も対象となっ
ており、自然由来と水面埋立て用材料由来の汚染について
は特別な調査方法が設定されている
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調査を適切に行うためには、地歴調査が重要(調査計画の
要)
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土壌汚染対策法の措置は、人の健康リスクの低減を目的と
し、必ずしも土壌汚染の浄化を求めてはいない
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土壌汚染が存在する土地については、健康リスクの低減さ
せた上で、適切に管理することが必要
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