検査項目の説明(PDF:133KB)

検査項目の説明
NO
項目
基準値
説 明
1 一般細菌
1mLの検水で形 水や土中に生育している細菌です。一般細菌として検出される細菌の多くは、直
成される集落数 接病原菌との関連はありません。水の一般的清浄度を示す指標になります。清浄
が100以下
な水には極めて少数ですが、汚染された水ほど多数検出される傾向があります。
2 大腸菌
大腸菌は人や動物の腸管内に存在しています。検出された場合は糞便汚染の指
標となります。一般に病原性はありませんが、一部病原性を持っている大腸菌が
検出されないこと
いるため、水中に大腸菌が検出された場合には病原生物に汚染されている疑い
があります。
3 亜硝酸態窒素
0.04mg/L以下
水中に含まれる亜硝酸イオン中の窒素です。生活排水・下水、肥料などに由来す
る有機性窒素化合物が、水や土壌中で分解される過程で生成されます。高濃度
に含まれると幼児にメトヘモグロビン血症(チアノーゼ症)を起こすことがありま
す。
水中に含まれる硝酸イオン中の窒素と亜硝酸イオン中の窒素との合計量です。
窒素肥料、腐敗した動植物、生活排水・下水などの混入によって検出されます。
高濃度に含まれると幼児にメトヘモグロビン血症(チアノーゼ症)を起こすことがあ
ります。
4
硝酸態窒素及び
亜硝酸態窒素
5
フッ素及びその化
0.8mg/L以下
合物
主として地質や工場排水などの混入によって検出されます。適量摂取は虫歯の
予防効果があるとされていますが、高濃度に含まれると斑状歯の症状が現れるこ
とがあります。
6 鉄及びその化合物 0.3mg/L以下
主に岩石や土壌に由来しますが、鉱山排水・工場排水などの混入や鉄管のさび
に由来して検出されることがあり、高濃度に含まれると赤水・異臭味(カナ気)や、
洗濯物等を着色する原因となります。
7
マンガン及びその
0.05mg/L以下
化合物
主として地質に由来しますが、まれには鉱山排水・工場排水の混入によって検出
されることがあり、消毒用の塩素で酸化されると黒色を呈することがあります。
200mg/L以下
地質に由来するもので、特に海岸地方では海水の浸透、風送塩の影響が大きい
です。下水・家庭排水・工場排水及びし尿などからの混入によっても増加します。
高濃度に含まれると味覚を損なう原因となります。
8 塩化物イオン
9
カルシウム・マグ
300mg/L以下
ネシウム等(硬度)
10 蒸発残留物
11
10mg/L以下
有機物(全有機炭
素(TOC)の量)
500mg/L以下
3mg/L以下
硬度とは水中のカルシウムイオン及びマグネシウムイオンの合計量を炭酸カルシ
ウムに換算して表したものです。主として地質によるものですが、海水・工場排
水・下水の混入によることもあります。硬度が低すぎると淡白でこくのない味がし
(軟水)、高すぎると硬くてしつこい味がします(硬水)。また、硬度が高いと石鹸の
泡立ちを悪くします。
水を蒸発乾固させたときに残る物質のことです。主な成分はカルシウム・マグネシ
ウム・ケイ酸等の塩類及び有機物です。残留物が多いと苦み、渋みなどを感じ、
適度に含まれるとまろやかさを出すといわれています。
水中の有機物量を、含まれる炭素の量で示したものです。有機物等による汚染の
指標になります。土壌に起因するほか、し尿・下水・工場排水などの混入によって
も増加します。水中に多いと渋みを感じます。
0から14の数値で表され、pH7が中性で、これより値が大きくなるほどアルカリ性
が強く、これより値が小さくなるほど酸性が強くなります。降雨、地層の影響、土
壌・工場排水・汚染物質等の混入、プランクトンの発生等により敏感に変動しま
す。
水の味は、地質又は海水・工場排水・化学薬品等の混入及び藻類等生物の繁殖
に伴うもののほか、水道水では使用される管の内面塗装剤等に起因することもあ
ります。
水の臭気は、藻類等生物の繁殖、工場排水・下水の混入、地質などに伴うものの
ほか、水道水では、残留塩素や使用される管の内面塗装剤等に起因することもあ
ります。
12 pH値
5.8以上8.6以下
13 味
異常でないこと
14 臭気
異常でないこと
15 色度
5度以下
水中に含まれる物質が呈する類黄色ないし黄褐色の強さをいいます。基準値の
範囲内であれば無色な水といえます。
16 濁度
2度以下
水の濁りの程度を示すものです。基準値の範囲内であれば濁りのない透明な水
といえます。
参考文献
平成26年度厚生労働省令
上水試験方法2011年版
水道用語辞典(日本水道協会)
水道水基準ガイドブック(日本環境管理学会)