1 日目 今回の稲刈りツアーは早くから参加を決めていました。自分達が植えた稲を刈り取りた いし、海士独特の天日干し(ハデ干し)も体験してみたい。ツアー中に台風が近づいてき ており、中止になるかと心配していましたが、決行となり一安心。 海士町菱浦港のフェリー発着所で参加者が初めて全員集合し、そのまま発着所の近くの レストランで隠岐牛の焼肉を囲んで自己紹介。体力仕事の稲刈り&ハデ干しに向けて栄養 をつけました。 2 日目が雨の予報ということで、1 日目に ハデ作り できるだけハデ干しを終わらせようと、海士 の話もそこそこに、作業開始です。 今回の目玉であるハデ作りは、師匠である 地元農家の方に教わりながら 10 人程度で進 めていきました。まずは 1 間(約 1.8m)間 隔で田んぼに深さ 1m 程度の穴を掘ってメ インとなる丸太を立てます。写真は 6 間分の ハデを作りの途中で、メインの丸太が 7 本立 っています。向かい合わせに 7 本丸太を斜め に立て、メインの丸太に括りつけて支えとします。メインの丸太に竹を横に渡し、紐で丸 太に括り付けてハデが完成。構造はとてもシンプルですが、紐をしっかり結ぶことで驚く ほど頑丈になります。さすが農家の知恵。知恵だけではなく、70 代くらいの地元農家の方 でも軽々と丸太を担がれます。さすが農家の肉体。 ハデ作りチームと並行して稲刈りチームも頑張りました。バインダー(稲刈り機)は稲 を刈るだけでなく直径 10cm くらいの束に括ってくれますが、稲がまっすぐに植わっていな いとバインダーでは上手く刈れません。綺麗に田植えをしておくことの大事さを実感。 バインダーの束を 6-7 束あつめて、 「えいそ」と呼ばれる、稲藁で作った紐で束ねます。 束がバラバラにならないようにきつく結ば なければいけません。結び方がよくわからず まごついていると、地元農家の方がお手本で 結び方を教えてくださいました。慣れた手つ きで手際よく結んでいらっしゃり、さすがだ なあと感心しました。 その束をハデにかけます。刈った直後より、 しばらく置いておいたほうが稲が乾燥して 軽くなるから、すぐ動かさないほうがよいと えいそで 束ねます 教えてもらい、ここにも農家の知恵を感じました。ハデに跨り、重い束を次々とかけてい く役所の地産地商課の方の働きっぷりに今回も感嘆。 雨は作業がほぼ終わった頃に振 ハデにかけ ていきます り出しただけで、雨の中の作業と いう最悪の事態は免れました。 お風呂で汗を流した後に、公民 館で農家の方々との交流会を兼ね た夕食。地元の方々と直接お話を することができ、思いや考え、温 かい人柄をうかがうことができま した。また、ここで初めて、米作 りでお世話になった農家の方が海 士の地酒「承久の宴」の酒米の生 産者だと知って、夕食の場に出ていた「承久の宴」に思い入れと親しみが湧き、ますます おいしく感じました。 2 日目 心配していた雨はふっておらず、宇受賀神社に参拝してから作業開始です。えいそが足り なくなったため、まずはえいそ作りから。稲わらを一握りとり、薄い皮?を手ですくよう にしてむき中のほうの丈夫な茎のみ残すようにします。それを二つに分け、稲わらの先を 固結びにして作ります。稲わらをこう して再利用するところにも昔からの知 ハデ完成! 恵を感じました。えいそができたら、 前日の続き。1 日目に作業を前倒しで 進めていたため、2 日目は参加者同士 で会話しながら作業できました。ハデ の稲を載せる場所が不足したため、稲 束を詰めたり、ハデの端の部分を有効 活用したりして凌ぎました。午前中で すべての稲をかけ終え、今回のミッシ ョンは無事終了! 完成したハデを眺めつつ、昼食のお弁当を食べた後は、海士経験と目的に応じて3グルー プに分かれ、別行動することに。それぞれの希望に合わせてツアーのスケジュールを組ん でいただけたので、それぞれが満足できたのではと思います。私たちは地元の人と交流し たいと思っていたので、参加者としてツアーに参加していた巡りの環の卒業生の方と一緒 に、海士の地元の方のお家を訪問し話をすることになりました。 1 件目は、いか釣りの漁師さん。朝早く漁に出ていかを釣って きた後は、奥さんと一緒に大きさ別に箱詰めをするそうです。1 日に 100 箱分以上も釣れるとのことで驚き。イカ釣り用の針の 名前を教えていただき、ネーミングに大ウケでした。なぜこんな 名前にしたのか謎です。 。 2 件目も漁師さん。こちらのお家では初めて お会いする私たちの分まで、れんこ鯛と焼きあ わび、あわびのお刺身を出してもてなしていた だき、感激!海士では、糸もずくが採れるそう で、私はほぼ毎日もずくを食べているため、も ずく大好きなんです、と話したらお土産にと塩 漬けもずくまでいただいてしまいました。漁師 さんの温かいもてなしと海の恵みに感謝感謝 でした。 カラオケで 大盛り上がり 別行動していた参加者全員が夕食で 集合。それぞれの午後の報告をしなが らいただきました。その後、全員でス ナックに行ってカラオケの二次会。こ のツアーで初めて会ったとは思えない くらいの一体感で大盛り上がりでした。 こんなに盛り上がって楽しいカラオケ は学生時代以来でした。たった 2 日で こんなに一体感が生まれたのは、大変 な作業を一緒にして、みんなでハデを 完成させたという達成感を共有できたからでしょうか。 3 日目 台風の影響で午後のフェリーの出航が怪しいため、午前のフェリーで帰ることになりま した。帰る前に全員輪になって座り、ツアーの振り返り。まずこのツアーでの出来事をリ レー形式で参加者が時系列に話して振り返った後、各自がツアーで感じたことや思ったこ とを話していきました。共感したり、そういう視点もあるのかと思ったりで、ためになり ました。 結構ぎりぎりまで振り返りをしていたため、フェリーの出発時間まであまり時間がなく、 大慌てでお土産を買い、フェリーに乗り込みました。地元の方々も見送りに来てくださり、 ここでも人の温かさを感じました。2 日間のツアーでしたが、別れはやはり寂しかったです。 海士には、ぜひまた足を運びたいです。
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