医薬品の適正使用に欠かせない情報です。必ずお読みください。 使用上の注意改訂のお知らせ 2015年7月 持続型非チアジド系降圧剤 日本薬局方 インダパミド錠 、 このたび、標記製品の「使用上の注意」を改訂いたしました。 今後のご使用に際しましては、下記内容をご参照くださいますようお願い申し上げます。 【改訂内容】 改訂後( :改訂箇所) 改訂前( :削除箇所) 4. 副作用 4. 副作用 (1)重大な副作用(頻度不明) (1)重大な副作用(頻度不明) 1)中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal 1)皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)、 Necrolysis : TEN)、皮膚粘膜眼症候群 多形滲出性紅斑 (Stevens-Johnson 症候群)、多形滲出性紅斑 皮 膚 粘 膜 眼 症 候 群(Stevens-Johnson 症 候 群)、 中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多 多形滲出性紅斑があらわれることがあるので、 形滲出性紅斑があらわれることがあるので、観 観察を十分に行い、紅斑、瘙痒、粘膜疹等の症 察を十分に行い、紅斑、瘙痒、粘膜疹等の症状 状があらわれた場合には、投与を中止し、適切 があらわれた場合には、投与を中止し、適切な な処置を行うこと。 処置を行うこと。 【改訂理由】 厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知による改訂 本剤との因果関係が否定できない「中毒性表皮壊死融解症」の症例が集積されたため、 「重大な副作用」の 項に追記しました。 次頁以降に症例の概要を記載していますので、あわせてご参照ください。 1 【症例概要 1】 患者 性 年齢 使用理由 (合併症等) 男 80 代 高血圧 (合併症:脳 血管障害、同 名性半盲、胃 腸炎) (既往歴:蕁 麻疹) 副作用 1日投与量 投与期間 1mg 28日間 経過及び処置(下線:発現日) 中毒性表皮壊死融解症 スティーブンス・ジョンソン症候群 投与約5ヵ月前 右足背の裂傷治療中、下肢に蕁麻疹が出現。体の動作が鈍いこと に気付き、入院し、左頭頂部の脳出血が判明。 退院し、在宅フォロー。 投与46日前 血圧上昇(162/88mmHg)がみられたため、トリクロルメチアジ 投与開始日 ドから本剤に変更。 両下肢に蕁麻疹が出現。自宅にてベンザルコニウム塩化物を用い 投与18日目 下肢を消毒。 蕁麻疹は体幹部に出現。 投与21日目 咽頭痛が出現し、生薬液でうがいを開始。 投与25日目 両眼の充血が出現し、眼科を受診し、アレルギー性結膜炎と診断 投与26日目 され、点眼液を処方。 全身に蕁麻疹(紅斑様)と口腔のびらんが悪化し、嚥下困難となる。 投与27日目 重症と判断し、皮膚科に搬送・入院。入院時、全身性の紅斑と一 投与28日目 (投与中止日) 部水疱形成、口腔・口唇粘膜のびらん、眼球粘膜の充血が見られ たことからスティーブンス・ジョンソン症候群と診断され、常用 薬を全て中止。プレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム 50mg/日、スルホ化人免疫グロブリン G の投与を開始。 紅斑は著明に軽快傾向であったが、水疱、びらんの範囲は拡大 中止 1 日後 し、びらん面の面積より中毒性表皮壊死融解症と診断。水疱、び らん面は外用薬による対症療法で経過観察。 びらんは徐々に上皮化して軽快傾向のため内服ステロイドは漸減 中止 8 日後 し、経過観察。 内服ステロイドはプレドニゾロン 5mg/日。再燃の徴候なし。 中止25日後 軽快し、全身処置と食事療法となった。 中止27日後 併用薬:バルサルタン、アムロジピンベシル酸塩、酸化マグネシウム、ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩、モサプリ ドクエン酸塩水和物 [臨床検査値] 検査項目 赤血球(×104/μL) 白血球(×102/μL) ヘモグロビン(g/dL) ヘマトクリット(%) 血小板数(×104/μL) 好中球(/μL) 好中球(%) リンパ球(%) 好酸球(%) 好塩基球(%) 単球(%) 総蛋白(g/dL) アルブミン(g/dL) アルブミン(g/dL) AST(GOT) (IU/L) ALT(GPT) (IU/L) LDH(IU/L) 総ビリルビン(mg/dL) CRP(mg/dL) 施設基準値 430∼570 35∼85 13.5∼17.0 40.0∼50.0 15.0∼35.0 2000.0∼7500.0 20.0∼45.0 1.0∼5.0 0.0∼2.0 4.0∼8.0 6.7∼8.3 3.6∼5.3 4.0∼6.0 13∼33 8∼42 119∼229 0.3∼1.2 0.00∼0.30 投与14日前 397 43 12.6 35.3 16.3 投与28日目 383 120 11.6 35.0 15.3 10644.0 88.7 5.9 1.3 0.0 4.1 6.1 中止11日後 365 90 10.9 33.1 24.6 7866.0 87.4 9.5 0.6 0.0 2.5 4.6 中止21日後 378 61 11.2 34.6 20.8 4842.1 76.1 18.1 0.5 0.2 5.1 5.2 3.2 27 13 384 1.3 11.85 2.0 12 11 203 0.5 4.37 2.1 10 11 194 0.5 0.78 4.1 15 8 2 【症例概要 2】 患者 性 年齢 使用理由 (合併症等) 男 60 代 高血圧 (既往歴:心 筋梗塞) 副作用 1日投与量 投与期間 2mg 19日間 経過及び処置 中毒性表皮壊死融解症 投与約10年前より高血圧。 投与約22ヵ月前 心筋梗塞にて心肺停止となるも蘇生しペースメーカー設置。 本剤処方を追加。 投与開始日 40℃台の発熱、眼のそう痒出現。 投与17日目 夜には口腔粘膜びらんを自覚。 投与18日目 体幹に小紅斑出現、急速に増加。 投与19日目 早朝に A 病院救急部を受診し、皮膚科診療を経て、B 病院へ救 (中止日) 急搬送。粘膜病変と全身 20%の皮膚病変あり、ステロイドパル ス開始。肝障害、腎障害あり。 中止 2 日後 皮膚症状は急速に拡大。(全身の 90%) 中止 3 日後 血漿交換療法とプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム換 算 1mg/kg 点滴、角膜びらんあり。(中止 4 日後まで) 中止 4 日後 血漿交換中に血圧 <70 までの低下あり中止。 中止 5 日後 大量γグロブリン療法+プレドニゾロンコハク酸エステルナト リウム換算 1mg/kg 点滴行うも、多臓器不全進行。(中止 9 日後 まで) 中止10日後 死亡。 <リンパ球刺激試験(DLST)結果> 実施日:中止 5 日後 結果:測定値 310cpm、陽性率 90%(正常値陽性率 179%) (参照結果)陰性コントロール 341cpm 陽性コントロール(PHA) 4760cpm 併用薬:アスピリン・ランソプラゾール配合剤、イルベサルタン・アムロジピンベシル酸塩配合剤、ビソプロロール フマル酸塩 [臨床検査値] 検査項目 白血球 AST(GOT) ALT(GPT) 尿素窒素 クレアチニン CRP 体温 投与約 20ヵ月前 3.8 36 24 9.2 0.73 0.24 中止 3 日後 3.0 344 306 71.3 2.34 5.83 投与 19 日目 10.9 392 250 29.7 1.60 9.20 40.7 3 中止 6 日後 10.8 537 307 138.9 10.57 10.67 中止 7 日後 12.1 1119 662 157.2 14.63 7.92 38.1 このお知らせ及び「改訂添付文書情報」は、大日本住友製薬の医療情報サイト でもご覧になれます。なお、この (アドレス:https://ds-pharma.jp/medical/) 改訂内容は医薬品安全対策情報(DSU)No.241に掲載される予定です。 医療情報サイト 4 15070NTR
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