幼児の昼食弁当摂取状況 The Intake of Lunch by Pre-school Children N2011004 有 川 裕 子 幼児期は、発育が盛んであるため、成長に伴う体重の変化や身長と体 重のバランスを見ながら適正なエネルギーを摂取することが必要不可 欠 で あ る 。そ こ で 、園 児 の 弁 当 に つ い て 、食 事 摂 取 状 況 を 分 析 し 、今 後 の栄養指導の進め方を検討したので報告する。 弁 当 の 写 真 か ら 、目 安 量 を 求 め 、栄 養 素 等 摂 取 量 を 算 出 し た 。３ ～ ５ 歳 児 の １ 日 の エ ネ ル ギ ー 所 要 量 の 3／ 8 を も と に 、±15％ で「 不 足 の 弁 当 」、 「 適 正 の 弁 当 」、「 過 剰 の 弁 当 」と 分 類 し 、エ ネ ル ギ ー 別 食 事 摂 取 状 況 を 分 析 検 討 し た 。 た だ し 、「 過 剰 の 弁 当 」 は １ 名 で あ る た め 、 エ ネ ル ギ ー 別の統計処理からは省いた。 今 回 の 調 査 よ り 、 全 体 的 に 10.0×14.5cm の 弁 当 箱 が 最 も 多 く 使 わ れ て お り 、エ ネ ル ギ ー 摂 取 量 が 不 足 で あ っ た 。内 容 を み る と 、肉 類 や 卵 類 が 多 く 使 わ れ 、野 菜 類 や 魚 介 類 の 利 用 が 少 な か っ た の で 、こ れ ら を 多 く 取り入れる方法を指導することが、栄養士としての大きな課題である。 エ ネ ル ギ ー 別 に 検 討 し た と こ ろ 、 次 の よ う に ２ 群 に 分 類 さ れ 、「 適 正 の 弁 当 」 は 、 エ ネ ル ギ ー 摂 取 量 は 適 正 で あ る が 、 PFC バ ラ ン ス が 悪 く 、 「 不 足 の 弁 当 」は 、エ ネ ル ギ ー 摂 取 量 が 不 足 で あ る も の の 、PFC バ ラ ン ス は 良 か っ た 。「 適 正 の 弁 当 」 に つ い て は 、 調 理 方 法 を 変 え る こ と で Ｐ Ｆ Ｃ バ ラ ン ス が 良 く な る こ と と 、「 不 足 の 弁 当 」 に つ い て は 、 ご 飯 を 茶 碗 半 分 増 量 す る こ と で エ ネ ル ギ ー 不 足 が 解 消 で き 、 よ り 望 ま し い PFC バ ラ ン ス の 弁 当 に な る こ と を そ れ ぞ れ 実 証 し た 。さ ら に 、全 体 的 に 不 足 している野菜類を両者に追加することで微量栄養素の改善ができるこ とを検証した。 今後求められる栄養士としての役割は、画一的な栄養指導ではなく、 個 々 に 合 っ た 栄 養 指 導 を 行 う こ と で あ り 、幼 児 期 か ら 食 に 対 す る 教 育 と 同時に、養育者に対する栄養指導も積極的に行っていく必要がある。 （指導教員 原田昭子教授）
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