「平和の大学」と言いつつ戦争に協力する広大・越智学長 どうしたら戦争を止められるか? パリ事件とその後の中東侵略戦争激化。皆さんは、この かんの戦争情勢の深まりをどう感じているでしょうか? 戦争反対など「キレイごとだ」と諦めるのではなく、貫く ために何ができるのか。デモか? 選挙か? さまざまな 意見があると思います。 安倍政権も「テロとの闘い」を叫び、治安取り締まりの 強化、沖縄新基地建設の強行、「非常事態条項」導入のた めの憲法改正論議など、戦争の流れが加速しています。 こうした情勢と対決する手段として、「来年の選挙で大 胆な野党共闘を実現し、与党自民党を政権から叩き落そう」 という議論が取り沙汰されています。しかし、私たちは改 めてこの広島大学での闘いの重要性を訴えます。 なぜなら、すでに安倍政権の進める戦争政策・原子力 (核)政策にとって、広島大学は欠くことのできない存在 だからです。 「平和」に対する広島大学の立場が問われ ている 越智学長は今年4月の就任にあたって、広島大学から世 界に「平和を希求する国際的教養人」を輩出すると宣言。 福島原発事故後「放射線災害復興を推進するグローバルリー ダー」を育成してきた実績などを意識し、「スーパーグロー 広島大学学生自治会 バル大学創成支援のタイプA(トップ型)13大学の1つに、 中国四国地方で唯一採択された。今後10年以内に世界トッ プ100の大学を目指す」と誇らしげに語っています。 軍需・原子力産業と一体化する大学 しかし皆さん、「グローバルリーダー人材育成プログラ ム」の中身を知っていますか? そこには、世界中に原発 を普及させてきたIAEA(国際原子力機関)や原子炉メー カーの三菱重工、あるいは原発を所有する中国電力など、 原子力(核)をビジネスとして扱うことで成長してきた国 際機関・国内企業がこぞって参加しています。彼らは福島 原発事故という重大な「つまづき」(原子力産業の危機) を乗り越えて、これからも経済成長ができるようにと、広 島大学に出資しているのです。巨額の予算を受け取り、 「原子力推進勢力」の危機を救うために始まったのが、こ の人材育成プログラムです。 三菱重工は原子力だけでなく、軍需部門においても国際 的な市場争いに出ています。パリ事件以降、空爆が一挙に 拡大した結果、軍需産業は「空爆1回につき1億円」「イ スラム国特需」と揶揄されています。ミサイルや戦闘機が 飛ぶように売れ、まさに戦争で巨利を得る「死の商人」が 暗躍しているのです。三菱重工はその一角を占め、積極的 な海外展開で中東への空爆を支えています。 これまでも指摘した通り、三菱重工は広島大学の経営協 議会の一員として、この大学の予算や人事権を掌握してい ます。 「国際平和のため」といって正当化される大規模空爆。 もし広島大学が真剣に「平和を希求する大学」でありたい ならば、こうした軍需・原子力産業ときっぱり手を切って 「平和」に名を借りた戦争に反対するべきです。それは、 軍需・原子力産業からの資金提供を取り付けることで大学 ランキングを上げようという、グローバル大学化構想も、 同時に撤回するほかありません。 安倍政権を支える大学の責任を誰が追及す るのか そもそも広島大学 10月の自治会選挙では、多くの学生が大学の戦争協力を 自らの問題と考え、勇気をもって「反対」の意思を、投票 として示してくれました。それは学生一人ひとりが考え抜 いた末に示した、真剣なものと確信しています。 しかし、学長室の秘書は選挙結果にもとづく学生自治会 からの「申し入れ書」の、受け取りすら拒否。「いかなる 学生からの面会要請も取りつがない」と言い放ちました。 こうした広島大学の姿勢を見逃したままで、戦争反対の立 場を貫けるのか? 私たちは学生の皆さんに、改めて問い たいのです。 は、2011年の福島原 発事故直後から、神 「平和貢献」「福島復興支援」という耳ざわりのいい言葉 で、実際には軍需産業の金儲けの犠牲になったり、原子力 谷研二教授を先頭に 多数の教職員を派遣 産業の失敗のつけを担わされたりする。それは中東や、福 島の人々だけでなく、広島大学の学生に対しても同じでは しています。事故発 生直後、国からの要 ないのでしょうか。 「福島復興支援」という名の被曝強制 請をうけた神谷教授 は、「被爆地から来 国策に協力したことで、国から表彰された 神谷教授。同時期に、福島県民からは「業 た被曝医療の専門家」 務上過失致傷」容疑で東電の歴代経営陣と という権威で、「今 ともに刑事告訴された。(写真は広大HP 後一切健康被害は出 より) ない」「国の言う通 り福島に住み続けなさい」といい、福島の「復興」を支え てきました。しかし事故から4年半たち、福島県だけで15 3人の子どもから小児甲状腺ガンが発見され、手術や後遺 症に苦しんでいます。神谷教授は、小児ガンの多発状況 (異常事態)であるにもかかわらず、福島の医療機関を通 じ「原発事故の影響ではない」という調査結果を出し続け ています。とんでもない御用学者です。そればかりか、神 谷教授は法律で守るべき個人の被爆限度量を引き上げるこ とで、原発周辺の避難区域指定解除=住民の帰還政策の先 頭に立っています。 もちろん避難生活の長期化はつらいものです。しかしだ からといって「今の法律のままでは福島の多くが住めない 地域になるから、福島だけは被曝限度を引き上げることで 住んでもら おう」その ために「放 射線のリス クを甘く見 積もろう」 といってい るのです。 福島県での被曝の危険を恐れ、「戻らず」と考えてい 広 島 大 学 の る人が8割。しかし国は、避難者への生活補助金を打 やっている ち切ることで、被曝を恐れる住民にも、帰還を余儀な くさせようとしている。(2015年4月、毎日新聞の意識 調査) ではないでしょうか。 ことは、福 島の人たち への裏切り 福島では、御用学者による福島県民への被曝隠ぺい、そ のもとでの「復興」政策を批判し、原発反対で闘う医療機 関が存在しています。あるいは、避難区域解除=住民帰還 の強制に対し、ストライキで闘うJRの労働組合の闘いも あります。こうした被曝強制に対する現地の強い批判を知 りながら、神谷教授の福島派遣は続いています。福島の人々 と連帯した広島大学からの行動が決定的に重要です。 「広島大学だけが特別に悪いのではない」という意見も あるでしょう。その通りです。全ての大学が生き残りと称 して、似たりよったりの状況です。だからこそ、戦争反対 を貫くために、まず広島大学から行動に立ち上がる事は、 中東や福島の人を勇気づけるだけでなく、どうすれば戦争 を止められるのか悩むすべての人々に勇気を与えると思い ます。 戦争や核政策を推進するために、大学に来た学生など一 人もいません。学問や教育は、人間を生かすためのものだ からです。だからその担い手になりたくない、という感覚 は当たり前です。当たり前を奪う大学や社会のほうがおか しい、と自信をもって堂々と言う事から、戦争反対は当た り前の行動になっていきます。広島大学のあり方を問う学 生のストライキを巻き起こし、実際の戦争を止める大きな うねりをつくっていきましょう。 ストライキに向けた学習会・討論会 (飛び入り歓迎) 12/9(水)16:30~ 総科K208教室 12/11(金)16:30~ 学生プラザ1Fミーティングルーム 【テーマ】 「2015年の学生自治会の活動総括と、2016年の課 題」(情勢・運動総括・今後の方針)
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