10月中旬 午後9時頃の空 この時期は「天高く馬肥ゆる秋」ということわざにもあるように、空気が澄み、昼間びっくりするくらい空が青く見えること があります。そんな日の夜は、ぜひ夜空を眺めて見て下さい。秋の星は夏や冬に比べ、華やかさという点では劣りますが、しっ とりとした落ち着きのある秋の星空を楽しむことができることでしょう。 また、秋はギリシャ神話の「エチオピア王家の物語」に登場する人物や動物の星座が多く見られることも特徴のひとつです。 エチオピア王家の王様の星座であるケフェウス、その后の星座であるカシオペヤ、お姫様アンドロメダ、勇者の星座ペルセウスな ど、神話に思いをはせながら星座を探していくのも面白いかもしれません。 天体観望会のご予約、お問い合わせは 阿南市科学センター 徳島県阿南市那賀川町上福井南川渕 8-1 電話 0884-42-1600 10 月の月と惑星 月の満ち欠け 月の形 ◑下弦の月 ●新月 ◐上弦の月 ○満月 見える日 5日 13 日 21 日 27 日 惑星 水星 上旬 太陽に近く観察は難しい 中旬 下旬 日の出前に、東の超低空に見える(-0.4 等級) 日の出前に、東の超低空に見える(-0.9 等級) 金星 火星 明け方、東の空に見える (-4.5 → -4.4 等級) 明け方、東の空に見え (1.8 → 1.7 等級) 木星 明け方、東の空に見える (-1.7 → -1.8 等級) 土星 日没後、南西の低空に見える (0.4 等級) 10 月の見もの天体 ○ ペガスス座の球状星団 M15 秋を代表する星座「ペガスス座」の鼻の先に、秋に見える球状星団としては 最も見やすい「M15」があります。この星団は夏の空に見える球状星団「M 13」と比べると小ぶりですが、中心付近がたいへん明るく、小さな望遠鏡で もピントをぼかした星のような姿で簡単に確認することができます。また、天 文館の大型望遠鏡では、星団をつくる星の粒まではっきりと見え、そのあまり の見事さに思わずため息がでるほどです。 M15のような球状星団は、銀河系内に属する天体ですが、銀河系の周辺部 にある「ハロー」と呼ばれる領域に存在し、種族Ⅱと呼ばれる古い星たちで作 られています。なぜ古い星が銀河系の周辺部で星団を作るのか、この理由は現 在も解明されておらず、宇宙の不思議のひとつとなっています。 今月の天文現象 10 月 22 日 オリオン座流星群と金星・木星・火星の集合 今月 22 日、オリオン座流星群がピークを迎えます。今年のピー クの時間は、午前 8 時ころと予想されていますので、観察される場 合は、22 日の明け方に観測するのが良いでしょう。また、今年は上 弦の月が夜半ころに沈みますので、観察条件もまずまずです。 さて、このオリオン座流星群ですが、8 月の「ペルセウス座流星 群」や、12 月の「ふたご座流星群」に比べると、出現する流星の数 も 1 時間あたり数個~10 個程度と少なく、地味な感じは否めませ ん。しかし、2006 年のように、過去には 1 時間あたり 50 個程度 も出現が見られたこともあ りますので、簡単に無視する ことはできない流星群です。 そして、明け方まで流星観測をしたら、日の出前、まだ薄暗いうちに東の空に注 目してみましょう。すると、大変明るい星を筆頭に、3つの明るい星を見つけるこ とができます。これらは明るい順に金星(-4.4 等級)、木星(-1.8 等級) 、火星(1.7 等級)の惑星たちで、ちょうど 10 月下旬から 11 月初旬にかけて、明け方の東の 空で集合している様子を見ることができます。これらの惑星たちは、毎日少しずつ、 その位置を変えますので、そんな変化にも気を付けて観察したり、写真を撮ってみ たりしても面白いでしょう。 天体観望会のご予約、お問い合わせは 阿南市科学センター 徳島県阿南市那賀川町上福井南川渕 8-1 電話 0884-42-1600
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