寒い冬が終わり、いよいよ春を迎えました。華やかな冬の星座は西の空へと追いやられ、北の空には春を代 表する星の並び、北斗七星が大変良く目立ってきました。しかし、まだまだ夜間は冷えこんだりすることが多 か ぜ いですから、星を見るときには風邪などひかないように注意が必要です。 さて、春先は大陸からやって来る黄砂の影響もあり、晴れても星がすっきりとしないことが多いのですが、 かえって、星の光がやわらかく見え、これはこれで春らしいとも言えます。今年はこの春の星座の中に明るい 木星がありますので、少しだけ派手な春の夜空を楽しむことができます。 天体観望会のご予約、お問い合わせは 阿南市科学センター 徳島県阿南市那賀川町上福井南川渕 8-1 電話 0884-42-1600 4 月の月と惑星 月の満ち欠け 月の形 ○満月 🌗(下弦の月) ●新月 🌓(上弦の月) 見える日 4日 12日 19日 26日 惑星 水星 金星 太陽に近く、観察は難しい 夕方、西の空に見える。 (-4.0 → -4.1 等級) 上旬 中旬 下旬 火星 木星 日の入り後、西の低空に見える (1.4 等級) 太陽に近く観察は難しい 午後 8 時ころ南の空に見える (-2.3 → -2.2 等級) 土星 真夜中、南東の空に見える (0.1 等級) 天文館夜間天体観望会 4 月の見もの天体 ~プレセペ星団~ この時期は派手な星雲・星団は少ないのですが、その中でも見やすい 天体と言えば、かに座にある散開星団、M44 プレセペでしょう。この星 団は、暗い星を含めると、100 個あまりの星で集団を作っており、距離 も地球から 577 光年と比較的近いことから、肉眼でもぼんやりとその 存在がわかります。そのような見え方から、中国では、この星団のこと を積尸気(せきしき:死体から昇るガスのこと)と呼び、また、イギリ スでは、この星団をビーハイブ(蜂の巣)と呼んでいました。 実際にこの星団を観察してみると、大きな星団ですから、10 倍程度 の双眼鏡を使った方が美しく見ることができます。また、天体望遠鏡で は、倍率が高いと星の集団としての美しさが薄れてしまいますので、できるだけ低倍率でご覧下さい。 今月の天文現象 4 月 4 日 半年ぶりの皆既月食 4 日の夕方、日本全国で「皆既月食」が見られます。国内で皆既 月食が見られるのは、2014年10月8日以来、約半年ぶりです。 「月食」は、月が地球の影に入ることによって起こります。通常、 月は太陽の光を反射して輝いていますが、地球の影の中に月が入っ てしまうと、影に入った部分には太陽の光が当たらなくなり、あた かも月が欠けたように見えます。また、月全体がすっぽりと地球の 影に入ると、 「皆既月食」 、月の一部だけが影に入った場合は「部分 月食」と呼ばれます。 さて、今回の皆既月食は昨年 10 月 8 日の月食と同様、一般の方 にもたいへん見やすい時間帯に起こります。しかし、皆既の時間が非常に短く、たった 12 分ほどしかありません。 そのため、実際に観察する場合は、午後 9 時ごろに月を見上げていただくのが良いでしょう。もちろん観察は肉眼 しゃくどういろ でも十分楽しむことができますが、天体望遠鏡があれば、皆既中、赤 銅 色に輝く月を大変美しく観察することがで きます。 なお、科学センターでは、4月4日の19:00より、皆既月食観望会を予定しています。皆既の時間が短いこ とから、大型望遠鏡は使用しませんが、8 台程度の小型望遠鏡を使って無料で実施します。天体望遠鏡で観察して みたいという方はぜひご参加下さい。なお、次の皆既月食は、3年後の 2018 年1月 31 日となります。 天体観望会のご予約、お問い合わせは 阿南市科学センター 徳島県阿南市那賀川町上福井南川渕 8-1 電話 0884-42-1600
© Copyright 2024 ExpyDoc