競技別 ザバス スポーツ栄養講座

第7 回
邪をはね返すカラダのつくり方
❶
❷
風邪をひかないための生活習慣
❶ 手洗い、
こまめなうがい、
マスクをする、
部屋の換気(加湿器利用)
❷ 栄養バランスのよい食事、十分な睡眠と規則的な生活リズム
とめてみます。
風邪予防のための食事
❶「栄養フルコース型」
の食事
❸ ビタミンCの強化
対ウイルスの“第1防壁”が粘膜だとすると、
❹ 腸内環境を整える
乳酸菌を摂る
連載第 2 回(2 0 1 3 年 9 月号 P5 7)で紹介し
“第2防壁”は、白血球。白血球はウイルス
腸の働きを活発にする乳酸菌を摂取し、腸内
たとおり、バランスのとれた「栄養フルコー
や病原菌などが体内に侵入してきたときにウ
環境を整えると、食べた物が栄養として効率
ス型」(主食・おかず・野菜・果物・乳製品)
イルスを排除する免疫システムの強化に役立
よく消化吸収され、免疫力も高まります。ヨ
の食事を毎日摂ることが基本です。
つため、十分な白血球がウイルス撃退用に待
ーグルト、チーズ、乳酸菌飲料などが代表格。
機していれば、感染症を防ぐ可能性が高まり
❷ ビタミンAの強化
ます。その白血球の機能を強化し、免疫力を
高めるのに欠かせない栄養素が色の濃い野菜
皮膚やのど、鼻、肺、消化管などウイルスの
や甘酸っぱい果物に多く含まれるビタミン
侵入を受けやすい粘膜に頑丈な壁をつくるの
C。冬にみかんを食べるのは、実はとても理
が、ビタミンA。感染症の予防、免疫力アッ
に適っているのです。ビタミンCは体内に蓄
プに役立ちます。動物性食品ではレバー、う
えることができないので、果汁 1 0 0 % のオ
なぎ、卵、乳製品。植物性食品では、ほうれ
レンジジュースを常備するなどして、日常的
❺ タンパク質の強化
ん草やカボチャ、ニンジンなどの緑黄色野菜
に摂取するよう心掛けましょう。
筋肉や臓器などを構成するタンパク質は、実
に、多く含まれます。
果汁 1 0 0%
オレンジ
ジュース
ほうれん草の
おひたし
みかん
チーズ
飲むヨーグルト
は免疫抗体の材料でもあります。体力、免疫
力維持のために、タンパク質不足に気をつけ
ましょう。
風邪予防の食事とは、つまり、免疫力を高める食事。
“栄養フルコース型”をベースに、消化吸収のよい腸
内づくりと、特にビタミン A、C、タンパク質をしっかりと摂ることがポイント、と言うことができます。
「あれ、風邪ひかないな」と、ふと気づく日が来るように、ぜひ今日から、実践してみてください。
自 己 改 革
強くなるための MyRevolution
サラダよりも温野菜、色の濃い野菜で量も質もアップ!
冷蔵庫には清涼飲料水や炭酸飲料ではなく
果汁 100% ジュースを常備!
毎朝のヨーグルトで腸内環境にも気を配ろう!
PROFILE
むらの・あずさ◎株式会社明治・管理栄養士。
陸上の沢野大地(棒高跳)
、醍醐直幸(走高
跳)
、畑瀬聡(砲丸投)
、塚原直貴(短距離)
、
北風沙織(短距離)
、福島千里(短距離)をは
じめ、内川聖一(プロ野球/ソフトバンクホ
ークス)
、内田篤人(サッカー/ドイツ・シ
ャルケ)、長谷川穂積(ボクシング)などの
栄養サポートを担当。自身も長距離選手と
して、大学駅伝、実業団での活躍経験を持つ。
著書に「走る」ための食べ方(実務教育出版)
。
Track & Field MAGAZINE
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