円グラフと帯グラフ 経営統計の補足資料 2015年6月1日 金沢学院大学経営情報学部 藤本祥二 グラフの特徴(教科書P.11) • 棒グラフ – 数量の大小を比較 – 棒の高さに注目 • 折れ線グラフ 先週は 棒グラフと折れ線グラフ – 数量の時間的な変化を示す – 折れ線の傾きに注目 • 円グラフ,帯グラフ – 全体に対する割合を表す 割合についての復習から 今週は 円グラフ帯グラフ 倍率 • 「ある量」が「基準量」の何倍になるのか割り 算で計算して比較 ある量 倍率 = 基準量 結果を分数や小数で答える • 「基準量」には「ある量」と同じ単位の量を用 いる,倍率は単位なしの量 – 5[m]は2[m]の何倍になるか? 5/2,2.5,250% – 18[kg]は4[kg]の何倍になるか? 9/2,4.5,450% 9/2倍,4.5倍としてもよい 割合(率) • 「ある量」が「基準量」の何割になるのか割り算で 計算 ある量 割合 = 基準量 結果を分数や小数で答える いろんな表現に慣れておくように • 倍率と同じ計算,結果が1より小さい時(基準量の 方が大きい時)に割合(率)という. – 3[m]は6[m]の何割か? 1/2,0.5,5割,50% – 3[kg]は8[kg]の何割か? 3/8,0.375,3割7分5厘,37.5% 3/8倍,0.375倍としてもよい 倍率・割合のイメージ ある量 3 倍率・割合 = = 基準量 8 1 分母・分子を で倍分 8 基準量を8 とすると ある量は3 1 分母・分子 8倍 1 3 3 3×8 0.375 8 = = = 1 8 8× 1 1 8 分母・分子を100で倍分 0.375 0.375 × 100 37.5 = = 1 1 × 100 100 = 37.5% 基準量を1 とすると ある量は0.375 分母・分子100倍 基準量を100 とすると ある量は37.5 画面に入りきらないので 頭の中で想像するように 日本での小さい数の命数法 • 吉田光由著「塵劫記」(1627年) 中国の「算法統宗」(1592年)を元に編纂 1/10の位を「分」,1/100を「厘」 0.325のことを3分2厘5毛と言っていた • 1/10の位が「割」になり,「割」の1/10の1/100が 「分」,「割」の1/100の1/1000が「厘」になった 今では0.325のことを3割2分5厘と言う • いくつかの言い回しに昔の名残が残っている – 「9分9厘間違いない」 0.99,99%間違いないこと (今の感覚で解釈すると0.099,9.9%になっちゃう) – 「5分5分の勝算」 50%50%の勝算のこと (今の感覚で解釈すると5%5%になっちゃう) 塵劫記での小さな数の命数法 単位 読み方 指数 備考 (語源など) 分 ぶ 10-1 厘 りん 10-2 毫(毛) もう 10-3 け 絲(糸) し 10-4 いと 忽 こつ 10-5 たちまち 微 び 10-6 わずかな 纎(繊) せん 10-7 繊維 沙 しゃ 10-8 水辺の砂 塵 じん 10-9 ちり 埃 あい 10-10 ほこり 渺 びょう 10-11 かすんでいること 漠 ばく 10-12 ぼんやりしていること 現代的な使い方では 指数が1個ずつずれてる 江戸時代後期, もっと昔(鎌倉・室町) から日本で使っていた 1/10の歩合を表す 「割(わり)」という 単位が入り込む 「割」を基準に 1/10したもの つまり1/100を「分」 「割」を基準に 1/100したもの つまり1/1000を「厘」 と呼ぶようになった 塵劫記での小さな数の命数法(続き) 単位 読み方 指数 備考 (語源など) 模糊 もこ 10-13 あいまいなこと, 「模湖」 とも書く 逡巡 しゅんじゅん 10-14 決断がつかないこと 須臾 しゅゆ 10-15 しばらくの間 瞬息 しゅんそく 10-16 まばたきをし、息をする間 弾指 だんし 10-17 指の爪の先を親指の腹にあてて音を立てること 刹那 せつな 10-18 短い時間 六徳 りっとく 10-19 知・仁・聖・義・忠・和,または礼・仁・信・義・勇・知 虚空 きょくう (こくう) 10-20 一切が存在する空間 清浄 せいじょう 10-21 煩悩や悪行が無く心身が清らかであること 参考サイト http://www1.odn.ne.jp/haru/data-list/number_01.html http://anchor.main.jp/ookazukokazu.htm §1.4.4(教科書P.22) 円グラフ 図1.4.12のデータ 企業名 全合計の何割か? 42844 ≒ 0.447 95792 売上高 [億円] シェア NTTドコモ 42,844 0.447=44.7% KDDI 34,421 0.359=35.9% ソフトバンクモバイル 17,238 0.18=18.0% イー・アクセス 830 0.009=0.9% 沖縄セルラー電話 459 0.005=0.5% 95,792 1=100% 合計 データソース http://blog.livedoor.jp/af_matome-0001/archives/18236550.html 図1.4.12上の図 携帯電話の売上ランキング (H.21) NTTドコモ KDDI ソフトバンクモバイル イー・アクセス 沖縄セルラー電話 0 10000 量の比較は棒グラフが直観的 20000 30000 40000 50000 [億円] 図1.4.12下の図 携帯電話の売上シェア (H21) 総売り上げ9兆5792円 イー・アクセス 1% 沖縄セルラー電話 0% ソフトバンクモバイ ル 18% NTTドコモ 45% KDDI 36% 割合の比較は円グラフが直観的 §1.4.5(教科書P.23) 帯グラフ 図1.4.13 都市(系列) 職種(項目) 東京 人数[千人] 大阪 割合 人数[千人] 割合 専門職 1,009 17.9% 538 13.6% 管理職 184 3.3% 96 2.5% 事務職 1,438 25.5% 821 20.8% 販売 990 17.5% 682 17.3% サービス 639 11.3% 422 10.7% 保安 89 1.6% 56 1.4% 農林漁業 28 0.5% 25 0.6% 運輸・通信 174 3.1% 135 3.4% 生産 1,098 19.4% 1,169 29.6% 合計 5,649 100% 3,944 100% 図1.4.13を棒グラフで書いたもの 職業別就業者数 大阪 538 96 821 56 422 25 135 682 全体を拡大・縮小して 東京・大阪を揃えると 帯グラフになる 1169 89 東京 1009 184 1438 990 639 28 1098 174 人数(単位:千人) 0 1000 専門職 管理職 2000 事務職 販売 3000 サービス 4000 保安 農林漁業 5000 運輸・通信 6000 生産 複数系列でも量の大きさそのものの比較には棒グラフ(積み上げ棒グラフ)を使えば良い 図1.4.13 職業別就業者数 大阪 538 東京 96 1009 0% 専門職 821 184 1438 20% 管理職 682 事務職 25 422 56 135 990 40% 販売 サービス 単位:千人 28 639 89 174 60% 保安 1169 1098 80% 農林漁業 運輸・通信 100% 生産 複数系列の割合の比較には全体の長さを1(100%)に揃えた帯グラフ(100%積み上げ棒グラフ)を使う 図1.4.14 多数の系列の割合の比較は帯グラフ データソース http://www.jama.or.jp/lib/jamagazine/200005/04.html §1.4.6(教科書P.25) その他統計グラフ 図1.4.15の上図 性別 度数[人数] 相対度数 女 55 55/125=0.44 男 70 70/125=0.56 合計 125 125/125=1 度数[人] 80 回答者の性別 0.6 70 0.5 60 50 0.4 40 度数:頻度の数のこと (何個,何件,何人) 相対度数 0.3 30 0.2 20 相対度数 = 度数 データの総度数 相対度数は 百分率の%で表示することもある 0.1 10 0 0 女 男 図1.4.15の下図 年齢 度数[人数] 相対度数 10代 15 15/145≒0.1034 20代 30 30/145≒0.2069 30代 25 25/145≒0.1724 40代 75 75/145≒0.5172 合計 145 145/145=1 度数[人] 80 回答者の性別 0.5 70 60 0.4 50 0.3 40 度数:頻度の数のこと (何個,何件,何人) 相対度数 30 0.2 20 相対度数 = 度数 データの総度数 相対度数は 百分率の%で表示することもある 0.1 10 0 0 10代 20代 30代 40代 図1.4.16 保健室を利用した理由 度数[人] 相対度数 12 0.3 10 0.25 8 0.2 6 0.15 4 0.1 2 0.05 0 0 頭痛 すり傷 切り傷 腹痛 ねんざ 発熱 その他 横軸が分類(カテゴリー)の時は特に順番に決まりはない 度数の大きい順に並べて,「その他」を最後にするのが普通 図1.4.17 竹馬で歩けた歩数(1年生) 度数[人] 相対度数 12 0.4 10 0.3 8 6 0.2 4 0.1 2 0 0 0 1 2 3 4 横軸が数値の時は数値の大きさ順に並べる 5 [歩] 図1.4.18 竹馬で歩けた歩数(2年生) 度数[人] 20 18 16 14 12 10 8 6 4 2 0 相対度数 0.5 0.45 0.4 0.35 0.3 0.25 0.2 0.15 0.1 0.05 0 0~5 6~10 11~15 16~20 21~25 26~30 度数分布を折れ線で表示したものが度数多角形 31~35 [歩] 図1.4.19 幹葉図という 39, 41,43,44,44,45,46,46,46,47,49, 50,50,50,50,50,… 39を 幹の30と 葉の9に分ける 葉 10進法に限定した振り分け方 手作業で振り分けするときによく使う 幹 図1.4.20
© Copyright 2024 ExpyDoc