健康管理の基本 感染症の予防策

健康管理の基本
• 自己学習が基本→公的ホームページに基づく情
報を学習する
 海外感染症と予防接種
 食中毒(下痢への対応、手洗い、消毒)
 熱中症(環境保健マニュアル)
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シミュレーションによる学習
健康管理アンケートに正確な情報を記載する
出発直前の健康を保つ
大学側は消毒薬などの最低限の薬品や物品し
か持参しない(常備薬は各自が持参する)
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感染症の予防策
• 予防接種が必須
• ダニ・蚊などの対策(マラリア、デング熱、西ナイル熱)
→長袖、虫よけ(ポンプ式)、殺虫剤、蚊帳
• 動物に近寄らない(狂犬病)→大陸の先進国でも狂犬
病はある
• けがをしない(破傷風)→服装、靴
• 生もの、生水を摂取しない(食中毒、A型肝炎)
• 性感染症に注意(参加者同士も)
• 結核、鳥インフルエンザなどにも注意が必要(特に医
療機関などでの実習)
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Questions
1. 予防接種(ワクチン)とは何ですか?
2. 予防接種を行う必要があるのはなぜです
か?
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海外感染症と予防接種
• 予防接種は学生負担、強制はできないが必須
• 渡航先により推奨する予防接種は異なる
• 予防接種の種類は厚生労働省検疫所ホームペー
ジ「お役立ち情報/感染症」で情報を得る
• 予防接種可能な近隣施設を確認する
• 予防接種手帳を使用する(資料参照)
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Questions
1. 朝食のバイキングで卵料理を頼むときにど
のようなオーダーをしますか?
2. 生水を飲んではいけない理由は何ですか?
3. 生水をどのように避けますか?
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食中毒
• 海外での下痢に対する対策(旅行者下痢症は30~
80%に発生する)
• 食中毒では下痢+嘔吐(+発熱)
• 病原体以外に、香辛料、毒物、食物アレルギーに注意
が必要である
• 厚生労働省「食中毒予防の6つのポイント」
• もっと詳しく知りたい人は厚生労働省「食中毒情報」で
各病原体の詳細な説明を見る
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下痢のメカニズム
• 水分吸収力の低下
– 不規則な生活習慣や精神的なストレスなどが重なると腸の機
能が低下し、水分を十分に吸収できなくなる
• 腸分泌液の過剰
– ウイルスや細菌感染時や消化の悪い食べ物などを摂った時に、
腸は菌を早く排泄しようとするために分泌液を過剰に出す
• 腸蠕動運動の亢進
– 香辛料やカフェイン、アルコールなど腸を刺激するような食べ
物を摂った場合に、腸内を通過させるための動き(蠕動運動)
が 活発になる
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下痢への対応
• 水分補給:経口摂取が原則、糖質とナトリウム、カリウム、
塩素などを含んだハイポトニック飲料も可。経口補給では
間に合わない場合(経口摂取が不可もしくは強度の脱水)
には医療機関での点滴が必要
• 原因食物を考えて思い当たる場合には、摂食を避ける
• 軽症の場合には整腸剤が有効
• 下痢止め、抗生物質の使用については判断が難しい(現
地の医療レベルによる)
• 重症の下痢では死に至る(コレラ、腸チフス、赤痢、出血
性大腸菌・・・)
• 血便は危険なサイン!
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経口補水塩(ORS: oral rehydration salt)
• 作り方
– 水1L
– 塩3g(小さじまたはペットボトルのキャップ1/2杯)
– 砂糖40g(小さじまたはペットボトルのキャップ6杯)
• スポーツ飲料は砂糖が多く、食塩が少ない(糖
による高浸透圧で下痢を助長する)
• オレンジジュースやレモンを足すと飲みやすい
(カリウムの補給にもなる)
• 水分を取りすぎても下痢がひどくなることはない
• 飲めない状態でも、飲めるときにできるだけ飲む
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FORTH: 食物・水にご注意を
•手洗いをこまめにしましょう
食事の前、トイレに行った後、外から
帰ってきたら、可能な限り石けんを使
って、しっかりと手を洗いましょう。
•生水を飲まないようにしましょう
ボトル入りの水が最も安全です。水
道水は沸騰させるようにします。飲
料水消毒用薬剤を使用することもで
きます。
•氷を避けるようにしましょう
生水から氷が作られている可能性が
あります。
•完全に火の通った食べ物を食べてく
ださい
屋台などの食べ物には、保存の悪い
ものもあります。調理したての温かい
ものを食べてください。
•サラダや生の野菜は避けましょう
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Questions
1. なぜ石鹸で洗うのですか?
2. アルコール消毒(液体スプレー、ジェル)は何に有
効ですか?
3. 手洗い後にタオルやハンカチで手をふきますか?
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消毒剤による消毒
ウイルスは消毒剤抵抗性に
差がある。
• 強い
ポリオ、ノロ、A型肝炎
• 中等度
B型肝炎、アデノ
• 弱い
インフルエンザ、ヘルペス
消毒用エタノールは75~81%
濃度
逆性石鹸とはベンザルコニウム、
ベンゼトニウムの石鹸版
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消毒剤による消毒
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熱による消毒
• 熱水のみ(煮沸消毒)の効果
– 一般細菌:80℃、5秒間
– HIV:80℃、1分間
– B型肝炎ウイルス:100℃、2分間
• 2分間の煮沸消毒を行えば大抵の細菌、ウイ
ルスは殺滅できる
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熱中症
• 環境省「熱中症環境保
健マニュアル」を使用す
る
• 病態、対処法、予防法
が簡略に記述されてい
る
• 水分補給法については、
下痢の対処にも役立つ
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その他の注意
• 便秘
– 十分な水分摂取、使いつけの薬を使う
• 膀胱炎
– 十分な水分摂取、機会ごとにトイレに行く(海外で
はトイレは少ない)
• 十分な水分補給とは?
– 排尿時に尿の色が透明から淡黄色
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その他の注意
• 発熱
– 各自で体温計を持っていく
• 気分が滅入る
– 旅行者うつの可能性
• 月経の調節
– 月経は早めるほうが楽である
– 渡航日が月経に重なって困る場合には、前の月
経が開始したら月経中に婦人科を受診する
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海外の医療について
• 海外の病院は海外旅行保険に加入していないと
診療拒否される場合がある
• 海外では薬局で多様な薬を購入することが可能
(処方箋の必要がない)であるが、容量が日本と
比較して大量のことがある
• 常備薬の持参
– 総合感冒薬、総合胃腸薬、整腸剤、鎮痛剤
• 食物アレルギーがある方は抗ヒスタミン剤、ステ
ロイド剤、エピペン(アドレナリン注)を持参する
(同行の参加者と情報を共有する)
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健康管理の要点
• グループ内での健康情報を共有する
• 健康管理の不備は集団全体の予定に影響する
• 「頑張る」「気合い」では乗り切れない
• すべての学生に「ストレス」がかかっている
• すべての学生の「気分が高揚」している
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