新感染症病棟におけるエボラ出血熱患者検体に適応した検査機器選定について ―乾式血球算定装置 QBC STAR の評価― ◎大城 雄介 1)、手塚 俊介 1)、白須 里菜 1)、長谷川 達朗 1)、土井 誠一 1)、永井 正樹 1) 独立行政法人 国立国際医療研究センター病院 1) 【はじめに】本邦における特定感染症指定医療機関には3 y=0.9633x+0.2858、r=0.970、リンパ球+単球 つの医療機関が指定されており、当院もその1つに指定さ y=0.9438x+0.2500、r=0.915 であった。【まとめ】QBC れている。近年、感染症のグローバル化に伴い、輸入感染 STAR は概ね良好な基礎性能を有していた。電子精度管理 症が注目されており、2014 年の西アフリカにおけるエボラ 機能によりコントロール測定が自動で行われ、電源投入後 ウイルスのアウトブレイクを契機として、その役割が重要 直ちに測定可能であった。血液約 70μL を採取したキャピ 視されている。当院では、新感染症病棟内検査室での検査 ラリを機器に設置し、ボタンを押すだけで自動測定が可能 業務及び機器・試薬管理を中央検査部門が担当しているが、 であり、指頭や耳朶からの微量採血で検査可能であった。 通常の検査機器では感染管理上の課題が多く、適応する検 以上のことから、QBC STAR は安全性、簡便性などの面で 査機器について検討を行っていた。今回、新感染症病棟に 従来機と比較して優位性があった。また、新感染症病棟内 導入検討している候補機器として、乾式血球算定装置 QBC 検査室に設置している機器は、使用頻度が極めて低いこと STAR(QBC から、精度管理やメンテナンスで苦慮することが多かった。 Diagnostics 社)の基礎的検討を行い、検査精 度や運用面について総合評価を行ったので報告する。【検 汚染された機器のメンテナンスは製造元でも対応が問題視 討内容・結果】1.同時再現性:EDTA-2K 加全血健常人検体 されており、メンテナンスフリー機器の導入を望んでいた を n=15 で測定した時の CV は 0.9~6.5%であった。2.相関 が、QBC STAR は検査精度や感染管理などの面からも適応 性:EDTA-2K 加全血患者検体 50 検体を用いた XE- している機器であると思われた。【結語】エボラ出血熱患 5000(Sysmex 社)との相関性は WBC 者検体をはじめとした危険性の高い検体の検査には QBC r=0.959、Hct y=0.9704x+0.4500、 y=1.0056x+2.0023、r=0.983、Hb 0.4323、r=0.988、Plt y=1.0843x- y=0.8739x+28.2702、r=0.969、顆粒球 STAR は有用である。 連絡先 03-3202-7181(内 3381)
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