マンナンオリゴ糖を給与したブロイラーの盲腸内のバクテリア集団組成に 見られる系統的及び機能的変化について A. Corrigan, a Marcel de Leeuw, b Stéphanie Penaud-Frézet, c Diliana Dimova, c R. A. Murphya Alltech Biotechnology, Sarney, Dunboyne, County Meath, Ireland; GeneCreek, Grenoble, France; Beckman Coulter Genomics, Grenoble, France 本試験では、商業的生産環境で飼育されるブロイラーにマンナンオリゴ糖(MOS)を給与した場合に、 盲腸内のバクテリア集団の構造及び機能にもたらされる再現可能な効果を明らかにすることを目的とし ている。同じ商業的拠点において同時に、また個別に2件の試験が、それぞれ対照区とMOS給与区を設 けて行われた。同じ孵卵場から入手した約1万羽の鶏を、4つの同様の商業用飼育小屋にそれぞれ入れ、 対照区試料、またはMOS飼料のいずれかを給与した。孵化後7、21、35日目に、各群から無作為に選ん だ各12羽の盲腸内容物をとりだし、すべてのサンプルにバクテリアパイロシーケンシングを行い、各 区、各回で約25万系統を得た。両試験の3回の採取において、主に確認されたバクテリアは、Firmicutes (ファーミキューテス門)、Bacteroidetes(バクテロイデス門)、Proteobacteria(プロテオバクテリ ア、紅色細菌門)、Actinobacteria(アクチノバクテリア、放線菌門)、そしてTenericutes(テネリキ ューテス門)で、それらが全系統の99%以上を占めていた。MOSの給与により、バクテリア集団の組成 が給与7日目から35日目にかけて変化した。給与によって、バクテロイデス門はファーミキューテス門に 置き換わった。なお、この効果は35日目に最も顕著に現れた。給与による効果はいずれの試験において も再現性があった。MOS給与の結果としての、バクテリア集団の機能的能力の差の鑑定には、PICRUSt が用いられた。レベル3KEGGオーソログ機能予測を用いて対照区と試験区の差を観察した。両試験にお いて、孵化後35日目に非常に強い分離が確認された。このことから、MOSの給与によって生じるバクテ リア集団の組成の変化により、盲腸の機能は変わるようであるということが示された。 図1 各採取時・各区の12サンプルを平均化した系統的多様性(PD)インデックス。 (a)は試験1、(b)は試験2。エラーバーは標準偏差(SD)を示す。PD樹状図:採取時 (PD_whole_tree:Timepoint)=各採取時における全サンプルの系統的多様性、T1=試験1、T2=試験2、 C=対照区、A=MOS区(オルテック社製アクチゲン添加) 、D07=7日目、D21=21日目、D35=35日目 図2 一般化UniFrac分析に続いて、MEGAN 4 OTUピッキングを行って得た、配列を対比較した遺伝距 離概算に対してPCAを実施し、試験1の各サンプル採取時における、対照区とMOS給与区間の差を評価 した。 (a)は孵化後7日、(b)は孵化後21日、(c)は孵化後35日。各区ともn=12。fac1、fac2は、R ade4パッケージ のs.classファンクションを用いてプロットされた2つの主成分である。T1=試験1、C=対照区、A=MOS 区(オルテック社製アクチゲン添加) 、D07=7日目、D21=21日目、D35=35日目 図3(左上) 一般化UniFrac分析に続いて、MEGAN 4 OTUピッキングを行って得た、配列を対比較し た遺伝距離概算に対してPCAを実施し、試験2の対照区とMOS給与区間の差を評価した。 (a)は孵化後7日、(b)は孵化後21日、(c)は孵化後35日。各区ともn=12。T1=試験1、C=対照区、A=MOS 区(オルテック社製アクチゲン添加) 、D07=7日目、D21=21日目、D35=35日目 図4(前頁右上) 一般化UniFrac分析に続いて、MEGAN 4 OTUピッキングを行って得た、配列を対比 較した遺伝距離概算に対してPCAを実施し、試験区の別ではなく日齢に基づく差を評価した。 (a)は試験1、(b)は試験2。T1=試験1、C=対照区、A=MOS区(オルテック社製アクチゲン添加) 、D07=7 日目、D21=21日目、D35=35日目 ↑図5 各サンプル採取時の、対照区及びMOS区におけるバクテリアの門別割合(%)(試験1,2) 。各区 とも各採取時においてn=12 ↑図6 各サンプル採取時の、対照区及びMOS区におけるバクテリアの綱別割合(%)(試験1,2) 。各区 とも各採取時においてn=12 図7 サンプルの階層クラスタリング及びKEGG Pathwayに分類される、正規化された予測の遺伝子コ ピー数のk-means法による分割を表すヒートマップ。ヒートマップ内のカラーコードは変化を示す。濃 い青は50%以下の変化、濃い赤は50%以上の変化を示す。T1=試験1、T2=試験2、C=対照区、A=MOS 区(オルテック社製アクチゲン添加) 、D07=7日目、D21=21日目、D35=35日目 図8 MOS給与の結果、OTS及びそれに関連する機能が、相対的に大きく増加及び減少した。 Actigen(オルテック社製アクチゲン)=MOS供給源、ucrC-99=UCLUSTアルゴリズムを使用して、配 列相同性しきい値が99%
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