【別紙】 「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例の 一部を改正する条例案」について 第1 条例の概要等 1 条例の概要 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例(以下「条 例」といいます。別添1参照)は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等 に関する法律(以下「風営法」といいます。)の委任に基づき、昭和34年 4月1日から施行、以来24回の改正が行われ、現在に至っています。 条例は、風営法の委任に基づき、風俗営業、店舗型性風俗特殊営業等の 性風俗関連特殊営業、深夜における酒類提供飲食店営業の営業地域、広告 宣伝に関する規制のほか、風俗営業者が遵守すべき事項等について規定し ています。 2 改正風営法の内容について ⑴ ダンス規制の除外(改正風営法第2条関係) 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する 法律(平成27年法律第45号。以下「改正風営法」といいます。別添2、 別添3参照)により、客にダンスをさせる営業に係る規定が見直され、 ダンスホールが風営法の許可を要する営業から除外されるとともに、深 夜(午前0時から午前6時までの間)に公安委員会の許可を得て営む特 定遊興飲食店営業が導入されました(※1及び別添2、別添3参照)。 ※1【ダンス規制の除外】 改正前の風俗営業 改正後の状況 客にダンスをさせ、かつ、客の接待をし 接待するもの・低照度のもの て客に飲食をさせる営業(キャバレー 引き続き「風俗営業」として規制 等) 低照度でなく、深夜まで営業 客にダンスをさせ、かつ、客に飲食をさ 「特定遊興飲食店営業」として規制 せる営業(ナイトクラブ等) 低照度でなく、深夜に営業しない 「 飲 食 店 営 業 」 と し て 規 制 客にダンスをさせる営業(ダンスホール等) ⑵ 風 営 法 の 規 制 か ら 除 外 特定遊興飲食店営業(改正後の風営法第2条、第31条の22から第31条 の25まで関係) ア 定義(改正後の風営法第2条第11項及び第12項関係) 特定遊興飲食店営業(※2参照)とは、深夜に、設備を設けて客に 酒類を提供してダンスなどの遊興(※3参照、代表的なものとしては、 ディスコ、ライブハウス、ショーパブなど)を行う営業をいいます。 ※2【特定遊興飲食店営業の3要素】 深夜(午前0時~午前6時)の時間に + 酒類の提供 + 遊興させる 法律の施行後に食品衛生法の許可(飲食店許可)により営業可能となる遊興飲食店 営業の業態 ・深夜に営まない営業 ・深夜に営むが、酒類を提供しない営業 ・深夜に営み酒類を提供するが、遊興をさせない営業 ※3【遊興例】 ・音楽を流して不特定の客にダンスをさせる行為 ・不特定多数の客にダンス、ショー、演劇等を見せる行為 ・バンドの生演奏等を客に聴かせる行為 ・のど自慢大会等の遊戯、ゲーム、競技等に不特定の客を参加させる行為等 イ ウ 主な規制(改正後の風営法第31条の22から第31条の25まで関係) (ア) 公安委員会の許可を受けなければ営業できないこと。 (イ) 欠格事由を設け、不適格者等を排除すること。 (ウ) 条例により、営業可能な地域を限定すること。 (エ) 条例により、地域を定めて営業時間を制限すること。 (オ)18歳未満の者の午後10時以降の立入りを制限すること。 善良の風俗等の保持(改正後の風営法第13条第3項及び第4項並び に第31条の23関係) 特定遊興飲食店営業は、深夜にわたって、客に遊興と酒類の提供を 伴う飲食をさせる営業であり、その営業方法によっては、周辺の地域 住民の平穏な生活に障害を及ぼすおそれがある営業です。 そのため、原則として、政令基準に従い条例で定める地域内に限っ て営業を認めることとされました。 また、善良の風俗や清浄な風俗環境を保全するため ・条例で定める一定の照度を確保しなければならないこと ・条例で定める数値以上の騒音又は振動が生じないように、その 深夜における営業を営まなければならないこと ・営業所周辺における客の迷惑行為を防止すること ・苦情処理に関する帳簿を備付けなければならないこと など、営業者に義務を課すほか、 ・風俗環境保全協議会(警察署長、特定遊興飲食店営業等の営業 所の管理者、地域住民等から構成される)の設置に努めること などの規制が盛り込まれています。 エ 営業所を設置できる基準(改正後の風営法第31条の23で準用する同 法第4条第2項第2号関係) 営業所を設置できる地域については、国が定める政令基準(繁華街 など一般住居への酔客や騒音等の影響が少ない場所。以下「政令基 準」といいます。(※4参照))に基づいて、それぞれの都道府県の 条例で指定する(または指定しない)こととなります。 オ 例外 一定の基準を有するホテル等内適合営業所(店舗型性風俗特殊営業 を除く。)においては、店内の喧騒や享楽的な雰囲気が直ちに周辺地 域に悪影響をもたらすことがないことが考慮され、営業ができる地域 の指定がない場所でも営業が可能となります(改正後の風営法第4条 第2項第2号、改正後の風営法施行規則第76条)。 ※4【政令基準】(別添4参照) 改正風営法施行令第22条 1 特定遊興飲食店営業の営業所の設置が許容される地域(次号において「営業所設 置許容地域」という。)の指定は、次のいずれにも該当する地域内について行うこ と。 イ 次のいずれかに該当する地域であること ⑴ 風俗営業等密集地域 ⑵ その他の地域のうち、深夜において1平方キロメートルにつき概ね100人以 下の割合で人が居住する地域 ロ 次に掲げる地域でないこと ⑴ 住居集合地域 ⑵ 住居集合地域以外の地域のうち、住居の用に併せて商業または工業の用に 供されている地域で、住居が相当数集合しているため、深夜における当該地 域の風俗環境の保全につき特に配慮を必要とするもの ⑶ ⑴又は⑵に掲げる地域に隣接する地域(当該地域が風俗営業等密集地域に 該当する場合にあっては、幹線道路の各側端から外側おおむね50メートルを 限度とする区域内の地域を除く。) ⑷ その他の地域のうち、保全対象施設(特にその周辺の深夜における良好な 風俗環境を保全する必要がある施設として都道府県の条例で定めるものに限 る。)の周辺の地域(当該保全対象施設の敷地(これらの用に供するものと決 定された土地を含む。)の周囲おおむね100メートルを限度とする区域内の地 域に限る。) ※【風俗営業等密集地域】 店舗が多数集合しており、かつ、風俗営業、遊興飲食店営業、深夜において 営まれる酒類提供飲食店営業及び興行場営業の営業所が1平方キロメートルに つきおおむね300箇所以上の割合で設置されている地域 ※【遊興飲食店営業】 設備を設けて客に飲食をさせる営業(客に酒類を提供して営むものに限る。) をいい、風俗営業に該当するものを除く。) ※【深夜において営まれる酒類提供飲食店営業】 法第2条第13項第4号に規定する酒類提供飲食店営業。 ※【興行場営業】 興行場法第1条第2項に規定する興行場営業をいう。 ⑶ 風俗営業の営業時間(改正後の風営法第13条第1項第2号関係) 風営法により風俗営業(接待等飲食店、遊技場営業)の深夜営業は禁 止されていますが、政令基準に該当する地域にあっては午前1時まで営 業の延長が可能となっているところ、改正風営法により条例で定める時 間まで営業を延長できることが可能とされたものです。(別添2参照) ⑷ ゲームセンター等への18歳未満の者の立ち入らせ(改正後の風営法第 22条第1項及び2項関係) ゲームセンター等への18歳未満の者の立ち入らせの制限に関する規定 が見直され、午後10時前の時間に条例で定める年齢の者を立ち入らせた 場合の風営法の罰則が削除されるとともに、18歳未満の者を立ち入らせ る場合の保護者の同伴について条例で定めることができることとなりま す。(別添2参照) ※【添付資料】 ・別添1「条例」(抜粋) ・別添2「改正風営法新旧対照表」 ・別添3「特定遊興飲食店営業に関する読替表」 ・別添4「改正風営法施行令新旧対照表」(抜粋) 第2 1 改正条例案の内容 風俗営業の規制 ⑴ 営業時間の制限(改正後の 風営法第13条第1項第2号関 係) 風俗営業社交飲食店(2号) ア 現状 風俗営業は、原則、深夜の営業が禁止されています。 平成10年の風営法改正で、1時間延長する地域を指定することが可能 になりましたが、和歌山県は、国が定めた政令基準(※)に該当する大 規模な繁華街がないため、延長する地域を指定していません。 ※ 当時の政令基準(以下の要件のいずれも満たす地域) 2 ① 特定営業所(風俗営業、深夜酒類提供飲食店等)が 300 店舗以上/㎞ の割合で設置 ② 住居が相当数集合し、深夜の風俗環境の保全に特に配慮を必要とする地域に隣接していない ※ 県下最大の繁華街(和歌山市アロチ地区)においても、②の要件を満たさないため指定していない。 イ 改正条例案 営業時間を延長することができる地域を指定するための改正は行わ ないこととします。 ⑵ ゲームセンター等への年少者の立ち入らせの規制(改正後の風営法第22 条第1項及び第2項関係) ア 現状 改正前の風営法第22条は、風俗営業者の禁止事項として年少者の立入 制限に係る年齢及び時間を条例で定めることとされていたので、条例で は、16歳未満の者(小・中学生)を午後6時以降に立ち入らせることを 禁止しています。 イ 改正風営法による変更点 改正風営法により、午後10時前の時間におけるゲームセンター等へ の年少者を立ち入らせることについて禁止事項(罰則規定を含む。)と せず、都道府県の条例により、保護者の同伴を求めること等の制限を定 めることができるようになりました。 ウ 改正条例案 保護者同伴であれば、少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれが低い と考えられることから、午後6時後午後10時前の時間に、16歳未満の者 をゲームセンター等に立ち入らせることについて、一律に禁止せず、保 護者が同伴する16歳未満の者に限り、ゲームセンター等の客として立ち 入らせる時刻については午後10時前の時間まで容認することとします。 ゲームセンター等への立ち入らせ規制の改正(案) 現 行 18歳未満 16歳未満 の年少者 改 18歳未満 正 16歳未満 後 の年少者 風営法 午後10時以降禁止 条 午後6時から午後10時まで禁止 保護者同伴の有無にかかわらず 一律禁止 例 風営法 午後10時以降禁止 条 午後6時後午後10時前の時間 保護者同伴の場合:可能 保護者同伴しない場合 →禁止 ( ※ 罰 則な し 、遵 守 事項 違 例 反、行政処分対象) 2 特定遊興飲食店営業の規制 ⑴ 営業所設置許容地域の指定(改正後の風営法第31条の23において準用す る法第4条第2項第2号関係) ア 政令基準 特定遊興飲食店の営業所を設置できる地域として国が定める政令基 準によると、 ① 大規模な繁華街 風俗営業等密集地域(店舗が多数集合しており、かつ、風俗営業、 遊興飲食店営業、深夜において営まれる酒類提供飲食店営業及び興 行場営業の営業所が1平方キロメートルにつきおおむね300箇所以上 の割合で設置されている地域)で住居が相当数集合していない地域 ② 人の居住が著しく少ない地域(想定:東京お台場等) 深夜において人の居住が著しく少ない(1平方キロメートルにつ き概ね100人以下の割合で人が居住)地域 のいずれかの地域です。(※4参照) イ ⑵ 営業時間の制限(改正後の風営法第31条の23において準用する同法第13 条第2項関係) ア 趣旨 特定遊興飲食店営業の営業所設置許容地域では住民や通勤・通学者 と酔客が出くわすことによるトラブル等を防止するため、条例で営業 時間を制限することができることとされています。 イ ⑶ 改正条例案 調査の結果、現時点では、和歌山県内に①又は②の政令基準を満た す特定遊興飲食店営業の営業所の設置が可能な地域がないので、指定 しないこととします。 改正条例案 第1の2の⑵のオにより特定遊興飲食店営業が可能となるホテル等 内適合営業所においては、宿泊客の管理が行われていることから、営業 時間については制限しないこととします。 騒音及び振動の数値の設定(改正後の風営法第31条の23において準用す る同法第15条関係) ア 趣旨 深夜における騒音苦情等が発生しないよう、騒音及び振動の規制に係 る数値は、政令で定めるところによる数値を超えない範囲内で条例で定 めることとなっています。 イ 改正条例案 特定遊興飲食店営業の営業所に係る騒音の数値については、条例に おいて規定している風俗営業や深夜酒類提供飲食店営業の営業所に係る 騒音規制の「深夜時間帯」における規定と同様の規定とし、振動の数値 についても風俗営業の営業所に係る現行の規定と同様の規定とすること とします。 ⑷ 遵守事項(改正後の風営法第31条の23において準用する同法第21条関 係) ア 趣旨 改正風営法により、特定遊興飲食店営業者の行為について、善良の風 俗若しくは清浄な風俗環境を害し、又は少年の健全な育成に障害を及ぼ す行為を防止するために必要な遵守事項を条例で定めることができるこ ととなりました。 イ 3 改正条例案 改正条例案では、特定遊興飲食店営業者が酔客に遊興をさせるサービ スを提供した場合に、歓楽的雰囲気が過度なものになったり、酔客が迷 惑行為を行ったりするなどの風俗上の問題が生じるおそれがあることか ら、風俗営業と同様に営業者の遵守事項を定めることとします。 特定遊興飲食店営業は、深夜に、設備を設けて客に酒類を提供してダ ンスなどの遊興を行う営業ですが、接待を行う社交飲食店などの風俗営 業とは異なり、18歳未満の者については午後10時前の時間まで(保護者 同伴の場合は午前0時前の時間まで)立ち入らせることが可能となりま す。 これにより、酒類を提供する店舗であっても、青少年の単独利用が可 能となるため、少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれが認められ、午 後6時以後午後10時前までの時間において、18歳未満の者で、かつ、保 護者が同伴しない者については営業所に客として立ち入らせないこと を定めるほか、 ・営業所で卑わいな行為その他善良の風俗を害する行為をし、又 はさせないこと。 ・客の求めない飲食物を提供しないこと。 ・営業中は、営業所の出入口や客室に施錠をし、又はさせないこと。 ・営業所で店舗型性風俗特殊営業を営み、又は営ませないこと。 ・著しく射幸心をそそるおそれのある方法で営業しないこと。 などの遵守事項を定め、当該営業者はこれらの遵守事項を使用人その 他の従業者に遵守させなければならないよう定めることとします。 施行期日(予定) 改正風営法の施行日(平成27年6月24日から1年を超えない範囲内で政令 で定める日)に同じ。
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