憲法 下記の問題に答えなさい。 「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(以下「風営法」という。) は, 「善良の風俗と清浄な風俗環境を保持し,及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行 為を防止するため,風俗営業……について,営業時間,営業区域等を制限し,及び年 少者をこれらの営業所に立ち入らせること等を規制するとともに,風俗営業の健全化 に資するため,その業務の適正化を促進する等の措置を講ずることを目的」(同法 1 条)として, 「ナイトクラブその他の設備を設けて客にダンスをさせ,かつ客に飲食を させる営業」を「風俗営業」とする(同法 2 条)とともに,風俗営業を営もうとする 者は行政当局の許可を受けなければならない(同法 3 条)と定めていた。 X は,DJ が大音量でかける音楽を聞きながら酒を飲んだり,音楽に合わせて踊っ たりする(ディスコの形態の)いわゆる「クラブ」Afternoon を経営していたが,そ れが風営法の風俗営業に該当するとは思っていなかった。そのため,X は,風営法 3 条の許可を得ることなく,自己の経営する「クラブ」Afternoon において客にダンス をさせ,軽食や酒類を提供して飲食させたとして起訴された。 ここに含まれる憲法上の問題点について論じなさい。ただし,風営法の規定の明確 性については触れる必要はない。 なお,風営法は,2015(平成 27)年に改正され,客にダンスをさせること自体は 規制の対象とはならなくなったが,解答にあたってこの点を考慮する必要はない。 (120点)
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