1 随意契約事前確認公募 平成28年3月18日 国立研究開発

随意契約事前確認公募
平成28年3月18日
国立研究開発法人海洋研究開発機構
分任契約担当役 経理部長 池川 和彦
(公印省略)
1.公募に付する事項
(1)事業名:平成 28 年度海底断層評価に関わる既存反射法データ再解析
(2)募集の主旨
本件は、文部科学省受託研究「海域における断層情報総合評価プロジェクト」の一環として、
複数の機関で取得されている既存の二次元海上反射法地震探査データを、最新の技術で統一的な
再解析を実施することを目的としている。
以下の応募条件を満たし、本業務を提供できる「特定事業者」を契約の相手方とする予定であ
るが、当該特定事業者以外の者で下記の応募条件を満たし、本業務の実施を希望する者の有無を
確認する目的で、参加希望書類の提出を求めるものである。
なお、公募の結果、応募条件を満たすと認められた者がいない場合は、当該特定事業者との契
約手続へ移行するが、応募条件を満たすと認められる応募者がいる場合には、特定事業者と当該
応募者に対し、新たに企画書・技術審査資料等の提出を要請し、競争契約手続きへ移行すること
とする。
(3)業務概要
別添仕様書のとおり。
2.公募に応募するものに必要な資格に関する事項
(1)予算決算及び会計令(昭和 20 年勅令第 165 号)第 70 条及び第 71 条の規定に該当しない者であ
ること。
(2)平成 25・26・27 年度
全省庁統一競争入札参加資格において「役務の提供等」を取得している
者であること。
(3)契約担当役等から取引停止の措置を受けている期間中の者でないこと。
(4)本公告に示した業務を指定する日時、場所で十分に履行できることを証明した者であること。
(5)本公告に示した業務の全部若しくはその主たる部分を第三者に委任、又は請け負わせる者でな
いこと。
3.応募要件
(1)過去 5 年間に国内の海域及び浅海域地震探査データに関して、下記のデータ解析項目が適用可
能な解析ソフトウェアを有し、継続した運用実績があること。
① 複合型多重反射波抑制処理
海底面多重反射波に加えて、複雑な波線経路を持つ'Surface-related'型多重反射波及び層間
多重反射波の抑制を前提として、高分解能放物線ラドン変換、’Tau-p’あるいは’Radial’トレ
ースデコンボリューション法、SRME 法の複合適用を実施し、併せて、多重反射予測重合
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トレースの抽出を通じて、解釈に資する多重反射波予測結果の表示機能を提示できること。
② 複合型ノイズ抑制処理
ランダムノイズ及びコヒーレントノイズの抑制を目的として、’Edit’型、予測型、走時差準
拠型及びノイズ位置推定型の各種ノイズ抑制処理の複合適用による最適化が可能であるこ
と。
③ エアガン波形処理の最適化
エアガン波形が残存していないデータに対して'Signature Deconvolution'を適用する場合、
エアガン機器仕様,クラスター配置及び発震深度に応じた波形合成が可能であり、併せて、
海底反射波によるウェーブレット抽出に対応できること。
④ 海陸接合データに関する位相補償処理
海陸接合区間における浅海域データに関して、異種震源及び異種受振器特性の補償関数(時
間シフト量を含む)について、統計的推定が可能であること。
⑤ 紙面記録からのディジタル化処理
発震記録及び重合記録のディジタルデータが残存していない場合、紙面で残存する CMP 重
合記録断面図をスキャナーで読み取り、SEGY データを生成すること。この際、時間スケー
ル位置、折り目、紙面の汚れ等の劣化箇所を精査の上、空間内挿を伴う高精度のベクトル化
作業が可能であること。
⑥ 'Multi-dip'対応の CRS(Common Reflection Surface)処理
近軸波線理論('Paraxial Ray Theory')に基づいた CRS 処理に関して、'Multi-dip'対応の
MDRS(Multi-dip Reflection Surface)処理の適用が可能であること。
(2)別添仕様書に記載の内容について実施可能なこと。
4.応募方法
(1)公募の期間 平成28年3月18日(金)から平成28年3月28日(月)まで
(2)本公募の条件を満たし、参加を希望する者は、本公告2.及び3.に示す資格及び要件を満た
すことを証明する資料を添付の上、以下の期日までに5.までに提出すること。
期限 平成28年3月29日(火) 12:00必着
(郵送可能ただし、書留郵便等記録が残るものに限る)
(3)上記資料の様式は任意(ただし、用紙サイズはA4版又はA3版とする。)とするが、応募事業
者の意思決定が確認できる書類とする。
(4)上記資料の提出があった場合、当機構は、業務遂行確認審査を行い、当該応募者が応募資格等
を満たすと認められた場合には書面にて通知するとともに、特定事業者と当該応募者に対して、
企画書・技術審査資料等の提出を要請し、競争契約手続きへ移行する。
(5)上記資料について、当機構から説明及び追加資料の提出を求められた場合は、それに応ずる義
務を負うものとする。これらの義務を履行しない者の資料は、公募要件を満たすことを証明する
資料として認めない。
(6)その他
1)手続きにおいて使用する言語及び通貨は、日本語及び日本国通貨とする。
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2)上記資料の作成及び提出に係る費用は応募者の負担とする。
3)提出された資料は、業務遂行確認審査以外に応募者に無断で使用しない。
4)一旦受理した資料は返却しない。
5)一旦受理した資料の差し替え及び再提出は認めない。
6)資料に虚偽の記載をした場合は、当該応募者の資料を無効とするとともに、取引停止措置を行
うことがある。
5.連絡先
〒237-0061 神奈川県横須賀市夏島町 2 番地 15
国立研究開発法人海洋研究開発機構
経理部 契約第 1 課 才善 主門
TEL:046-867-9124
FAX:046-867-9125
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仕様書
1. 件名
平成 28 年度海底断層評価に関わる既存反射法データ再解析
2. 概要
本解析業務は、文部科学省受託研究「海域における断層情報総合評価プロジ
ェクト」の一環として、複数の機関で取得されている既存の二次元海上反射
法地震探査データを対象に、最新の技術で統一的な再解析を実施することを
目的としている。こうした再解析結果は、有識者による一定の基準に基づく
断層解釈、さらには、日本周辺海域における断層情報の抽出に資する基礎デ
ータとして用いられる。最終的には、「海域における断層情報総合評価プロ
ジェクト」において、津波想定を含めた国土保全を前提として、産学官民総
てが有効に活用できる断層情報データベースの構築及び運用が想定されて
いる。
3. 品目及び数量
データ再解析 1 式
4. 仕様
国立研究開発法人海洋研究開発機構(以下:機構)をはじめとする国内の
関係諸機関によって日本周辺の海域・沿岸海域及び海陸境界域で取得された
既存データの内、機構が指定した南西諸島海域周辺における計 5,300km 分
の調査測線を解析対象とする。
(1) 解析内容
解析対象データは発震、受振及び記録取得仕様に応じて、データ品質に
差異が存在する。本解析業務では、各既存データに関して、データ取得
仕様及びデータ品質を精査した上で、地質構造に関して類型化が可能な
領域内において、統一的な処理フロー及び解析パラメータを用いて再解
析を実施し、時間記録及び深度記録を出力する。以下に、解析準備及び
解析内容に関して記述する。
(2) 解析準備
磁気テープ等の記録媒体に保存されている既存データを精査し、データ
欠損の状況を集約する。データ欠損率が小さく、十分な品質の重合記録
の作成が見込める記録について、再解析の対象とする。発震点欠落が存
在する記録に関しては、発震記録とデータシート(オブザーバーズログ)
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の対応関係を確認し、過誤が認められる場合には、正しい対応を再現す
る。
解析対象データに関しては、1970 年代からのデータが含まれ、現存磁気
テープあるいは複写データに関して、発震記録に関するデータ欠損の問
題が存在することが想定される。こうしたデータ欠損が各測線に関して
25%を越えている場合には、データ再解析からの除外対象として、受託
者と機構の協議を経て、必要に応じて下記の対処を行う。
① 重合時間記録がディジタルデータとして残存している場合には、重合
後の信号強調処理、時間マイグレーション及び深度変換を実施する。
② 重合時間記録がディジタルデータとして残存していない場合には、紙
面で残存する CMP 重合記録断面図をスキャナーで読み取り、SEGY
データを生成し、重合後の信号強調処理、時間マイグレーション及び
深度変換を実施する。
尚、データ欠損率が 25%以下であっても、測線全体に欠損箇所が散
在し、データ解析に大きな支障となる場合には、上述と同様の対応を
行う。
(3) 標準解析内容
本業務では、再解析対象データに関しては、下記の標準重合処理を実施
する。
① 海域データに関する標準重合処理
全海域データに関して、下記の標準重合処理が適用される。図 1 に
海域データに関するデータ解析フローを示す。
[1] フォーマット変換
[2] 震源波形デコンボリューション
[3] ジオメトリー情報のトレースヘッダー適用
[4] 複合型ノイズ抑制処理(ランダムノイズ及びコヒーレントノイズ)
[5] Tau-P/Radial トレースデコンボリューションによる短周期多重反
射波抑制処理
[6] 振幅補償
[7] デコンボリューション
[8] CMP 編集
[9] 速度解析(1.0km 間隔)
[10] 残差静補正
[11] DMO 補正
[12] NMO 補正及び CMP 重合
[13] 重合後信号強調処理
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[14] 重合後時間マイグレーション
[15] 深度変換
海域データに関する標準重合処理において、特に、下記の処理要
素に関して留意が必要である。
・エアガン波形処理の最適化
エ ア ガ ン 波 形 が 残 存 し て い な い デ ー タ に 対 し て 'Signature
Deconvolution'を適用する場合、エアガン機器仕様、クラスター配
置及び発震深度に応じた波形合成結果を用いるか、あるいは、海
底反射波によるウェーブレット抽出を通じて最小位相変換等の波
形処理を実施する。
・複合型ノイズ抑制処理
海域における屈折多重反射波を中心とするコヒーレントノイズの
抑制を目的として、’Edit’型、予測型、走時差準拠型及びノイズ位
置推定型の各種ノイズ抑制処理を複合的に組み合わせた最適なノ
イズ抑制処理を検証し、適用する。
・ディップムーブアウト
共通オフセット領域のディップムーブアウト補正を適用し、反射
点の傾斜面に沿った拡がりを抑制し、重合速度の傾斜依存性を解
消する。本処理では、共通オフセットパネルの構築を前提として、
受振点間隔 25m 以下の海域マルチチャンネルストリーマ記録を解
析対象とする。
② 浅海域データに関する標準重合処理
全浅海域データに関して、下記の標準重合処理が適用される。図 2
に浅海域データに関するデータ解析フローを示す。
[1] フォーマット変換
[2] 震源波形デコンボリューション
[3] ジオメトリー情報のトレースヘッダー適用
[4] 浅海域-陸域静補正
[5] 異種震源及び受振器位相補償
[6] 複合型ノイズ抑制処理(ランダムノイズ及びコヒーレントノイズ)
[7] Tau-P/Radial トレースデコンボリューションによる短周期多重反
射波抑制処理
[8] 振幅補償
[9] デコンボリューション
[10] CMP 編集
[11] 速度解析(1.0km 間隔)
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[12] 残差静補正
[13] NMO 補正及び CMP 重合
[14] 重合後信号強調処理
[15] 重合後時間マイグレーション
[16] 深度変換
浅海域データに関する標準重合処理において、海域データに関す
る留意項目に加えて、特に、下記の処理要素に関して留意が必要
である。
・異種震源及び受振器位相補償
解析対象データには、陸域ダイナマイト及びバイブレータ発震と
海域エアガン発震データが含まれ、受振器については、陸域ジオ
フォンとの海域ハイドロフォンが用いられている。そのため、異
種震源及び異種受振器特性の補償関数(時間シフト量を含む)を統
計的に推定し、補償する処理を適用する。
(4) 追加解析内容
本業務では、海域活断層のジオメトリー把握と可視化の観点から、解釈
上の必要に応じて、下記の追加解析を適用する。図 1 及び図 2 のデータ
処理フローにおいて、追加解析箇所のフローについても、併せて記載し
た。
① 複合型多重反射波抑制処理
対象海域では海底深度が変化することから、長周期多重反射波、短
周期多重反射波及び回折多重反射波などが重複的に発生している可
能性がある。従って、水深が 300m を越える海域データに関して多
重反射波の存在によって、地震探査記録の解釈が阻害されることが
想定される場合、標準処理で適用した短周期多重反射波に関す
る’Tau-p’あるいは’Radial’トレースデコンボリューション法等の多
重 反 射 波 の 周 期 性 に 準 拠 す る 手 法 に 加 え て 、
SRME(Surface-related Multiple Elimination)法及び高分解能放物
線ラドン変換の複合適用による長周期多重反射波抑制処理を実施す
る。
② 重合前時間マイグレーション
過褶曲、複背斜あるいは衝上断層群といった短波長の構造不均質が
顕著であり、海域活断層の解釈に重要な領域のデータに関しては、
重合前時間マイグレーションを逐次適用する。この処理では、
1.0km 間隔のマイグレーション速度解析を適用し、高精度の速度情
報を抽出する。
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③ Multi-dip 型 CRS 解析
海域活断層の深部延長に関して、そのジオメトリー把握を目的とし
た微弱な深部反射波のイメージングが必要と判断されたデータにつ
いて、CRS(Common Reflection Surfaces)法を適用する。CRS 法で
は、近軸波線理論('Paraxial Ray Theory')に基づき、ゼロオフセッ
ト反射波走時に関わる CMP 間走時差の挙動を考慮したムーブアウ
ト補正、つまり反射面沿いの振幅応答の集約を通じて飛躍的な重合
数が確保される。本解析では、複数の傾斜イベントに関して対応可
能なアルゴリズム(MDRS 法)を採用し、広角領域を含む深部反射波
イメージングの高精度化を図る。
(5) 解析報告書作成
報告書には、処理法の概要、処理の詳細、解析結果、結果に関する考察
などと共に、主要な資料、図面を添付する。
(6) 提供データ
機構より受託者に対して、解析データ(反射法発震記録、既存解析結果)、
データシート及び測量座標を含む)が提供される。尚、提供データに関
しては、下記の留意事項が挙げられる。
① 機構の各データの管理者からの使用・解析の承諾が得られたデータ
から、逐次提供する。
② 提供データが収録されている磁気テープに関して、その保存状態の
問題からテープ固着あるいは破断等の事由によって読み込みが困難
と判断された場合、解析の対象から除外する。データ復元の必要性
がある場合、機構が実施し、受託者に提供する。
(7) その他
① 追加解析に関しては、海域活断層のジオメトリー解釈の見地から、
機構による指示によって対象測線が決定される。但し、全体の解析
作業進捗を俯瞰して、複合型多重反射波抑制処理、重合前時間マイ
グレーション及び Multi-dip 型 CRS 解析の作業量は、全測線長の
29%、6%及び 3%を越えないものとする。
② 本仕様書に定めのある事項または定めのない事項について生じた疑
義については、その都度、機構と受託者で協議して解決を図るものと
する。
③ 受託者は、データ解析を日本国内に本拠地がある事業所で実施しな
ければならない。委託されたデータを海外に持ち出すこと、また、
海外からデータのアクセスをしてはならない。
④ 本業務の遂行にあたり、進捗状況を週に一度週報として電子メール
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等で報告すること。また、処理の途中段階で必要に応じて機構側と
受託者間で協議を行うものとする。
⑤ 本業務を遂行中に知り得た事項について、機構の承認を得た場合を
除き、他に漏らしてはならない。
5. 納入場所
国立研究開発法人海洋研究開発機構 横浜研究所
神奈川県横浜市金沢区昭和町 3173 番地 25
6. 履行期間
平成 28 年 4 月 1 日(金)から平成 29 年 3 月 31 日(金)
7. 提出書類
解析報告書
2部
電子ファイル
1式
・解析報告書内容を CD/DVD-R に収録すること
最終解析結果
1式
・時間記録・深度記録及び原発震記録(ジオメトリー情報入力後)
・大容量ハードディスクに収録すること
8. 保証
納品後 1 年以内に、受注者の責任に帰すべき不具合が発見された場合は、受
注者の負担によりこれを修正するものとする。
9. 試験及び検査
機構担当者立ち会いのもと、データ処理の内容及び提出物の員数確認等が本
仕様を満たしているか確認を行う。
10. 秘密保持契約
本業務は、多岐にわたる情報資産を取り扱う業務となるため、受託者は当機
構と秘密保持契約を取り交わすものとする。
11. その他
本仕様書に疑義を生じた事項については、当機構担当者と協議の上、その取
扱を決定するものとする。
※ホームページ上での図表等の添付は省略致します。
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