北見市通所型介護予防事業(機能向上型)実施要領

北見市通所型介護予防事業(機能向上型)実施要領
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趣旨
この要領は、北見市通所型介護予防事業実施要綱第4条第1項(1)に規定する機能
向上型にかかる事業内容について必要な事項を定めるものとする。
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対象者
北見市の第1号被保険者で二次予防事業対象者把握事業等により把握された高齢者で、
地域包括支援センターによる介護予防マネジメントにより、当該事業参加が適当とされ
た者のうち、次の各号のいずれかに該当するものとする。
(1) 運動器の機能低下が認められる者
(2) 低栄養状態及び低栄養のおそれのある者
(3) 口腔機能の低下が認められる者
(4) 認知機能の低下、閉じこもり、うつ及びうつ傾向の認められる者
(5) 前号に掲げる者の他、市長が特に必要と認めた者
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実施委託先
北見市内で介護保険サービス事業等を実施する法人(以下「事業者」という)で、公
募により決定する。
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事業の形態及び名称 (事業概要:要領別紙1)
この機能向上型事業は、通所型の小集団形式(1 会場 10 人定員)で行うものとし、運
動・栄養・口腔の複合プログラムを中心とした総合型と運動プログラム中心の運動特化
型の2種類を設定し、名称は次のとおりとする。
(1) 総合型(運動・栄養・口腔プログラム)~『はつらつ元気教室「総合実践コース」
』
(2) 運動特化型(運動プログラム)~『はつらつ元気教室「貯筋運動コース」』
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事業内容
(1) 運動器の機能向上プログラム:介護予防のための運動器の機能向上を図る観点から、
ストレッチ、有酸素運動、簡易な器具等を用いた効果的な運動を実施する。
(2) 栄養改善プログラム:低栄養改善、疾病予防の観点から栄養相談・栄養教育等を実
施する。
(3) 口腔機能向上プログラム:口腔機能の向上を図る観点から、口腔清掃の指導、摂食・
嚥下機能に関する指導、機能訓練を実施する。
(4)送迎サービス:必要者に対し実施する。
(5)その他:事業の開始にあたっては、事業者は事前訪問等を行い、送迎体制や参加者
の安全確認、利用者又はその家族へ事業説明を行う。
また、事業参加を通じ、閉じこもり・うつ・認知機能低下予防に関する支援を行い、
自立した生活を送るための支援、社会資源の情報提供を行う。
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実施回数
各プログラムの期間及び回数は以下のとおりとする。ただし、やむを得ない事由と市
長が認めた場合はこの限りではない。
(1) 運動器の機能向上プログラム 1クール 12回(週1回×3ヵ月)
1クール 6回(月2回×3ヵ月)
(3) 口腔機能向上プログラム
1クール 6回(月2回×3ヵ月)
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(2) 栄養改善プログラム
実施計画の作成
事業者は、設定クール数等の計画に基づき市と事前に協議し、下記の計画書を作成、
市へ提出し、事業にあたる。
(1) 1年間の事業実施計画
(2) 1クール内のプログラム運営計画
(3) 1日のタイムテーブル
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事業の流れ
本事業は(1)から(6)の流れに沿って実施し、事業の運営にあたっては、厚生労
働省ホームページの運動器の機能向上、栄養改善、口腔機能向上、閉じこもり予防・支
援、認知機能低下予防・支援、うつ予防・支援のマニュアルを熟読の上、十分に内容を
遵守すること。
また、看護職員等の医療従事者は、プログラム実施中の留意点(要領別紙2)を参考
に、参加者の体調等について、十分留意し実施することが必要である。
(1) 介護予防ケアプランの作成
地域包括支援センターは、本人の状況や意向を踏まえた介護予防ケアプランを作成
し、その情報を本人同意のもと、事業者に提供する。
(2) 事前アセスメント
事業者は、地域包括支援センターで作成された介護予防ケアプランを基に、専門ス
タッフによる事前アセスメントを行い、利用者の健康状態、生活習慣などの状況を把
握し、各プログラムに必要なアセスメントを実施する。
(3)
個別サービス計画の作成
事業者は、生活機能拡大のための改善目標を本人と一緒に考え、プログラムの内容、
進め方、効果、緊急時の対応等を説明し、利用者から同意を得る。
(4) プログラムの実施
事業者は、計画に基づき、利用者の体調等にあわせプログラムを実施する。プログ
ラムの内容は自宅や地域でプログラム終了後も継続して行えるよう配慮する。
(5) 事後アセスメント
事業者は、各プログラムの目標達成状況等の効果を評価する。
(6) 地域包括支援センターへの報告と評価
事業者は、事前、事後アセスメントの結果をまとめ、目標の達成状況等を報告し、
その情報をもとに地域包括支援センターは利用者の総合的な個別評価を行う。
また、参加者の身体状況の変化、心身の機能低下がみられた場合は、適宜、担当の
地域包括支援センターへ連絡し、必要な支援につなげる。
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実施体制
(1) 従事者
本事業を安全かつ効果的に実施するため、従事者は以下による者とし、介護保険並
びに老年学等の知識を持つ者とする。
①運動器の機能向上プログラム
ア)事前事後アセスメントは医師、理学療法士、保健師及び看護師等の専門職とする。
イ)運動指導については運動器の機能向上に精通し、運動内容や方法を適宜変更でき
る専門職とする。
②栄養改善プログラム
事前事後アセスメント並びに栄養指導は管理栄養士又は、栄養管理業務の経験が5
年以上ある栄養士とする。
③口腔機能向上プログラム
事前事後アセスメント並びに専門的指導は専門的知識、技術を兼ね備えた歯科衛生
士、保健師、看護師、言語聴覚士等とする。
(2) 実施場所
実施場所は高齢者に配慮し、実施に当たり安全かつ参加者が十分なスペースがとれ
る会場とし、事業者で確保する。
(3) 送迎
事業対象者の心身の状況に応じて、車輌による送迎を行うこととする。
(4) 安全管理
事業を安全に実施するために、事故発生時の対応を含む安全管理マニュアルを整備
することとし、各事業者は以下の事項について定期的に確認を行うものとする。
①対象者から除外すべき者の要件
②転倒予防対策を含めた運動行う際の留意点の遵守
③安全管理マニュアルの内容の確認
④損害賠償への対応
2 運動器の機能向上プログラムの実施においては、看護職員等の医療従事者を配置し、
有事に際して速やかに対応できる体制を整えておくこととする。
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栄養改善プログラムの実施において試食や調理等を行う場合は、管理栄養士等は安
全・衛生管理を行うこととする。
10 利用者の負担金
利用者負担金は、事業者が徴収する。ただし、生活保護世帯は負担金免除とする。
11 事業の報告・記録の整備
(1) 事業者は、事業の報告として下記の様式を用い、終了後 10 日以内に市へ報告する。
①通所型介護予防事業実施報告書 (様式1)
②通所型介護予防事業出席表
(様式2)
1クール内の前、中、後期の終了毎(4 回毎)に提出
③通所型介護予防事業クール終了報告書 (様式3)
1クール(12回)終了後に提出
(2)
事業者は、プログラム実施計画書兼報告書(様式4)を用い、事前事後アセスメ
ント結果及び実施効果(当初の目標の達成度、対象者の満足度等)を評価し対象者
と共有するとともに、地域包括支援センターに報告する。
(3) 事業者は、個別サービス計画並びにサービス提供経過記録、その他必要な書類を
整備し利用者の状況並びに変化を記録する。
(4) 地域包括支援センターは、通所型介護予防事業支援計画表(様式5)を用い、事
業者へ利用者情報を提供すると共に市へ提出する。
また、個別評価結果は下記様式にまとめ、様式4(写)と合わせて市へ報告する。
①二次予防事業評価者名簿(様式6)
②二次予防事業通所型介護予防事業個別評価表(様式7)
(要領別紙1)
通所型介護予防事業(二次予防事業)
対
象
実施形態
名
称
実施期間
概要
介護予防チェックリスト等の結果により選定された二次予防事業対象者
機能向上型
(認知機能低下・閉じこもり予防も一体的に実施)
栄養改善
運動器の機能向上
口腔機能向上
はつらつ元気教室
運動器の機能向上
はつらつ元気教室
「総合実践コース」
「貯筋運動コース」
1クール3ヵ月間とし、事業開始時期は対象者数等地域の状況により設定する
実施回数
1 クール 12 回 (概ね週 1 回-3 ヵ月)
実施人員
4 名から 10 名
実施時間
2 時間(延長可)
場
所
安全に事業が実施できる場所
送
迎
必要者に実施(車種は問わない)
従事者
アセスメント時以外は、看護職員を含む 2名以上
ア セ ス メ ン 理学療法士、保健師
管理栄養士、
ト・指導の従 及び看護職員、健康
5年以上の栄養 聴覚士、保健師及
保健師及び看護職員、
事職種
士等
健康運動指導士
運動指導士
実施内容
等
事前訪問等 :
歯科衛生士、言語
び看護職員等
理学療法士、
等
事業開始にあたり、送迎体制や参加者の安全確認を実施
(プログラム)
運動器の機能向上
栄養改善・口腔機能向上
運動器の機能向上
実施回数
全12回(毎回)
各6回(通所時に月 2 回)
全12回(毎回)
1
1
ヵ
月
2
ヵ
月
3
ヵ
月
オリエンテーショ
ン・アセスメント
2
◎毎回実施内容
3
①体調チェック
4
②ストレッチ
5
③有酸素運動
6
1
2
3
④様々な運動
4
8
⑤ミニ講話:
5
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運動内容、アセスメ
11
12
ント
運動機能等のアセスメント等
①栄養の話
①体調チェック
②食べ方・選び方等
②ストレッチ
③情報提供・
③有酸素運動
料理等の実演
機器による運動も可
ント項目の意味、効
オリエンテーション
◎各回で栄養、口腔機能の指導 ◎毎回実施内容
7
10
オリエンテーション・アセスメ
6
(器機による運動も可)
④様々な運動
①口腔チェック
⑤ミニ講話:運動内容、アセ
②口腔ケア・運動
スメント項目の意味、効果、
③口腔機能向上の話
継続に向けて等
果、継続に向けて等
運動機能の事後アセスメント・
事後アセスメント・評価・今後の継続に向けて
評価・今後の継続に向けて
(要領別紙2)
プログラムを行う際の留意点
看護職員等の医療従事者は以下の点について、留意することが必要である。
また、緊急時の対応については、従事者間での確認も十分に行うこと。
プログラムを行う際の留意点
プログラムを行う前の状態チェックで、以下に該当する場合は運動を実施しない
・安静時に収縮期血圧 180mmHg 以上、または拡張期血圧110mmHg 以上である場合
・安静時脈拍数が 110 拍/分以上、または50 拍/分以下の場合
・いつもと異なる脈の不整がある場合
・関節痛・腰痛など慢性的な症状の悪化
・その他、体調不良などの自覚症状を訴える場合
また、参加者の事前注意として以下の項目を参加者に周知する。
・ 運動直前の食事はさける
・ 水分補給を十分に行う
・ 睡眠不足・体調不良の時には無理をしない
・ 身体に何らかの変調がある場合には、従事者に伝える (感冒・胸痛・頭痛・めまい・下痢など)
プログラム提供中の留意点
運動中の不良姿勢は局所的な筋緊張を生じ、誤用による局所の筋疲労を生じさせることがある。この
ことを回避するために、常に正しい運動姿勢を保つように配慮しながら実施する。
一定期間運動を続けていると、疲労の蓄積などにより一時的に運動器の機能が低下する場合がある。
この場合は、負荷量を著明に減少させて、疲労の回復を図る。
実施中には、以下の自覚症状や他覚所見に基づく安全の確認を行う。
・ 顔面蒼白
・ 冷や汗
・ 吐き気
・ 嘔吐
・ 脈拍・血圧
実施中の水分補給はきわめて重要である。喉の渇きを感じにくい、頻尿を心配して水分を控えること
などから、高齢者では脱水を起こしやすいので、必ず中間で水分補給の時間をとるようにするとよい。
プログラム終了時の留意点
プログラム終了後は、すぐに解散することなく、しばらく対象者の状態を観察する。プログラム提供
の後に対象者が以下の状態である場合は、医療機関受診など必要な処置をとる。
・ 安静時に収縮期血圧 180mmHg 以上、または拡張期血圧110mmHg 以上である場合
・ 安静時脈拍数が 110 拍/分以上、または50 拍/分以下の場合
・ いつもと異なる脈の不整がある場合
・ その他、体調不良などの運動中の留意事項に述べた自覚症状を訴える場合__