登呂遺跡出土品が重要文化財に指定されます 1 対象 登呂遺跡出土品(所有者:静岡市 保管場所:静岡市立登呂博物館) 2 点数 775 点 (内訳下表) 時代 ※ 土器 木製品 石器 金属 ガラス 骨角 繊維 樹皮 附 土器 昭和出土 54 321 74 16 5 6 6 7 126 615 平成出土 12 77 64 5 1 1 0 0 0 160 合計 66 398 138 21 6 7 6 7 126 775 ※附(つけたり) 合計 それだけでは指定に当たらない場合でも、指定文化財と一体であることにより価値が生じるもの 3 代表例 壷 田下駄 丸木舟 勾玉 銅環 ガラス玉 鹿角製の把頭 4 日程 平成 28 年3月 11 日 文化審議会が重要文化財指定について文部科学大臣へ答申 平成 28 年9月頃 (未定) 官報告示(正式な指定) 5 備考 静岡市が重要文化財を所有するのは初めて 「考古資料」の重要文化財は全国 618・県内 5(三角縁神獣鏡・埴輪立像(MOA 美術館 蔵)など)・市内 0 (平成 28 年3月時点) 静岡市内にある重要文化財等は国宝 4・重文 36(久能山東照宮、浅間神社、刀剣など) 登呂遺跡出土品の重要文化財指定について 1 登呂遺跡及び出土資料の概要 登呂遺跡は弥生時代後期の集落及びそれに隣接する水田から構成 される遺跡で、昭和18年の軍需工場建設関連工事の際に発見されま した。 弥生時代の水田跡の発見は日本で初めてのことでした。 昭和期には、軍需工場建設に先立つ調査(昭和18年)、戦後の調査は各大学の連携による大規模な 調査(昭和22~25年)と高速道路建設に先立つ調査(昭和40年)が行われ、特に昭和22~25年の調査 は戦後の学際的な初めての発掘調査として、学史的にも名高いものです。 平成11~23年に、再調査と再整備が行われ、平成22年には登呂博物館がリニューアルオープンしま した。 出土遺物は、土器を中心に、農耕具・祭祀用具・建築部材などの各種木製品、銅環などの金属製品、 灼骨などの骨角製品で構成されています。 これらが、「弥生時代の生業や集落の実態を、初めて学界に呈示した遺跡からの出土品であり、ま た戦前から戦後まもなくにかけての日本考古学の研究史を語るうえで欠かせない資料でもあり、その 学術的価値は高い」と国の文化審議会で評価され、今回、重要文化財指定との答申を受けました。 2 重要文化財とは 「有形文化財のうち重要なもの」 (文化財保護法第 27 条)で、文部科学大臣が指定します。 有形文化財とは、 「建造物、絵画、彫刻、工芸品…その他の有形の文化的所産で我が国にとつて歴史上又 は芸術上価値の高いもの並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料」をいいます(同法第2条) 。 所有者は保護・公開などの管理面において、規定に則った責任を負います。 なお、重要文化財のうち世界文化の見地から価値の高いもので、たぐいない国民の宝たるものが「国宝」 です。 3 登呂遺跡略年表 昭和 18 年 遺跡発見(軍需工場建設の際に) 第1次調査実施 昭和 22 年~25 年 日本考古学協会等による調査実施(第2次~第5次調査) 昭和 27 年 特別史跡に指定(昭和 53 年に追加指定) 昭和 30 年 静岡考古館開館 昭和 40 年 東名高速道路予定地の調査実施(第6次調査) 昭和 47 年 静岡市立登呂博物館開館 平成 11 年~15 年 再発掘調査実施 平成 16 年 第1次から第5次調査の資料 699 点が静岡県有形文化財に指定 平成 18 年~23 年 登呂遺跡再整備工事 平成 22 年 登呂博物館リニューアル 平成 28 年(予定) 平成出土資料を含む 775 点が重要文化財に指定
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