五條病院だより 奈良県立五條病院消防訓練 第84号平成27年3月23日 NO.1 発行 地域医療連携室・医局 日時:3月5日(木) 15:00~16:30 春季火災予防運動にあわせ、毎年この時期に五條病院の消防訓練を実施しています。 今年は五條病院、奈良県広域消防組合(消防本部、五條消防署、御所消防署、大淀消防署)、消防 団との連携によるかつてない大規模な消防訓練を実施しました。 梯子車による患者の救出、梯子車から屋上への放水、救出された傷病者のトリアージ並びに救護、 連結送水管、防火水槽を使用した放水など1時間にもおよぶ訓練となりました。 その後、訓練講評をいただき、最後に職員による消火器の取扱いを行いました。風が強かったため 消火器粉末が参加者に降りかかるなどアクシデントもありましたが、有意義な訓練となりました。 総務課長 松木 正 南4階の火元 逃げ遅れた患者を担架で避難場所まで搬送 スロープによる避難と救助袋による避難訓練 梯子車到着後直ちに、残留者の保護及び手当に 梯子を使った残留者の救出 救出された患者を避難場所に搬送 現地対策本部設置 出火場所に放水 トリアージして患者を手当 梯子車で屋上の残留者を救助 エマーエートには赤の重症患者が多く 搬送された 訓練終了後に、奈良県広域消防本部中南警防部長より講評 ひきつづき、五條市消防団第2分団長、松本病院長の講評がありました 消火器具等の取扱訓練では内科大谷先生や看護学生が消火器を使って消火訓練を行いました 日頃から 火の用心 見学に来ていた たんぽぽ保育園の園 児たちとハイポーズ NO.3 奈良県立五條病院附属看護専門学校 第29回 卒業式 下川校長から一人一人に卒業証書を授与 下川校長より式辞 松本病院長より祝辞 在校生代表の送辞 卒業生代表の答辞 雨上がりの爽やかな3月4日、奈良県立五條病院附属看護専門学校の第29回卒業式を執り行いまし た。卒業生のひとりひとりに卒業証書を手渡しましたが、キラキラ輝いた目は希望に満ち、その引き締 まった表情に卒業生たちの成長を感じました。 いつか将来「看護師不足」の時代が終わり資格だけでは通用しない日がくるかもしれませんが、コ ミュニケーション力と人間性を磨き、スペシャリストとして生涯学び続けるなら、看護師が活躍する場は 「地域包括ケア」の中にいくらでもあるでしょう、ということを式辞では述べました。 南和の医療再編も約一年と迫って参りました。超高齢社会を目前にして、南和はまさに日本の地域 の縮図です。我々が南和の地域医療を守ることは、日本を未来の医療崩壊から守る先魁けともいえる でしょう。この卒業生達が「地域包括ケア」で南和を守り、将来の日本の医療を守ってくれる中心になる 事を願ってやみません。 学校長 下川 充 五條消防署との意見交換会 日時:3月13日(金)14:00~ 松本病院長、番匠五條消防署長からまず挨拶 貴重な意見が沢山でました NO.4 2階会議室 五條消防署馬場主任、明石医師から情報提供 天野副署長、下川副院長よりまとめ ☆議題 五條消防署から情報提供 • 平成26年救急概要(辻本課長) • 救急救命士処置拡大について(山田主任) • 山間部救急の現状と対策(馬場主任) 五條病院から情報提供 • 二次病院救急と救急救命士教育(下川副院長) • 地域医療研修における救急車同乗実習(明石先生) 意見交換 まとめ 五條消防署 天野副署長 県立五條病院 下川副院長 3月13日(金)に五條消防署と五條病院との意見交換会が開かれました。これは消防と病院とが顔の見 える関係を築き五條周辺の救急をより良いものにするべく、20年ほど前から開催しているものと聞いて います。 松本院長の挨拶にはじまって、消防側からは①ショック患者への輸液投与と、意識障害患者に対する 血糖値測定とブドウ糖投与、とが「救急救命士の処置拡大」によって可能となったこと。②「山間部救急 の現状」としての主にヘリ搬送に関する状況、との2題を情報提供して頂きました。 また病院側からは、「五條病院の救急診療と救命士教育」について下川が報告し、さらに明石先生か らは「地域医療研修における救急車同上実習」についてご報告を頂きました。 最後の意見交換では、来る「南奈良総合医療センター」におけるドクターヘリのみならずドクターカー運 用の展望、さらにドクターカーを利用した救急救命士の病院実習(OJT)などについて、忌憚のない意見 が活発に交わされました。 これまでは五條消防署と五條病院との意見交換会でしたが、今後は更に発展して南奈良地域の消防 と病院との情報交換会へと、新病院に歩調を合わせて夢が広がる素晴らしい会となりました。 副院長 下川 充 第48回 県立五條病院健康出前講座 NO.5 「~寝たきりにならないために~ 脳卒中のあれこれ」 市民公開講座報告 記録者 鳥海 勇人 去る3月14日にカルム五條で第48回五條病院健康出前講座として市民公開講座を講演させていた だきました。当日はあいにくの雨天でしたが、会場はほぼ満員の100名の参加者をえて、「寝たきりに ならないために〜脳卒中のあれこれ」というタイトルでリハビリテーション部の北村先生とお話をして きました。 私の方からはまず、脳卒中について大まかに説明し、続いて脳卒中の予防では、生活習慣病の チェックと脳卒中の危険因子の評価が重要で、そのために脳ドックの利用やかかりつけ医との相談 が重要であることを強調して説明させていただきました。当院での最新のガイドラインに添った脳ドッ ク、五條市の脳ドックの募集条件、当院での施行状況についても説明いたしました。 また、脳卒中治療では、急性期において早期治療開始が大変重要です。それは発症4時間半以内 であれば経静脈的血栓溶解療法で、約40%の患者さんの社会復帰を得ることが出来、また、発症8 時間以内の患者さんでは、血管内治療による血行再建術で80−90%患者さんの再開通を得て、やは り40−60%の患者さんで症状が大きく改善すると言われています。さらに再開通が30分遅れることで、 家庭あるいは社会復帰できる予後良好の方が10%減少するという報告もあります。地域での最短時 間での治療開始が必要となります。脳卒中協会では脳卒中早期治療について「FAST」という標語を 作っています。それはFは顔面、Aは四肢、Sは会話、Tは時間の頭文字で、顔面、四肢運動•感覚、会 話に症状が出現したら、時間をおかずに救急受診するという内容です。これらのことを参加された方 に説明し、社会全体での取り組みや五條病院での最近の取り組み、五條病院で出来る脳卒中急性 期治療を紹介させていただきました。 参加者の方には熱心に聞いていただき、多くの質問をお受けしました。このような活動によって、地 域の脳卒中とその治療について少しでも理解を深め、脳卒中による後遺症や寝たきりになる方を少 なくするために貢献していきたいと思わされました。 ㊧ 鳥海先生、㊨北村先生の講演を熱心に聴く市民の皆さん 3月14日(土)に五條病院出前講座で講演しました。鳥海先生が「脳卒中のあれこれ」というテーマ で話をされた後、リハビリの観点から脳卒中の予防の話をしてきました。 脳卒中の予防には肥満の解消だけでなく、筋力強化をして基礎代謝を向上させることが必要で、そ れは転倒の予防にもなります。毎日、少しずつ姿勢の維持・ストレッチ・運動・筋力強化をすることで 健康寿命を延ばすことができます。皆様も、気をつけてください。 リハビリテーション部 北村 亨
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